薔薇とボディガード

bara to body guard

薔薇とボディガード
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
3
得点
22
評価数
5
平均
4.4 / 5
神率
60%
著者
たけうちりうと 

作家さんの新作発表
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イラスト
ひびき玲音 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
薔薇とボディガード
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784813000464

あらすじ

監視者は自分に訊く。
一目惚れの可能性はあるか?東部最大の警護会社P3Sの新入りジュンと看板スターグレイの出逢いは最悪だった。
ジュンをレディ呼ばわりした上、3日で辞めると宣言、冷たい男かと思えば、ふいの優しさをみせるグレイにとまどうジュン。
ふたりが恋を意識したとき、ジュンは卑怯な罠にかかってしまい!?スリルとロマンス、最高級のボディガード登場。

表題作薔薇とボディガード

グレイ・ラブストック,毒舌で有能な看板ボディガード
ジュン・テルヤ,真面目な新入りボディガード,21歳

レビュー投稿数3

一口では語れない

有能なイギリス人ボディガード・グレイ×ひよっこ日系ボディガード・ジュン、全5冊+外伝2冊。レビューがないことに大ショック…

わたしにとって初めてのたけうち作品で、他のBL作品とは違う独特のテンポや世界観に当時戸惑いました。
でもそこをクリアすると、驚くほどの広い視野からのたけうちさんの哲学に目をみはり、戸惑いながら読んだ1冊目、不思議とやめられない2冊目…と、気が付けば夢中になっている自分がいました。

主人公ジュンが、通称PS3というアメリカ東部最大の警護会社に入社するところから話が始まります。
物語の要となるのはジュンのボディガードとしての成長と看板ボディガードのグレイとの恋愛ですが、それだけでないのがこのシリーズ。
特殊なワーク描写、人間の欲と信念が絡んだ犯罪、個性的なPS3メンバー、強烈なキャラクターの依頼人たちとの交流、外国人キャラならではのジョークと駆け引きの応酬(たまについていけません 笑)、父の大きな愛、そして偉大なる自然。
とても一口では語れないこういった要素が、著者の確かな知識と英知に満ちた哲学に裏打ちされて、なんの破綻もなくシリーズ全体を構築しています。

心身共にダメージを負ったジュンが、生まれ育った厳しいアラスカの大自然を思い、父を回想する印象的なシーンがあります。
『世界にはいろいろな生き物がいて、愛のかたちも無限なんだよ。ジュンもジュンの愛を見つけ、一番いいと思う愛しかたを選びなさい』
この父の言葉はシリーズそのものに当てはまります。
物語の端々で、さまざまな人間のさまざまな愛を発見でき、その愛の形は、善悪というふるいにかけられずにありのままを写し、決して否定されていません。
ここが著者の他のBL作品と一線を画す、いい意味でも悪い意味でも最大の特徴だと思います。(おかげで、作品によってはその心情についていけなくて、微妙な時もあるんですが…)

こうして書くとなにやら入りにくい感じですが、独特のユーモアと個性に富んだキャラクターたちがテンポよく話を進めていて読みやすいし、アクション映画のような娯楽作品でもあるので読みごたえもあると思います。
会話のやり取りを楽しむだけでも面白いかも。日本人にはついていけない外国人の会話。笑

あっ、大事な楽しみポイントを忘れてました。
セックスシーンがすごいのですよー!エロさがじゃなくって比喩が。
1冊1冊のテーマに則した比喩を(この本は薔薇)駆使したセックスシーンに、もう笑えるやら感心するやら楽しみやら。これこそ誰にも毛頭真似できません。超必見!笑

5

愛すべき変わり者たち

こちらはイラスト一新で新装版が出ていますが、今回は手に入った旧版を読みました。

小説でSPものを読んであんまり面白かった試しがないのですが(すみません…)これは面白かった!
最後まで一気読みしてしまいました。
キャラクターもストーリーも面白く、何より作者さんのいつもななめ上を行く予想外の文章力(表現力?)がすさまじく発揮されています。

主人公はアメリカのシークレットサービスの最終試験までクリアしたものの、生き物に銃を向けることが出来ず、代わりに民間の警備会社に就職した日系人のジュン。
就任早々、先輩SPのグレイにイジメを受け、会社を追い出されそうになります。理不尽な仕打ちに納得いかないジュンですが…このグレイがホントに変わり者で見ていて飽きないんです。
クールに早足で歩いてったと思ったらカートにぶつかったり、ノックせずにドアを開けたら犬を口の中に入れていたり、喜んでも顔には出さずに早足で歩いていって見えなくなったくらいで大ジャンプしたり。

グレイが意地悪な理由が全く読めないジュンですが、そこには危険なSPから手を引かせたいというグレイの思いがあります。読者には最初からグレイの考えが明かされていますが、意味もわからずグレイに振り回されるジュン。
この二人のケンカ腰のやりとりは見ていて楽しめます。
そして何より、グレイが自分に好意があると知ったジュンの行動が可愛いです。今までムカついて不可解だったところが全部良く見えるというか、わーわーと部屋を飛び回りたくなるような、羽が生えたような?そんな表情が似合うはしゃぎぷりはものすごく可愛い!
正しく恋したら、て感じですね。

しかし、喜んだのもつかの間、グレイの厄介な性格故、近づこうとすれば永遠に受け入れられない事実にジュンは気がつきます。

前半が面白かった分、後半の暴力的な展開が若干苦手でした。ボディガードものだとどうしてもね、仕方ないのかも知れませんが。

自然と野生の生き物に囲まれ、悠々と憂いを知らずに生きてきたジュンは、都会に来て仕事に就き、圧倒的な暴力と悲しい人間と様々な愛の形を知ります
自分でも悩みも知らずお人よしで生きてきたと言っているジュンですが、私はたけうちさんがたまに書かれる、可愛いけど意思が固くて立ち向かう事を恐れないまっすぐなキャラが少し苦手です。ひねくれてるので、眩しくて目に痛いです^^;
この都会の歪んだ人間の愛を見ても決して否定せず許容できる素直さはなかなか持ち得ないものじゃないでしょうか。

お話としては神評価を付けたいくらい本当に面白かったです。脇キャラクターも台詞も素敵。ですが、個々のキャラはともかく、肝心のカップリングとしての萌えは感じなかったかな~と思いました。
どちらかというと「本当に素敵な相棒同士」という風に私には見えました。

ですがラストのグレイの告白シーンはドラマチックでグっとくるものがありました。
なかなか危険にさらされながら(死に面しながら)の告白というものはお目にかかれないので、設定ゆえのその辺の効果も魅力的だと思います。



2

シリーズ一冊目

ちょっと冒頭からノリが読めないんで、とっつきにくいと思うんですが、はまると、それがクセになります。
天然も入っている素直な主人公と、彼に一目惚れらしい有能なボディガードの掛け合いがおもしろいと思える人だったら、このシリーズにはまると思います。

ボディガードのお仕事描写もわりとちゃんと入ってますが、ヤマ場の展開は映画で観たことがあるので、読めば元ネタがわかる人も多いかも。

0

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