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ichizu na dokusenyoku
なんとなく、表紙イラストやあらすじその他からのイメージで、なかなか読む気になれなくて積んでました。出た時に買ってたのに。
なんというか、もっと『アダルト』とか『ベタ甘』って感じの王道ストーリーだと思ってたんですよね。
私は『王道』は好きなんですが、セレブなスーパー攻系統はあまり好みじゃないので、ちょっと引いてしまったんです。
何しろ、ビーボーイで帯コピーが『セレブ社長に愛されるスイートラブ』ですから・・・
でも、思い切って読んでみたらなんとも初々しくて可愛いラブストーリーだった!勝手な思い込みはダメだと反省しました。
『身体から~』ではあっても、決して『無理矢理』じゃないのもよかったですね。←ものすごく苦手なので。
それに伊佐(攻)が、確かに強引ではあるんですが、身勝手で傲慢な俺様ではなかったので安心してストーリーを楽しめました。
夏目(受)は、ものすごく粘着質なキャラクターですね。
初恋の親友に13年も片想いしていたのが、彼が結婚することになって失恋して・・・
冷静に考えるとコワイくらい彼しか見えていない。
とにかく、伊佐がとても魅力的なキャラクターでした。
身勝手で傲慢な俺様セレブだったら(BLの攻として)珍しくもないし私はキライなんだけど、こういう『セレブ攻』ならいいなあ。
伊佐は私にとっては(たぶん一般的な意味とは違って)『スーパー攻』でした。
『夏目の失恋の痛手を癒すためでいいから』ととりあえず付き合うことになって、デートして甘やかしてHもして、でもまだ伊佐を好きなわけではない夏目に抵抗感があるため、絶対に挿入はしないんです。
ただ『ユキ(夏目)はそのうち俺を好きになる』と繰り返し・・・
う~ん、これはなんて言うんだろう。余裕のある大人?それともヘタレ?
どちらにしても、私はこの伊佐のキャラクターは大好きです!
夏目も、初恋の彼を思い切れずに引き摺りながらも、だんだん伊佐に惹かれて行きます。
そりゃこんなイイ男に傾かなきゃ嘘だろ!って感じですよ。
ホントいいなあ、伊佐。
でも、私は夏目も結構好きなんです。最初はちょっとどうなんだ・・・と感じましたが、天然で後ろ向きで自分にも無頓着で、でも可愛くていいと思えました。
ラブの流れがゆっくりだけど、その分とても丁寧で無理がないんです。
読む前に持っていたイメージはいったい何だったのかと思うくらいに、優しくて真摯なラブストーリーでした。
後日談SS『一途な週末』
ひとつひとつの夏目に関するエピソードが面白過ぎてどうしようかと思いました。いっそギャグなのか!?
とりあえず、伊佐は確実に負けてるよ。
そして、伊佐が妥協していたはずが、実は夏目も(アレで!)妥協していたという。
最高でした。 この短いストーリーに吉田さんの力を感じました。いや、ホントに。
ある意味、表題作よりSSの方が好きだ。
トータルでは、ホントに『読んでよかった!』です。
ただ、イラストが・・・
周防さん、絵柄はとても綺麗で素敵だとは思います。絵は決してキライじゃないんです。
ただ、小説挿絵としては正直苦手です。
電子書籍版を購入。
表題作、後日談の「一途な週末」、単行本未収録SS「君といつまでも」が収録されています。
挿し絵あり、あとがきなし。
神評価です。
いや~、全てがツボりました。
攻めのスマートさも、受けのキャラクターも。
そして、表題作もその後のSSも。
スーパー完璧マンで少し強引な俺様なのに、受けにだけヘタレな(優しいだけ?)攻め(でも、ネガティブうじうじ系ではない)。
超美貌なのに、その魅力に気付いていない天然小悪魔な受け(でも、鈍感でアホな子とは違う)。
私、自覚がなかったけど、こういうの大好きだったみたい。
このさじ加減が絶妙。
表題作は受け視点で、受けの切ない片思い、そして新たな恋心への戸惑いが丁寧に描かれてます。
恋愛経験ゼロな受けの目を通しているのだけど、ちゃんと読者には攻めが受けにメロメロで大事にしているのが伝わります。
SSは、2作とも攻め視点のコメディ。
斜め上をいく受け(本人は自分が常識人だと信じて疑わない)に、翻弄される攻めが描かれてます。
惚れた弱み……とお互いに思っているという話。
未収録の限定SS「君といつまでも」は、ジュエリーの新作発表会のパーティーのお話。
受けの好みドンピシャな丸顔のゲイの登場に攻めがヤキモキするのですが……オチに思いっきり笑わせてもらいました。
切なくて、楽しくて、そして甘い。
そんな作品をお探しの方におすすめです。
電子書籍版で購入。
表題作とSS「一途な週末」「君といつまでも」(単行本未収録)の2本
長い片想いの相手・新倉のできちゃった結婚により決定的な失恋をしてしまった税理士の夏目(受け)は酔った勢いで得意先の輸入会社社長の伊佐と寝てしまいます。敗れた恋の痛手を癒やすために付き合おうと言われて夏目は新倉に心からおめでとうと言うために、伊佐と付き合ってみることにするのです。
夏目は初恋の新倉一筋13年で両想いになるとは思っていないけれど諦めきれないでいました。子供ができて結婚すると聞いて、失恋に苦しむ夏目に伊佐は軽い感じで誘ってきます。最初にホテルの部屋に連れ込まれるのは嵌められたって感じでしたが、そこからの誘い方は絶妙で、軽いけど優しいくて辛い気持ちを紛らわすのに甘えてみたくなる雰囲気なのです。
その後も新倉からダメージを与えられた時にタイミングよく側にいて辛い夏目を甘やかせてくれます。そして、夏目がok出すまで最後まではしない紳士的なところもあります。
伊佐は美しいものが大好きで一部のスキもなく、服装にしてもインテリアにしてもこだわって生きています。手広く遊んでいるようですが、過去の経験から男はどんなに想っていてもステータスの上の人に乗り換えられると思っていて、新倉と比べて何一つ自分が劣っているところがないのに夏目が一向になびかないことに戸惑っています。
伊佐が初めから本気だったのか、初めは面白がっていて途中で本気になったのかはよくわかりませんでした。ただ、最初は今までの相手と同じような態度で接していて、自分の主張を曲げない夏目に折れるということが多かったのが、本気度が上がった最後のほうは夏目の反応をこわがっていたのが印象的でした。
ちゃんとすればモデルもできそうな美人なのに、顔なんて目鼻が揃ってればみんな同じと言い切り、見かけには全く頓着せずなんでも合理的に行動する夏目がとても楽しいです。
どんなに伊佐が力説しても理解できないといって一刀両断する姿も面白い。
本編は、伊佐が頑張って頑張って夏目を振り向かせたという感じで、夏目はずっと切ない気持ちでいっぱいだったけど伊佐が夏目を甘やかして少しずつ心がほぐれていく過程が良かったです。
そして、二人でいるうちにお互い許容範囲が広がって、周りの人に与える印象も変わり、お互いの人間性を高め合えるいい関係だと思いました。
本編も楽しかったですが切なくもあったので、楽しいという点ではSSのほうが面白かったです。
2編とも伊佐視点です。
「一途な週末」
毎週末泊まりに来るようになった夏目の言動の楽しさが書かれています。
完璧にそろえている伊佐の部屋で毛玉いっぱいの500円のスウェットの上下を着てゴロゴロしているとか、マグカップで全ての飲み物を飲んでしまおうとするとか、伊佐にしたら驚愕のことをしていても惚れた弱みで折れてしまうのが楽しくて。
伊佐としては、自分ばかりが折れていると思っているようですがそうではなく、夏目ももできるだけ合わせようと努力していると涙ながらに訴えるのも楽しい。
好みが正反対の二人が一緒にいるようになってそれぞれが少しずつ歩み寄っていくのも愛は偉大だと感心しました。
「君といつまでも」
これが一番好きです。
最初の笑いは、ビンゴゲームで当てたと喜んで伊佐の部屋に持ってきた趣味の悪いマグカップに、言いたいことは山ほどあるけど色々言葉を飲み込んでいる伊佐の姿です。
そして、エッチしたいときだけ伊佐のことがかっこよく見えるという夏目に、「好みの丸顔じゃなくて残念だ」と嘆くと「男は顔じゃない」と誰が見ても色男の伊佐に言って慰める姿はシュールです。
メインは、ジュエリーのお披露目パーティーで、夏目がモデルとして半ば騙されて連れてこられます。伊佐は、夏目の好みど真ん中の丸顔でほんわかなフロアマネージャーの安田がずっと夏目の側にいるのが気になって仕方ありません。
そんな伊佐に元恋人がわざと夏目に嫉妬させようとするので誤解されるのが怖くてそれも気になって。
安田に運命を感じたらどうしよう、元恋人のことを誤解したらどうしよう、とそればっかり考えている伊佐に、物語最初の大人の余裕は微塵も感じられません。何人もの男を袖にしてきた色男が台無し。
そして、伊佐だけが夏目を大好きなのではなく、伊佐の一大事と聞き、取るものもとりあえず部屋着に上着を羽織っただけで駆けつけ、やりたくないモデルも伊佐が頼むから我慢して、
色々気にしていた伊佐が拍子抜けするほど伊佐大好きなのです。
最後は一回り年上の伊佐の介護をするつもりでうきうきしているという夏目の発言にはちょっと感動です。
でも、慌てて出てきたためほったらかしの伊佐の部屋の惨状でまた笑かされます。伊佐はこの惨状をみて夏目が自分がいない間に何をしていたのか正確に看破するのです、「ポテトを食べて、コーヒーこぼして、ティッシュで拭いて、ゴミ捨てに失敗して、仕事しようとして、ゲームして、飽きて何一つ片付けないまま昼寝してた」と、もう笑えて笑えて。
そして、伊佐と出会うまではまっさらだった夏目が誘うのが上手になり、やけにエロくなっているのも良かったです。
この単行本未収録SSは何度読んでもずっと笑っていられるくらいおかしくて、電子書籍買ってよかったと思いました。
ファンの方には申し訳ないですが、個人的な意見として、ギリシャ彫刻のような美貌の夏目やイタリア男のような艶のあるハンサムと言われる伊佐のイラストに、周防さんは合ってなかったんじゃないかと思います。周防さんの絵は色気があって好きです。が、どちらかと言うと刑事や作業服とかの男臭い色気のイラストがうまいと思うのです。
あくまで個人的な好み問題です。最後に落とすようなことを書いてすみません。
長年想いを寄せていた幼馴染の結婚が決まってボロボロな受けを身体で慰めるという始まりだけど、傷心につけこんで……といった悪印象はありません。
攻めは遊び慣れた大人なスパダリって感じで、多少強引なところはあるけど、気遣いができて何しろ存分に甘やかしてくれる。
多分、最初は攻めはそこまで本気ではなかったと思うんですよね。
失恋の痛手を忘れるために自分を利用していいよ、俺も自分好みの綺麗な子と付き合えてラッキーだしさといったノリというか。
それが一緒にいるうちに次第に変化していくんです。
余裕たっぷりだったはずが、なかなかなびかない受けを手に入れようと必死になっていく。
最終的には、マイペースな受けに振り回される事すら甘受してる様子が萌える。
愛だわ、愛って感じでその変化に萌える。
出会った当時は「なあ、俺とつき合ってみない?楽しくつき合って、飽きたら終わりでいいじゃない。」と軽く口説いていた人が、最後には「俺のこと好き?」「本当か?本当に?」と食いつき気味で尋ねている姿がとにかくめっちゃかわいいなぁと。
そして受けの心境の変化も丁寧に描かれているので、消化不良感がゼロ。
あれほどしぶとく幼馴染への想いが心を占めていたのに、いつしか攻めを好きになっていたという気持ちの変化に無理がない。
そして幼馴染への想いが昇華されるシーンがほろりとします。
ーーー
電子の未収録SSは神としゅみじゃないが混在してます。
「美こそ全て」みたいな美意識高い攻めが、絶望的に無頓着な受けを受け入れている様子はすごく萌える。
なんだけどマグカップの趣味の悪さ……。
モノに拘る攻めの気持ちもわかるので、ちょっと攻めが気の毒な感じ。
それとだらしないリビングの様子。
それを良しとしてる受けになんかイラァっとしちゃうんですよね。いつも。
常日頃、片付けられない我が家の男どもにウンザリしてるので、受け、おまえもか!みたいな。
だからこそ「恋とは忍耐、そして寛容を学ぶ人生修行なのだ」と悟りの境地に至った攻めの言葉がめちゃくちゃ沁みます。
私はまだまだ修行中の身なのでイラッとしちゃうんだけど、悟りの境地に至ったらこの受けの有様も微笑ましく読むことができるのかもしれない。
百戦錬磨の攻め様の必死さがとてもツボで、大好きな一冊です(≧▽≦)
受け様は税理士の夏目。
13年片想いしていた幼馴染みの新倉が結婚すると聞き、失恋で傷心真っ只中に訪れたバーで、大人の色気漂う男性から口説かれる。
このハンサム男が、攻め様の伊佐。
いやー、遊び馴れた感たっぷりの伊佐。
部屋へ誘って、ベッドまでいくのが実にスマート!
おおっ、こうやったら不自然じゃなく部屋に連れ込めるのか、と学んでしまいました(#^.^#)
失恋の傷を癒すためにも付き合おうよ、と軽いノリで言われ、気持ちの整理をしてちゃんと結婚おめでとうを言いたい、と夏目は伊佐と付き合うことに。
軽いノリといっても、伊佐はチャラい訳ではなく、むしろ誠実なくらい。
美味しいものを食べて贅沢な時間を過ごし、ともかく甘えさせてくれる伊佐。
めっちゃ贅沢(*^^*)
最初は、百戦錬磨の自分になびかない夏目を面白がるような余裕があった伊佐が、新倉への嫉妬も露に、独占欲を出していくのがとっても萌えでしたσ(≧ω≦*)
また、いい人の立ち位置だった伊佐が、一緒に過ごして人となりを知っていく内に、気になる人になり好きだと気付く夏目の気持ちの育ち方もよかった。
自然と新倉の結婚を祝う気持ちになっていた、夏目の初恋の昇華が心地よくて、私もよかったね、との気持ちになりました(⌒‐⌒)
伊佐がえっちの時だけ夏目を呼ぶ愛称"ユキ"。
必死に口説いている時に、「ユ、夏目」と何度も訂正してるのにはふふっとなりました。
でも、その必死さがかわいくてキュンですよ!
とても楽しく何度も読み返しています(*´ω`*)
レビューを読ませてもらったら、電子のSSがとても好きそうな気配。
紙で持ってるのだけど、電子で買いなおしちゃおっかなぁ。
オビの通り、「セレブ社長に愛されるスイートラブ」です。
しかし、受けが攻めになかなか落ちない、マイペースで我が道を行くタイプなので、一筋縄ではいかないところもあり。セレブな攻めやその友人に囲まれてもあまり染まらないというか、庶民派のポリシーを通す時は通すところが面白かったです。
初恋の相手に失恋したばかりという事情も手伝って、意外なストーリー展開はないけど大人の恋愛のもどかしさを楽しむことが出来ました。
受けが少し受け身過ぎる感じもしましたが、失恋直後で恋愛にも奥手だったらこんなもんかなと、個人的にはアリでした。
4回ある絡みのうち、挿れるのは気持ちが通じ合ってからの最後の一回だけ、という真面目な(?)お付き合いも、ジレジレして逆に良かったです。
攻めも、優しいスーパー攻め様風に登場したものの、受けにハマって嫉妬や子供っぽい一面も見せたりと可愛さもあり。尊大な態度もとるけど夏目の気持ちを尊重する柔軟性もある良いキャラでした。
話の内容としては、税理士・夏目(受け)は、小学校の頃から好きだった幼馴染みの結婚にショックを隠せない。そんなときにバーで出会った大人の男・伊佐(攻め)に優しく抱かれ(こすり合いまでですが)。
翌朝、伊佐がクライアント先の社長だったと知り、距離を置こうとするも伊佐はアプローチをかけてきて、一緒に出かけるうちに伊佐の優しさに惹かれていき…という話。
恋愛に臆病な夏目が、伊佐を他の人に取られるのは嫌だと感じてようやく、好きだと自覚する。
そして自分から会いに行こうと…する前に伊佐が夏目に会いに来るあたり、夏目は本人の意志に関わらず姫キャラだなとは思いますがw
夏目が受け身な態度から、自分から伊佐に好きと言えるまでに進歩してよかった。
伊佐も、最初は夏目の外見に惚れただけ?と思いましたが、実は初恋の人との苦い過去があり。その初恋の人と違い、金や地位にこだわらない夏目の素朴さに惹かれたのかもしれません。あるいはハンター気質というか、つれなくされると燃えるのかw
最後の絡みは、珍しく余裕のない伊佐と初々しい夏目が可愛かったです。
後日談「一途な週末」は、ラブラブながらも、生活スタイルの合わないところも多い二人が、その噛み合わなさを埋めようと、互いに合わせようと頑張っている…という微笑ましいバカップルなお話でした。
そして、そんな二人をひやかしつつも背中を押す、伊佐のゲイ仲間達が、いい脇役として物語を締めてます。
ゲイ友でアパレル店経営者の三木や、伊佐の元カレでゲイ界の有名人・リヤなど、彼らの恋愛遍歴やゲイライフが気になる、毒と含蓄と存在感十分な脇キャラ達でしたw
なんとも魅力的なカップルが相愛になる様子を描いた作品なのですが、
攻め様は自分に自信がある若干オレ様でイタリア男みたいなノリで相手を口説くような
タイプなのですが、受け様と出会った事でその自信も凹み気味で結果的には惚れた方が
負けだろうみたいな展開になります。
そんな攻め様のお相手は長年幼なじみの親友に片思いしている見かけはクールビューティー
でも中身は対人スキルが乏しくて、人を寄せ付けないような生真面目さを持っていて、
好きな相手に何でも合わせる一途さもあるけれど、それ以外の人間には結構容赦なく
マイペース発言をしてしまうようなタイプ。
その二人の出会いは受け様が担当する事になった会社のエレベーター。
仕事が出来そうな人だと思う程度で、自分には一切関係がないけれどなんて感じなのですが
偶然またしても一緒になり、攻め様に冗談一つ返せない受け様ですが、何故か人気の
ホテルのメインバーの招待券を貰ってしまう。
絶対こんな高級そうなところはいかないだろうと思っていた受け様は親友の結婚すると
言う話を聞いて、失恋のショックで招待券があると思い出しバーへ出向くがそこで再び
攻め様と再会し、一緒に飲む事になるのです。
初めは緊張していた受け様ですがお酒が入ったことと、攻め様に失恋を言い当てられ、
何故か親友との事を話してしまう。
結果的には弱った受け様を言葉巧みにだましてホテルの部屋に誘い込んで抱き合うが
最後までは出来ない、それは受け様が弱っていても初めてなので許さなかったから。
攻め様は綺麗なものが好きで受け様の美貌に惹かれて、モーションをかけるのですが
翌日素面になった受け様は後悔しまくりで相手が仕事先の社長と聞いて更に仰天。
攻め様は自分がフラれるとか、相手にされないとかが信じられないと思っているのですが
受け様の好きな相手の写真を見て絶句してしまう。
丸顔の決してイケメンではない相手に自分が負けてるなんて思えないのは笑える。
自分に靡かないで親友に片思いして失恋のショックを引きずる受け様を自分に振り向かせ
ようとするところから次第に本気の恋になっていく。
受け様は親友を諦める為に攻め様に軽い気持ちで遊ぼう的な付き合いをしようと言われ
初めは倫理的な道徳観で拒絶していたが、親友の事で弱った時に優しくされて、
流されるように軽い付き合いをする事になります。
それでもこの受け様意外に失恋の痛みを長く抱え、攻め様に俺を好きになると言われても
はっきり拒絶&否定してる強者でもあります。
恋愛関係にないから、受け様も攻め様に対しては遠慮なく思った事を云ったりするけど
その関係が恋を自覚するとギクシャクしてしまう、本気の相手には臆病になるよねって
共感してしまう、一回りも年の差があるけれど、結果的に受け様に敷かれてる感じがいい。
書下ろし部分でいつの間にか受け様に頭が上がらなくなっている攻め様を可愛いと
思ってしまうし、受け様がこれでも妥協していたのかと思える二人の生活レベルの
違いにも何故か微笑ましい感じがしてしまう。
個人的には物凄く楽しんだと思える内容でとても面白かったです。
電子書籍で読了。挿絵あり。あとがきなし。単行本未収録の『君といつまでも』(リブレの小冊子に収録されていたものかも?)が入っていました。
人気が高くレビューも多い作品なので、感想のみで。
吉田ナツさんはこのサイトで『嫁いでみせます!』をご紹介いただき読み始めた作家さんです。ベテランさんだとは薄々知っておりましたが小説JUNEの『道場』出身だったのですね。今まで読んだものの中に、自分の趣味とはかけ離れていたものがないので『もっと前に読んでおくべき作家さん』だったのねと、ちょっと後悔しております。
今作を読み終わって、ナツさんの作品の何が好きなのか考えてみたのですけれど、2点気づきました。
ひとつ目は『見た目の軽視』。
いや、美しいのですよ、受け様も攻め様も。
でも、物語が進むにつれて、最初はその美しさに惹かれたはずなのに、その影に隠れていた内面がどんどん好きになっていく。たとえそれが自分に好ましくないものであったとしても、好きになるのを止められない。
「実際もそうだよねー」と思います。実にリアルなんです、その感じが。
2つ目は『相手を尊重している』こと。
恋は盲目なのかも知れませんが、勝手に解釈されて(本当は違うのに)その解釈を押しつけられるのは不快です。その不快さが物語の原動力になっている作品もありますが(ストレスはアドレナリンを出しますからねぇ)ナツさんのお話はとてもとてもストレスフル。
同時収録作品に顕著なのですけれど、伊佐には「せっかくあれだけ見目麗しいのだから、夏目は常にこうあって欲しい」という願望があります。
でも、それを押しつけないのですね。押しつけたら夏目が不自由になるから。
ああ、なんて素敵な男性なのでしょう!
よく「BLはファンタジーだ」と言われますが、乙女の願望をリアル寄りで描いてくれるのが吉田ナツさんなのだなぁと、今作を読んで思いました。
あ、こんな男性は希有だから、やっぱりファンタジーなのかな(笑)。
ここのところ立て続けに読んだ作品が性格悪め最低な攻めが多かったせいか。
ちょっと疲れてたのも相まって、すごく萌えました!
はーやっぱBLの攻めはこうでないと+゚。*(*´∀`*)*。゚+ と原点に戻った気分ですw
贅沢大好きスーパーセレブな攻めなのですが、
会話がチャラいところはさて置き、余裕のある優しさがとても良い。
いい意味でお金持ちゆえの大らかさと安心感。
上に立つ人特有の強引さも嫌味がなくてスマートです。
ハラハラギスギスなストーリーも良いですが、
ふんわり包まれるような優しく甘いBLの安定感は癒されますねぇ…。
そんなスーパーセレブ様から与えられる贅沢の数々や初めて経験に
「うわぁぁぁ!すごい!(キュン…惚れた)」とならない受けも又良いのです。
むしろ金持ちの遊びに呆れ気味で、こだわりメンドクさ…というのがブレないw
どこまでも庶民感覚を貫くちょっぴり天然な受けに攻めが振り回される図が微笑ましいです。
受けにとって攻めの金持ちイケメンのハイスペックはどうでも良く。(興味ゼロ)
攻めの本質・内面の優しさに救われたことから惹かれていく過程も好感が持てました◎
受けの失恋を癒す攻めは手八丁口八丁が呆れるぐらいお見事w
言い方を変えれば弱みにつけこんでるようにも見えちょっぴり苦笑してしまうのですが、
でも受けの様子を見てると本当に良い薬になったようで優しさが沁みました。
日常とベッドの上で呼び方を変えるのはエロティックですねー(∩´///`∩)
「夏目」から「ユキ」と変えた瞬間がスイッチの切り替わりとなり、
一気に淫靡な空気になるのが良かったです///
巻末は攻め視点で綴られ、恋人同士になってからの後日談。
すごく面白いです。
金持ちと庶民、1歩ずつ歩み寄ったところで到底超えられない深い隔たりww
生活習慣に対する距離の遠さ、だけど愛があればそれも良いよね!という糖分の高さ。
2人の仲良しっぷりに当てられました+゚。*(*´∀`*)*。゚+
吉田ナツさんの作品はツボに入ることが多いので、作家買いしました。
結果として満足。
丸顔凡庸の親友にずっと片思いしていた会計士の夏目(受)と担当会社社長の伊佐(攻)の話。
夏目は見た目は綺麗なんだけど、自分には無頓着だし、ずっと親友に片思い。
対する伊佐はイケメンだし、金は持ってるし、モテるし自分に自信があるタイプ。
夏目は片思いの相手・新倉が結婚することになり、傷心の中、伊佐と関係を持ちます。
傷心の夏目を支えてくれる伊佐にほだされていく形で進んでいきます。
体から入るLOVE、好きです。
そして初期の夏目は新倉を好き過ぎる(笑)趣味や友人関係も新倉つながりだし、新倉をdisった伊佐とケンカになるほど。自他ともに見た目に拘らないタチらしい。
金持ちだしイケメンで相当なモテ男な伊佐にアタックされても、「え?何?」ってくらいのマイペースな夏目が良かったです。
巻末の「一途な週末」でも俺様なはずの伊佐が夏目に振り回されちゃってるのがいいです。夏目自身は自分が伊佐に振り回されてるって思ってそうですが。