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手芸さえあれば幸せだと思っていたけれど…。
zakuzakuzaku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
丸ごと1冊表題作です。成見(受け)の視点で進みます。
成見(受け)は手芸と料理が趣味。だけど、中学時代に好きだった先輩の何気ない一言にショックを受け、周囲には隠しています。研修でペアだった滝本(攻め)に好意を抱いているものの、高校時代の先輩に性欲のはけ口にされた過去から恋愛に臆病です。そんな中、滝本に緑色フェルトで作ったアレを落としたのを見つけられ、赤色で「自分にも作って欲しい」と頼まれます。おまけに食事も一緒にとる羽目になり、つい成見は姉が手芸も料理もしていると嘘をついてしまい…という話です。
派手な展開といえば、滝本と姉が恋人同士だと誤解するくらいなのですが、成見が楽しそうに手芸や料理をしている様や二人が親しくなっていく過程が可愛らしくて、飽きることなく読み進められました。
ただ、個人的に残念だったのは、姉の恋人が、滝本とそっくりの又従兄だったということ。遠くから見るとか鏡越しならともかく、二人そろって並ばないと違いが分からないくらい似ているというのはちょっと違和感がありました。従兄がゲイでスピンオフ作品でその設定を使う予定ならともかく、そこまで似せる必要はあったのかと疑問で。成見を悲しませるための擦れ違いに過ぎないようで、ご都合的に思えました。続編でその辺が活躍されているのでしょうか…。
滝本が好きなアレはなんだったのかと思いきや、作者様があとがきでタイトルと掛けてあると書かれていて、なるほど滝本は赤色が好きなのね、と笑いました。でも知らない人には分からないんでしょうね(笑)
陵先生のイラストも作品の雰囲気にピッタリで、成見は可愛らしく、カラーイラストの滝本は目つきも色っぽく格好良かったです!
甘やかすという程では有りませんが、傷ついた過去をまだ癒せていない成見に優しく接する滝本は素敵でした。ほのぼの社会人カップルがお好きな方にお勧めです。
乙女男子系の受け様とオタク男子系の攻め様との社内恋愛ですね。
なかなか、焦れったい感じもするし、妙に健気だったりと萌え心を擽ります。
二人は同じ会社の同期入社組で、研修時はよく一緒にいた二人ですが部署が別れ
社内でも顔を合わせる事が少なかったのですが、受け様のいる総務に来た攻め様が
受け様の落とした「アレ」を一目見て気に入った事から次第に交流が出来るのです。
受け様は、実はゲイ未満、でも初めての恋で辛い思いをしたことから恋に臆病で
肉体関係なんて事になったら過去の出来事でダメダメになってしまう感じ。
でも、そんな受け様は同期の攻め様に密かに好意を持っているのですが
所詮叶わぬ思いと諦めているのですが、思いがけず攻め様と社内でランチを
一緒に取るようになり親しくなっていくのです。
でも受け様は自分の叶わぬ恋心を思ってこれ以上おかしな期待をしたくなくて・・・
でも、攻め様からはどんどん親しくなるような雰囲気で押してこられる
いつしか二人は攻め様の家で家呑みするように・・・でも攻め様は自宅でここだけは
見ないでくれと言う部屋があるのです・・・それが攻め様の秘密なのです。
そして受け様もまた、攻め様に隠していることが・・・手先が器用で料理上手で
そして趣味が手芸でニードルフェルトで動物を作ることなんです。
まるっきり、乙女男子ですよね。
お互いが相手に隠したい事があって、それは互いに好きだからなんですよね。
受け様は恋に臆病になってるからニブちんさんでもあります。
そんな二人のほのぼのしたラブストーリーです。
それに、お話の中で「アレ」なんてかなり出てくる単語は受け様のニードルを
使う時のザクザクと「アレ」をかけてタイトルにしてるなんて小技も効いてます(笑)
手芸が趣味のサラリーマン(受)と、同僚(攻)の物語です。
成見は、料理が得意なだけではなく、密かに手芸が趣味です。
また、若いころのトラウマから、
趣味を周囲に知られること、またゲイであることがばれることに
臆病になっています。
そんな中、違う部署の同期滝本と接点を持つようになります。
毎昼ごはんの手作りお弁当を自分が作っていることがばれないように、
姉が作ってくれていると嘘をつき、
フェルト人形も、姉が趣味で作っていると嘘をつき・・・。
何とも健気です(笑)
なんとも、ほのぼのしたお話でした。
そして、フェルトの人形、作ってみたくなってきました!!
なかなか可愛かったです。
お弁当作ったり羊毛フェルトやってたり、こういうのもオトメンてやつですか?
性格はそこまで乙女な感じでもないんですが。
ただ、ゲイで以前付き合ってた人との関係がよろしくなかったがゆえに、恋に晩生になっているというか。
ゲイであるというマイノリティーが肩身を狭くさせてる部分もあるのかな。
確かに、料理や羊毛フェルトとかは一般的な男子ががっつりキレイに出来たらちょっと引くというか驚いてしまう部分はあるかもしれませんが。
それでも、そこまで隠さなくても…と思う部分も。
ま、やっぱ元彼が原因になってるんでしょうけども。
それも元彼といえないような都合よく使われた感じだったし。
姉妹が成見に対して非常に寛容というかゲイなことも認めてサラッと付き合ってる感じがすごいなぁと思ってみたり。
一方の滝本がアレを隠したくなる気持ちはわからないでもないが、アレ級にメジャー域のやつならそこまで隠さなくても…とか思ってみたり。
ま、本気のパンピから見たら「ヲタク」扱いされるのは間違いないですが。
で、恋人よりそっち優先されたら同じ趣味のない恋人はツライでしょうね。
なので、分かり合える相手に出会えてよかったんじゃないかな、と。
なんか結構、リーマンのお話のわりにかわいい印象を受けました。
あと、アレ。
タイトルの響きを聞いた時に、タイトルを忘れそうになるたびアレを思い出し連想してたんですが、まさか正にそれだったとは!
しかも、お話の中にもしっかりアレが登場して。
赤いアレとかアレですよね?
私も欲しいー。
羊毛フェルトも以前TVで特集みたいなのやってるの見たことがあってスゴイやつだってわかってたので、余計楽しめたかも。
私も成見に羊毛フェルトで赤いアレ作って欲しい…。
……とでも言いたくなるような、いわゆる「ご都合主義」的な展開がみられます。しかし、この作品の場合、それが「悪い」「つまらない」とはならないのです。
主人公は手芸男子でお料理上手、女子力MAX+トラウマ持ちのゲイの地味リーマン。自分の趣味も性癖も隠して、恋にも消極的に生きています。
そんな彼が惹かれるのは3才上だけど同期のイケメン。好きになりそうだけど自分を押し殺して、自作のお弁当もお姉さんが作ったということにして。
健気というか、読者としては「成見がんばれ!」一色になるわけです。
大人しくて健気な受けがノンケに恋をして、ノンケはノンケで胃袋をつかまれて、受けのお姉さんがそのノンケに瓜二つの従兄と婚約して、受けが勘違いしてのモダモダもあり、最後は受けの片思いが成就してノンケがあっけなく受けを抱く、という展開。こう書くと「は?どんなご都合だよ」と思ってしまいますが、このストレスフルな世の中、疲れ切ったココロはこういう物語にこそ癒される、というのもまた真実。
優しくって大人しくってオタク気味の受けが報われる、という勧善懲悪。あ〜良かった、というカタルシス。この「あるある」も一つのBL的美学、と言い切りたい。
双方の家族を巻き込んだ擦れ違いが切ない、リーマンBLです。オチが分かりやすいので安心して読める反面、少し物足りない感じもしますが、概ね楽しい作品でした。
隠れオタクの恋物語なわけですが、インドアな趣味に没頭する男性って私はいいなぁと感じる方なので、そこまで必死に隠そうとしなくても…とちょっと可哀想になりました。モノ作りの趣味に理解があるパートナーとしてお互いを大切に思う二人が微笑ましかったです。
セックスシーンは両想いを確かめてから一回だけ。意外と濃厚で甘々ですがエロいというよりは可愛いなーと思えるシーンになっていて、なんだか和みました。