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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
シリーズ二作目。また新たな事件が起こるがミステリ要素は特になく、個々のキャラクターの背景や、それぞれの関係性に重点が置かれた印象。
真面目な調子でラブコメのような展開が入ってきたり、スタンレーが実はあほのこなのでは?と思ったり、スピリチュアル系の話か……となったり。そしてやっぱりジンは掴みどころがなくて、一番気になる存在だった。
警視という立場ながら、ロスフィールドはスタンレーが担当する事件の囮捜査に協力する。目論見通り標的になり、犯人たちの前で死者や生者の思念を吐き出す。その後の描写は、ロスフィールドの闇の深さ黒さを美しさで包んでいるかのような表現で、ただただすごかった。
ロスフィールドの過去がちらっと見え、さらに深層にあるものをスタンレーが暴いたと笑うロスフィールド。
個人的にはスタンレーを入れずに、ジンとロスフィールドの関係で完結してくれても良いのにと思ってたけど、ロスフィールドには、目の前の安定を壊して欲しい願望みたいなものがあったのかな。
ジンはロスフィールドを傷付けたことにはブチ切れても、関係を持つことには怒らない。というかむしろ誘導しているような。でも嫉妬に狂うかもしれない自覚はある。前世や転生を真面目に語る精神科医は、本人の精神構造をまず分析して欲しい。とても興味深い。
双龍のくだりはスピリチュアルな意味が何かあるのかな。ジンが言うと何でも隠された意味がありそうに聞こえる。
それにしても前作に引き続き、ロスフィールドとジンの美しい容姿に関する描写が多い多い。同じ表現を何度も何度も使ってまで伝えないといけないのか、正直クドい。スタンレーはやっぱり怒りっぽくて子供すぎる。
できればもう少しスタンレーに成長して欲しい。三角関係として見ると、ジンとロスフィールドの周りをうろちょろする小物に見えてしまうときがある。
とはいえこの三人がどうなるのか、次作も楽しみ。
前作でキャラクターの関係性掴んだから
スルスル読めた。
とっても面白かったです。
連続殺人事件の囮捜査協力をアリスターに依頼するスタンレー。渋々のOK。囮捜査って事は、犯人に狙われるリスキーな立場。今回、頼りになるジンは家庭の事情で日本に帰国しちゃってて不在。スタンレーしかいないのよ。
アリスター、犯人グループにロックオンされて、どうすんの?どうなるのー?って気なって読むスピード上がりましたよ。
アリスターを危険な目にあわせた事でオコなジンにスタンレーがお仕置きされるシーンがめちゃくちゃエロチックで好きでした。ジンさん素人で初めてなのに刺青和彫りでスタンレーに施すとは、なんて人なんだ。落書きみたいな仕上がりにならなくてよかったね。ドラゴンの刺青のスタンレーと龍の刺青のジン双龍でアリスターを守るってなんでドラマチックな三角関係。そんで、昂ったスタンレーとジンの2人、くちびる貪りあったってのもドキドキしました。同じ男を愛する同士なのに、おかしな事になってる。
人の魂に共鳴してしまったり憑依体質だったりするアリスター。幼少期の頃は、数代前まで遡れる位前世の記憶を持ってたって事実が発覚。これは、前巻巻末のウロボロスにやっぱり繋がっていそうだよ。
気になる伏線が散りばめられてるので、次の巻が楽しみです。
スタンレー・ホークのシリーズ第2作。
もう本当に素晴らしい!こういうの大好きですね。
題材といい、文体といい、本当に好み。特にこの第2作には私のど真ん中の描写があってもう「神」しかない。
本作は、2編の中編プラス1編のかなり短い短編で構成されています。
「FILE 3 葛藤ーアンビヴァレンツ」
すっかりロスフィールドに恋をしてしまったスタンレー。
バージルシティでは裕福な一人暮らしの者が強盗殺人に遭う事件が14件も続き、スタンレーはロスフィールドに「裕福な一人暮らし」の囮になって欲しいと頼んでいる。
…という冒頭。
囮捜査は禁止されているのに、結局ロスフィールドはそれを承諾し、ゴージャスな独り者として前の被害者と同じエリアで同じ生活様式を送っていた。そして狙い通り、犯人はロスフィールドに襲いかかり…
この1編のハイライトは、犯人の手に触れたロスフィールドが以前の被害者や犯人自体の思念に憑依され、犯人の目の前で「例の発作」を起こすところ。そしてそれによって自分が心に閉じ込めていた血への酩酊が目をさます…それは彼の一族の特色そのもの。ロスフィールドは再び自分が呪われた存在であることを思い出し、苦しみが始まることになります。
もちろんジンとのエロティックな描写と、スタンレーのワイルドなセックスに圧倒されてしなやかに悶える描写も相変わらずで「これぞ耽美」!
ため息ものです。
「FILE 4 双竜ーツインドラゴン」
「葛藤」での事件にて腕に負傷したロスフィールド。日本から帰ってきたジンはそれを知って怒り狂い、スタンレーを監禁する…!
そしてロスフィールドのために刺れたという内腿の青龍の刺青を見せながら、ベッドに拘束したスタンレーの胸に赤銅色の火龍を彫り入れるのです。
この場面、刺青マニアの私はもうゾクゾクしてたまらなくて、何度も読み返してしまった!我ながら変態くさい。
『アリスティアは、西洋と東洋の二頭の龍を手に入れることになる…』
低く囁くジンの言葉に、自分もジンに並ぶ龍になれる、とどこか恍惚となるスタンレー。
この1編のラストは、痛みによる興奮と自分の上に跨っている美しいジンに生理的に勃起したスタンレーと、謎めいた微笑みのジンとのキス。これは多分、共犯者のキス…
「FILE 5 秘密ーハイド」
なんとロスフィールドはジンの刺青を見たことがないという。
ジンの刺青の秘密、それは……サディスティックに昂った時だけ浮き上がる透し彫りだから。
ジンに怒りとまた嫉妬を覚えるスタンレーだけど、彼は自分の欲望の形ー火龍のように、熱く熱くロスフィールドを燃やすように抱くのです。
思念に感応するロスフィールドの方も、スタンレーに抱かれる時はスタンレーと同じく「獣」になる…
このシリーズは山藍先生の特徴たるエロエロ濃厚とはまったく違います。
とはいえ、短編集では微妙なホラー作品は書いていらっしゃいましたから、
もう一つの山藍先生といったところ。
前作は、コンセプトはそこそこ悪くなかったんですが、ミステリーのキモともいえる
読者裏切りや謎かけ部分が甘く、さらに登場人物のそれぞれもイマイチつかめないような
消化不良な感じに終わってしまった。
しかし、Ⅱでは謎解きはやめ、最初から手のうちを明かした上で
どう犯人を追いつめるのか、というところにフォーカスしてます。
かなり安定感もあるし、キャラクターの詳細がはっきりしていて面白い。
ということで、これから「スタンレー・ホーク」を読もうと言う方は
少なくともⅠとⅡセットでお読みになることをお勧めします。
美しすぎるサイキック警視・アリスターと不良刑事・スタンレー、
また謎めいた精神分析医・ジンの関係も三角関係とも3P突入か!?ともとれる
あぶなっかしさがあって面白い。
山藍作品というよりはむしろ、英田サキのDEADLOCKシリーズに近い雰囲気です。
ただ、DEADLOCKのようにさばけてはいません。まったく。
舞台はたぶんアメリカなんですが、そこはかとなく日本的な雰囲気が漂う。
アメリカンな軽妙洒脱さと日本的(というよりは東洋的な?)神秘が合わさった不思議な作品です。
角川文庫版の「スタンレーホークの事件簿」2巻は、1巻には未収録作品という特典があったのに、今回は何もなくちょっと残念。
しかし年明けには本仁戻さんのコミカライズがいよいよ発売になるので、それを愉しみに待つことにしましょう♪
今回は、連続強盗殺人事件の囮捜査がメインのお話です。
アッパーを狙った連続殺人事件にスタンレーの依頼でロスフィールドが囮となるのです。
この事件を通して見えてきたのは、前作で垣間見せたロスフィールドの死者と感応(憑依)する特殊能力と、どうもその冷たい相貌の裏に隠された何か怪しげな過去です。
そして、強引にロスフィールドと関係したスタンレーとの関係においては、
スタンレーの執着と、ロスフィールドが明らかにスタンレーへ求める積極的な姿勢です。
精神科医のジンとも関係があるロスフィールドですが、その違いはジンとにおいては多分精神的な安定(もっともこちらの方が甘い雰囲気が漂うのですが)、スタンレーとは被虐的な肉体の安定なのでしょうか?
ジンもまたミステリアスな存在であるだけに、推し量れないものがあります。
そして、それはその後日談「双龍」と「秘密」でより確実に感じさせるものなのですが・・・
囮捜査で、ロスフィールドにケガをさせたことで激怒したジンが、スタンレーに施した胸の刺青。
それをするジンはまるで恍惚としたサディズムのエクスタシーに酔う人のようでした。
思わずスタンレーに襲い受けするかの勢いだったのですが。
ジンってロスフィールドに対しては攻めだと思うのですが、この話の展開でひょっとするとジンがスタンレーと交わることで二人でロスフィールドを共有する完璧な三角関係が完成するのだろうと予測しましたら・・・!?
彼は、内腿に白粉彫りの龍の刺青を入れていますが、ロスフィールドは見たことがないというのです。
ひょっとしたら何かあるのでは?と、今後の伏線になっているのでは?と思うのです。
ジンの内腿にある青龍と、スタンレーの胸にある火龍。
それは二人でロスフィールドを守る証でもあり、二人でロスフィールドを共有する証でもある。
なかなかに色っぽい設定に、しかし、ミステリー作品であるだけに、何かあるのでは?と勘繰ってしまうのです。
いつもの山藍作品のようにアナルやアヌスにこだわった表現の極力少ない、文学的推理小説。
挿絵はありませんが、本仁さんのイラストを想像してそれで人物達がうごいて頭の中で展開されます。
次の表紙はジンが来るのかしら?それともスタンレーとロスフィールドの2ショット?
そんなちいさな部分も愉しみな「スタンレー・ホークの事件簿」なのです。