お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
確かな文章力、奥行きのあるストーリー、魅力的なキャラクター、三拍子揃ってました。
神評価するにはパンチや萌えがビミョーに足りないんですが、行間に流れてる価値観が非常に私好みなもんで、「作家買いしたい」と思いました。
この作家さん、『小説道場』出身なんですよね。
つくづく、道場出身の作家さんは、実力派が揃ってるなと思いました。
奇妙な冒頭です。
ゴミ置き場で拾った男と同居することになった主人公。
その男の目的や正体はのちに分かりますが、切なさのツボをギュッと押してくれる仕掛けが施されてます。
ストーリー的にいうと目新しいものではないんですが、伏線の張り方や心理描写に、絶妙のセンスを感じました。
上手いなァと。
好きな場面は、主人公がバイト先の女の子の好意に気づいて、なんとなく告白してしまうシーン。
軽い告白だったのに、相手が真面目な態度を取ると、お尻が引けてしまうのだ。
「うわー、ワカルワカル…」と呟いてしまった。
好きになりたかったんだよね。
こういうシーンを書ける作家さんは本物だと思う。
プランタンキャンペーン中で、積んでる本のなかからプランタン作品ばかりを引っ張り出してきてレビューしてますが、佐々木禎子さんに出会えたことが、私的には一番の収穫になる気がしてきました。
旧作のなかから宝を発掘すると、ウホッて気分になりますね。