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なぁ、先生。俺はな、ずっと後悔してることがあるんだ
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
これでオヤジ開眼をさせられたという自分にとって憧れの最強オヤジ攻め斑目と
ドヤ街でほとんどボランティアのような診療所を開いて「医者」としての姿勢を貫く極貧だけどまっすぐな坂下医師の物語は、とうとう次の巻でラストになるようです。
今まで少し見えていた斑目が医者を辞めた理由に触れ、彼の師である久住という老医師の登場と、斑目が医師を辞めた原因にも繋がる医療過誤により亡くなった少年の兄が、ホームレス支援のNPO団体の代表としてこのドヤ街にやってきたことから、この最終章は始まっていきます。
いつも斑目が自分の愚息をキャンディーバーだのなんだのと比喩する表現は、今回はなんと!”スカイツリー”(爆笑)
ビンビンのオレの電波、先生のアソコでキャッチしてくれ~♪って。。。
そして一番最初の巻で落ち込む坂下と斑目と交わったのと同じ桜の木の下での青姦が久々に登場して、少し懐かしさも。
何だか、この本のエッチ描写はエロいな~と実に思うのですが
坂下は息も絶え絶えに言葉は途切れて、あっ、とか はっ、とか、喘ぎともつかない切羽つまった感と快感に押し流される様子の描写と、斑目のフェロモン全開の攻め具合が、いい描写してる!となかなかに好きだったりします。
また、今回「おっ!」と思ったのは奈良さんの口絵カラー。
色見を抑えた手塗り感あるイラストと、最近また常々思っていた、目の鋭さのトンガリが減って全体のバランスとかイメージや雰囲気を重視して描いているのかな?という変化。
この作品にはこのイメージというものが多分一貫しているのだとは思うのですが、全体の流れを見ても試行錯誤のように変化を見せる絵もまた見どころなのかと。
中原作品に登場する老人は、ともすると”子泣き爺”や”砂掛けババァ”描写なことがとても多く、今回登場した久住医師もいきなり登場は子泣き爺呼ばわりでしたが、この老人がこの街にやってきた意図は、とてもラスト展開に重要であるキーパーソンでしたね。
斑目の人間性に惹かれ、医師としても尊敬し憧れる対象がはっきりと愛してる対象になった坂下と、
この街に来て坂下と出会った事で、彼が本当に求める「医師」の姿に惚れ、坂下自身にも惚れて愛してる斑目。
彼等の道はどうなってしまうのか?
ああ、どうかいいように転がっていきますように!!
そして【双葉パパの奮戦】ではドヤ街を卒業して、自分の息子である洋と暮らす日の為に頑張っている双葉の姿。
まだパパと認めてもらってないながらも、少しずつ近づいていこうとする双葉の姿が見られました。
彼は彼の人生を歩み始めている。
その選択は坂下と斑目にも訪れているんだと、彼の姿にほっとする面も感じながら寂しい気持ちも少し。。。
※(萌えとは関係ないのですが)
この物語が、ドヤ街の日雇いの人々やホームレスの人々という社会問題にも触れながら進行しているのは承知なのですが、今回出た生活保護の搾取やホームレス・日雇いを使った闇ビジネスの話に触れています(それがヤマの場面に繋がるのですが)
確かに社会問題となっている部分ですが、現在福島原発の作業をしている人達も、日雇いで数次下請けにより全国から集められた人々が国が提示した賃金よりはるかに安い金額と劣悪環境で働いているのだと聞きました。
物語だけではなく、実に現実の問題も思い起こさせ考えさせられる視点だったな、と思われます。
坂下&斑目シリーズ5巻。
斑目の過去が分かり、坂下との絆もさらに強固なものになりますが
二人の未来に関しては不穏な空気も漂う「引き」で、次巻でどうエンドマークが打たれるのか非常に気になります。
斑目のセクハラは今回も絶好調。「俺のスカイツリー」が光ってましたw
ストーリーが斑目の過去や現実の社会問題にも関わる重いものだけに、
深刻さを表に出さない斑目の明るさと懐の深さが救いでした。
ホームレスを狙った悪徳NPO団体。
その代表・美濃島は、医者だった頃の斑目に遺恨がある人物。
現実社会でも取りざたされているため貧困ビジネスの問題について考えさせられる巻でした。そんな人々を助ける坂下と斑目もいわゆる「底辺」の存在であると再確認されるような描写が辛いですが、医者として分け隔てなく患者を助けていく二人は人として非常に真っ当で男前だなと思いました。
そしてもう一人の新キャラ・久住。子泣きジジイかと間違われるようなおどろおどろしい登場ですが、その正体は斑目の師匠で、医者に戻らないかという話を斑目に打診。素直に送り出そうという気持ちになれない坂下は…というところで次巻。
前巻の双葉の件でも思いましたが、皆いつまでもドヤ街でワイワイ楽しくやってるわけにはいかないんだろうなと、一抹の寂しさを今回も感じました。
斑目の答えは次巻に持ち越しですが、前に進む上で別れは避けられない予感がします。
離れても縁が切れるわけではないけど、出来ればドヤ街での楽しい日々をそのままにエンドマークが打たれることを祈ります。
ちなみにその双葉。前巻までの斑目とよきコンビが解消され寂しく思ってたら、
電話口や巻末の描き下ろしで登場してました。施設にあずけられている息子と動物園へ。一緒には暮らせないし「おじちゃん」呼ばわりだけど、息子の存在に幸せをかみしめている双葉。いつか「パパ」に格上げされるといいなと思います。
良き仲間の双葉が出て行き、時折届く便りに彼を応援し懐かしがりなから
ドヤ街の医師坂下の日々は、いつものように過ぎていっていた。
班目はウクレレを弾きながらセクハラ替え歌を歌い、診療所の待ち合い室では
オヤジ達が賑やかに過ごし、空いた時間には街のホームレスを見回る…
そういえば、ホームレスの数が少し減っているような気がするが…と思いながら過ごす中、
あるい日妖怪のようなジジィが診療所にやってくる。
聞けばその妖怪ジジィこと久住は、班目の師匠で
離島の診療所をリタイアしたところだと言う。
彼を居候させることになった坂下だが、このジジィ流石は班目の師匠、
パワフルで一筋縄ではいかない。
彼と、貧困産業に関わるかつて班目と因縁のある美濃屋の登場によって
坂下は班目の過去を知り、そして彼がその過去に決着をつけて
この階段の踊り場のような場所から再び歩き出すべきであることを、知るが…
一方で、今ではもう分ちがたい程愛し合っている彼に出て行って欲しくない気持ちもあり…
というところで、次巻を待て!となっています。
美濃屋が関わる貧困産業は、現代の問題を写し取っており、
BLのLOVEではない部分で、考えさせられるテーマ。
一方のLOVEは、ふざけつつも二人の関係は順調。
この5巻目では、過去の傷も含めて支えあい愛し合うという真面目な感じが前面に出て
今まで以上にエロくてラブラブではあります。
それだけに、転機を迎えている班目の行く末が気になるところ。
後ろの『双葉パパの奮戦』は、新しい人生を歩き始めた双葉が頑張っているお話でした。
双葉も、坂下も、班目も、そしてどん底の生活の中でも
働けるうちは自分の力で生きていこうとしている日雇いのオヤジ達も、頑張れ!頑張ろう!
このシリーズも5作目、どこかの労働者ばかり集まっている地区を彷彿とさせるお話で
決して裕福ではない生活を日々営む労働者たちと共に利益度外視で働く医師の受け様を
中心に、元腕利き外科医のセクハラ攻め様や個性的な面々とで描かれた作品も残すは
完結編になる6作目を前にした大詰め作品。
今回は攻め様である斑目の師匠である子泣きじじいと受け様に間違えられた老医師も
登場して、人情味が溢れる作品にエロコミカルをまき散らしていました。
それに1番知りたかった斑目の過去、医師を辞めるきっかけになった出来事が明かされる。
更にホームレスが次々にいなくなる異変が起こり始め、受け様はその陰にNPOの存在を
知ることになるが、何故か釈然としないものを感じてしまう。
そしてその男の亡くなった弟と攻め様には因縁めいた過去があるのです。
医療過誤問題やホームレス、社会的に問題提起されているような案件で成り立ち作品。
でもその労働者の街で起こる様々な問題と小さな診療所が地域に根差した細いながらも
人との絆を大切にするような内容の作品で意外にハマるのです。
攻め様の過去が因縁となって今回はかなりシビアな展開もあり、気が気でない感じ。
混乱気味の後半、無事に収拾がついて二人の絆も強くなったような気がするのですが、
前に進もうとすれば、別の問題が浮上する。
攻め様の師匠がきた本当の理由、二人の今後が気になる展開で最終巻に向けて期待大です。
相変わらずセクハラ三昧の斑目、オカアチャン対応が板についてきた坂下のコンビに今巻は斑目の恩師である子泣きジジィ:久住が登場します。
のっけからスカイツリーやら『アソコ~♪』な歌やらこのシリーズらしいおやぢ風味満載のシモネタを見事に受信しました(笑)
関わってくる事件の内容と斑目の過去が明かされたことで斑目と坂下の関係が新たな展開を迎えることを示唆されていることもあり少々、波乱含みの巻。
『無法』に近い日雇い街を舞台としたダークな内容は読み応えがありです。
石田衣良さんの【池袋ウエストゲートパーク】でも以前、似たような貧困ビジネスを扱っていた作品がありましたが実際に存在するんでしょうね…行き場をなくして流れ着いた人たちを食い物にする輩が。
例によって火中の栗を拾いまくる斑目と坂下ですが彼らは街を救おう!なんて気負いはないのが良い。
日雇い街はもうそこでしか生きていけない人ばかりで、そんな彼らが(自分たちを含めた)ただ普通に生きていけるように『権利』を守ろうとするだけ。
ヒーローっぽくないけれど人としての最低限のラインを守ろうとするふたりのスタンスが好きです。
辛い経験を『糧』に生きていける人がいるその一方で『枷』になってしまう人も少なくない。
触れることも叶わない過去の出来事が現在とこれからを制限してしまうことがあります。
それを忘れられれば、もっと自由になれるのに…と、斑目の過去に少々、感傷的になった私の気持ちを上へ、と押し上げた双葉親子の話。
お弁当作りにいそしむ双葉が眩しい~。
パパまでの距離はまだ少しあるけれど少しずつ隙間は縮んでるような挿し絵が嬉しいです。
双葉パパが息子と2人で斑目や坂下with愉快な仲間たちに会いに行けるといいなぁ、目を細めてしまう自分がいます。
そういった楽しみも含めつつ斑目が次巻でどんな『これから』を選ぶのか少しこわごわ待つとします。
実は終わってしまうのが寂しくて買ってからしばらく読み進められなかった(笑)
あとがきから読んで確認してから読み始めたマヌケです。
奈良さんの絵(と色のトーン)がまた少し変わりましたね~。
このくらいの抑えた感じが好きです。
な、奈良さんの絵がまた変わりましたね・・・。
このシリーズで絵師さんが3人変わってるみたいだって言っちゃダメですよね、はい。
フォローするわけじゃないですが、奈良さんは他の作家さんの挿絵のときも、内容をしっかり把握なさって描かれてるなあと毎度感心します。
そして表紙の構図の素晴らしさ。これは色気たっぷりな頃よりも圧倒的に進化されてるな~。
双葉親子が似てるのもすごく良い。こういったところの手抜きのなさはやはり一流。
で、肝心の小説ですが、今回もまた斑目を通して中原さんならではのオヤジシモネタギャグ炸裂してたなあ、という。
だって~(思い出すだけで噴き出してしまう)『先生のアソコ』の歌!
あんな、いかにもスケベオヤジが歌いそうなくっだらない歌を思いつくって、中原さんしかいない!
元天才外科医→今ドヤ街の日雇い労働者と、日々奮闘する貧乏医師の育む愛、「愛してる」シリーズ第5作。
1作目は斬新な設定と攻めの斑目のワイルドセクシーな魅力、ヤクザも出てきて〜という展開だったけど、巻を重ねるごとに「ドヤ街」という場の設定を生かしての社会問題のようなものも問うような物語になってきた!
さて、5作目。今回は「貧困ビジネス」がテーマ。
個人がもらうべき生活保護費、それをホームレス達を集団で囲い込んで搾取する…数年前に社会問題として話題になりましたね。
正に舞台であるドヤ街と、そこに住む人々の状況を存分に生かしたストーリーになっていて見事です。
冒頭は、女っ気と娯楽に飢えたドヤ街の住人達が坂下診療所にたむろっている平和な風景。悪友の双葉が去り一人になっても坂下にセクハラを仕掛ける相変わらずの斑目。
(斑目がウクレレ抱えて歌う「先生のぉ〜アソコォォ〜〜ッ」は爆笑モノ!)
さて本作で登場するのは、妖怪子泣きジジイ、いや斑目の恩師・久住先生。
久住はすぐにドヤ街に馴染み、毎晩飲み歩き、街のオヤジ達と打ち解ける。
そんな時、街からホームレスが消えていく…という不穏な空気。その中心にいる人物と斑目は過去に因縁があって…
その過去とは、斑目が今でも後悔で苦しんでいる、ある心臓病の少年の死と医療事故。
後半はドヤ街に忍び込む「貧困ビジネス」と、悪徳NPOに搾取される労働者の暴走、巻き込まれる斑目と坂下、という緊迫と、斑目の深い苦悩が描かれます。
もちろん坂下の斑目に対する熱い想いも…
そして、ラスト。
この街にやって来た久住の本当の理由が明かされます。
それは、斑目に離島で医師をやってくれないか、という依頼。
立ち聞きしてしまった坂下の心は千々に乱れて…
さあ、斑目は今後どのような道を選ぶのか。坂下との関係は?
この話は次の巻に続きます。
「双葉パパの奮闘」
街から卒業し、今は施設にいる実子・洋を引き取るために奮闘している双葉の様子。
仕事も頑張り、毎週洋に会いに行く。洋はまだ素っ気なくてパパなんて呼んでくれないけれど、双葉は幸せだ…
優しくて明るい双葉なら、きっと洋ももうすぐ懐くことでしょう!
このオヤジ、かっこよすぎ。
肉体労働で鍛えた男らしい体躯で、オヤジギャグでラテン系の明るいエロフェロモンまき散らし、
オマケに前職は優秀な脳外科医で、いざとなったら、その手腕は神業。
ただのエロオヤジと見せて、実は受け一筋で、チョー愛して大事にしている。
そこへ、今回は更に、医師をやめるきっかけとなった過去に苦悩する姿なんて物も見せて、
もう、これ、
惚れるなっていうほうが無理だよね。
自分の身体なんかでちょっとでも慰めになるんだったら、もう、どうにでもして。
だよね。
このシリーズのいい所って、斑目より、寧ろ坂下の描かれ方。
坂下が、ちゃんと医師としての矜持を持っている自立する男でありながら、斑目との恋愛に於いてはメスで、その事に葛藤しながらも自分の意志でそれを受け入れていく。
この辺がBLの醍醐味だよなぁ。
と、
納得しつつも、今回、斑目も坂下もかっこよすぎて、捻くれたしらけ心が頭を擡げてしまったので、評価の+は無し。
ところで、双葉がいなくなっているって初耳なんだけど、わたしこの前の本、買っただけで読んでなかったのか?
発掘できるかしら。
生活が不安定な日雇い労働者達の為に診療所を開設して切り盛りしている青年医師・坂下の奮闘記、5巻目。
斑目が医師を辞めて街にやってきたのは未だに拭えずにいた過去の罪悪感が原因だった。
そういった過去を知るきっかけとなるのは、坂下達が暮らす街に貧困者の保護を銘打って活動し出したNPO団体『夢の絆』のスタッフの一人に医療過誤で亡くなった元患者の身内が居たから。
今までもヤクザに追い詰められたり執着心の強い腹黒医師に押しかけられたりとすったもんだはあったが、今回は貧困ビジネスといったいささかヘビーな話題が絡んでいる。
私自身は小説やコミックの物語がどんなにリアルであってもフィクションとして捉える考えだから、社会派BLってのは本当は好みじゃない。
…なんて言っておきながら、事件が起きてクライマックスまで持っていく展開に惹きつけられるのは、現実的な問題を題材にしていても物語上で上手く昇華されているからなんだろうな。
今回は、斑目の恩師である老医師・久住がひょっこりと現れたのだが、坂下が反発する事なく常に素直だった所から、彼がお祖母ちゃんっ子だったのを思い出した。
どうも坂下は老人に対して情に弱い一面があるよね。
久住じいちゃんが街にやって来たタイミングがこれまた絶妙で、斑目の医師魂がまだ消えてないってのはもう解っているんだろうな。
今後の斑目がどういう道を選ぶのかってのは、このじいちゃんにはお見通しなのかも知れない。