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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
作者本人もあとがきで書いているように
2時間サスペンスのようなストーリー仕立てですね。
だた・・・サスペンスと言うよりは、お茶の間劇場ぽいかと・・・
全てが両極端に違う同僚の刑事同士のちょっとした
ハプニングで同居まがいをした事により、なんとなく避けていた
刑事同士が互いを認識しあい、更に交流していく中で
次第に心が触れ合っていくような展開に
誘拐事件と家族愛を絡めて進んで行く内容でした。
後半部分で、先に思いを自覚した攻め様の様子は
まるで、中学生かっ!て思うくらいヘタレ気味の可愛さです。
受け様も、冷淡なクール系美人かと思ったら、
実は天然系で生き方が真面目過ぎて不器用な受け様です。
この1作で終了だと、消化不良になる傾向が・・・(笑)
警視庁捜査一課に所属する結城は、親友のハワイでの結婚式に出向いた帰り、これから新居となる友人が買い、売れずに残ってしまい結城が借りることになっていた家へ辿り着いた。
するとそこには、信じられないことに同期で係りまで一緒という森田がいた。
彼は親友の結婚相手である新婦からこの家を借りる約束をしたのだ、という。
完璧主義で生真面目で、周囲からやや浮いている結城に対して、楽天的で大雑把で常に人に囲まれている森田。
そのため常に正反対の森田と比べられてばかりいた結城は、森田を苦手だと思っていた。
おまけに、親友に親友としての想いだけでなく、恋愛感情を抱いていた結城はその二人の思い出が残るこの場所を他人には汚されたくなくて、思わず森田に対して「出て行け!」と叫んでしまう。
森田は森田で行く場所もなく、ここを追い出されては大変、と結城に出て行けと迫る。
ところがそんな結論が出ないままに、誘拐事件が発生する。
折りしも、異動と同僚の怪我が重なり、結城と森田がコンビを組まされることになってしまう。
私生活でも職場でも森田とずっと一緒にいなければならないなんて――と、結城は頭を抱えるけれど。
という話でした。
結城は、割と「やることをやっていれば他は何をやっていればいいだろう」と思っているタイプの人間で、それでいて出世したいとか、他人を見下す、というタイプでもなく、ただ単純に本当にそう思っているから指摘する、という感じ。
でも他人からしても、いくらそれが本当のところだからと言ってもうちょっと気を使ってしゃべれよな、と思われてしまうから孤立する。
おまけにあんまり結城自身が人の目を気にしないので、なんとなく遠巻きにされているのは知っているけれど、特にそれを改善しようという意識がない、という天然にいやみなやつ。
一方の森田は、気遣いのできる人間で、他の人からの人望も厚い、という感じでまったく正反対。
けれど、一緒にコンビを組むうちに森田のいいところが少しずつ見えてきて、尚且つ、助けられたり慰められたりしちゃって、結局なんとなく一緒にいるようになってしまう。
そういえばあんまりにもいい感じだったのですっかり忘れてしまっていたんですが、実はこの話、最後までいってないんですよね。
なんだかこのテンポで進んでいって最後まで行くのかなー……? と思っていたら、やっぱり最後まで行かなかった――
でももう一冊くらい出してもらってゆっくりくっつくのも、二人にとってはいいのかもしれないな、とも思います。