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軟派な俺様キングVSクール美人王子様――危うい恋の駆け引き
受けも攻めも刑事。捜査一課!私の大好きな。設定が複雑で面倒くさそうな刑事ものを書いて下さる作家さんにはそれだけでもう感謝。2人は同期の中で抜き出ている優秀さで お互いルックスも良く「気は合わないけど意見は合う」というケンカップルで周りにも「痴話喧嘩やめろ!」と言われているような関係。
タイプの違う美形同士で設定も話も萌える要素しかないのに、ちょっと乗り切れなかったのは全てにおいて攻めより受けの方が少し劣っていたから。拳銃の腕は受けの方が上とのことだったのに実戦で活躍したのも攻めの方だったし、受けは悪い上司の本質にも中々気づかずミスを犯したし。食わせ物の鑑識の大野の方がよほど仕事できる人でした。ああいうキャラ好き。せっかくバディなら受けも攻めをフォローするみたいな場面も欲しかったな。腐女子はワガママですみません。
出会った時からお互い惹かれあっていてそれに気づいていながら、何年もそれを認める勇気が出ず、積もり積もった想いがついに爆発する、というこの展開は大好物なだけに受けのキャラ設定が残念だったなあと思います。
共に警視庁捜査一課所属で、同期の東原帝と、御門鋭司。
彼らはその名前とルックスから、「エンペラーズ」と呼ばれる。
互いに実力を認め合う関係ではあるものの、常に競争を強いられる職場環境と、過去のとある出来事から東原は御門に素直になれずにいた。
そんなある日、とある殺人事件の捜査でコンビを組まされることになって……
というのがざっくりとした話の入り口です。
そこから二人で殺人事件の捜査が始まって。
やはり互いに認め合えるものを感じて。
御門が覚悟を決めたことで二人の関係が動いていく。
そもそもがBLなんですけど、BLという枠ではくくれないような、ちゃんと「刑事もの」としての読みごたえもしっかりありました。
その代わり、いちゃいちゃ要素はだいぶ低いんですが、甘くてベタベタしているだけではない、物語としての読みごたえも求める人にはオススメです。
妃川先生の警察ものは初めてでした。(警察もので数多く作品を出されておられたんですね・・・)雨澄先生の挿絵に超惹かれて手にとってはみたものの、軽いテイストの方が好きなため、ちょっと重たく感じられて申し訳ありません、中立です。本編250P超+先生のあとがきでした。
お話は警視庁刑事部捜査一課で出動命令がかかり、御門鋭司、東原帝(とおる)の二班が揃って出かけていくシーンから始まります。同期で二人して優秀、御門が東原にちょっかい出しては、口喧嘩になるという関係。誰が考えたのか、今回は二人でコンビを組んで捜査することになり・・・と続きます。
登場人物は、生活安全課の先輩刑事、鑑識の同期(←某ドラマの六●さんを連想させる感じでちょっと面白かった)ぐらいかな。
刑事ものなので、そちらのネタバレはなしで***************
王様ゲームで二人がキスするシーンがありまして、「うーん、リアルで見目麗しい男子のキスシーンって一回見てみたいわ・・・」と思うほど、二人のビジュアルは素敵です。雨澄先生の挿絵が大好きなんですよね。(なかなか作品に行きあたらないんですが)
そこは萌えたんですが、今回対等な関係での喧嘩ップルにあまり萌えないんだと気付きました。側近がきゃんきゃん言って、もう片方が余裕しゃくしゃくの帝王という構図なら平気なんだけど、今回は同期。
対等な関係での喧嘩ップルがお好きな方にはいいのではないかと思います。
あと、くすっと笑うような箇所がないのと、腹黒さはどちらもないのでそれも個人的に好みからは外れていたです。これの続きかなと思って一緒に買ったプレイヤーズ・コネクションは、スピンオフらしく、当カプの続きではなかった模様です。そちらはちょっと笑う箇所あるといいな・・・
う~ん、面白かった!
個人的に、こういう「見た目王子様だけどツンツンしている強気な受け」を「可愛がって構い倒す懐深い攻め」っていう構図は大好きです。
御門と帝の通称「殿様コンビ」は、気は合わないのになぜか意見はぴったり合うという、本人達以外は誰もが認める名コンビ。
二人のぶつかり合いも喧嘩というより、只のじゃれあい笑
御門が帝をからかって怒らせて反応を楽しんでいるーという、まるで中学生みたいな二人なんですが、お仕事に関してはどちらも優秀で真剣。
警察モノですが、扱う事件も恋愛のおまけではなく、きちっとよく練られていて面白かったですねー。
まぁ、尊敬する先輩が実は・・っていうのはよくあるケースなので、もう少し捻りが欲しかったかな?
帝が捕まってしまい、御門が助けにいくシーンもお互いがお互いをかけがえのない存在として改めて認識し合うにはいいきっかけになる事件なのですが、これだと帝の活躍シーンがない・・!
せっかく、二人とも検挙率ナンバーワンな優秀な刑事という設定があるので、それを生かして二人で協力して犯人に辿り着いて欲しかったな~
でも警察機構のことはよく分かりませんが、さすがに事件解決100%ってのは無理かと・・うーん、実際はどうなんでしょう・・?
ともあれ、二人の男前の性格・お仕事(警察)もの等、好きな設定がいっぱいで楽しめました!
飛び抜けてアクが強いって訳ではないが、女子高生が騒ぎたくなりそうな見目麗しい刑事コンビ。
しかし、御門×帝(とおる)で、殿様コンビって…あだ名としていまいちダサくない?
Wミカドってのも…もっとダサいか…(;´Д`)。
話のほうは事件の捜査を軸にして進んでいき、地道ながらもしっかりしている。
口喧嘩が絶えないといっても、ライバルとしてそこまで反目しあっているようには見えない二人。
片方が突出しているようには見えなさそうだが、気持ち御門のほうが行動力があって刑事としての手腕が上に感じるかな?
捜査の合間にも受け・東原の好みに合わせてエスコートするのが上手いなと思う場面があって、東原もそのリードをまた何の違和感無しに受け入れているから、そんな所が『王子』とあだ名される所以に含まれているのかしら…とも感じ取れた。
捜査に集中している中で、ふとした事で東原のほうが御門との距離感を意識していて『ひょっとして?…』って勘ぐれる様子がそこかしこにあるので、一線を越えるクライマックスまでの展開に焦れた。
それにしても、いくら御門と東原に目が行きがちな中、二人の上司、七係と八係の係長達も妙に気が合うようで…。
スピンオフもあるって情報を知って、これまたこの二人が主役なのかと思っていたら違っていて、てっきり勘違いしてしまった(笑)。
クールで美人な王子様の東原は、確かにクールで美人だけど……
わがままな王女様にしか見えません!
でも、それは俺様なキングの御門に対してであって、
そのツンツンさが可愛い!
俺様なキングも東原の前では、文句一つ言わず従者のようです!
気遣いとか優しさとか溢れてます~。
二人は思いあってるのに、中々、進まない関係(^^;
と思ったら、飲み会での王様ゲームでディープキスをするはめに……。
そこは、クールで美人な東原には怒って店出るくらいが良かったな。
ちょっとした刑事ドラマを見てるようなお話でした。
帝と御門、同期でお互い相手の能力を認めながらも、気は合わないが意見は合うライバル関係。
相手の言うことがいちいちムカツク、行動が気になる反発したくなる…
けれど長い付き合いの中、いいところも知り助けられることもある、仕事はできるやつなんだ、、、と思った時はすでにお互いが囚われているんですね。
反発し合いながらも徐々にいいヤツじゃんになって恋愛感情の芽生えと自覚に至るまでがどのように描かれるのかが、見ものでした。
軟派に見えて意外と硬派、綺麗な王子様顔のくせにきつかったり可愛かったりギャップ萌え要素もありです。
命名とタイトル名が良かったです。
妃川先生の刑事もの、好きなんです。
ちゃんと組織のことも分かりやすく説明してくれていて、「そんなバカな!」と言いたくなることがないので。
港署管内で起こった殺人事件で突然コンビを組まされることになった東原(受)と御門(攻)
軽口を叩いてくる御門に胃をキリキリさせてる東原のやり取りが微笑ましいです。
これは主に事件を追うことがメインストーリーになっているせいで、ちょっと恋愛要素が薄目かな。
事件の合間にちょいちょい恋愛要素が挟まって、進展するのは本当に最後の最後です。
過去にあったある出来事のせいでふたりとも互いに意識しまくってるんですけど
それを素直に表に出せない、と。こういうの好き(笑)
ただよく分からないのが、犯人についての東原と御門(と大野)の感じ方の違いです。
同じ環境にあったはずなのに、なぜこんなに印象が違うんでしょう。
なんか見落としたかな……
御門の刑事の勘ってやつだったんでしょうか。
だとしたら東原はあまり有能な刑事に見えなくて。ウーン
緊迫した事件とじれったいふたりの話ですが、私は脇の大野君に癒された。
BL的主人公になれなさそうなとぼけたキャラも可愛くて、合間に休憩できる感じがよかった(笑)
タイトルにもなっているエンペラーを示すのが主役二人のお名前で、帝に御門!
ホントにエンペラー、日本風に言えば殿コンビ、お互いに刑事で更に同期。
警察学校時代からライバルなのですが、面白いのは気が合わないのに意見が合う。
確かにそんな事ってあるよな、なんて納得しながら楽しめる刑事モノ。
しっかり地固めしているようなこの作家様の細密な設定には毎度感服致しますね。
それに、どこかセンスの良さを感じさせるのです。
意地っ張りでツンデレ気味の受け様と、一見軽い感じで浮名を流しているように見える
攻め様が実は受け様に一途なんてギャップもあって、事件を背景にいつもはライバル視
している二人が上司の命令でコンビを組むことになったことから、
二人の関係が微妙に変化していくのですが、そもそもの二人の関係悪化の発端は
警察学校時代の悪乗り宴会での、皮肉にも王様ゲームだったりします。
そしてその原因の主は同期の鑑識大野さん、今回の事件でも二人を陰ながら支えてる
なかなかのキャラなのです。
その事がキッカケで、二人は思いがけない自分自身の相手への本心を自覚してしまう。
しかし、警官であることや意外に保守的で真面目な受け様はその事実を受け入れる事を
全否定しちゃってる、それが後々まで二人の間に過去のこだわりとなって残る。
それに遠回しで関係している人物の日下、精神的に弱った受け様は日下の言葉に救われ
日下を先輩として尊敬していたが、今回の事件で悲しい裏切りに会うのです。
最後まで気が抜けない意外にハードな展開でスリルもあり楽しめます。
ただ『あれ?』と思う程度ですが、まず一つ気になったことが。
タイトルにもなっている「エンペラーズ」という呼称……実際、そんな言葉はどこにも出てきません。作中で二人につけられているあだ名は「殿様コンビ」です(笑
その殿様コンビという呼び名にしろ、ほとんど話に出てこないので、タイトルとあらすじに「エンペラーズ」という語を持ってきていることにかなり違和感がありました。
それに対して登場が多いのが、受け・東原のあだ名である「王子様」でしょうか。攻め・御門がからかい混じりにそう呼びかけて東原が怒る、というよくある応酬を含めて、顔を合わせればバトルが勃発する警視庁捜査一課のエース二人です。
意見は合うが気は合わないライバル同士を持て余した上司によって、どうにか不和を解消しようと(?)殺人事件の捜査で警部補×警部補という異例の(管理職の端っこ同士)コンビを組まされます。
裏面のあらすじにはそこまで書かれていませんが、実は何年も前の出来事によって互いに恋情を半ば自覚してからずっと、上記のような、二人の口喧嘩と信頼に基づいたライバル関係のすぐ下には、緊迫した熱が潜んでいたようです。事件の間=恋情を認められない(主に受け・東原が)意地っ張り期間なのです。それが事件を経てどう溢れだすのか、というのがこの話でした。
年月による積み重ねがある恋愛感情、というのはやっぱり良いですね。私はしっかり仕事面を話に盛り込んでほしいお仕事BL好きですが、年月が存在すれば、仕事面が多くても恋愛面が薄くならないので。
その点でこの話、仕事と恋愛のバランスはかなり良かったと思います。
事件とその展開は重たくなりすぎず、かといって軽くもなくて、突っ込みどころもあまりなく(BL的ご都合主義はまあ、許容範囲内でした)。
恋愛は、口喧嘩や信頼で出来た薄膜一枚のすぐ下に走る緊張感と、それに揺さぶられる熱情、追い詰められてすっと定まる感情と覚悟(…etc.)の描かれ方がさすがに上手くて、自然に入り込むことが出来ました。
ただ、惜しいなあと思うのが……序盤、二人のライバル関係だとか能力・実績がほぼ伯仲であることだとかが強調されている割に、実際はあまりそう見えないことですね。
攻め・御門はかなり作中で能力を見せつけていましたが("情報屋"多用という少々チートな有能さとはいえ)、一方の受け・東原が活躍しない。地の文は東原視点が多く、かなりしっかりしているので読者が無能な印象を受ける、ということは全然無いのですが……いかんせん、捜査上で目立った活躍・見せ場が全然無かったのが残念でした。
拳銃だけは術技で唯一受けが攻め勝る、という記述からの、絶対に受けの発砲があるだろう!という予想も裏切られ……うーん。
結果として、捜査上で完全に東原が受け身に回ってしまっているのが何とも惜しい。
ので、私のようにがっつり実力伯仲のライバル関係!ってのがお好きな方には、物足りないかと思われます。
――とまあ色々と書きましたが、全体でみて結構良かったので評価は「萌」で。
遊んでいるようで意外と一途&ストイックな俺様攻めと、堅物でツンツン、クール(?)な受けの喧嘩ップル。
話の展開、萌えの押さえどころなんかはさすがに安定感があるので、そんなカプのじれじれっとした関係性が好きな方はまず、読んで外れはないと思います。