あなたの涙を止めてあげたかった

下克上にはわけがある

gekokujo niwa wake ga aru

下克上にはわけがある
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×215
  • 萌9
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
6
得点
112
評価数
30
平均
3.8 / 5
神率
16.7%
著者
愁堂れな 

作家さんの新作発表
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イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784576111223

あらすじ

恋人から別れ話をされた夜。酔い潰れた島田は「つかえない」新人・瀬谷を押し倒し強引にセックスしてしまうが…。書き下ろしつき!

恋人から一方的に別れ話をされた夜。島田はウサ晴らしに新人の瀬谷を飲みに誘った。しかし泥酔し目覚めた翌朝、裸の自分の隣には、やはり裸の瀬谷の姿が。その日から瀬谷の熱い視線を感じるものの失恋の傷が癒えない島田は、一夜の過ちと瀬谷を避けるのだが…。「それでも僕はあなたが心配で…心配でたまらなかったんです」初めて他人に弱い部分をさらした島田を瀬谷は優しく抱きしめて――。新人×姉御肌の下克上リーマンラブ! 書き下ろしは島田にあることをねだる瀬谷の「レッスン2」。

(出版社より)

表題作下克上にはわけがある

新人後輩社員、23歳
総合商社IT課の先輩、25歳

その他の収録作品

  • レッスン1
  • レッスン2
  • あとがき

レビュー投稿数6

現代の水戸黄門系ラブストーリー?

最初タイトルが変わっていたので気づかなかったのですが
タイトルを変更しての新装版でした。
お話は2年も付き合っていた恋人に一方的に別れを告げられ
思いを断ち切れずにいた受け様が、酔った勢いで会社の
同じ課内の新人社員と一夜を共にし、いつの間にか、
受け様の心には新人君が・・・と言うようなお話です。
設定はありきたりなのですが、読み終わると心地良い
余韻に浸れる秀作です。
受け様が突然別れを告げられた恋人は、プライドと言うよりも
自己顕示欲の塊みたいな嫌な奴ですが、あばたもえくぼ状態で
受け様は恋人の本当の姿が見えていません。
別れも、会社の社員食堂で「飽きた」の一言で捨てられます。
そんな状況での酔ったはずみでの一夜の過ちとでも言いますか、
受け様と攻め様の微妙な日々が始まりますが、受け様は
一方的な元恋人との別れに次第に納得がいかず元恋人のマンションへ行きますが、そこで新しい恋人の姿を目にして傷心のうちに引き返す。
その姿を攻め様が見守っているのですが、受け様は八つ当たり三昧。
それでも攻め様は、心配だからと受け様に寄り添います。
その優しさに、受け様は元恋人に傷つけられた心を次第に癒され、それと同時に攻め様が気になる存在になります。
攻め様が業務で困っている姿に受け様は手助けをしますが
それを知った元恋人とトラブルになり更に傷つけられる事に。
それを知った攻め様は、受け様の為に受け様の元恋人で、
自分の指導係に、土下座をして受け様をこれ以上苦しめないでと
ありがちな展開だと殴りに行く展開なんですが
ここで受け様の為に土下座をするなんてある意味「男」です!
受け様を心配し心から好きなんだと思わせる。
その後のダメだしのような、攻め様の印籠的バックが・・・
それも受け様を守る為だけに!!
こんな印籠をお持ちなら、土下座の前にって思っちゃうけど
そこが攻め様の真面目で男らしいところでもあるのです。
個人的には、あの大変自己中な元恋人をもっと苛めて欲しい(笑)
後半は、メロ甘な関係をこれでもかっ!てお話です。
年下ならではの可愛さも見えて萌えました。

7

情けは人のためならず

下克上大好物!
タイトルと木下けい子さんの表紙につられて買いました。

総合商社が舞台なので、愁堂さんお得意の横領が起きるかと思いきや日々は淡々と重ねられます。

手酷くフラれた島田(受け)の心に開いた穴に冷たい雨が染みることなどおかまいなしに。

その穴が塞がらないなら、それに慣れていくしかない、と当惑しながらも日常をこなそうとする島田が切ない。

面倒見のいい人ほど自分の面倒を見るのは下手なんですよね。

言葉にできなかった感情を思うと胸が締めつけられる。

そこに酔った上で関係を結んだ大型ワンコの瀬谷(攻め)が絡みます。
スマートではないけれど誠実。

そんな一途な気持ちが、やっと流せた島田の涙と共に心の穴にじわり、と染みながら満たしていきます。

ほのぼのとした読後。

見積もりのフォーマットの一件は腹立たしい分、解決した時はスッキリしました!
昔…同じ嫌がらせをされた…そして同期に助けられた(笑)

【レッスン1】【レッスン2】と経て着々と閨では下克上は実行されているようですw

あと…愁堂さんて…パンパン!が好きですよね。読んだものに必ず出るんですが…。

5

切なさの涙の後に、スカっと爽快!

04年リーフからの出版作品の新装版なんですが題名が変わってます。
最初切なくて悲しい主人公の失恋から始まって、一体下克上とは何ぞや?
誰がその下克上をどうやってするんだろう?
なんて読み進めるうちに、あ、そっかー能力の下克上?なんて思ったら!?
やられましたwwwそっちの下克上かwww印篭出しちゃったよwww
でもね、主人公の一人称で進む物語だったので、すごく胸が苦しくて痛くて、辛くて悲しくて、思わず涙も誘われてしまって。。。
そんな展開の中でそれはスキっとさせてくれてよかったんですよ!!

愁堂作品は自分的に当り外れがあるので、作品を選ぶのが慎重になることがよくあるんですが、今回は木下けい子さんのイラストだったので即決♪
はずれなくてよかったv

主人公・島田が突然「飽きたから」と言って同期で同じ課でとても優秀な彼・香川にあっけなく捨てられてしまうんです。
つい数日前まで恋人らしい会話をして、互いの家を行き来して、好きだっていわれていたはずなのに!
彼が自棄になって偶然飲みに誘った、香川が教育係をしていつもいつも然り飛ばしている後輩社員・瀬谷に、酔った勢いで襲い受けしてしまったことから、始まるこの物語。
この島田の気持ちが切なくてね、決して女々しいわけじゃないし、うらみがましい態度をするわけでもない。
彼の中で何とか消化しようとしているんですが、それが痛々しくて、彼は瀬谷のあたたかさに触れる時によく泣くのですが、全然嫌じゃない。
むしろ、この島田と一緒になって、胸が締め付けられて、まるで自分が失恋したみたいに一緒になって涙を誘われてしまっていました!
恋愛ばかりじゃなくて、きちんと仕事をしている働く男なのが評価高いです。

そして瀬谷。
彼は香川に怒られても、反発してふてくされるでもない、前向きにそれを糧に成長しようとさえしている、すごくイイ子なんです。
島田と寝てしまったという既成事実があるから、島田が気になりだす(それは後半になって色々とネタ明かしもあるのですが)その優しい誠実さは、島田を振った香川がとても酷い奴(本当に酷い奴)だっただけに、対極の人間像だったと思います。

一体香川という男、2年も島田と恋人をしていたわけですが、島田はノンケだったらしいですが、彼をどうして恋人にしようとしたんだろう?
香川はとても上昇志向が強くて鼻もちならない嫌な奴だったんですが、ひょっとして同期である島田が自分を越さないように先回りして芽を摘もうと島田を恋人にしたのかな?とか、色々考えちゃいます。
こういうプライドの高い人間には、瀬谷の策略はとても効果的だったのかもしれませんが、それも島田の為というから、他力本願ではあるけど香川にはカウンタアタックでノックダウンものでしょうねwww
でもね、ちょっと心配なんです。
だって、、、瀬谷の将来を考えると・・・

そして、旧版に番外で「レッスン1」と「レッスン2」という、あま~い二人のエッチ短編がありますv
瀬谷は男は島田が初めてなんで、どうやったらわからないから島田に教えてくれっていう、ステップ1とw
中々下の名前で呼んでくれない島田に瀬谷が焦らし作戦をとる(お、成長したなww)これまた思わずほほえましくなる甘いステップ2
いろんなしがらみを考えると、甘いだけじゃすまされないよと心配してしまう読者ですが、ひと時の、恋人になったばかりの二人にとりあえず、よかったよ~♪と祝福してあげるべきでしょうv

4

しかしてその実態は。

リーマン、スーツ、年下攻め。
三拍子揃っていて非常に満足したお話。

島田がこっぴどく振られるところから始まるのですが、まず香川のヒドさに憤りました。
ある意味香川とは対照的と言っていい程の瀬谷くん。
誠実で真っ直ぐで、多少頼りなさがあるもののそこが可愛かったりして。
頼りないといっても瀬谷は決して使えない部下ではなく、仕事に対しても誠実なところが好感が持てます。

最初から最後まで香川がドグサレ野郎で、だからこそより瀬谷がよく見えるという効果。
最後、瀬谷は使えるもの使って香川に目に物見せてくれたのでスカッとしました。

書き下ろしにて、名前で読んで欲しくて少し意地悪をしてしまう瀬谷ですが、最後まで強気になれない瀬谷がなんとも可愛い。
俺様な年下攻めを読む方が多いのですが、忠犬タイプは思わずほんわかしてしまいました。

4

安心して読み進められました!

会社の新人と体の関係から始まるお話だなんて
これはもう読むしかないじゃありませんか!!!

元彼が嫌なヤツだったけど
二年も付き合ってたし、開発されたせいもあって
情も移って別れたくないと胸を痛める様子に
ずきずきしましたよー;;
この、ずき!と言うのを味わいたいが為に色々読んでしまうので、
「…これよ、これ!」と思いましたw

健気で腰が低いのに実は…!の秘密がある瀬谷の
真面目さと一途さにじーん!
散々幸也の元彼にいびられても
酒の席で促されても悪口言わないし!
教育係だから感謝してるとか言っちゃうし!
(もし私ならがっつり愚痴たれてると思うw)

ですので、幸也が瀬谷を好きになるのも自然で
特別な急展開とかがあるわけじゃなかったのですが
だからこそじっくりゆっくり楽しめた気がします。

瀬谷が幸也の為に色々努力をしてくれるのが
凄く嬉しかった!!
そりゃもうテクニックもねw
自分を一番大事に想ってくれてる姿勢って
たまらないものがあります……うっとり。

書き下ろしの『レッスン2』での名前呼び強要(?)は
自分も名前で呼んで欲しい瀬谷の気持ちに共感できました☆
恋人って感じしますものね。
そしていつもよりちょっと早めだったのがまた微笑ましいw

そして、幸也は姉御肌の先輩で
あまり美人過ぎない設定がとても良かったのですが
出来ればもう少し年上だったら尚更嬉しかったなぁ…。
28歳とか。(ダメでしょうか??;)

照れもせず甘い言葉を囁いてくれ、
いつも自分を最優先してくれる優しい年下の恋人。
率直に言うと、幸也がうらやましいですw
御馳走様でした!

3

誠実・ひたむきな内面イケメンがお好きな方に

愁堂さんの本は「3P」を読んで以来、もう読むまいと思っていたのですが、これは良かったです。
酔ったはずみで乗っかって、ほとんど喋ったこともない部下を逆レイプ?→無視という展開に、はじめは、受けの身勝手さに呆れました。でも、最終的には受けもそんなにダメな人間でもなかったです。
この話の最大の魅力はなんといっても攻めです。常日頃、「BL攻めは内面不細工が多すぎる!」と思っていたのですが、この攻めはいい! 受けをぐずぐずに甘やかしてくれるので、甘やかし攻めがお好きな方もどうぞ。

2

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