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……その声、体液の一滴まで私のものだ
某虎さん漫画でテンションがあがり、もふもふいいじゃーん?気分になり
もともとちょっと気になっていたので読んでみました。
タイトルから、もっとコミカルだったり可愛かったりするのかと思ったら、
おやまぁ、結構シリアスな話でした。
狭い日本のこの21世紀に外界と隔絶した村とか、最初から突っ込みたくなる設定(笑)
突き抜けちゃっていればそれはそれで受け入れられるんだけれど、中途半端かな。
肝心のもふもふ。
ケモノちゃんになっちゃう話なのかと思いきや、これは変身!はしないんですねー。
満月の夜や、感情が昂った時にしっぽが出てくるだけ。残念。
こちらのもふもふさんは、赤い狼なんですが全然野性的じゃなくてジェントル~
それどころか、臣下である受けに対して、
自分の為に身を捧げさせることから逃がしてやりたいと思ったり、
対等に見てほしいって思っている。
受けは16歳の時に儀式を通じて次期司祭に選ばれて以来、
会った事もない攻めが命より大事。
死後も一緒を甘美な喜びと捉えられる程の妄信愛~~w
うん、正しい主従。好きそうな設定ではあるんですが、
全体としてピンぼけな感じは否めない。
せっかく木下けい子の絵なのになぁ、今イチミスマッチだし。
真崎さんの『もふもふ』シリーズと言えばらぶらぶコメディ、と思ってたんですが、今作はシリアスでした。そして、言うほど『もふもふ』じゃなかった気がしましたね~。実際に作中に尻尾が出てくるのが、ようやく2/3過ぎたあたりですし、何より肝心の『もふもふ』が全然ラブリーじゃなかったよ・・・
これ、わざわざシリーズの一環でやる必要あったのかな、と思ってしまいましたね。それくらい1作だけ浮いてました。
こういうシリアスでしっとりした設定で書きたかったのなら、シリーズ離れてやった方がよかったんじゃないかな。『もふもふ』の影が薄過ぎたから余計ですが。
それに、ラブもどうも。結局『刷り込み』と『本能』?いや、それがダメなんじゃなくて、だったらそれはそれなりにもっと掘り下げられたんじゃないかなあってことなんです。なんともキャラクターの心情描写がいい加減に感じました。
あとがきで作家さんが『アホを究めようとした』と書かれていたんですが、これはまったく違うだろ、となんともちぐはぐな印象を受けましたね。『アホ』というなら今までの3作の方がよっぽど究めてたと思います(褒め言葉です)。
私は、もともとこのシリーズはそれほど好みではないんですよ(前作『孤高のラブリー』だけは例外的に好きなんですが)。これは今までの3作とはまったくトーンが違いますが、どちらにしても私の好みとはあまり合わなかったかな、という感じでした。
そしてイラスト・・・なんでこのシリーズ、次々イラストを変えるんでしょうね。今作の木下さんは、申し訳ないですが今までで一番合わなかったです。
トータルではつまらなかったです。真崎さんは好き作家さんなんですが、これは『私のダメなタイプの真崎さん』の典型のような作品でした。設定だけで描写が薄っぺらいというのか。
ちょっと残念でした。
もふもふさんもシリーズ4作目に突入して「もふもふ」って言葉だけで条件反射で
萌え萌えしちゃうような気分にさせてくれる魅惑のシリーズ!
今回のもふもふは一味違うもふもふ攻め様で登場します。
千年の昔からの仕来りを密かに守り貫いている山間の村がお話の舞台で、
今までの都会の中にいるもふもふさんとは違い、神格と崇められながら村を守る為の
尊い主として暮らしている攻め様。
そしてその村では攻め様の家系の当主の側使いとして数十年に1度、攻め様の右腕と
言うべき司祭を決める儀式が執り行われ、村の子供十数人の少年の中から選ばれる儀式。
既にシリーズを読んでる人なら気が付くはずの、月の影響で発情し、自分の生涯の相手の
匂いを嗅ぎ分ける攻め様の習性を利用したような儀式なんですよね。
そして選ばれたのが16才の受け様なんですが、代替わりするまでの間は都会で攻め様の
為に必要な資格を取り、攻め様の側へ行ける日を夢見ている受け様。
この受け様は、儀式の前に不可抗力で村の禁忌を破って、人間が立ち入ってはならない
場所へ入り込み攻め様の姿を垣間見た事があるんです。
そしてその姿に神々しいまでの憧憬と畏怖を感じながらも見惚れてしまう一目ぼれ状態。
そして攻め様に選ばれた事で、盲目的に攻め様を信仰するようになり、傍仕えとして
都会からやっと村へ帰れたときは嬉しさでニヤケテしまいそうになる程心酔してる。
綺麗な赤い狼さんにずっと焦がれて恋してるような受け様なのです。
そして攻め様は、少年の時の受け様の匂いに惹かれ感情が抑えきれず選んでしまうが
後悔もしている、それは亡き実母にまでさけられた己の尻尾付の姿があるから。
攻め様はそれを代々家に伝わる呪いだと思っているのだけど、受け様にしたらその真逆
その姿こそ、愛しくて無礼と知りながらも尻尾を触らずにはいられない程もふもふの
誘惑にさらされているのですよ。
この天然で一途に攻め様一筋の受け様の思いで攻め様が次第に心を救われていく。
そして同時に愛しい伴侶として放せなくなる思いに駆られる。
それでも、都会に出ていた受け様が都会を恋しがったら手放す覚悟もしてる。
こちらも思いやりにあふれた攻め様なのですが、受け様の思いはかなり強くて頑固。
攻め様と一緒なら死出の旅も嬉しいと本気で思える受け様なんです。
いつもよりもふもふ具合が控えめで、シリアスな面もあるちょっぴり大人なもふもふです。
もふもふシリーズ4作目♪
今回は、今までとカラーが違ってちょっと神秘的な村を舞台にした若干シリアス目の主従愛も含めた展開となりました。
今までの作品とはほとんど関係なく、これ1冊単発でもOK。
主人公の弟が、2作目の魅惑の~に出ていた黒河教授の講義をとっていて、という程度の設定なので、接点はほとんどありません。
なにより、イラストがUPされた時、木下けいこさん~!!とびっくりしたものです。
キャラ的にワンコはあっても、まさかもふもふが拝めるとは♪
ただですね~ちょっと残念なのが、このもふもふには耳がないということと、イラストでも尻尾はほとんど、ちょっとしか登場しないんです(涙)
今回のお話、どこがツボで、どこがポイントか?と考えるとあまりもふもふ自体の萌えは少なかったかな。。。
とにかく、受けが攻め一途で心酔して彼のためなら何でも、命さえ惜しくないというその健気な崇拝ぶりと、
独特な設定ゆえの死ぬまで一緒という固い結びつきの関係に至る事でしょうか?
多分、もふもふ設定じゃなかったら、自分的に敬遠するタイプのベタ設定と展開だったかもしれません。
おそるべし、もふもふの力!(ちょっとしかないけどw)
はるか昔、村の危機を救ったとして、その存在を特別なものとして崇め奉ってきた「狼王」の血筋の家系”神室家”の当主に仕える ”司祭” となることは、主人公・宰の望みであり、そして16歳の時、それに選ばれる。
仕える当主のためにだけ自分の進路はあり、村と神室家の秘密の保持のため、他所人との親しい交わりを一切絶って生活し、弁護士資格を取った宰は前当主の崩御に伴い、司祭としての任につくために村に帰ってくる。
前当主の葬儀まで50日、その間に前の司祭から引き継ぎをしなくてはならない。
憧れた当主・迅雷との対面。
ひたすら彼に仕えようとする宰なのですが、彼に嫉妬する傍付きの賢哉と、彼にそそのかされた宰の弟によって窮地においこまれるのだが・・・
宰には迷いがありません。
とにかく迅雷に憧れて、心酔しているので、それを下僕愛というのか、恋愛対象としての愛と呼んでいいのか、しかしそれもひっくるめて大きな愛かな?
ただ、迅雷のしっぽを見て触ったことで、別の愛おしい心も生まれたととっていいのかな?
そして迅雷については、宰が義務感で自分に使えているのか、心底自分を愛してくれているのか、それを推し量ってギリギリまで見極めたという態度だととればいいのでしょうか?
なにせ、この当主と司祭の関係は、当主が亡くなったらどうも殉教するようなのです!?
死ぬまで一緒、死んでも一緒。
そして、堕つればもろともの運命共同体、一心同体となる、運命の永遠のパートナーという設定のようなので。
そういった設定重視だったために、もふもふが薄めになってしまったかもしれないですね。
しかし、シリーズとなればこうした違って展開もまた新鮮味があっていいのかもしれません。