条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
hitoku no hana
進化した新しいタイプの人間が主役のお話で、受け様は両親も既に無く天涯孤独。
そして幼なじみで身元引受人だった恋人に捨てられてからはたった一人で生きてる。
でもそれも長くは続かない、恋人と別れた半年後に体調を崩し、医者に診てもらうが
すでに手遅れで余命1年と宣告されてしまった受け様。
身よりもいない受け様は一人末期の患者が暮らすホスピタルに入る事にして、
そこで最後の時を一人で迎えようとしていたのですが、死期が近いはずなのに
何か不思議な感覚を覚えるようになった時に、攻め様が目の前に現れる。
その攻め様から言われた言葉は、普通なら信じられない話なのに何故かすんなり心に
入り込んで納得出来てしまう、受け様は普通の人間としての生を終えると同時に
進化した人間の、バル・ナシュと言う存在に生まれ変わり長い時を生きる事になります。
バル・ナシュとなった受け様と、バル・ナシュに進化して10年目で受け様のガイドとして
傍にいる事になった攻め様とのラブストーリーなのですが、このバル・ナシュは種族の
結束が固く、500年以上生きる事が出来て、同族同士のセックスが好きなんていう、
設定で、更に暗示をかける能力があり、長い時を生きるための能力を備えているのです。
受け様は同族にモテモテ状態になりますが、人間だった時に恋人に捨てられた事が
こだわりになっていて、攻め様からの告白に臆病な気持ちから答えられない。
でも攻め様のかなりしつこい求愛に受け様がなびいて、恋人になり最後はパートナーと
なるまでを描いています。
これと言った大きな事件は受け様が死んで生き返る事が全てみたいな感じなので
後は、二人が結ばれるまでを同族のキャラを巻き込んで描かれています。
ちょっと変わったファンタジーですね。
きたざわさん作家買いで、ファンタジーBLは大好きです。ただ、悪くはなかったんですが、面白いかというと・・・う~ん。正直微妙。
レビュータイトル通り『ファンタジーBLって難しい』と改めて感じました。きちんと設定を作り込んで(この作品がそこまで作り込めてるかはともかく)展開すればするほど、1冊に収めるにはなんとも尺足らずに感じます。だからと言って、大長編シリーズにできるだけの中身があるかはまた別問題ですから。
こちらに限って言えば、別にわざわざここまで特殊なファンタジー設定にする必要ないんじゃないのかと思ってしまいました。この設定そのものは別に悪くないんですけどね。
ただ、とりわけラブ面の内容としては、ごく普通の日常設定でも充分じゃないかなってことなんです。
きたざわさんは地味に(何気なく)特殊設定ものは意外とあるんですが、今までのはいわば『なんちゃってもの』に近いと思うんです。あくまでもキャラクターのちょっとした能力程度といったものが多く、私はだからこそよかったんですよ。←本格的なファンタジーBL自体は好きなんです。それはもう大好きなんですが、きたざわさんの作風なら『風味』くらいの方が向いてる気がします。
それと、申し訳ありませんがHが多過ぎて食傷でした。しかも、内容的にはたいしたことしてないのに(変わったことして欲しかったという意味じゃないですよ)無駄に量だけを費やしてる感じです。いったい何が言いたかったの?
『バル・ナシュ』の特性として、持久力があるとか同族同士のセックスがとりわけいいとか、そういうのを表すためだけにならここまでの分量のH描写はいらないと思うし、それよりもっと他に掘り下げることあるだろ!と言いたいですね。
とにかく何もかもが物足りなかったんです。特殊設定ならではの状況やキャラクターの多さが、ただ表面的な説明だけで惜しかったな~と感じました。特に、脇キャラクターはなかなか芸達者(違うか?)揃いで面白かったのに。
もしかして、それこそシリーズの導入なんですかね?だったら設定・世界観やキャラクターの紹介・顔見せってことでそれなりに理解はできますが・・・続けて読みたいと思うかどうかは別として。
あと、私は高宮さんのイラストが苦手なので(しかも、余計に苦手な方向に絵柄が変わられたようで非常に苦しかった)、イラストによるプラスがないため余計いまひとつに感じたのかもしれません。