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hata to tsubasa
作家様デビュー作。
骨太な中華ヒストリカルストーリーで、試し読みの冒頭から一気に引き込まれてすぐに正規購入しました。こんな作品があったとは……!
物語の時代背景に合わせた文体が流麗で心地よく、映像が鮮明に浮かびます。もう、これだけで興奮するのに、ストーリーも王道ながら攻め受けの心情変化に目が離せない。8歳の獅心(攻め)と13歳の玲紀(受け)が、太子と傳役として出会ってから15年の経過を描いた愛憎物語です。
メンタル強い受けが好みの自分にとって、あれだけ獅心に抵抗し、辱めよりも死を望み続けた玲紀は、なぜか漢!らしいとは思えなかったんですが、終盤、まさにその理由を獅心が指摘するシーンがあってスッキリ。ありのままの受けを丸ごと愛する攻めも素敵だけれど、受けのネガティブな部分を咎める攻めはもっと素敵です。このシーンで、二人がやっと年齢も立場も超えたかのように見えますが、獅心は出会った時からずっと一人の人間として玲紀を求めていたのだろうかと思うと切ない…。
江森備氏の小説に洗礼を受けた者としては、本作の世界観に触れた瞬間、感慨深いものがありました。10年前の作品ですが、出会えて良かった…。シリーズとして次巻があり、これから拝読するのを楽しみにしています。
現在大人気の本場の中華BLはまだ未読なんですけれど、これを機に読み比べてみても面白いかなと思いました。
ファンタジーとはいえ、とてもリアリティがあって本当にあったんじゃないか?と思わされる骨太ストーリーです。
攻めの受けに対する執着の強さが色々な悲劇を巻き起こします。攻めは残虐で自分の親兄弟も殺してしまうような人ですが、彼の生い立ちや立場を考えたら仕方ないとも思います。そういう時代の話、ということで。
攻めは幼い頃から一途に愛していた自分の師であった受けを後宮へとさらってきて本懐を遂げます。冒頭の裸で袋に入れてきて宦官達に抱く準備をさせて…って場面はなかなかキャッチーでエロかったです。文章も読みやすく話がわかりやすかったです。
前々回レビューしたキスと海賊(五百香ノエルさん作)も攻めが王子で受けを略奪してくる部分が重なりましたが、あのバカ王子と違ってこちらの獅王は受けに対して一途で他には目もくれない所と頭脳明晰な所に好感が持てました。
王太子でありながら両親から愛されず時に疎まれて育った王太子 獅心と彼が兄とも師とも慕っていた年上の美しい教育係りの青年 玲紀が主役の中華風ファンタジーです。
最近読んだ しみず水都さんの『主上の犬』に似た設定だったので再読してみました。
王を補佐する側近であった受けが身内の裏切りの罪に連座させられ償うために屈辱的な立場にされるが…という部分の類似にこの作品を連想しました。
でも甘さ控えめところかほぼ無糖に近いうえ苦味増量ですからテイストは全く違います。
獅心は親からも与えられなかった愛情を初めて与えられたのが、教育係だった玲紀だった。8歳の時に出会いいつしか淡い恋心に変化していくのは当然だったかもしれません。
やがて成長し劣情を伴う強い執着に変化していった頃、心因性の持病のため王太子の地位を廃され病気療養と称して辺境に追いやられることになるのです。
そのとき玲紀の父は、一族の安泰のため獅心を捨てその弟の教育係になるよう画策します。
玲紀は第一子を死産で亡くし妻も精神を患うという不幸に見舞われ、獅心のもとに向かおうとする玲紀は家に幽閉され、半年後父親の思惑通り新たな王太子の教育係としての務めることになります。
それから9年、辺境の地で力を蓄えた獅心は武力で王宮に押し入り父親である王を含めて身内のすべてを惨殺する。幼い実の弟を串刺しにできる獅心の残虐さにおそれながらも獅心の怒りと憎しみが分かるだけに獅心を嫌うことができない玲紀。
獅心は玲紀を宦官の手で『女』に仕込ませた無理やりな行為で手に入れたあと、いうことを聞かないと一族の女のすべてを輪姦させるとか、自害したら同じ方法で一族の者を殺害するなど脅迫の台詞がまた恐ろしい。
血みどろ過ぎて萌えません。
萌えないどころか、かわいさ余って憎さ百倍なのだろうとは思っても愛情のかけらも見えない強引で痛々しい行為ばかりで萎えました。
辺境の地へ送られるときには、玲紀の行為も一族のためを思えばしかたがないことだと理解を示したにもかかわらず、これほど残虐な行為をする人間に育ったのはひとえに玲紀への執着と、白珠樹の存在が大きいでしょう。
白珠樹にもいろいろ事情はありますが恐ろしい人です。
復讐心を持った白珠樹と玲紀を取り戻したい獅心の利害が一致して王位を簒奪する企てをするわけです。
素直で淋しい獅心の心に入り込み自分の野望のために役に立つように刷り込むことなど容易なことだったでしょう。
玲紀の心の変化が急すぎてついて行けませんでした。
もともと獅心を愛情持って育てていたのだし、まだ子供だった獅心を捨てて何もしてあげられなかったという罪悪感があったのでしょうが、完治していない持病のことを知ったらあっという間に許してしまうのも違和感がありました。
かわいそうな獅心、私だけが彼の寂しい心を癒してあげられる…となったわけです。
あんなに嫌がっていた閨での行為もしつけの甲斐あって体から絆されもう獅心なしにはいられないほどになりハッピーエンドといっていいんでしょうね、二人にとっては。
健気で人のことばかり心配しているみたいな玲紀ですが、結局周りにいた人のほとんどは殺されたり不幸にしてるし、血なまぐさくハッピーじゃない部分が多すぎて気持ちの悪い終わり方でした。
先ず、中国の古代にしても、女や子供、兵器を持たぬ人をそんなに簡単に大量に殺すのは本当に残忍なことである。まあはっきり中国って言わなかったけど「大陸」だとか「詩経」だとか「抱怨以德」(正しい中国語は「以德抱怨」ですが、「抱怨」を前に出すと、結構意味違ってくる)だとかはまさしく中国のことを指している。「二太子」だとか。。。うん。。中国は本物の太子を太子としか呼ばないのです、他のは「(数)阿兄」と呼ぶ。
そして、最後のところに、後世の評価など、墓穴はどんななどを書くのは、まるでこれまで壮烈な全てのことは過ぎ去ったことに過ぎぬと言わんばかりで、本当に読んでて心が痛む。史記でも書いてるかって感じが好ましくなかった。
最初に受が死ねば家族一連殺されるって脅されたのに、後半を通して受が死ぬ死ぬ殺せ殺せって言う、そしてそのたびにもう一度脅されるというところは非常に違和感を感じた。。。
うん、まあファンタジーであればそこまで事実にこだわる必要もないかもしれないが。。。
これは私の真実の感想です。そもそもこの作品はこの先生の一冊目なのでこの先生が嫌だとかそういう気持ちは全くありません。
イチャモンをつけるつもりはなかったですが、最初の一行はこの作品は「沢山の人が死にますよ」ってことを示し、中国に詳しい者として、中国がそのような残忍な国ではないと言いたいだけです。「太子」というのは中国語では「皇太子」だけを指す単語、二番目の皇子を「太子」と呼ぶならそれは「太子」への大の不敬、勘違いされる方が出るという恐れもありますから。BLだからと言って言葉まで間違っていい、間違った英語、フランス語などを書いていいとか、それこそBLを見下していると感じます。
もし作品を悪く言うレビューがいやなら「しゅみじゃない」のレビューを観ないことをお薦めします。嫌な気分にさせたことには誠に申し訳ないと思っております。
大前提として「BLはファンタジー」です。
史実に拘る方はそういうジャンルの書籍を読んで下さい。
こういうレビューの書き方は作者に失礼です。
このレビューを読んでいる当方こそ「心が痛く」なりました。
イチャモンとレビューは違います。
ご自分でも「ファンタジーであればそこまで事実にこだわる必要もないかもしれないが」と
おっしゃってますが、まさにその通りです。
判っているならこういうレビューは書かないで下さい、
いちBLファンとしてとても不愉快に感じました。
中華風ファンタジーなのですが、読み応えのあるお話でした。
類まれな美貌と知性をもつ受け様の玲紀は、一族繁栄の為、
わずか13歳で二太子の教育係として王家に仕えます。
でも、その皇子は父君母君にも愛されることが無く
見た目も目つきばかりが鋭く、どこか人を拒絶するような
病弱で反抗的な8歳の皇子獅心、まるでヒナの刷り込みのように
教育係の玲紀だけが獅心の全てのようになって行きます。
獅心が14歳の時に病弱を理由に理不尽に父王によって
王太子の地位を追われます。
玲紀は一目獅心に会おうとしますが結局叶わず、家名の為
次期王太子と目される五太子の教育係になっていきます。
その後、9年が経ち廃嫡された獅心が復讐と言うか、
玲紀を取り戻すために、五太子の立太子の儀式の日に
攻め込んできます。
その残忍性はBLでも目を覆うほどの激しさなのですが
もう、獅心にとっては玲紀以外は眼中にないほどの執着。
ただの執着と言うよりは狂気に近い感じがするかも。
獅心にとって9年前に玲紀と引き離された事は1度死んだ様な
状態だったと思います。
受け様の玲紀は昔獅心の教育係だった頃より妻もいた人ですから
獅心とは思いの差が歴然に違いすぎるんですよね。
読み進めると獅心に感情移入してしまい、玲紀に早く
獅心を愛してあげてなんて思ってしまいました。
ラストでは二人のその後が想像出来る文章で締められていて
最後は良い余韻があった作品でした。
素晴らしい作家さんだと思います。
次回作を楽しみに待ちたいと思います。