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◆あらすじ◆
時代は徳川将軍吉宗の治世。
江戸の豪商吉野家の娘・お澪は、無頼の輩に襲われそうになったところを救ってくれた浪人・沙門に心を奪われ、沙門が寝ぐらにしている廃寺を探し当てますが、そこで沙門と巨根の怪僧・鉄、そして2人に飼われる美貌の男・弁天の3人が繰り広げる淫猥な情交を目の当たりにして――
◆レビュー◆
商業誌として初めて発行されたのは1994年(白夜書房)、しかも1991年発行の同人誌を加筆修正したものだそうで。
めっちゃ古い!でも、これは名作です(キッパリ)。
時代小説なので、内容がアナクロ化することもないですし。
とは言え、沙門や鉄のようなキャラって、昭和の退廃系時代劇ヒーローに酷似しているような・・・そういう意味で、やっぱり前世紀色濃厚な作品ではあるんでしょうね。
攻め2人、受け1人という変則的な構成。
攻めの一人・沙門は、受けの弁天にとっては仇。そしてもう一人・念仏寺の鉄は、巨根の怪僧。
私には、沙門って市川雷蔵版「眠狂四郎」(さすがにリアルタイムでは観てませんがw)のイメージとどうしても重なってしまうんですよね。
金のために平然と人を斬る、残虐で冷酷なピカレスク。しかもクールな美形で女にモテモテ。
不老不死の魔道をつかうという僧侶崩れの鉄は、これまたピカレスク的ですが、どこか憎めない魅力を持った男です。
2人は弁天を共有していますが、基本弁天は沙門のもので、沙門は訳あって鉄にも弁天を抱くことを許している・・・という関係のようで。
この奇妙な三角関係が何故成り立っているのかについては、下巻のラストまでお預けとなります。
一見冷酷な嗜虐趣味にしか見えない攻め2人の弁天に対する仕打ちですが、そんな中にあっても3人の間には或る種の絆がたしかに存在しているように見える――その辺の一筋縄ではいかない感情の機微が、とても巧みに描写されています。
しかも3人の関係に、さらにお澪という町娘が参入。
お澪にとって弁天は沙門をめぐる恋敵――つまり、彼女はいわゆるあて馬です。
お澪視点のこの作品は、すなわちあて馬視点!
当て馬視点の作品はこの作品で初めて読んだんですが、これって当て馬が異性だからこそ成り立つ設定なのかなと。
沙門は弁天以外に女も抱くものの、それは商売女に限られる。本気になられるような女はダメ。だから、お澪は徹底的に沙門に傷つけられ、振られ続けます。
これで弁天とお澪が同性なら、お澪と弁天の関係は泥沼化しそうなのですが、弁天もまた沙門同様美しい異性だけに、お澪の弁天に対する感情は、異性の恋敵に対してならではの屈折を見せます。
お澪は弁天を憎むのではなく、沙門に抱かれた弁天を抱くことによって沙門を感じる――という非常に歪んだ形での恋愛成就を遂げるんですねぇ。
でも、その実弁天に対して欲情しているようにも見える・・・
お澪の心理はとても複雑。それでいてすごく共感できてしまう。
この辺は、女性が登場するBLは苦手という人にも、ぜひ読んでみてほしいですね。喰わず嫌いはもったいない面白さです。
しかしなんといっても見どころは、沙門のせいで藩を取り潰され、許嫁の命も奪われた元某藩士・弁天と、弁天を殺し損ねたせいで(或いは弁天に心を奪われたせいで)公儀隠密の職を失い、市井の用心棒に身を落とした沙門の、お互いを憎み合いながらも激しく惹かれあう、歪んだ愛。
どんなに使い古されたモチーフでも、この関係性には萌えないわけにはいきません!!
凄艶な美貌を持つ薄幸の美人・弁天が、実は剣の遣い手で、必要とあらば人も殺める・・・という辺りも、ポイントですなぁ。
プレイはかなりハードで、人前プレイに縛りに媚薬に張型に乳首ピアッシングに・・・とどっぷりSM。まあ、そこも勿論見どころなんですが、複雑に屈折し合った愛憎関係にこそ、この作品ならではの味わいが詰まっている気がします。
下巻では、攻めがもう一人加わり、SM度はさらに上昇。
一度はハードカバーの方で読んでいるのですが
水上サンの書き下ろしイラストに加え、加筆修正を加えた番外編がついてくると聞きまして。
エイママヨ!とばかりに買ってしまいました。
後悔はしていない。
正直、イラストは前の方が好きなのですが
こちらもこちらで妖艶さと意味では良いのではなかろうか。
弁天という、女に見紛うばかりの美しさをもつ男を中心にして織りなす
時代モノBLです。
作品を描いていく上での視点が女性であり、色々な男たちに犯されている弁天の竿にまたがる女というのも
普通のBLにはない部分とも言えるので
ノーマルなものが読みたいときには向かない作品なのかなとも思ってみたりはします。
が!ですよ。
が!なのです。
何度読んでも良作。
この言葉が全てであります。
1度読んでいるだけに
途中のエピソードや最後の顛末。
そこに向けて~のキャラクターの行動と心理。
前よりよりわかったのも
今回の評価にあります。
(前はとにかく弁天がエロエロされまくっとる(*´ω`*)ハァハァてのが強かった)
体がエロエロになってしかたない薬を
塗られたくないから
大人しくしたのに
あえて塗られるとか
あえてな部分もまたw
電子書籍を購入。
上下あわせての感想です。
かなり、購入を悩みました。
苦手な時代物だし、3Pだし、長いし、読むの疲れそうだし。
でも、ずっとずっと気になっていたので、フェアで割引きがあったこの機会に思いきって購入。
いやぁ、神評価です。
なんというか、別格です。
あらすじからわかるように、主に町娘のお澪視点で話が進みます。
主人公たち(あれ?ひよっとして主人公はお澪になるのかな?)は、お澪を通して描かれるので、前半は互いの関係が見えそうで見えない、この人たちなんなの?っていう、もどかしいチラ見せ状態。
それが、なんともまあ、良かった。
これぞ、チラリズム萌えですよ。
あ、ちゃんとエッチシーンは、細部にわたるまで全開です。
なんせ、お澪ちゃんはちゃんと最後まで見届ける肝のすわったオナゴなので。
チラ見せなのは、あくまで関係性。
これが、弁天を主人公にして、生涯、つまり生まれた時から、沙門との出会い、今日にいたるまでの状況を描いたものならば、こんなにも萌えなかったでしょう。
お澪を通してみせることで、弁天の儚さ、沙門や鉄の狂おしいほどの執着が表現出来るのだと思います。
下巻まで読んで初めて、関係性があきらかになり、腑におちます。
苦しくても是非、下巻まで完走してください。
本作は、時代劇めいたところもありますが、全然気にならず、読み進める事ができます。
予想通り、読むのは疲れましたが、その分物語の内容がずっしりと胸にきます。
BL的な萌えとは違うのでしょうが、私はかなり萌えました。
日本の歴史物というか時代物のBLってあんまりないよなという気がします。
(まだ私の世界が狭いだけかも)
長恨歌は新書版を持ってます。
山藍紫姫子先生の作品を好きになって小説を集めてましたが、どれも入手困難だったなと…。
もっと早く新装版を出して欲しかったな。
水上シン先生のイラストも好きです。
口絵の弁天の乳首にピアスがついていて、もうそれだけでエロい。
ページを捲るといきなり挿し絵でした。
お澪が最初に登場してから主人公のように出番が多くてこれBLだよね?
と疑問に思うことしばしば……。
そこは男の子でも良かったと思う……。
お澪のことは少しは理解できるけど、沙門にフラれてるのにそれでもやって来るのはかなりウザい存在。
そして、弁天に手を出しちゃうし。
なんだ、この女は……という嫌悪感が芽生ええました。