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平凡な会社員の諒一は、些細なきっかけで税理士の沖野と出会い、ゆっくり恋を育んでいく。けれど、思いがけない出来事が起き…?
refrain
まあ、カバーのあらすじで、ある程度は予想付くけど、
是非、先入観なしで読んで欲しい。
そして、最後まで読んでから、
もう一度反芻して欲しい。
取り違えて配達されてしまった宅配便の荷物を、うっかり開けてしまったことから知り合った、マンションの同じ階に住む沖野と吉永。
最初は気の合う友人としてつきあい始めた二人だが、沖野がゲイだと吉永が知ってから・・・。
「同性を好きになること」をゆっくりじっくり描いた作品。
ゲイとして生きてきた沖野が、ノンケとして生きてきた吉永を、心の奥では応援しながらも、ゆっくり待って、
吉永が、「好きになること」「恋をするということ」をじっくり真摯に考えて、
ようやく、吉永が心も身体も沖野を受け入れて、
二人の未来を思い描いて、
ここまででも、BLのストーリー展開としては十分いい作品ですが、この作品のタイトルにもなっている「リフレイン」たるストーリー展開が、この後に続きます。
私の好きな、「自分の気持ちが恋なのだと受け入れるまで」を、繰り返し味わえるなんて、1冊で2度美味しい。
私としては、もう「神」にするしかない1冊。
ノベル版で出版されたものを文庫でリメイクした作品です。ノベルを読んだからこちらはいいか、と思ってたのですが、書き下ろしSSが載っているというので購入。
ただ、前回の櫻井しゅしゅしゅさんのイラストのイメージが強すぎたので、小椋ムクさんの繊細で暖かい感じのイラストの表紙はちょっと馴染み辛かった…。確かに後半はせつない展開になっていくのでイメージはぴったりなんですが、ノベル版を読んでいたときは表紙を見て、まさかこんな展開になるとは予期せず驚いた記憶があるので、それもこのお話の魅力かなあと思います。
前半は、サラリーマンの諒一が同じマンションに住む同年代の沖野と知り合い、友人から恋人になっていく、というストーリーとしては何てないものです。ただ、心理描写が非常に丁寧で、お話の中に引きずりこまれます。
諒一は当たり障りない生活を望み、周りとのトラブルや面倒を非常に嫌っています。何歳で結婚し、何歳でローンを組み…と無難な人生設計を綿密に立てています。
そんなとき知り合った沖野と、仲のいい友人になれそうと思った矢先、沖野が同性愛者だと知って躊躇します。人生に「普通と違うもの」が入ってくるのを面倒に思う諒一の心情を読み、沖野は「離れるのもこのままでいるのも自由」だと言い、自分の性的嗜好を何一つ隠さず丁寧に話してくれます。
そんな沖野に心を打たれ、このまま友人として付き合うことにした諒一が次第に沖野に惹かれていく…
全くノンケだった諒一が同性と恋をしていくわけですが、沖野は辛抱強く待って導いてくれます。
諒一が沖野に告白する前、『順調じゃないけど頑張る』と打つメールが好きです。
後半は事故で2人の関係がリセットされるという辛い展開が待っています。
記憶喪失モノはあんまり読まないんですが(展開にあまり意外性がないので)この作品は記憶が戻ってハッピーエンド、となって終わらない。二人が出会って恋人になってまだ数ヶ月、というが重要な部分だと思います。何年も一緒にすごし、深く愛し合っていたならともかく、付き合って数ヶ月だった2人が過ごした月日より、記憶喪失になってリセットされてからの月日があっという間に長くなってしまう。
出会って、恋をして、恋心から次第に「愛したい」と思うようになっていた矢先の事故なんですが…。
それでもここで諦めないで歩き続けた結果が最後のssに繋がっています。
前のノベルで終わってから数年、これを読めてよかった、と思います。
劇的な出来事があるわけではないのですが、これがあってやっとこのお話は完結したと思いました。
一言で言うと、非常に面白く、心揺さぶられました。
正に「ドラマ」!
本作は鳩村衣杏さんお得意の「お仕事BL」的な側面はあまりなく、一貫して2人の関係性を描く「恋愛小説」となっています。が、甘さも切なさも十分すぎるほど十分描かれながらも、決してベタベタせず、かといって硬質に突き放しもせずに、そのバランスが絶妙。
そして、何といっても2人の葛藤というものがしっかりと描かれている。
特に主人公・諒一(ノンケ)の葛藤は非常に強くて、最後までのHにはなかなかすすめず、愛してるとも言えないのです。
それでも2人の甘い恋人時代が始まるのですが、やっと繋がった2人に大変な事件が起こり…
基本的に記○○失展開は、あんまり好きじゃないんです。コレが来ると、物語に逃げを感じてしまう。
ですが、本作はなぜそうなってしまうのかの元の事故がすごくリアルで、誰にでも起きそうで、物凄く怖い。そして、子供に戻ったり急に眠ったりの「病状」もリアル。
諒一個人はもちろん、諒一との関係も全て忘れた司にショックを受ける諒一だけど…
ここからの展開もまた秀逸です。
司が書いていた日記の描写で、いわゆる「攻め視点」を挟みこみ、ノンケの諒一が感じていた葛藤と同じく、ゲイの司がノンケに恋なんかしちゃいけない、と揺れ動いていた様が明かされます。
そんな2人がお互いに歩み寄って恋が始まったのに…という切なさが嫌味なく迫ってくる。
そして、怖気づく諒一を優しくゆっくり待っていつも寄り添ってくれた司を、今度は諒一が支え、待ち、そばにいる。
役割が逆転してのリフレイン、繰り返しなのです。
記憶喪失ものには珍しくなかなか記憶は戻らず、ここからはある種「輪廻もの」の方法論、つまり「何度でもまた君に恋をする」というパターンが現れますが、ここでのリフレインは単に以前の繰り返しではなく、新たな司、新たな諒一として、新たな恋を続ける…
「クリスマスの記憶」
事故が起こる前のクリスマスのエピソード。
来年、再来年はどうなるかわからないけど…という事くらいは誰でも頭をよぎるけれど、本当に自分や大切な人に何が起きるのか、それは誰にもわからない………運命の怖さ。
「Day by Day」
司視点。事件から2年近くたって、もう過去に囚われるよりこれからの思い出、これからの気持ちを見つめたい、という境地の司の姿。
司の知人CPの言葉、これが印象的でした。
『安穏と暮らすために誰かを好きになるわけじゃないんだからーーー』
ひょんなこと(宅配便の取り違え)から友人として仲良くなった司と諒一。
ある日、実は司はゲイだと諒一にバレてしまう。しかし、諒一は偏見することもなく、仲のいい友人として接していたが、、、諒一は司に惹かれていってたのだ。そして二人の想いは通じるのですが。
このお話の素晴らしいところは、よくある記憶喪失モノではなく、結局記憶が戻らないというところ。
普通は何かをきっかけに思い出し、めでたしめでたしなんですが、司は結局思い出せない。
それでも過去の自分を日記を頼りに、そして諒一の立場に立っていくうちに二度目の恋に堕ちる。そこが非常に良く練られていて、切なくもあり、萌えどころでもあります。
そして、諒一も気がつくんです。当初の司の気持ちや思っていたこと、悩んでいたことが逆の立場に立って実体験として身に染みる。
もうね、ホントに良いです。
諒一が司に惹かれていった動機はちょっと薄めですが、それ以外は矛盾なく相手を思いやるというのが二人共にあって、とても応援したくなるCPでした。
幸せになって欲しい。
そんなに突飛な設定ではなく、
むしろ使い古されたかも?と言ってもいいような印象を受けましたが、
鳩村さんは時々「…キター!!!」くらいの
私のツボをどぎゅっと押して下さるお話を書いてくれますw
この作品はシチュエーション云々じゃなくて、
登場人物それぞれの思いやりと温かい愛を読めるものだと
個人的には思いました。
先のレビューアーさんがせっかくネタバレ無しで書いて下さってたので
私も珍しくネタバレなしでレビューさせていただきますw
お互い一人の人間として、その意思を尊重しあえる間柄、
築こうと思っても決して簡単な事ではありませんが
間違って送られた配達物によって引き合わされた二人。
しかも最初、受け(になる)諒一は何も先入観無く仲良くしたいと思い、
司が男とキスをしているのを目撃してしまって
生理的に嫌悪感を抱いたのも束の間、
それまで以上に真摯な態度の司にだんだん惹かれていく…。
異性の恋も、同性の恋も、自分の気持ちだけ押し付けるのではなく
優しくしたい、例え自分が多少傷ついたとしても、
相手の事は傷つけたくないという
思いやりがベースだと思うのです。
もうそこまでくると“愛”の域かもしれませんけれども。
自分ではいっぱいいっぱいだった時でも、
恋人がしてくれた気遣いを反芻して
同じように相手の気持ちを少しでもラクにしてあげたいという想い。
残念ながら私は泣くまではいきませんでしたが、
非常にせつなく、でもちゃんと愛に届いて良かったなぁって
心から思いました。
元は司だけの友人だった津田と幸央というゲイカップルも
性格は違うし視点は違っても
諒一と司をちゃんと信じて助言してくれるあたりが
じわじわと嬉しくなりました。
津田は冷静かつ客観的に、でも決して冷たくはない意見で
幸央は若さゆえ突っ走るような熱い気持ちで。
それに勇気づけられた諒一はとても心強かっただろうと思います。
とても好きだったエピソードは
挿絵のムクさんもおっしゃっていましたが、
電信柱に例えたシーンです。
小さい頃やった、じゃんけんで負けた人が、
次の電信柱まで荷物を全部持つという遊び。
「次の電信柱が見えてるんだから、がんばりやすいだろ」
いつか言った司の言葉。
“次の、次の、次の電柱まで───ずっと歩いていこう。”
一人でつらくても、思い出した愛しい男の言葉を噛みしめ、
歩く夜道の切なさに胸が締め付けられました。
目の前の事をとにかくこなして、また何か起こっても
その時の自分のベストを尽くす他はない。
司と出会う前は
“石橋を渡る必要がないなら、叩くな、渡るな”がモットーだった諒一が
前向きに努力を重ねる姿が健気でたまりませんでした。
恋人が言った言葉によって救われた分、自分も返せるって
愛ゆえだなぁとしみじみ思えました。
そうそう、初めて肌を重ねた時の、司の言動ときたら!!
それまで穏やかだった男が滲ませる情欲…むっはーーーー!!ww
羊の皮を被った狼とかではないのですが、
やっぱり男だね!!っていうかw
そういうギャップも楽しませていただきました♪
何かのひどい攻めのお話を読んだ後だと、
かなり攻めの優しさが沁みる作品だと私はうっとり致しましたよ!!w
あらすじで「雪は天使の羽なんだよ」なんて言う男なんて、
どんだけ乙女!?って最初思ってしまいましたが
そういうわけでもなくてホッとしましたw
ネタバレなしでいきたいと思います。
以前出されていた『君の心を眠らせないで』にSSをつけ、さらにイラストレーターさんを変更し出版されました。
前作は未読ですが表紙を見た感じでは、イラストは今回の小椋ムクさんの方が世界観にあっているなーと感じます。
この手の設定はご都合主義感がする物もあって苦手なジャンルですが、こちらは最後まで「大丈夫なのかな」と心配させられ良かったです。
受けであるノンケの諒一は、飲料メーカーの営業マン。
普通に女性とつきあって結婚して子供を持って…と考える、ごくごく普通の男。
攻めの沖野はゲイ(バイ)で、税理士さん。
諒一より歳も内面も大人の30歳。
スマートな雰囲気。
宅配便の誤配達がきっかけで、同じマンションに住むふたりが知り合います。
こんなことがなかったら、単身の住まいで隣近所と交流を持つことはなかったでしょうね。
どんな人かと思っていたら、思いがけなく常識的で気持ちの良い人だったということで、友人づきあいを始めます。
偶然沖野がゲイだと知った諒一はつきあいは続けるものの、時折『ゲイ』というものに無神経な行動を起こします。
それでも、沖野がひたすら優しい。
心の中ではたくさんの葛藤があっても、本当に優しいのです。
自分の気持ちを押しつけず、一歩引いて諒一に対しています。
ゲイの自分とは違う諒一に、最後の逃げ道を作ってくれているようで切ないです。
後半にそのことは、彼が残していた物で諒一は実感するのですが。
ふたりでたどった道をひとりで歩く淋しさ。
以前は自分の手を引いてくれていた相手を、今度は自分で導く勇気。
そんなものが溢れていて、とても素敵な作品でした。
わたしだったら諒一のように、あんなに一途に待てるだろうか…と思ってしまいました。
記憶喪失ネタって本当に多いのですが、このパターンは初めて読みました。ほぼほぼ全ての作品が、愛する人の記憶が戻ってメデタシメデタシで終わりますが、これはそんなワンパターンでは無いです。かといってバッドエンドではなく、深い余韻の残るハッピーエンドなのです。
この作者さん大好きなのですが、この作品はちょっと表紙からしてテイストが違うと手付かずでした。しかし、評価の高さから手にとってみたら大当たりでした。皆様、レビューありがとうございます!!
元々同じマンションに住んで居る二人が、宅配物の誤配から知り合い恋に落ちる。その後、攻めが事故に遭い、記憶を無くす。
ゲイ×ノンケだった為に二人の関係はすんなり進みません。お互いに好意を持ちながらも、未知の世界に対する恐れや、セクシャルマイノリティとしての臆病さみたいなのが出てしまうのですね。このあたりがしっかり書かれているので、二人の何とももどかしい関係、そして乗り越えて恋人になった時の喜びが自分の事のように感じられます。そして、やっと恋人としての気持ちを育み始めた矢先の記憶喪失。
攻めが記憶喪失になった為に、ゲイだったという記憶も無くしてしまいます。最初のゲイ×ノンケの関係から、今度は逆にノンケ×ゲイになってしまうのですね。ここからの受けが非常に男前で、傷付きながらも頑張る姿が印象的です。そして受けが「自分に何かあったら」と攻めから預かっていた荷物の日記を読むシーンが非常に切ない! その日記には、受けと出会い、恋をして結ばれ、恋人として付き合って行く攻めの気持ちが赤裸々に書かれています。「ありがとう。ありがとう。ありがとう。勇気を出してくれてありがとう。」の一文には、もう涙腺崩壊です。こんなに強い感情が消えてしまった事に愕然としちゃうんです。
この後、二人はまた恋に落ちますが、受けが諦めずに関わり続けた為です。ゲイのために、ノンケとの恋愛に怖じ気づいていた攻めに、最初にアクションを起こすのも受けですし、記憶を無くした後も行動を起こし続ける受けに拍手をおくりたい!!
全て元通りという訳には行かないですが、新しい関係を築いていく二人に深い感動をもらいました。
司の気遣いが素敵です!
緑茶や紅茶で眠れなくなったら困るからジャスミンティー。
ジャスミンティー美味しいよね。
寝相が悪いらしい司の回避方法は抱き枕!
諒一を抱き枕代わりに眠ること。
ガッチリホールドされて、身動き取れないのも困るよね(^-^;
可愛いけど…お手洗い行きたいってなった時、起こすの可哀想だなってなって格闘してそう!
ちるちるで記事になってたけど、これもノンケがゲイに目覚めるお話だと思います!
はしゃいでて恋愛覚えたての高校生みたいで可愛いです。
小椋ムク先生のイラストも凄くマッチしてる。
後半は切ないです。
記憶喪失になって実家に帰る司に取り残された感じの諒一は、俺に何かあったら処分してほしいと言われていた段ボールの中から司の日記を取り出して、読み始めます。
こっからのシーンはヤバいですね。
涙腺緩みます…。
幸せそうで良かったです。
でも、失った記憶部分が戻らないのは切ないです。
諒一、乳首でイけるようになったらしいので、そのシーン読みたかったです(笑)
どこかの時点で記憶喪失になるということがわかっているので、恋が始まり進展していくのを手放しで楽しめないのが悔しい。すごく臨場感ある展開なだけに。
子供の頃買ったドラえもん全巻、ジャンケンで負けた方が次の電柱まで持つ荷物、この辺りがきっかけで記憶が蘇るのでは?と期待も空しく、最後まで思い出してくれなかったのが辛かった。
恋愛をリスタートさせた二人の立場を逆転させる手法や、日記の出し方のタイミングは、さすが鳩村さん。
そして鳩村さんにしてはお仕事話が影を潜めてた気がする。
悪くはないんですが…。
二人ともほんとにどこかにいそうな設定で、やさしくて、悩んでて、
恋する気持ちがにじみ出てて、でもゲイだからと気持ちが苦しいところもきちんとあって、とっても優しいお話でした。
ただただ好きな二人だからこそ、すごく幸せになってほしかった。
いや二人で幸せになるんだろうけど、なんだかああよかった的な読後感が足りない…
記憶がもどりゃいいのかというと、それはそれで都合よすぎんべとも思うし。
そう、お話がリアルすぎてそれはそれでいいんだけど、でもリアルじゃない幸せ感を求めてるから、足りないーって思うんだ、きっと。
というわけでなんだかすっきりしないまま終わった私でした。