塩茶
red hot chili beans&holy shit christmas!
同人誌番号Op.32。19冊目の≪犬≫シリーズ。
「ゴールデンビッチ」「ゴールデンハニー」の商業番外、クラウディアと大吾のクリスマス。
全ページ数が40ページという薄い本だが、満足度は高い。
表題作、ふたりのクリスマスのお話が20ページ弱。
残りの2つのストーリーは4ページと5ページ。
イベント事となると、何らかやらかすわんこたち(と主たち)だが、クラウディアと大吾はどうだろう?
商業本編では、優しいけれどヘタレ気味。「ゴールデンハニー」では醜態をも晒した大吾の汚名返上となる一編ではないだろうか。
以下、ネタバレを含む。
表題作が一番ページ数が多いが、お仕事ではなく完全なるふたりのクリスマス。
クラウディア流のR18おとぎ話にうっかり笑わせられながらも、IQ200の≪犬≫の思考でドキッとするような持論の展開に、大吾と共に頷いてしまう。
こういう姿が、本編の天使ビッチな彼の姿と重なりキャラクターに深みを持たせ、本編を読み返さずにはいられない思いになるのだ。何度でも読み返したい。
そして聖夜の騒動、明けたクリスマスの朝。
出かけた寒空の下、ふたり・・・。
・・女子の大好きなネタである。おとぎ話の結末はこうあってほしいと。
何度でも言うが、商業で本編と共に読まれてほしい。
あの、ボロボロだったクラウディアが掴み取った幸せのかたちに涙ぐむ。
残りの短いストーリーは、本編SSの更に続き。そして、イベント事を大切にするわんこ周辺の、公安の七夕ネタ。七夕は五係も行っているので、違いが周囲の面々含めておもしろい。
他の主たちと違って、言葉を尽くす大吾の性格も「My Fair Lady」から納得の姿だ。
作品の間の小ネタも楽しい。
そしてあとがき、
青砥がクラウディアと会って五係と合流、、
するんですか?!!待ってます!待ってます!!待ってます!!!
ワクワクするような続きが作家の中には眠っているらしい。
どうか、届けてほしい。と、心から願う。
クラウディアではないが、七夕の短冊に記してでも祈りたい。
どうか、続きを!!!
1編目が表題作です。
2人で迎える初めてのクリスマス。
『いい子にしてるとサンタがプレゼントをくれる』という大吾にクラウディアは『俺は無理かな(いい子じゃないから)』『だって今まで来たことがない』
ひとりでギリギリ生きてきたクラウディアに、大吾は『靴下を下げてなかったから来なかったんだ』と今年は大丈夫と励ますんです。
そしてクリスマスイブの夜、何故かクラウディアに薬を盛られて倒される大吾。
翌朝目覚めて、枕元に見たものは?
そして『サンタが来なかった』とガッカリするクラウディアに、予定外に倒されていたサンタ・大吾は・・・
コミカルでいて、とても切なく素敵なラブストーリーでした。
大好きです。
2編目『そして実測』
商業誌『ゴールデンハニー』発売時に、玄上さんのサイトで公開されたSS。
私はサイトでリアルタイムで読んだんですが、今回再録で読んでもやっぱり面白い。
本編の事件のように、今度大吾と離れた時のために発信器が欲しいというクラウディア。でも(研究所の言うような)体内に埋め込む発信器なんてつけさせないという大吾に『取り外し式のを作ってくれるから』とねだるクラウディアに負けて研究所に赴いた大吾を待っていたものは・・・!
いいです。最高です。私は、玄上さんのこういうコミカルなSSが大好きです。
これは『~ハニー』のSS『自己申告』と繋がってます。タイトル通りですね。つまり実測されるのはアレなんです。
3編目『七月六日~フラグは先に折る。』
七夕の前日。何故か捜査室に笹飾りが立てられます。
『願いごとを書いて笹につるすと叶う』と言われたクラウディアが書いたのは・・・
切ないのかギャグなのか。イヤ両方か?
40ページちょっとと薄いんですが、とてもよかったです。というか私はホントに『ゴールデン~』シリーズが好きなんだと実感しました。
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