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miwaku no last scene
今回のMr.シークレットフロア、小説篇は長年鬱積して行った憎しみ&復讐がテーマ。
美麗な受け様の思春期の頃のいじめが発端になっているシリアス系の作品。
大人の不用意な発言が子供の残酷ないじめへと発展していく様はかなり痛いです。
この受け様の特質すべき性格はそれでも冷静に何が発端になったのかを綿密に
シュミレーションするような性格でもあり、それが作家としての糧にもなってる
考えようによってはなんて皮肉な展開なんだろうって感じますね。
主役は、過去の苛めの復讐の為だけに作家を続けているような受け様と
東王出版ミステリー部門編集長でホスト顔負けの色男で軽薄なノリがある攻め様。
攻め様にしたら、なんで復讐の対象者になるのかなんてわからないのも無理はない
ような感じなのですが、苛められた方からしたら決定的な理由なのです。
攻め様に復讐する為に、そこそこ売れる作家になり、攻め様の出版社で執筆依頼を
されるまでになり、いよいよ受け様の復讐の舞台が整いだす。
担当を攻め様自らにしてもらう事で受け様の復讐の第一歩が始まる。
受け様は自分の身体を生贄にする事で復讐をしようとしているのですが
なにぶんにも未経験者で童貞さん、誘う事なんて出来ないのですが
相手から誘いを受けて、復讐の準備が出来たのですが・・・
受け様の悪になりきれない子供の頃の声が今の受け様に語りかける感じは
受け様の迷いを如実に表しているようでした。
再会した時に攻め様が自分を覚えていたら復讐をやめようなんて思っていたりして
過去と決別できない受け様の弱さと寂しさと心細さが切なかったですね。
攻め様の傲慢なんだか、図々しいんだかわからないふてぶてしさも編集長って感じで
かなり魅力的、後半で受け様にお前の奴隷だなんて言ってるけれど、やってることは
奴隷と言う名の暴君みたいで笑えます。
少年の心を失っていないような攻め様って雰囲気もするし、百戦錬磨って気もする
一筋縄ではいかないような魅力的な攻め様です。
でも、受け様が復讐を成し遂げるのですが、その展開がそれで受け様許すのね~って
ちょっぴりだけ、円満過ぎるような流れだったように思えます。
それでも、シークレットフロアが舞台だからここで始まり終わる為にはこんな展開が
流れ的には限界なんだろうとも思いました。
同時収録の短編は、かなりコミカルなノリで楽しめる内容になっていました。
受け様に結構ベタボレな攻め様と、まだまだネガティブ思考に陥りがちな受け様。
ホントに似合いのカップルだと思える作品で楽しめます。