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nemurihime yoru wo aruku
不思議なタイトル、あらすじ、教師×生徒というシチュエーションに惹かれて
読み出したものの、単純に二人の恋の行方を追うだけでは済まない話だった。
受け・知春の不眠症のトラウマ、幼い頃にオルゴールを託した少女の行方、実は知春に何か隠し事をしている攻め・日野の本来の目的…と気になる点が出てくるばかり。
謎解き要素の印象を強く感じたが、二人が両想いになるまでの恋愛要素も伺えて良かったと思う。
いくら合意のうえでも教師である日野が、一生徒の知春に取引条件を出した形で抱くというドン引きしかねない馴れ初めから入った割には、無理矢理とか強引に襲うって陵辱味は皆無だった。
不眠症を抱えている知春の為なのだろうか?
何か知っていそうな日野には下心とは別の目的があるってのが透けて見えるし、話の流れ上必要な過程なんだろうなって思えてくる。
きっかけはどうあれ、初めて身も心も満たされた経験をした知春が日野に心を傾けていき、親戚兼クラスメートの昴との三角関係に悩んだり、周りに持て囃される程綺麗になったりといった、彼が速攻で恋に染まっていく経過が好きだな。
地元名士である父親の親戚筋からの嫌がらせや、行方知れずの母親、少女が見つからない不安には泣き言すら吐かない知春だが、日野が絡んでいると知った途端に心揺れる程に一途なのだ。
但し、後半から本家の後継者問題でバタバタした印象になってしまったのは惜しい。
そんな中で、昴も最初は何だか不思議な魅力がある子なのかと思っていたら、土壇場でいい子の仮面が剥がれたのには驚いた。
それ以上に驚いたのが、そんな昴の豹変ぶりから透けて見える本家親戚達との軋轢を淡々と捉えていて取り乱さなかった知春なのだが、複雑な彼の家庭環境に心を痛めた日野が彼の味方でいる事で彼を真剣に想っているのを確信できたのだった。
まぁ、いくつかの疑問も終盤では一気に解決して、全てが上手く収まったからいいかな。
知春も実は祖父母や両親の愛情に包まれていたって真実にはホロリときたが、オルゴールが物語の鍵になるって設定にはいまいちピンと来なかった。
それに、少女の正体に関する種あかしだが、この件だけはさすがに無理があるだろうと感じるぞ。
教師と生徒のお話なのですが、禁断ものかと思ったら意外な展開が待っている。
受け様は幼い日に出会った少女ともう1度逢いたくて毎夜朝方まで散歩といいながら
人探しをしている、それに過去に隣で眠っていた母親が突然いなくなった事がキッカケで
夜に眠れなくなってしまったトラウマもある。
眠れぬ日々を過ごしながら人探しをしていた受け様は中途採用で教科担任になった
教師の攻め様に徘徊していたところを見つかり、学校に知らせ問題にしない代わりに
愛人になれと提案され抱かれてしまう。
かなりこの辺は、なんて突拍子もない言い草で、こんな些細な事で脅されるように
抱かれてしまう事に違和感があったのですが、後に攻め様の下心の暴走&受け様を
眠らせてやりたかった的な事が分かり、後半の方で納得するような流れでした。
受け様は愛人の子供と言われ続ける中、そんな悪意に満ちた実父の親戚に苛められても
強く生きている感じで繊細かと思えば理知的でたくましかったりする。
受け様の意思とは無関係な所で家督争いに巻き込まれてしまうのですが、
単なる教師と生徒の関係で、ある秘密の仲でもあるがそれだけだと思っていたら、
攻め様には受け様に秘密にしている事があるようで、少しすれ違いが生まれる。
幼い日の初恋と再会、母親の失踪と家督争い様々な事が後半で一気に明るみに出るとき、
受け様の未来は明るいものになるようなストーリーでした。
結構前なのですが、染井吉乃さんの「虹の入江」シリーズにはまり、
とても好きな作家さんなのですが、今回は、どうも
登場人物を好きになれず、設定もなんとも突拍子のないよいうに感じてしまい、
楽しむことができませんでした。
シリアスめなのですが、おとぎ話のような雰囲気もあって良いと思います。
高校生の光岡は、トラウマから夜あまり眠ることができず、
夜になると、昔会った少女を探すために、
街や公園を歩きまわっている。
これを教師の日野に見つかってしまいます。
で、日野は、黙っている代わりに、愛人になれというのでした。
日野にも日野の立場や想いがあっての言動なのですが、
教師が気軽にそんなこと言う?みたいに引いてしまいました。。。
後半は、お家騒動など、実は・・・となる展開なのですが、
置いてけぼりにされてしまいました。