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hana to yasha
作家さんの新作発表
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『旗と翼』と同じ世界観で繰り広げられる、中華歴史もの。カプは異なりますが、前作と同じく主従関係で、今作は攻め視点。時代も前作から数十年後の設定となっています。
主人公の李三は大陸五国の蓉から北方に位置する寒冷地方の貧しい出自で、子供の頃にいわば間引きのために家を出された無学文盲でした。その後、王都守備隊の兵士として出世するも、教養の無さを克服すべく、独学で初歩的な読み書きを習得しようと奮起します。王都にある書舗で教本を探していた李三は、そこで身分の高そうな少年と運命的な出会いを果たすことに…。
10年後、二人は夜叉神将と主君として再会します。しかし、少年だった主君側の智慧は李三のことなど覚えていません。智慧付きの夜叉神将お披露目の儀式で、一方的に舞い上がって無様に泣き出してしまった李三にドン引きした智慧は、李三を断固拒否し、遠ざけようとする始末。王太弟である智慧には、李三の私情など挟む余地などない、王位継承をめぐる陰謀の危機が迫っていたのです。
王族としての使命を受け入れようと腹を括っている智慧。智慧に惚れ込み、一途に追い求める李三。両者とも魅力的に描かれているし、王家のドロドロとした愛憎劇やミステリ要素を絡めたストーリー展開に惹きつけられます。しかもコミカルさが少しプラスされていて重すぎません。前作に登場した白珠樹(話し方がオネエ)が再登場し、またも王家を掻き回すフィクサー的な役割を果たしている演出も心憎いです。
『旗と翼』は文体にハマってどっぷりと読み耽ることができたのですが、本作は一気にセリフ回しがくだけてしまってちょっと残念。
とはいえ、人を選ばないであろう読みやすさや、歴史物でありながらBLとしてのとっつきやすさを気前よく実現させてしまうあたり、テクニシャンの為せる技なのかもしれません。
最初から最後まで「ありえない」を連発した。
中学生向けの空想物語にやおい要素をいれただけという感じの浅い話。
ちんぴらの口調で自己の欲望を抑えられない駄犬な攻と外見だけでなく中身もお子様な受にまったく萌えなかった。
その他幼稚な登場人物たちにへきえき。おちも想像がつき、わくわく感がまったくなかった。
シリアスな主従ものにひたりたいひとは回れ右をしたほうがよいです。
この作品は前作『旗と翼』が作者デビュー作でその外伝的な作品といった感じです。と言っても、時代が半世紀ほどたっているし舞台が隣国なので前作の登場人物も一人を除いてまったく出てきません。
その一人というのが前作で主役を振り回した影の主役ともいうべき白珠樹で、爺さんになっても得体のしれないつかみどころのいないままの人でした。
あれからも数多くの人たちの人生を狂わせたり悲しませてきたのだろうと思います。
今作でも、隣国の王の側室が白珠樹の養女というところから何企んでるのでしょうと注目です。
白珠樹の思い出話しで、獅心と玲紀は最後まで熱烈で獅心の死後間もなく玲紀も亡くなったのは、一人置いてくのは忍びなくて連れて行ったのだろうという噂に真実味があって萌えました。
玲紀は書家としても画家としても立派な作品を残したそうで、終始甘さのない作品でしたがその後はきっと穏やかではなくても二人より添っていい人生だったのだろうと思うと苦さが薄らぐ気がしました。
幼いころから信じられるのはお互いだけだと二人で手を取り合って生きてきた智慧とその兄である王が仲たがいしてしまわなくてほっとした。慕う兄に冷たくされた智慧が切なくてかわいそうでした。
文章はとてもお上手で引っ掛かりのない書き方なのですが、古典的な言い回しや難しい言葉の連続に大変読み辛く気軽に甘いお話で癒されたいと思うときに読むものじゃないと思いました。
しかし、前作に比べれば主役二人が明るく元気で軽快な台詞運びで重く暗い雰囲気がないのは救いでした。
側近役の李三は何があってもめげないしぶとさや前向きで努力家なところなど愛すべきワンコ攻めでした。
デビュー作の前作と同じような時代背景で前作の隣国にあたる国が舞台でした。
前作はシリアス度がかなりお高めだったような気がするのですが、
今回は、シリアスながらも攻め様がワンコで、受け様がダダをこねる子供みたいで
重くなり過ぎずに多様な深い愛情を感じられる作品になっていたように思いました。
貧しい村の出て、親に売られ悲惨な過去を持っている攻め様は、地方での働きを認められ
王都守備隊に配属される事になるが、田舎者で読み書きが出来ない為に足手まといに。
そこで18からの手習いをする為に書舗へ出向くが店主に田舎者と相手にされず、
憤りかけた時に止められ、更に初心者向けの本を教えられ、田舎者だと差別もされず
相手にしてくれた受け様と出会うのです。
そして受け様の身分を知り、また、受け様の背後に付き従う老武官が受け様と死ぬまで
一生共にいる事を認められた伐折羅大将だと知り。
受け様の差別しない優しい人柄と美貌の顔に見惚れ、伐折羅になれば受け様の側で
一生使える事が出来ると言う望みを抱き、一念発起で10年後に伐折羅大将に任命される。
でも、新しい伐折羅大将として受け様に仕えようとするが亡くなった前伐折羅大将以外は
頑なに認めようとしない受け様、それにも実は深い訳があるのです。
10年も一途に受け様の側に行きたい為だけに頑張った攻め様ですが、犬でも追い払うみたに、されて、かなり凹む攻め様ですが、忠犬宜しく何処までも縋りつく。
ガサツで品もないけど、朗らかで粘り強い攻め様と逃げる受け様で、なかなか二人の
主従関係が成立しない。
そんな時に、受け様に父王殺しの疑いが懸けられ、蟄居閉門を現王である双子の兄に
言い渡され、父王が亡くなるまで仲の良かった兄から疑いを懸けられた事で心が閉ざされる。
そんな哀れな受け様に攻め様は今まで以上の忠義を・・・でも頑なに拒む受け様に
攻め様がキレて、受け様を傷つける行為をしてしまう。
王家の不名誉な事件や受け様に対する、不穏な噂、そして成長が止まってしまいいつまでも
15才くらいの姿の受け様、前伐折羅大将の死の真相と、父王の死の真相、隣国の陰謀。
かなり多様な背景があるのですが、それが実に一本の線でつながる構成で
惹きこまれるように最後までドキドキしながら読ませて頂きました。
なんと言っても受け様の成長具合が1番の読みどころ、駄々っ子で癇癪を起こしていた
受け様が、攻め様と共に成長していく過程が良かったです。
後半では、受け様が男前になったなぁ~と感じる展開もあって、攻め様のワンコ全開の
縋りつきようも、感情表現が大きいワンコそのままで面白かったです。