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濡れ場は少なめというか、ほとんど描写はありません。
攻めと受けの恋愛関係より、主人公(受け)の人としての成長物語がメインとなっているため二人がいちゃいちゃしているシーンも少なめで、攻めより主人公の義理の息子たち、昔馴染みの女友達の出番が多いほどです。
しかしそれでも、登場人物たちがそれぞれに抱えた悩みや思いにどう折り合いをつけるのか気になり、最後まですらすらと読むことができました。
(強いて言うなら「毎日晴天!」の一巻に近い雰囲気)
なかなか攻めと受けの仲が進展しないのですが、その分終盤の長谷部のギャップが最高でした!
素朴で大らかな包容力に満ちた欲のなさそうな彼はまさに平凡そのものですが、そんな長谷部が「逃げられると困るから」と真顔で太一に告げるシーンのギャップときたら!!普通の何の変哲もない長谷部だからこそ、そのギャップがエロかったです。大型犬かわいいよ~
恋愛ものというより家族愛の詰まったお話でした。
暖かく、じーんとなるシーンもたくさんあります。
主人公の太一は親への反発から10代で結婚したものの、相手の女性は駆け落ちの行方不明。まだ24歳なのに、連れ子で血の繋がらない小学生の双子を育てながら、妻の実家で経営難のパン屋を細々経営しています。
そこで雇って欲しいとやってきたのは高校のころの同級生の長谷部なのですが、太一は長谷部とは気まずい思い出があって…というお話です。
太一を含め、脇キャラの女性達が個性的で、自分きままに生きてる感じです。好きな人に対してあまのじゃくでわがまま放題な後輩の香恵や、子供をほって自由きままに生きてる妻の亜美にはうーんてなるところもあるけど、なんだか憎めない。
太一もお世辞にも性格がいいとは言えず、長谷部への態度もひどいのですが、ひねくれていても双子への愛情ががわかるから相殺されてるかんじです。
そんな中で長谷部だけがよく出来た人間…なのですが、周りのキャラがこいので少々インパクトに欠ける気も。
恋愛ものを読んでるという気分にはあまりなれず、両親とうまくいかずにアウトローだった主人公が、長谷部の力を借りて万里・千里と血が繋がらないながらも本当の家族・自分の居場所をみつけるお話、というかんじでした。
ままごとみたいな家族ごっこから本物の家族になっていく、今まで何もいいことの無いと思っていた人生が、そんなに悪くないと思える、不幸な境遇の主人公が変わっていくヒューマンドラマは月村さんの得意としているところでしょうか。
本当を言えはも少し胸ときめく恋愛ものを読みたかった気もするのですが、こういうのに自分はすこぶる弱くて、血の繋がらない子供と若い父親の助け合う姿って、恋愛ものを読むよりも簡単に涙腺が緩んでしまいました。
ガッツリ恋愛ものを読みたいときには向きませんが、暖かい気分になりたいときにはおすすめの作品です。