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chinpiraken to yakuzaneko
「チンピラ犬とヤクザ猫」なんとも心惹かれるタイトル、好きな動物が二匹も!!
そして読み始めて見れば、ヤクザ猫と言うよりも見た目は高貴な美形猫でも、
その実態は牙を磨き続けている野生の獣のイメージの受け様でした。
対する攻め様と言えば、24才にもなってなんの目的も無くチンピラになっている、
それも組から盃を貰うようなものでもなく、チンピラ以下の雑用をしてる体たらくぶり。
基本暴力が嫌いで、危なくなったら速攻で逃げるヘタレなのです。
極道者と言うよりは、イメージ的に平和主義者のボンボンのイメージかも。
そんな二人の出会いは、受け様と敵対する組織の下部の人間に受け様が不意打ちで
多勢に無勢でリンチされ、意識が無くなった時に攻め様が助けたことから始まる。
攻め様はヘタレだけど、受け様と敵対する組織の雑用なのに、何故か受け様の正体を
知りながらも受け様を助け介抱するのです。
初めはオラオラ状態でいた受け様も攻め様の醸し出すヘタレオーラなのに、
自分に憧れている事を知り、今まで生きて来て感じた事も無いような癒され空気に
諦めと共に攻め様に対しても絆されていきます。
その事がキッカケで、攻め様は受け様への憧れやら好意やらを募らせ、受け様に
しつけが出来れば変わると言われた事から奮起して受け様の元へいくが相手にされず、
更には、敵対する受け様を助けて匿った事が兄貴分にバレて、リンチを受ける。
そして今度は受け様が攻め様を助け出しにやって来て、攻め様は受け様への思いを
自覚し、受け様にも伝え、受け様の傍らに立つに相応しい男になる事を心に決める。
敵対する組織同士のトラブルを背景に描いた、駄犬が男前で綺麗な凶暴猫に恋をして
男をあげようと奮起する内容です。
ラスト方面は若干駆け足状態で話が綴られているのですが、駄犬ワンコ攻め様が
愛しいと思える作品で楽しませて頂きました、面白かったです。
猫科の猛獣のようなヤクザ・藤波は、小さいながらも一家を率いる組長。
そんな藤波に密かに憧れていた陽太は、同じ傘下ながらも敵対する組のチンピラ。
ある日、陽太は怪我した藤波を匿うことになり、、、
恋は人を強くする!?
それまでフラフラとチンピラ生活に甘んじていた陽太は、ただ遠くから見て憧れていただけの藤波と生活している内に、この人のそばにいたいと覚悟を決めます。
一方藤波も、陽太と暮らしているうちに、それまで知らなかったぬくもりを感じて、、、。
懐いてきて、拾ってきた犬は、ただの野良駄犬じゃなくて、実は迷い犬だったっていうお話。
そして、私も、花房が気になる。
花房がちんまいニャンコかワンコに振り回されるようなお話も読んでみたいかも。
セルフつっこみ
エチ方面の描写を朝チュンでパスするのって、この作者さんの芸風なのかなぁ。
キスは結構濃厚にしても、本気の結合エチは割とフワッとスルーしてるっぽい。
今は挿入の前段階をしっかり描くのが主流だけど、古い作品だとその辺はパスして、初めてでも簡単に挿入できちゃったりしてた印象がある。
というわけで、この作品、なんとなく前世紀の絶版の文庫化新装版だと思いこんだまま読んでいて、後書きで書き下ろしって気付いて結構ビックリ。
ヤクザといっても、構成員30人程度の小さなシマをまかされた組。
頭は武闘派に似合わずキレイな顔をした(それがコンプレックス)藤波。
彼が怪我をしたことで救ってくれた敵対する組の構成員でもないチンピラの陽太に好かれて、すっかりペースを見だされた藤波が紆余曲折を経て彼を側に置くことになるというお話でもあり、陽太がフラフラして決め切れなかった道について決断する物語。
この陽太、何で24歳になるまでフラフラしてるんだよ~というのが一番の重要なポイントですね。
そんな彼に決断させた藤波の魅力って?ってことになります。
確かに陽太は尻尾を振って一喜一憂したりシュンとしたり、健気な様はまるでワンコのよう。
藤波の試しに引っ掛かって「待て」も出来ない駄犬でもあるし、
彼のワンコな様は見ていて、結構イイ線いってます。
藤波も、それなりに地位をもらうだけあってただのケンカ上等のチンピラとも違って本当に腕のたつ人みたいですが、陽太だけは調子が狂っちゃうから特別になりうるんだなとは思います。
彼への作者さんの表現「ヤクザ猫」ってピッタリの様でもあると思われます。
陽太を「チンピラ犬」というよりは、しつけのなってない本当は毛並みの良い犬って感じかな?
藤波の強さに惹かれた陽太ですが、反面危うさも持っていてそんな彼を守ってあげられる人になりたいと思うことが陽太の決断を生むという、
それに下半身の欲情もついてくるからおいしい展開だと思われました。
お話展開的には、さほどディープでもダークでもなく、暴力シーンでメタメタにされるところもあったりしますが、それ以外のところでほっと和ませる緩急、園児の少年が出てくる場面なんかもあって、さほど痛い感じはしないのが馴染みやすいかもしれません。
ただ、陽太のワンコは好きですが24までフラフラにこだわってしまって、もう少し若い設定がよかったかな~と。
そして、一番気になるひとは藤波の片腕である、本来は上に立ってもいいはずの人が「育てるのが好き」と藤波の下についている花房です!!
なんか、すごく気になる~♪
自分的には彼がすごく好きかもしれない。
彼は藤波に恋慕とかはこれっぽっちもなかったんだろうか?
ううう~~~
受は猫というより、サーベルタイガーのように凶暴で腕の立つヤクザ。
誰も信用しない人生を送ってきたが、しがないチンピラ・陽太(攻め)のあまりに毒気のないヘタレワンコ具合にすっかり絆されてしまいます。
こんな男前な藤波(受け)が、なぜこんな甘ちゃんに惚れる??と、最初は納得できませんでしたが、実は陽太はただのウザワンコではなく。
藤波に対して恋心や欲望を見せるときや、ヤクザの抗争の際など、それまでの頼りない顔とは別人の男前さが、ごくごくたま~に出るのです。
そんな一面が分かってからは、藤波の陽太への気持ちにも納得。
ワンコとして可愛がる気持ちと、男惚れとの両方があるんじゃないかと思いました。
ただ、やはり藤波が抱かれるところは想像できないな~~と思っていたら、Hはフェードアウト。ホッとしたような、少し残念なような笑。
描き下ろし【憂鬱なライオン】は、藤波の側近・花房視点の話。
恋をしてすっかり変わった藤波を見て、面白く思いつつも、少し寂しい花房。
今では藤波に仕える身ですが、15の藤波をヤクザとして育て上げた人物でもあります。
本当はトップに立つ実力がありながら、側近に甘んじていたり、
冷静に見えてキレると超恐ろしかったりと、色々とステキな人でした。
ワンコな陽太も可愛いけど、花房と藤波の猛獣コンビの方に、萌えポイントがあった気が笑
身の回りの世話を任されている花房が、藤波の乱れた衣服を整えたり、裸を見ても動じなかったりと、ちょっと親子のような関係でもある二人のやり取りに目が釘付けでした。
神奈木さんがあとがきに、ユルい極道物と書かれていましたが、本当に軽くさらりと読み終わりました。
極道物にしては、リアルな暴力シーンもなかったし、痛いシーンもほぼありません。
和音(受)は小さなシマを任された総長で、敵対する組の下っ端に不意打ちで痛めつけられますが、その敵対する組の雑用係の陽太(攻)に助けられ看病されます。
陽太は、以前から和音の事を憧れていて…というお話です
なんだかんだ言って和音は、始めから陽太には何でも許しているし、陽太もヘタレの割には和音に対する事は絶対に諦めない可愛いワンコですが、実は捨て犬では無く血統書付きだったと言う事で、組同士の争いも、陽太の血統書でもって解決し、身分差もなんのその、一途に和音に尻尾をブンブン振っています。
何もかもがあっさり話が進んで行き、和音も積極的に許すものですから、物語としては、少々物足りない感じが…
四方八方で、話が上手くまとまりすぎて余計にユルい。というかヌルい。しかも三池ろむこさんのイラストが子供っぽくて、また拍車を掛けた感じが(笑)
ライオンに例えられた花房が魅力的なキャラだっただけに、もう少し当て馬的な役割を加えても面白かったんじゃないかと思いました。