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inu tokidoki ningen
犬は、だめだよ
もう、ころっと、うるっとさせられちゃう。
恋しさのあまり、人間になってしまう犬のお話。
元イヌのカイザーは、犬の姿から人間の姿へ自由に変化できますが、作品中ではほとんど人間の姿で、あまりケモ耳しっぽの姿は登場しません。
この作品は外見のケモ耳シッポのモフモフ感より、犬が犬である本質の、犬の一途さとか、犬の無垢さとかで恋を成就させます。
犬は自分の気持ちに忠実で、周りの人間の感情にまで思いが回らず、どうしても光輝を探したい一心で、可愛がってくれていた飼い主の老夫婦の元から出てきてしまったのですが、人間になって、光輝とちゃんと結ばれて、そして、ようやく他の人間の気持ちにも考えが及ぶようになります。
そして、カイザーは老夫婦と一緒に暮らすことを選ぶ。
こんなハッピーエンドはとても素敵です。
ただ楽しいだけのワンコものじゃないとこが、音理さんですね。蜘蛛を殺さず逃がすとこ・・・これは私も職場でいつもやるんだけど、ものすごく奇異な目で見られます。きっぱり堂々と、「ただそこにいただけ」と言える人になりたいもんです。カイザーが光輝に会いたいがばかりに、おばあさん夫婦を捨てた形だったとこが一番気がかりだったので、最後に収拾してくれてスッキリでしが、 保健所の殺処分の仕方の詳細は衝撃的で、そこが重く心に残りました。
その人間が大好きで大好きで、都会まで追いかけてきて神様に頼んで人型にしてもらった犬と、犬に好かれた人間のお話。
そんなお話はあまたあれど、ここには野良犬・野良猫の現状も描かれていて、ちょっぴり辛いものもありました。
モフモフ度はちょっぴり薄め。だけどワンコ度は100%です♪
大学を卒業したけど何がしたいか自分でもよくわからなくてコンビニでバイト生活を送る光輝の前に現れたまるでホームレスのような真っ黒な衣装に裸足の肌の浅黒い青年。
「お前をずっと探してたんだ」と意味不明の言葉を吐くのを、他の客の迷惑になるからとやりすごしたものの、帰宅途中真っ黒な犬になつかれてアパートまでついてこられてしまいます。
実家が獣医で元来動物好きの光輝はこの犬が放っておけず、一晩泊めるのですが朝になるとなんと人間になっていた!?
彼は自分の元の名前をカイザーと名乗り、その話によると、光輝を探してこの街にやってきたのだと、そして神様に頼んでこうして人型にしてもらったのだが、実は光輝が自分の事をきちんと思い出してくれないと完全に人間になれないのだと言う。
仰天な出来事にとまどう光輝だが、見てしまったものであるし、カイザーを受け入れて一緒に暮らすことになるのです。
ひと時も光輝と離れていたくないカイザーはその持ち前の勘の鋭さからコンビニ強盗を未然に防いだ功績で、光輝が面倒を見るということで同じコンビニで働くことになります。
そうやって、同じ時間を過ごしていくのですが・・・
このカイザー(仮の名)はまちがいなく犬でした。
人間は想い出を写真とかモノとかで残しておくけど、犬は埋めて隠すのだとか、
コロッケが美味しくて埋めるっていうのは爆笑しちゃいました♪
しかし、そんな楽しい話ばかりでもなく、
結構、光輝の心に抱えるモノがかなりあったのです。
実家が動物病院で、動物にもやさしく、ホームレスの人にも優しく、そんな彼がどうして獣医の道を進まなかったのか?
それが、カイザーとの大事な接点につながっていました。
光輝のキャラクターは、多分ほとんどの人が持っている善意でできている良心のキャラクターでした。
普段自分たちが生活していく中で疑問に思いながらも行動に移せない、見ているだけという、そんなためらいを除いた、本当は行動力のある優しい人だったと思います。
その反面教師というか対比で、同じバイトの柿本という青年が登場する、また動物愛護センターで出会う飼い犬を預けに来た女性とか、そんな人々との対比ができていたのかもしれません。
彼は優しすぎたのかも?そのせいで臆病になってしまったのかも?と思いますが、彼のためらいはとても共感できるものでした。
作中、行方不明になったカイザーを探しに動物愛護センターへ訪れるシーンがありますが、動物を飼っている人、いない人にも知ってほしい現状が少し触れられていて、ちょっぴり胸が痛くなりました(少し脱線)
さて、カイザーはまんま犬です!
一筋です。それまでお世話になった人に恩義をちゃんと感じてはいるものの、それでも一番は譲れないのです(一番大切なモノは光輝だから埋めて隠すという発言にまた苦笑w)
もう、いうこともないでしょう。
最後の最後までエッチはなく、キス止まり。
そして一番ラストにやっと!な具合でした。これはよかったな。
色々現実を持ち出してしまうと、こうしたファンタジーはつまんなくなってしまうので、夢は夢のまま、彼等の幸せな未来を想像するのがよいのですね♪
もふもふものって言うより悲しいワンコたちのリアルな現状と言うお話のイメージが
とても強く感じてしまう内容でしたね。
動物好きで、特にワンコなんか大好きさんなら、共感しちゃうことが多くて、
逆にBLを楽しもうなんて思えなくなってしまう気がする。
あくまで、個人的な感想なので、一概には言えませんが・・・
内容的にはこれぞワンコだよねって雰囲気が前面に出ていて、確かに犬ってこうだよね、
飼い主が大好きだよね、なんてもの悲しくなってしまう。
わんこ攻め様は、受け様に会いたい一心で犬神さまにお願いして人間に変身できる
能力を一時的に与えられて、受け様に会いに行く。
受け様は忘れているけれど、二人は過去に繋がりがあるのです。
それを受け様自身に思い出してもらい、攻め様を受け入れてもらわなければ
攻め様は存在が消えてしまう、なんか人魚姫ワンコですかと思ってしまう。
受け様には忘れなければ辛すぎると思える過去があり、その過去と攻め様の存在が
イコールだったりするんですよね。
でも、ホントにワンコってヤツは、なんて一途でいじましいのでしょうと
一見するとほのぼのしてるように思える作品だけど、実はかなりシリアスで重い作品。
ワンコ好きさんなんか、涙してしまうかも知れませんね。
ワンコ攻め様の切ないまでの一途な様子に心が痛みます、そして動物を愛する故の
受け様の苦しみや悩み、挫折に近い感情から心の再生的なストーリーでもあるような
切ない感じ、でもラストは一応ハッピーな展開なのでしょうね。
犬が人間に化けるという
モフモフ好きにはたまらないお話です。
コンビニ店員の光輝は、元々犬で、人間になることができるという
ガイザーと出会い、一緒に住むことになります。
この2人は過去に接点があるのですが、光輝の再生の
物語とも言えると思います。
2人の過去や犬の扱われ方、飼い主の犬に思う気持ちを読んでいて、
何度も泣いてしまいました。
ペットとして犬を飼う人がいる一方で、
犬を捨てたり、犬の行く末を知りもせず気軽に保健所に
連れてくる人のエピソードがあります。
作者さんの想い、犬を飼うならば最後まで責任をもたなければならない
など、当たり前のことを改めて考えさせられた一方で、
その伝えたいことは、もっと違う表現ができるのではないかな?
とも思いました。
モフモフ感を楽しむというより、犬と飼い主の愛情を読む
物語でした。
ジャーマンシェパード(黒)系の攻め犬、カイザー。
やさしいおじいちゃんとおばあちゃんに飼われていたけれど、どうしても会いたい人がいて、犬霊の神様にお願いし、期限付きで人間と犬とを自由に変身できるようになった。
けれど、人間に裏切られたら魂を取られてしまう…。
一途な犬の命がけとなったら、犬好きとしては問答無用で泣けてしまうの決定だなぁ…。
無責任に生き物を捨ててはいけない。
受け君はコンビニ店員。故郷ではたくさん犬助けをしていた。
助けても助けきれない生き物の命の哀しさをすごく感じているやさしい人。
攻め犬君は、犬らしく賢くて一途で、どうしようもなくおバカなところもあって、ものすごくかわいい。
最初は犬のかわいらしさに笑わされ、途中から切ない一途な思いに胸打たれ、最後は命が絡む過去の出来事でずどーんと苦悩し、最後にようやく幸せに。
しんみりしました。