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好き嫌いが別れそうな読み手を選ぶタイプの小説。
私は当初、絵師である上田さんが大好きで購入しました。この時はホラーが苦手だったのですが、これはさほど怖さが際だっている訳ではないので、楽しめました。怖さが…と言うか、出てくるキャラがあまりにも明るくかわいげのある子だったので、そう思えました。表紙を見てわかる通り、見た目は十分男前さんなのですが、なんせピンクのクマちゃんショルダーを下げる位ですからね。
お話は、連続少女誘拐事件の調査を鉄仁が霊能者の事務所に依頼をしに行き、解決すると共に、そこの主とちょっとあやしげな関係になってしまうといった感じのものになってます。
同時に収録されている「過去は憐れむ」は、先の事件後、職を失い理人の職場に再就職した鉄仁とのその後が描かれています。此方では理人の事務所で働いている舞と言う女性の兄:臣が依頼人となってます。この兄と理人の関係・やり取りも面白かったです。
ちなみにエロスは丁寧な描写で露骨な表現はなく、綺麗にまとまっています。この描写に甚く惚れました。
ホラーが平気で、尚且つ古式ゆかしい霊媒とか霊能者とか、そういうのがお好みでしたら合うかもしれません。周りに読んでる人がいないのでなんとも言えないけど、私個人としては、大好きな作品です。
※以下多少ネタバレ有
割としっかり霊能力者と言うか霊媒というか、事件について書かれていました。でもそれほど堅苦しい訳でもなく、読みやすかったです。
何よりも、ピンクのクマちゃんショルダーを下げている理人が押せ押せな受で可愛らしかったです。かと言って格好良さがないとかそういうのはなく、鬼祓いする時の姿は正に一流そのものでありました。
本編では、如何にして鉄仁を自分のものにしようかと企んでは怒られ、誘ってはかわされる理人を見ているのが楽しかったです。中盤辺りで鉄仁を落とした台詞は最強の誘い文句だと思いました。
解決後の再就職。愛情だけで採用とか笑っちゃったんだぜ。
シローさんの少し歪んだ優しさにも、心安らぎました。タイトル、なるほど納得です。
第二の依頼が描かれる同時収録作品は、本編では理人へと戸惑うばかりだった鉄仁が軽く嫉妬したり、自虐行為をしてしまう臣に理人が苛ついたりと、本編では見られなかった一面も拝めます。
生に執着する事ができない…だからたまに自虐行為をしてしまう…生きているからこその人生なんですけどね、臣には“生”が重みにもなっているようです。
とりあえず見所は、理人の反応一つ一つですかね。
絵師は上田さん。普段BLはあまりやらない方なので、違和感あるかもしれませんが、霊能関係としては見合っていると思います。表紙の理人が一番お気に入りです。ピンク!
あ、ちなみに年下攻めと言っても一歳差です。