黒革の手袋

kurokawa no tebukuro

黒革の手袋
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
13
評価数
3
平均
4.3 / 5
神率
33.3%
著者
玄上八絹 

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イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
サークル
27000Hz〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
シリーズ
しもべと犬
発売日
価格
ISBN

あらすじ

※18禁
オリジナル同人誌
 商業誌・同人誌の《犬》《きつね》シリーズと同じ世界観を持つ。

表題作黒革の手袋

犬飼青砥・公安所属の《犬》
高坂薫・公安捜査員

その他の収録作品

  • ご主人様のいう通り
  • あとがき

レビュー投稿数2

攻めわんこの健気。深まる「事件」への謎。

同人誌番号Op.22。13冊目の≪犬≫シリーズ。
商業誌と世界観を同じくする、同人誌オリジナルである。
ここに新たな主と≪犬≫が登場する。
わんこシリーズを読んできた読者は少なからず感じてきたであろう。「攻めわんこはいないの?」と。
無垢で健気で一途。≪犬≫たちに共通する主への愛の示し方は攻めわんこ、青砥も同じ。
彼の主、薫もこれまでの主たちと同じく過酷な過去を持っている。
薫の右手に常に嵌る黒革の手袋。それが理由で、青砥は薫の≪犬≫となった。

以下、ネタバレを含む。
新たな≪犬≫青砥。彼の存在理由はハッキリしている。
公安捜査員として事件を未然に防ぐために発砲を躊躇しない薫に代わって彼の「銃」となる。
人造人間として、人を殺せない刷り込みを受けた上で人に銃口を向けるために青砥は薫に付けられた。
そして、彼を世に送り出した研究者の最後の良心・リミッターを抱えた上で青砥は発砲する。
リミッターの反動は青砥の命を握りつぶしにかかるほどの身体への負担で、故に薫は「引き金だけ引け」と冷徹に命じる。行為に「殺意」が加わったら命が危ういのだ。
この行動と思考の担い手が主と≪犬≫に分担されたような矛盾を孕んだ設定に、「事件」とそれぞれの恋愛感情が絡み合って、ゾクゾクするような高揚感を伴って物語は進行する。
まっさらな状態で薫の下に送り込まれた青砥は、美しく仕事においては有能ながら生活能力の低い主、薫を慕い、愛し、想いはひとつになりたい、と無心に思う。
それが容易に叶えられないのは、殺意と同じく強姦の衝動でもリミッターが発動し青砥の命に係わるからだ。青砥は言う「薫を抱けるなら、死んでもいいよ」と。
二人が立ち向かう、今作に於いての事件は、薫の過去と香港の麻薬絡み。おそらく商業誌の公安や≪犬≫シリーズ全体のおおもとの「事件」にも関連してくると推測される。
新たな主と≪犬≫の登場。彼らの恋情が育っていく様子。その甘い世界を楽しみながら、シリーズのスケールの大きさ、そして今作では繰り返される発砲により緊迫感に満ちたアクションシーン、と、何層にも重なる物語の面白さが伝わってくる1冊である。

なぜ、このクオリティの高い作品がシリーズとして商業化されないのか。
ファンとしては、もどかしいと何百回でも言いたい。めちゃくちゃ面白いのに。
また、現状(2018年時点)シリーズ唯一の攻めわんこである青砥は、非常にBL向きの身体の構造を持っているのだ。
以下に記すが、青砥のシモ事情なのでネタバレも含め自己責任で。

青砥のBL向きな身体について。
・達すると性器のつけ根の瘤が硬く腫れ、ぜんぶ出しきるまで抜けない。
・精液はヒトの10~60倍。故に射精時間も長い。
薫は他では体験できない快楽に泣かされるということで、これをとりたてて大仰にではなくサラリと描く作家の表現を好ましく思うと同時に、少々あざとくここで売りだせば青砥は人気者になれるのに。
とボヤき節のいちわんこファンである。
BLの世界だけに留めておくにはもったいないほどの作品。しかし、BLならではの愛しさあふれる登場人物たち。
物語の続きが描かれることを待ちたい。
青砥と薫の同人誌はもう1冊。「ご主人様の言うとおり」。今作に付けられた後日談に続く作品集である。

3

新しい《犬》。

商業誌『しもべと犬』をはじめとする、所謂『わんこシリーズ』の同人誌オリジナルストーリーです。

警視庁捜索一課5係の信乃と犬姫(『しもべと犬』『茨姫は犬の夢を見るか』)に次いで、新たな公安の《犬》(現時点では唯一の攻ポジション)とその主のストーリーです。←《きつね》(『千流のねがい』の凜)もいます。さらに、時期としてはこちらよりあとになりますが、同じく公安の《犬》であるクラウディアの商業誌(『ゴールデンビッチ』『ゴールデンハニー』)もあります。

非常に荒っぽく強引な捜索をする美貌の公安捜査官・薫(受)と、薫の《犬》・青砥(攻)。

薫は、麻薬捜査官であった父親への恨みで家族を殺され、その際の放火の火傷で常に右手に革手袋をはめているんです。

公安捜索官になった今では、犯人探しに一生を掛ける勢いです。

すぐに発砲する薫の代わりに発砲するために(枷として。結果的に枷にはなっていませんが)与えられた青砥。

ハードボイルド風味というんでしょうか。とても読み応えがある作品です、たぶん。
ただ、正直なところ私の好みとは違います。ちょっと重過ぎる。

まあ、個人的に苦手なタイプの作品ではあってもつまらないとは思わなかったんですけどね。
それでも、好きかと訊かれたら微妙です。もともと『事件(仕事)もの』が好みじゃないので。

ただ、この2人のCP・キャラクターはすごく好きなんです。
ですから、本編(こちらの表題作)は繰り返し読みたいとは感じないんですが(二度と読むか!って意味じゃないですよ。イヤまあできれば読みたくないけど)、ラブになったあとのSS等は大好きです。


同時収録作『ご主人様の言うとおり』はもう最高です!

薫は、実はこういう人だったのかという。←本編とは別人という意味ではない。それならば逆に驚かないと思います。ラブになってもそのままなんです。

でも何故か甘くて、きっとこの2人は幸せなんだな~という感じですね。

このネタ(なのか?)はシリーズ化されていて、同名の同人誌も出てます。


表題作は、個人的好みで言えば複雑なんですが(評価に困るし)それでもやっぱり読んでよかったとは思っています。

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