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高校生の八尋は英語教師・狩谷のピアノの弾き語りを目撃する。甘く切ない歌声。以来、狩谷と秘密の時間を重ね、惹かれていくが?
koi no uta
元生徒と元教師
過去と7年後の話。
高遠先生の文章は、テンポがいいというか語感がいいという印象です。
難しい言葉ではないのに、とにかくキラッと光る言葉が嫌味なく使われていて、読んでいて心地いい。
7年後、再開後の元生徒、八尋が傷ついた先生を支える姿が微笑ましい。
トラウマ持ちの人物が出てくるが、そこまで重くありません。
案外、当て馬の柳本がいい味を出していてよかったです。
上品な文と内容を読みたい方にオススメ。
(エロはあります。)
「神様も知らない」シリーズが良すぎて、追っかけてこちらも読んでみました。
全体的にどうにも好みにはならなかったです。
攻め・八尋はいい男で、家庭に不満を持ちながらもグレることなかったのは堪え性があり、受けの教師や級友たちとのコミュニケーションも大人げあります。
仲が良かった同級生の女の子は、攻め・八尋に密かに気持ちを寄せていたのでしょうか。その女の子は表立って告白しないですが。でも攻め・八尋の人物像なら、その女の子が密かに好きになるのもわかります。
女子高生らしい可愛さで、かといってネチネチしたりせず落ち着いた女友達なので、BLに登場する女の子キャラとしては嫌味なく好感がもてました。
受け・教師の潤は傷持ち。理屈としてはその傷に引きずられる苦悩はわかるけど、どうも可愛く見えない。受け視点がなかったからでしょう、彼の本心がよく見えないからいい男には見えなかったのだと思います。
当て馬は、受けと寝なければいい男なのにと思いました。攻めの高校生相手に大人げなく、魅力的とは思えないキャラでした。
受けの気持ちがよくわからないまま、読み終わりました。
家庭環境が悪い高校生の八尋は、英語教師・狩谷のピアノと歌声に魅かれ……云々。
狩谷(受け)は十代のころ、自分に恋した男(当時両名とも高校生)を自殺させてしまって、自分だけが生き残ったという過去をしょってる。
トシを経て、教師として自殺の舞台になった高校に教師として赴任しても、過去は心の重しになっている。
高校生当時から友人であった柳本は、気を使い(?)軽いセフレのような関係を、狩谷と持っている。この当て馬でもあるキャラ柳本、なかなか魅力的です。(狩谷さんはこっちと「やがて真剣恋愛に至る」ってほうが、お話がなりたった気も。余計なお世話なのですが、どうも攻めの八尋は「まじめ」という以外、魅力を感じなくて。)
キツイ家庭関係にある高校生の八尋はピアノを弾き、うたう狩谷(センセー)に魅かれるけど。そのときはなにもできなかった。
…時が立って八尋が社会人となってから再会し、迫って、結ばれる…。
惚れられて、相手が自殺を誘い、自分だけが生き残るという狩谷(受け)の過去はJUNE的というか、重たいんですが、それが八尋(年下攻め)との関わりと、リンクしてこないというか、踏み込んでこないというか…過去のいきさつが、生きてないなあ?とおもいました。
過去にとらわれてた狩谷が、こんどはずいぶんカンタンに八尋を好きになるのだなあ~と。「BLだし」って言われたらそうか、と思うが、いまひとつ…どこが良くて、どういう感情のゆれがあって、受けが恋するのかワカラン。
重要なモチーフだったはずの過去への後悔は結局どうなったのか?
愛されて昇華されたという描写もないし、不満です。
加えてイラスト。あとがきで描いてらしたですが
わたしは、合ってないと思いました。
絵柄の印象が、トラットリアのピッツアだのジェラートというより、焼きそばとかアイスではないかなあ?なんでこの作品にこの挿絵画家さんをえらんだのだろう…。JUNE的な設定を和らげる目的?(←深読みしすぎ…)
わたしにはこの作品、なんだか座りが悪いように感じられました。
古い映画の主題歌のCalling Youを受け様の心情になぞらえて描かれる苦しくも切ない
過去に囚われる受け様とその教え子の初恋、そして再会してから始まる恋を
描いたかなり切ない系のラブストーリーでした。
受け様が過去に思いを囚われなが口ずさむ歌、「私はあなたを呼んでいるの
ねえ、聞こえるでしょう? あなたを呼んでいるの」
この歌詞が受け様の後悔にも懺悔にも似た思いが凝縮されているようでした。
両親の不破で家に居場所がなくて学校で時間をつぶしていた有坂が偶然耳にするのが
英語教師が奏でるピアノとCalling Youの歌
その歌を聞いた時に何故か胸にくる思いを感じる。
教師の狩谷とその日から一緒に時間を過ごすことが多くなり、同時に狩谷の過去を
知ってしまう事にもなるんです。
それは狩谷が囚われてしまって前に進むことが出来なくなっている出来事で
高校生の時に狩谷を置いて、亡くなってしまった友人の事なんです。
思春期で多感な時期に起こってしまった取り返しの付かない出来事の為に
狩谷の心は半分になってしまったような感じなんです。
狩谷はそんな思春期の危うさを有坂にも見えていたのかも知れません。
そして有坂はそんな狩谷のどこか儚いような優しさを感じる毎に思いが募る
でもそれは叶う事がない思い出もあったんですよね。
そして7年が過ぎて、偶然の再会をする二人、でも有坂が高校生の時に感じてた
気持ちがその出会いで再燃、でも狩谷の時間は止まったままなんです。
大人になって感じる狩谷の弱さや脆さに有坂は子供の時には感じなかった強い思いを
抱いていくんです。
そこから有坂の狩谷への、今度こそはって言うくらいの強い思いが・・・・
いつの間にか狩谷を包み込めるだけの大人になっていた有坂、成長です。
そして1番哀れなのが有坂の友人の柳本、亡くなった友人と三角関係みたいな感じで
さらに今度は有坂の教え子との三角関係。
でもどんなに思っていても有坂とはダメなんだろうなぁ~って、気の毒キャラ
ハッピーになった二人を傍で見てるのはきっと辛いだろうと思えるんだけど
さっぱりしてるキャラだからきっと別の素敵な人が・・・
脇キャラにも愛をなんて思ったりもしちゃいました。
初恋と再会の7年という時間を経たことによって、少年ではできないことが大人になって叶うという、有効にその時間が生かされたストーリー造りはとても読ませました。
この主人公の八尋が健気でワンコで男前で、その成長が実にイイ男に成長したよな~と惚れぼれしてしまうのです。
決してスーパー攻め様というのではなく、身の丈にあった男前ということで♪
また狩谷が銀髪(白髪?)の設定なのですが、若いのに銀髪・・・想像するだけですごく萌える外見です!
両親が不仲であまり家に帰りたくないけど、大学に行けば。。とスネないでいる高校生の八尋と、そんな気持ちを察して彼をつれだしてくれるようになった英語教師の狩谷。
音楽室にはそこから飛び降りてなくなった生徒の幽霊が出るという噂に、生徒もいない音楽室でピアノを弾いて歌っている狩谷。
前半部分は、この八尋と狩谷の出会いと接近、そこから解る狩谷の抱える心の傷。
狩谷の見せる色々な顔にだんだんと惹かれて行く八尋が、その過去の真実の関係者の一人になる夏休みの終わりで、彼等は離れてしまうことになります。
そして後半、社会人になった八尋が偶然、母親の再婚によってできた弟の付き添いで行った英語教室で狩谷と再会する。
離れた7年の間も八尋の心には狩谷が住み続け、
大人になった八尋だからこそ、彼は仕事を通して、弟を通して彼との距離を縮める努力をする。
だけど、そこには狩谷の同級生で、彼と体の関係がある柳本の存在が。
狩谷の心の傷を癒し、その根本にある愛することがよくわからないという、その気持ちを動かすのは?
狩谷がとても掴みどころのない人で、彼は自殺してしまった親友の亡霊にいつまでも囚われている。
それなりの理由もあるのだけど、囚われるだけの理由というのは彼自身の根本、家庭環境にあったんだという伏線構成が心憎い。
また、柳本という存在も、彼は結局アテ馬的存在になってしまうのだが、彼が狩谷を思うことは、過去に狩谷をしばりつけていることになっていると思えたのです!!
要は、柳本はお前が好きだと言いながら亡くなった親友を出しに無理矢理刷り込みして生ぬるい湯につからせているんですよ。
お前の気持ちが解るのは俺だけ、だからお前の傷を俺も一緒に、、って。
その点、八尋は違います。
彼は親の不和にも何とか自分で乗り切って、その親を切ることなく、母親の再婚を喜び歳の離れた弟をかわいがり、と愛情に対してまっすぐ向き合う姿勢ができている人だなという印象をうけるからです。
だから狩谷に対しても、正攻法でつき進む、人を好きな事に対してポジティブな面を見せるのです。
この違いが柳本をアテ馬にし、八尋を勝者にしたんだなと、、
もう、何だかんだ小難しい事を言うより、
年下男の健気で一途な愛情が、一見平気そうでありながら実はヘタレで臆病な年上男を情熱と執着で恋人にしたという、www
一見複雑そうで簡単な話だったのです。
ちょっと色々考えすぎてシリアスに深く考えすぎる罠に陥るところでした(汗)
この二人には幸せがまっているに違いない♪
なお、作中狩谷がピアノを弾いて歌っているのはかの有名な「Calling You」切なさ溢れる名曲ですが、これ、唄うの難しそうだぞ、、なんて、、きっと狩谷は歌もうまいのだろうw