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junketsu keiyaku
猫も好きだけど、馬も好きな私にはかなりいい感じの内容で、初っ端から
骨折してしまった馬とジョッキーの受け様との精神的触れ合いみたいな場面で
馬の運命を思い、ウルっときちゃいましたね。
馬主オーナーと、ジョッキーとのじれったいような恋愛模様なのですが、
受け様の初心故の意地っ張りと言うか、相手への思いをなかなか認められない、
素直になれないのに、後悔しながらも意外に芯が強いところがあったりする受け様と
一見すると横暴で強引な見かけと態度なんだけど、その実受け様に逢いたくないと
言われれば、その通りにしてしまう本気の恋だから臆病になっているような
可愛いところもある攻め様との一筋縄でいかない恋の行方は、受け様視点でみると
逢いたくないと言った後から本当に全然会えなくなり、そのせいで逆に攻め様に
対しての気持ちを自覚する事になるのですが、攻め様の押してもダメなら・・・みたいな
恋の駆け引きかと思ったら、なんとお邪魔虫の妨害工作だったなんてオチもあって
二人の思いとは別のところで、すれ違う要因があってかなり後半まで恋人になれない
そんな二人なのですが、二人の関係以外にも競馬界を背景にしていて興味の尽きない
設定で面白かったです。
サラブレッドは血統が全ての世界で、地方の無名馬が重賞クラスを制する夢のような
お話なのですが、個人的にはかなり楽しめた作品でした。
競馬のお話という事で、どんな硬派なお話なのかとドキドキしながら読んでいましたが、
予想をいい感じに裏切って可愛いお話でした。
砂床先生と言えば「~夜」シリーズでお馴染みなように、
お仕事面をきっちり書いてくださる先生だと思っているのですが、
今回も馬の面倒・調教からレースまでを細かく書いておられました。
本物の競馬はちょっと見た事がある程度だったのですが、レース描写も興味深かったです。
BL読んでるのにおかしな事なのですが、私が一番感動したところは
駿一の復帰第一線のレース~レース後描写でした。
「よく頑張ったね……!」とちょっと涙ぐんでしまいましたw
それくらい、お馬さん関連の描写が良かったのです。
途中かなり長いすれ違いがあってヤキモキしますが(数ヶ月もすれ違ってるなんて!)
最後、収まるところに収まってよかったです、ホント……
可愛いツンデレ受けと、ちょっとお茶目な強引攻めがお好きな方におすすめです。
騎手の百鬼駿一は、父も騎手であるという家系で、乗馬する馬、オルクラウンもまたサラブレットの血筋です。
レース中に、オルクラウンの故障によりレースから遠ざかっていたものの、東城が駿一を訪ねてきて、もう一度レースに出ないかと投げかけてきます。それだけならまだしも、東城は「俺のものになれ」といきなり積極的な行動を起こすのです。
これまで性的なことをふしだらな遊びということで遠ざけていた駿一からすれば、いきなりの出来事です。
フォルトゥーナと共に順調に回復していく駿一は、やがてかつての調子を取り戻していきます。共に、東城への気持ちを自覚していくのですが、どうしてもこのあたりが萌えを感じにくかったです。
競馬界を題材にBLを描いているのは興味深かったのですが、いきなり駿一を押し倒してしまう東城の気持ちももっと読んでみたかったです。