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殺人事件に潜む影――。またしても巻き込まれたトムとアルバートの行く末は・・・。
Comet Halley
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
金髪碧眼エリート記者アル25歳×赤毛の可愛い系新人記者トム19歳の新聞社ラブ。しかしいつも事件に巻き込まれ探偵みたいな事をするのはお約束。
素敵なカップル達は今作で初めて結ばれます。ぎこちなくも初々しい初夜の場面は萌えました。夜じゃなく朝だったんだけど。柏枝先生の書かれる受けは無垢で天然小悪魔っぽい人が多いなと思いました。「硝子の街にて」シリーズの受け・ノブもそのタイプだったけどノブよりは精神的に自立してて大人です。19歳だけど小学生の頃から働いてるので。
とても面白いシリーズでこの小説レーベルがまだあったらきっと続いていただろうなと思うと残念です。
前作での二人のお話は、序章的な流れで、その時代の男装女装重罪で同性同士の
恋愛もタブー視されていた事が描かれていて、そんな時代に新聞記者同士が惹かれあい
そして事件の真相に迫って行く推理もののストーリーでしたが、ラブ的には今後を
匂わせる程度で終わっていたのですが、今回の二人の仲は・・・進展しました!
今回のお話のメインはハレー彗星、言わずと知れた76年周期で地球に接近する
彗星ですが、その彗星にまつわる噂での不可解な事件に攻め様が巻き込まれ
受け様もそんな攻め様を守りたいなんて思いと記者としての好奇心もあり、二人で
またもや事件の真相を突き詰めていくような推理ものです。
1910年のハレー彗星の時期の話で、この時代のハレー彗星は猛毒のシアンが
確認されたことで世界中が混乱した年でもあります。
人類滅亡説なんて事が信じられていた時代ですから、事件はその猛毒の被害を防ぐ
特効薬なるものを巡るお話で、特効薬を飲まなかった家の当主一人だけが亡くなって
しまった事から、事件が起こるのです。
ハレー彗星の通過で亡くなった人はいなかったのに、その家の当主は毒で亡くなり
その家族が当主だけが薬が1錠足りなかった為に飲まず、家族や使用人に薬を与え
自分が犠牲になったなんて言う美談的な話を家族がしたために、一斉に記事に・・・
でも、そんな荒唐無稽な事を言う家族の思惑を確認するために、攻め様は取材する。
そんな時に、攻め様宛の菓子から毒物が検出されてしまい、それを知った受け様と
二人で真相を探していくのです。
ラブ的には・・・あれっ?なんでここでくっ付く?なんてくらい簡単に禁忌の関係に
なってしまうんですよね。
それも、受け様の方が積極的でした(笑)攻め様はビックリしちゃう展開でしたね。
このお話はラブ度は低めな感じだと思うのですが、事件性の意外な展開はかなり
意表を突くような展開で楽しめるのです。
今回の攻め様が狙われた事件も、なるほど!ってラスト近くで感心させられるのです。
一味違った推理ものを楽しめる作品でもあります。
時代背景の設定で、男装女装は重罪で同性同士の恋愛も同じようにタブー
そんな時代の中で今回作品に
「Newspaper Row」の続編で、事件もので一話完結ですが、恋の進展は順を追っているのであちらを先に呼んだほうが内容が分かり易いと思います。
舞台は100年ほどまえのアメリカで、主役のトムとアルバートはそれぞれ別の新聞社に勤める新聞記者。
いつでも全力疾走のトムと、お金持ちで頭もいいのに気取ったところのないアルバート。
前回はまだ記者見習いだったトムは今回無事本採用になるのですが、アルバートのもとに毒入りのお菓子が届けられるという不穏な事件が起こります。
事件といっても現代と違って指紋やルミノール反応など科学捜査が普及していなくて地道な聞き込みが主体といった感じです。
挿絵に街全体が描かれていなくても、まだこれから発展していくであろうNYの街全体が文章から思い描ける雰囲気の作品です。
今は地下鉄が張り巡らされているNYも、このころはまだビルの建設ラッシュで、その間を高架線が張り巡らされて列車が走っていたとか、電話がやっと普及されたとか、車と馬が半々くらいで走っていたとか、女装や男装するだけで逮捕だとか。こんな親しみのない舞台のBLも面白いなぁと思います。
事件解決に新聞記者2人が走り回るというお話ですので、恋愛メインよりお仕事メイン・事件メインです。
ミステリーやサスペンス好きの方には楽しめると思いますが、恋愛要素はもっと多くてもよかったかも。
前回は互い好意をもったくらいで終わっていたけど、今回は最後までいくのが結構早くてもう最後まで…という気がしないでもないですが、初めてなのにトムのほうが積極的です。
ただ、抱き合っていても何だかこの2人は欲情の匂いがしないというか、私には親愛のように見えてしまうというか…。
もう少し愛を語らうシーンや、仕事を通じてかっこいいと思った以上に恋人としてドキっとなったシーンなどがちりばめられていたらよかったと思います。
これ以上先は出ていないみたいですが、一応これで終わりなのでしょうか。やはりこの作者さんの文章が好みですので、続きが出るなら是非読みたいと思うシリーズです。