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hanayoizaka ni koi ga mau
大阪を舞台にした芸と恋のお話なんですが、帯でもはんなりと表現してるが
まさに、ぴったりな表現だと感じる作品でしたね。
大阪が舞台のわりに、人形浄瑠璃の世界の為か、コテコテ大阪弁ではなくて
京都弁に近いはんなりした会話が一見すると芸事も恋を激しさを感じさせることが
少ない感じで穏やかな雰囲気で進んで行くお話でした。
簡単に言えばアップダウンの少ない淡々とした作品。
全体的に主人公である受け様の周りは攻め様を抜きにしても受け様を可愛がる人が
大変多い感じで、だからこそ、攻め様をどこか近寄りがたい怖いお兄さんと感じる。
攻め様は義太夫節語りで、受け様は人形遣い、同じ文楽の世界では兄さんになり
受け様が尊敬し憧れている人でもあります。
受け様は昔から攻め様の義太夫節語りを聞くと何故かドキドキが止まらないのです。
しかし、同じ文楽でも、扱う芸が違うのであまり接点が無かった二人ですが
受け様が手首を怪我した事から人形での練習を師匠に禁止され隠れて無理をしないよう
攻め様の師匠で祖父の義太夫の所へ怪我が治るまでの間、居候する事になります。
そこで二人の距離は縮まって行って、受け様はドキドキが攻め様を好きだからと知る
しかし、攻め様には既に許嫁がいて、それは受け様の師匠の孫娘なのですが
受け様は思いを自覚すると同時に思いを打ち明ける事が叶わぬ片思いを・・・・
この作品はそれぞれ、皆優しい人しか登場していないみたいでホント穏やか作品。
刺激的な作品が好きな方には物足りないはんなりストーリーですが
人形浄瑠璃はかなり興味深いお話でした。
The B-un L-aku、文楽の世界が舞台です。
マンガもBLもここのところジャパネスクブームですが、今度は人形浄瑠璃ですかぁ。
ワタクシ、文楽の素養は全くなく、
三浦しをんさんの小説でほほう〜と思っていた程度ですが、
こういう芸物は好きですので、手にとってみました。
全く知らない世界なのでどの程度リアリティがあるのかは分からないのですが、
文楽の修行、公演や舞台裏などはとても面白い舞台立てになっていたように思います。
大阪弁や高津宮などの上方情緒もいい感じ。
ですが、そういう素晴らしい背景に乗っかっている人物やストーリーが
アンバランスに甘くてライト。
まとまるまでの本編が文庫半分程度なので、分量の問題もあるのか。
読み易いし、それなりにまとまって好感が持てる話ではあるのですが、
むしろコメディにでもした方が良かったのでは?という軽さ。
主役二人も中高生の恋愛だったら「かいらしい」とも言えるかもしれないけれど、
伝統芸能の道で精進する大人の男にはもっと深みが欲しいし、
意地や、ストイックな色気みたいなものを望みたい。
受けは思春期の女の子みたいだし…
ということで、惜しいなぁというのが全体を通じての感想です。
京都が舞台ではないのですが、文楽の世界が舞台。
主人公が健気で思わず感じた言葉が「はんなり」
日本の伝統芸能を舞台にした作品はどうにもこうした、しめやかなというかしっとりした作風のものが多いのですが、これもまたそうでありました。
この世界嫌いじゃないです。文楽は大好きです。
心中モノなんかは大好きで、表情の変わらない人形がまるで生きている人間のようにさえ見える時があります。
三味線と唄を担当する義太夫の篤也が好きな、人形遣いの直規。
怪我をして完治するまで師匠の家にいるのはつらいだろうと、義太夫の篤也の家である三味線の師匠の家にしばらくやっかいになることに。
そこで知った、自分の師匠の娘と篤也との縁談の話。
心を乱されながら、篤也と過ごす日々は直規には嬉しく。
そして迎えた若手会の発表の日・・・
この作風と雰囲気が好みに合えばとても好きな作品でしょう。
残念ながら自分には、世界は好きだけどこの主人公達の雰囲気がたるくて今一つ好きな作風ではありませんでした。
元々、主人公の外見描写が”お人形さんのような”という表現がされているので、仕方ないのですが、女子みたいな感じ。
自分のイメージはもう少し凛とした強さみたいのを感じたかったのです。
恋に悩み、芸に悩み、そして恋が芸を上達させていく。
主人公なりに悩んで、頑張ってはいるんですけどね、今一つ自分に自信がない。
強い主人公を望んでいるわけではないのですが、主人公に共感ができなかったのが大きな敗因でしょう。申し訳ない!
ふんどしと着物と文楽と師弟関係だけでは萌え切れませんでした。
師匠は厳しかったけど、主人公にも厳しさが欲しかった。
雰囲気だけでは入り込めませんでした。