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gene tenshi wa sabakareru
作家さんの新作発表
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これは、私が多大なる衝撃を受けた、大好きな作品(シリーズ)の第1巻です。
もともと『(SF)ファンタジーBL』は好きなんですが、いまだに私の好みとの符合において、これを超えるファンタジーBLには出逢えていない気がします。
↑(レビュータイトル)の通り、この1冊丸ごと使っても、全9巻の『序章』に過ぎないんじゃないかと感じるくらい、スケールの大きな作品です。
かなり本格的なファンタジーですが、世界観がきっちりしていて、安心して読めました。この世界観を作り上げ、作品として纏めた五百香さんの力量に感服です。
ただし、全9巻の大長編であることをはじめ、『本格的SFファンタジー』であること、イリが『両性具有(ふたなり)』であることなどが、入口からして読み手を選ぶ結果につながっているんでしょうね。
さすがに万人に薦められる作品とは言えませんが、もっと読まれてもいいのになあ、とこっそり思っています。
あ、ちなみに表紙イラストの奥の人物・ヤンアーチェ(手前は主人公・イリ)は、この巻では冒頭の回想シーンは別として、本編では登場はしますがまだ子どもです。
『ここが始まり』なんですよ、まさに。
王族の血を引く幼いイリ。イリはこれと言って人目をひくことのない凡庸な見た目をしており、王族のなかでもこれと言って目立つところのない少年だった。
ところがある日、母国を帝国に侵略され、入りを取り巻く環境が一変する。イリは捕えられ、身体を点検されたのち、奴隷として売りに出されたのだ……。そして、イリは大貴族・レイダー公爵に買われることになる。
そのままイリは、母国とはまったく知らない国に連れて来られ、レイダー侯爵により、両性具有である体に、性奴隷としての教育を施されていく。すると、今まで凡庸としか表現されなかったイリの魅力が開花し始めたのだ。
性を知り、花開くイリの不思議な魅力に囚われる男たちと、レイダー公爵の寵愛を受け、歪んだ愛に溺れるイリ。
しかし、新たな戦争により、イリは自分を歪んだ形であれ、愛してくれたレイダー公爵をも失うことになる。
最初、両性具有ってだけで大分受け入れられなかったんですが、少しして改めて読んだら大丈夫だったのと、続きが気になって仕方がなかったので、続きを含めて買い集めようとして読んでます。
イリが、大分男よりの両性具有なので、かろうじてBLなのかな……?
この話は、長編の第一巻のようです。最初から続きものとして書いてあるので、これ一冊だけでは全く、完結しません。これを読むからにはきちんと続きを読みましょう。
基本的にはイリが奴隷に身を落とした最初の話から……。
そして、最初は憎しみしか感じられなかったこれらから、イリの運命を握る相手となっていくヤンアーチェとの出会い、が主な内容かな。
この本だけでは、始まりの話だけなので、何とも言えませんが、続きを買う覚悟のある人は読んでみるのもいいかと思います。
kirara
せっこさま。
コメントいただいていたのに、気付かなくてすみません。
温かいお言葉嬉しいです。本当に、こんなレビューでも見て『読んでみようかな』という方がおひとりでもいらしたら本望です。
せっこ
本当に、今の時代だからこそ、いろんな方に読んでいただけたらと思いますよね。五百香さんが苦しみながらも凄く楽しみながら書かれた気がしますよね。ためしに一巻だけでも読んでほしい…そんな優しいkirara様のお気持ちが伝わってきました。