陥落のメソッド

陥落のメソッド
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×28
  • 萌3
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
4
得点
44
評価数
16
平均
3.1 / 5
神率
0%
著者
義月粧子 

作家さんの新作発表
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イラスト
湖水きよ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
捜査官は愛を語らない
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784576130088

あらすじ

警察側の人間でありながら勅使河原組組長・貴龍との逢瀬を重ねる遙翔。
自身の体を対価に情報を得るためと割り切っていたはずが…。

(出版社より)

表題作陥落のメソッド

ヤクザの組長 勅使河原貴龍
警察官僚で重大犯罪捜査局 桜小路遥翔

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

持ちつ持たれつ一歩も引かない男の関係はカッコイイ!

クロスノベルズで丁度この作品の弟編にあたる『捜査官は眠らない』が発売になった頃に届いた挿絵担当だった朝南かつみさんの訃報。
あとがきで、他レーベルでその兄編が・・・と述べられていましたがイラストをどうするのか?ひょっとしてオクラ入りになってしまうのでは?と危ぶみもしましたが、
なんと!湖水きよさんのイラストで登場しました!
朝南さんのイメージに似たレーターさん、といえば何名か挙げられることはできますが、ここにきてダークホース!全く違った色気を描写する湖水さんの起用は斬新でもあり、正解だと思われました。
この作品、かなり骨太でしたし。
ヤクザと警察という敵対する立場で、決して弱みを見せずに堂々と張り合い且つ相手にメロメロで、そんなガチンコな関係には骨のあるイラストはより、人物の魅力を増してくれたと思います。

代々警察官僚を出す家柄に生まれた遥翔は、何の迷いもなくその道に進む事を自らの意思で決めておりそして名門の付属学校から海外留学、T大学卒業とキャリアに必要な道を経て重大犯罪捜査局の立ち上げに関わり、局長補佐を勤めている。
勅使河原組の組長の息子・貴龍と出会ったのは中学の時。
高校になり、遥翔にいちゃもんを付ける貴龍のとりまきを一人で遥翔がやっつけてしまった、ただ綺麗で頭がいいだけでない強さに貴龍は惹かれ、恋人とは呼べないが不思議な関係が二人の間で成立していくのです。

前半でそんな二人の過去の邂逅が語られて、そして現在彼等に立ちふさがった障害というべき、二人が抱える「敵対関係」であるがゆえの、問題を通して二人が独自の離れがたい存在になる話を描いていきます。

二人とも、金持ちであることが前提ですね(ため息~)
敵対関係であるからこそ、バレてはいけないと逢瀬が海外!!
冒頭はフランスで、その後は遥翔の弟・櫂がアメリカ留学したのを口実に、アメリカで、
と、頻繁に会うことはできないけれど、そうやって時間を持っている。
そこまでして恋人でいる価値がこの二人にあるのか?
互いに、持ちつ持たれつももちろんあるでしょうが、どちらも、その過去の記述においてゾッコンであることがわかります。
それは男として、同性として対等に愛し合う立場であることが強調されていて、どちらかの立場が弱いということは決してない。
その点、若干甘さに欠ける関係かもしれないですが、逢瀬のシーンのエロさは結構濃厚だと思います♪
ラストのヤマとなる事件についても、二人の駆け引きがあり、それは緊迫した緊張感があったのですが、遥翔の頭が良すぎだよーーーというか、彼が選ぶ部下の審査の目は正しかったってことですよね(笑)

作中、『捜査官~』で主人公だった櫂の小さい頃のお話が、そして久慈川が遥翔に引き抜かれてきた話が登場します。
全然単体でいける話なので、興味をもたれた方がいたら。。。

自分の理想のガチンコな男の関係、大好きな展開でした。
好みの関係だったのでちょっとオマケ気味の萌×2デス

6

女王様に仕える下僕

同級生同士で、正反対の立場にいる二人の腐れ縁と呼んでも差し支えない程の時間を
少なからず共有しながらも、互いの明確な立場の違いからより深く心を寄せる事が
出来ない、読んでるともどかしさも感じるけれど、健気な程の攻め様の愛を感じて
なんて羨ましいのだろうと思えるお話で、これが妻ならこの攻め様内助の功かもなんて
感じたりもしちゃう、でも受け様の攻め様を心の底では信頼して信じてるようで
実は石橋を叩いて渡る様な性格ゆえに、全てを飛び越えて攻め様の元へって事は
きっと警察にいる限りないのだろうと思えるのですが、きっと惚れた弱みで
攻め様はこれから先も受け様に尽くすのかも知れないと思わせるお話でした。

この作品は「捜査官は愛を語らない」のスピンオフで、前作の特殊能力を持った
受け様の兄の大人のラブになるのですが、前作よりも惹きこまれる内容でしたね。
お互いにどんなことがあっても無くてはならない存在のような今作の二人ですが、
やっぱり、分が悪いのはいつも攻め様みたいで、ちょっぴりお気の毒かも。
かなり情の深い家系なんだと思えるエピーソードもあるし、受け様の計算尽くされた
人生設計に食い込めただけでも、奇跡的だったのかもなんてニヤリとしちゃいます。
かなり楽しませて頂きましたね。

それから・・・前作のイラストは永眠された朝南かつみ先生で、とても雰囲気があって
大好きなイラストでしたが、今回も楽しみにしていただけに残念でなりませんでした。
今回の作品にこそ、似合うイラストだったのではと思う所ですが、湖水きよ先生の
イラストも、思っていた以上に素敵でしたね。

6

敵対関係に萌えv

『捜査官は愛を語らない』のスピンオフ。
前作未読です。
本筋のストーリー展開を追う分には問題ありませんでしたが、
前作キャラが度々出てくるので、彼らの人物像を知ってた方がより楽しめたかも?

前作カプの受けの兄・遥翔が主人公で、警察組織に身を置きながら、ヤクザ・貴龍と身体関係を続けている…というリスキーなお話。
このヤクザ・貴龍とは学生時代からの付き合いで、敵対する立場となってからは、
互いから情報を得るためのゲームのような関係が続いていました。
互いにいつ裏切ってもおかしくない関係だった筈が、いざ貴龍に裏切られ、罠にはめられ傷ついたことで、自分の気持ちに気づく遥翔。捕らえられた遥翔と、貴龍の対峙シーンは後半の山場の一つです。

ヤクザ×警察というカップリングや、抱かれても男としての矜持を失わない遥翔のキャラクターは大変好みでした。
遥翔が貴龍の事務所に乗り込むシーンも、その後出し抜かれるシーンも、対峙する関係ならではのガチ感があって中々格好良いです。

しかし、後半の騙し合いの種明かしが少々ご都合主義な感が。
貴龍はヤクザ組長の割にそんな甘いことでいいのか?と。
貴龍の遥翔へのそれまでの献身・執着振りを思うと、納得の展開ではありますが、
中盤までの、互いの立場を忘れない、甘すぎない関係性が良かっただけに、オチが少し残念でした。

それでも、両想いになってからも仕事優先な遥翔と、そんな遥翔を受け入れている貴龍の関係性が変わっていないところはいいなと思いました。
相変わらず会うことは難しい二人の、甘々な絡みで締めるラストも良かったです。

前作のメインカプの攻め・久慈川が、遥翔の下で働く捜査官として存在感を放ってました。尖ってるけど優秀で人を惹きつける存在。
また、受けの櫂(かい)は、遥翔の弟としても捜査官としても度々登場。
遥翔からも貴龍からも可愛がられる存在で、特殊能力を持ち、繊細なようで意外と芯の強い人物。こちらもなかなか面白そうなカップルで、前作にも興味が湧きました。

4

苦手はそうそう直らないようです…

どうにも以前からこの作者さんに苦手意識があったのですが、好みど真ん中の設定に釣られて懲りもせず手を出してみました。……結論、やはり苦手なものは苦手みたいです。

理由としては、話の展開や文章が肌に合わない…これに尽きると思います。
ヤクザ×警察官僚なんて大好物な設定にも関わらず、あまり話に入り込むことが出来ずにしら~っと読み流してしまいました。
恋愛面は普通に楽しめます。問題は、物語の背景……キャラが属する暴力団や警察機構の描写でした。硬く、シリアスにしようと作者さんが頑張っているのは分かるんですが、それがどうにも陳腐で薄っぺらく感じてしまうのです。ハードに描こうとしているのが透けて見えるような気がして、ちょっとした違和感ですぐ鼻白んでしまう。
文章が苦手なのも含めて、この辺は多分、読み手側に問題があるんでしょうね(笑 ひねた目線の持ち主でなければ、大分楽しめたのかなー…と。

あ、それともう一つ、読んでいて辛かったのが視点の入れ替えの唐突さ。
基本的に話は受け・遥翔の視点で進むのですが、所々に改行もなくいきなり他者視点が放り込まれていて、え?と……非常に気になりました。
これも話に入り込めなかった一因かなと思います。

関係性や設定が非っ常においしかったので、評価は萌と迷うのですが……苦手な作者さんに手を出すな、という自戒も込めて中立で。

4

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