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amaku torokeru koi no detail
久々に水上さんの小説を読むと安定した読み易さ、甘々、勧善懲悪、ハッピーエンドにほっとする。
お仕事BLにしても華やかな職業をよく取り上げていて、現実はそう綺麗事では収まらないだろうが、物語だというのを弁えていてネガティブな部分を出さないから年甲斐もなく夢見がちな気分に浸る事ができる。
この話もそんなお約束に則っているが、受け・光太郎に執着するモラハラ、セクハラなデザイナーがイマドキすぎる下衆な男だったのには苦笑いした。
そんな先輩デザイナー・鴨田に理不尽に振り回されて身も心も擦り切れてしまいそうだった光太郎は、偶然に尊敬しているイタリア人デザイナー・ヴィットリオと出逢う。
光太郎はまだ美大生でアルバイトながらも、周囲のフォローを務めながら依頼された仕事を懸命にこなそうとしている様子に、元のバイト先だったデザイン持事務所でも、引き抜かれたヴィットリオのデザイン事務所でも愛されキャラとして大事にされている。
光太郎はまだ学生アルバイトなのにそこまでデザイン業界の仕事の企画から関われるものなの?って疑問も湧くが、水上さん作品はリアリティーより癒し・夢重視なので許せるかな。
今回の話は読んでみて個人的にヒットしたのだが、悲しいかな、その後の続編・スピンオフはないみたいだ。
作中でもう一カップル居そうなフラグも立っているのに。
多分大丈夫だろうけれど、光太郎は無事に美大を卒業できたよね?
のんき飴は大ヒットしたんよね?ってのも見届けたかったのに、その後の事が確認できないなんて歯痒すぎる!!
水上ルイさんの本を読んだ!という気持ちでいっぱいの話です。
真面目で優秀、勤勉で将来有望な大学生ながら優秀なデザイナーの卵受けと、世界的な企業の一族に名を連ね、自身も素晴らしく優秀で欠点が見当たらない世界的な建築デザイナー攻めのラブロマンスです。
特筆すべきは甘さ。
これに尽きます。
水上さんの作品はどの作品を読んでも、実は似たり寄ったりで。
新鮮味はないのですが、なぜか心惹かれるものがあります。それは安定した甘さと受けが攻めによってより引き上げられるシンデレラストーリー。
そして勧善懲悪(というと言い過ぎかもしれません)な正義は勝つ!という話だからでしょうか。
悪い奴が出てくれば、その悪い奴を懲らしめて、攻めと受けはラブラブハッピーエンド!
それが気持ちいいのかもしれません。
読んでいる間中幸せ~な気分に浸れます。
安定した面白さと甘さと萌えが補充できますが、もうひと捻り欲しい所といったところでしょうか。
水上先生らしい作品で、どこかスタイリッシュな雰囲気を醸し出しつつ、
今回は、どっぷり甘々な恋人同士になるまでのお話に、身勝手ヤンデレストーカーを
スパイスに仕立てて甘さを盛り上げてるお話です。
作者の古い既刊のペントハウスでキスをしてのテイストに雰囲気的には似ているかも。
美大在学生で、デザイン会社に大学卒業後に進路を希望している受け様は、
今後の勉強の為にデザイン事務所でアルバイトをする事になるが、そのバイトは
デザイン事務所募集のバイトでは無く、その事務所で働く個人デザイナー専属のバイトで
雑用は当たり前で更にデザインの丸投げや、コンペの草案等全てさせられる具合で、
かなりハードで身勝手なバイトなのですが、受け様は全ては自分の勉強になると
あくまで、謙虚で誠実なんです。
そんな時に雇い主であるデザイナーとコンペに参加する事になり、そこで受け様は
憧れのイタリア人デザイナーの攻め様と出会う事になります。
攻め様は、受け様の雇い主のデザイナーが自分のデザインまで部下に丸投げしていると
言う噂を知っていて、今回のコンペの作品が受け様のものだと見抜く。
そして受け様の才能を知ると共に、何故か受け様自身が気になってしまう。
攻め様は自分の事務所に受け様を引き抜きたいと思い、受け様と接触を図り、
そして、受け様も今のままでは雇い主の為にもならないと攻め様の申し出を受け入れる。
しかし、その後から元の雇い主から執拗にメールや電話が来るようになってしまう。
お互いに一目ぼれ相愛状態なので、ハッピーエンドには間違いがないのですが、
そこに、ストーカー化した元雇い主が現れ、二人のちょっとした思い違いを皮肉にも
解決し、思いが通じ合う事を後押ししたような展開ですね。
それでもやっぱり甘いお話で、水上ワールドだと思える1冊でした。
直球勝負、水上さん!という印象でした。
王道の見染められるシンデレラなストーリーで、ありふれているのに、
何故か楽しませてしまう水上さん!なんともすごいです。
デザイナー志望の美大生、光太郎は、
デザイナーになるための経験として、デザイン事務所でのバイトをすることに。
そのバイトは、有名なデザイナー、鴨田のアシスタントなのですが、
このデザイナーが、仕事を全部アシスタントに丸投げするわ、
全部自分の手柄にするわで、人としても、デザイナーとしても
ひどい男でした。
そんな光太郎が出会ったのが、憧れで著名なデザイナー、ヴィットリオでした。
光太郎が、愛される後輩な性格をしているので、
鴨田以外のデザイナーなどから、周りからはとても大事にされます。
光太郎、仕事もでき、デザイナーとしても有望で、性格も良い。
あまりに光太郎が良い性格で、違和感が出てしまうのですが、
まあ、これは、シンデレラストーリーということで、納得です。
受・攻それぞれの視点から読めるところも、水上さん作品の面白いところです。
オヤクソク過ぎて、物足りない気持ちになる場合もありますが、
王道を読みたいときには、お勧めしたいと思います。