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偏食家で会食恐怖症の受け様と学食の料理長との餌付け的な
センチメンタルラブストーリーでした。
受け様は高校の数学教師で、美貌と真面目で生徒思いので
学生に人気の教師なのですが、ある秘密を抱えて苦しんでいるのです。
それは会食恐怖症と言うもので、人がいる場所や誰かと食事をする事が
出来ない、それも家族すら・・・
忙しい両親の元で言いたい事も飲み込んでいい子でいようとするあまり
心因性のストレスが原因と思われる会食恐怖症なんて病気になってるんです。
いつもは家政婦が作った弁当を持参して一人で食べてる受け様なんですが
毎週水曜日だけは、空のランチボックス持参で学食のおばさんに食べれる物を
見繕って入れてもらっていた受け様ですが、ある日いつものおばさんが不在で
学食の料理長が出てきて、傲岸不遜に特別はダメなんて言われて最悪な出会いを
してしまう二人、でもそれから何かにつけて攻め様にちょっかいをかけられ
誰に対しても心を開かない受け様が攻め様の強引さに巻き込まれていく
前半はネコみたいに毛を逆立てる受け様に土足で踏み込んで強引に餌付け
してる感じなんです、でも受け様が辛辣に拒絶すると落ち込んでるような
雰囲気も出て、受け様は翻弄されてる感じなんです。
でも、誰かと一緒に食べる事は出来ないけど、攻め様の作る料理は確かに
美味しいと感じる受け様。
ガサツで大雑把、デリカシーの無い攻め様なんですが病気の妹の為に
身を粉にして働いていたり、受け様の偏食を気にしたりと、大らかで優しい
人なんですが、まるきり正反対の受け様とは親しくなれないのです。
でも、受け様のかなり不器用で素直でない優しさを感じた攻め様は受け様との
距離を縮めようと悪戦苦闘、でもその甲斐あって受け様が抱えてる苦しみを
知りことになるんですが、攻め様は受け様を愛しいと思いキスしてしまう。
そんな出来事の後に攻め様の妹が急死して・・・・
攻め様に救われ、心惹かれてしまった受け様なんですが、その直後から
攻め様と連絡が取れなくなって・・・
中盤以降まで、受け様の苦しみを助けてくれるような展開なんですがやっと
ここからってところで攻め様に大きな悲しみの試練、今度は受け様が
攻め様の為に・・・・
ガサツで明るい攻め様とツンデレ系の受け様とのラブですが、この受け様
昼の顔と夜の顔がかなり違うのもギャップがあって面白い。
食べ物の事で翻弄される受け様ですが、夜は攻め様が翻弄されています(笑)
他人の好意を素直に受け取れない礼慈(受ゲイ)
誰にでも無条件に親切に出来る瀬良(攻ノンケ)
読み始めは、礼慈の人を見下した高慢な発言や発想に、眉をひそめる事しばしば。
実は彼の歪んだ性格は、幼児期のトラウマから来ており、それが原因で会食恐怖症という精神疾患に苦しんでいた。
しかし瀬良の無神経ともいえる強引なお節介と、彼の抱えている問題の重さを知り、次第に態度を和らげていく。
礼慈の心境の変化が、とても丁寧に書かれていて違和感なく読めました。
―瀬良の妹の死
妹の骨箱を胸に抱き、荒れた部屋で眠る瀬良の姿に胸が痛みました。
投げやりな態度で礼慈を追い払います。
しかしここで礼慈は頑張った!
瀬良の為に自分が出来る事を考え、強引に踏み込んで行く。
慣れない料理に四苦八苦する姿と、自分を心配してくれる心からの言葉に、今度は瀬良の方が救われます。
そして初H…
積極的な礼慈と、押されぎみの瀬良が面白かったです。
でも一つだけ不満が。
それは初Hの日時です。焦燥し荒みきっていた瀬良が、何故に数時間で立ち直り、普通にHしてるのか?心理的に無理があるんじゃないかと思ってしまうのです。いっそ後日談に絡めた方が良かったのでは…?
全体的に心理描写に重点を置かれて、最後まで丁寧に書かれていたので、それだけに残念に思いました。