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nagareboshi furu koi ga furu
シチュエーションや設定が魅力的で、楽しむことができた一冊でした!
惜しい点は、京都(作品の舞台・あとがきによると、この作品の執筆当時作者様は京都在住でいらしたとのこと)と天文好きという設定がもっと活かされていたら更に面白かったんじゃないかな...という事でした。
凄く良かったのは、警察勤務の実は攻め様が神主さんの家系で、神主の資格を持っていて...というサプライズ設定です。
寮生活、寮内での同居→同棲...というのも面白い設定でした。
斬新だったのは、寮内公認の仲になる上に、Hの真っ最中に鍵の閉め忘れから、寮長でもある同僚に思いっきり扉を開けられてしまい見られてしまう...というコメディーのような展開...
それでも咎められることも、差別されることもなく(むしろ応援してくれているらしい...)...というのが良かったです。
攻め様の事を好きになりすぎて苦しくなり、受けがぐるぐるしちゃう気持ちは、なんとなく分かるだけに読んでいて共感しすぎてちょっとしんどかったかな....
でもHシーンは本当に濃くて甘くて変態で素敵です!
私が鳥谷さんを『発見』したのは2018年初頭。
攻めが極端なフェチを持っているのにも関わらず非常に紳士であることや、その性格はバラエティにあふれているのにどことなくはんなりしている受け、そして非常にすっとぼけているくせにどこか品の良さを感じてしまう語り口に夢中になりまして。現在後追いで昔のお話を読んでいる最中です。
今作にも『傍目には良い男なのに何故かセックス関係になると変な拘りを発揮する攻め』と『口うるさいオカンの様なのにどこかロマンティックを求めてしまう受け』という鳥谷ワールド全開の主人公たちが登場するのですけれど、如何せんパンチ力が少し弱い。
警察の独身寮を舞台にしたお話なのに、刑事事件が話を引っ張るわけでもないので平板な印象を感じてしまいます。
そして何より、藤ケ森には『徹底的なフェチの拘りが少なく』、『紳士ぶりが板についていない』為に、時折、単なる言葉の足りない我儘な子どもに見えてしまうんですね。私の好きな変態紳士にはまだまだ道遠しって感じです。
お話の要素は間違いなく鳥谷さんのものなんですけれど、そのオタク度と言いますか徹底ぶりがはっちゃけていないのです。その辺でちょいとばかり盛り上がりに欠けた様に思いました。
ただし鳥谷さんファンとして、出版2作目(多分)のこの本を読んで良かったと思っているんです。
人を笑わせる小説を書くのってとても難しいことだと思いますし、特に鳥谷さんの『そこはかとなく可笑しい』とか『五月蠅くないトンチキ』って、とても特殊な作風だと思うのです。
これは生来持っていたものでもあるのでしょうけれど、おそらくとても意識したブラッシュアップがあったのだろうということが解りました。
こっちはへらへら笑って読むだけなのに……凄いな、作家って。
主人公は、京都府警のエリート警部・篠宮密。
そんな彼が、妹にせがまれて行ったレストランで、別れの修羅場を見た。
なんとも最低なプロポーズをした美男子が、プロポーズをした相手にふられているところを目撃してしまう。
それから数ヵ月後。
密が生活する独身寮に、新たな住人が越してくることになった。
副寮長としての責任からその新たな住人を待ち受けていると、運び込まれたのは大量の荷物と、どこかで見た顔の男・藤ヶ森明義。
現在、所轄で内偵中だという藤ヶ森は、目を疑うような金髪をしていた。
そしてそのまま、部屋に入りきらなかった荷物は廊下を占拠し、捜査で忙しいとかで藤ヶ森は帰ってこない。
そのうち、詰まれたダンボールから異臭が発生し始め、挙句。
部屋に積んだままにしていたダンボールが、重みに耐え切れなくなり、大破。部屋の中は大惨事になってしまう。
密は散々、藤ヶ森に「片付けろ」と言うが、聞く耳を持たない藤ヶ森は、「部屋が片付くまで」という約束で、密の部屋に居座ってしまう。
ところがちっとも片付けようとしない藤ヶ森に、苛立ちながらも追い出すこともできずにいて……
というような話でした。
なんというか、密は三十二歳なのに、中身がとっても乙女のようで、かわいらしい。
そもそも基本的には面倒見がいい性格なので、寮でのあだ名は「お母さん」。
困っている人は放っておけなくて、頼られるとついつい頑張っちゃう。そんな性格。
だから、藤ヶ森が密の作るご飯が「おいしい」といえば、嬉しいし。
「食べたい」と言われれば、だんだんと料理のレパートリーが増えるくらいには頑張って作る。
とってもかわいい。
そして、藤ヶ森に触られて、感じたことに自分の恋心を知って。
藤ヶ森が例の振られた女と会っているのを知って、思わず自分の恋心をばらしてしまう……。
なんかもう、とんでもなく乙女ですよね。
でも、こんな人がどうして警部なのかよくわからない。
なんか、全然警察官っぽくない。
いや、警察の中にも全然現場じゃないそういう部署もあるのだということはいろいろな警察官の知り合いがいるのでよくわかってるんですけどね。
そんなわけで、大層、密は萌えるキャラなのですが。
一方の藤ヶ森は、相当な変態さん。
女だったら、貧乳フェチ……。
買うおかずは、胸の薄い女の人のヌードカレンダーだし。
実際に付き合ってた人まで胸の薄い女の人。
おまけに、密と付き合い始めたら付き合い始めたで、毎日帰ってきたら、密の乳首をいじる始末……
あたし、いくら美形でも、こんな変態さん嫌だ……。
とちょっと引きました……。
密で萌えて、藤ヶ森でちょっとモヤモヤして、という感じなので。
すっきりはしませんが、藤ヶ森が密一筋なのはちゃんと伝わってくるので、悪い話ではありませんでした。
ただ、警察官・三十二歳という響きに惹かれて買うとちょっとあてが外れると思います。
途中までは、攻めと受けのああ言えばこう言う的なやり取りが面白く感じてたんですね。
だけど後半から攻めの図々しさが鼻についてダメでした……。
押しが強くて甘えてばかりで、エロと乳首のことで頭いっぱいにしか感じられなくて。
そして、攻めが受けに求めてる内容が「嫁」「奥さん」的なところにもモヤァっ‥…と。
毎日のご飯はもちろん、お弁当を強要するところがイラっ。
どっちも警察官で共働きなのに、自分は作らない、作れないとか何なの?
お前も作れ!と。
プロポーズ時に用意した衣装も、花柄の女性浴衣に裸エプロンで、なぜ女物なのよ……と。
貧乳女の代わりなんかではなく、受けが好きなんです!!と言ってたけど、なんか嘘くさく感じてしまいました。
貧乳好きだから胸がない受けの胸は好都合だし、ご飯も作ってくれて好都合だし、みたいな条件にあうから受けが好きみたいな感じがどうしても払拭できず……。
あまりにも乳首、乳首言ってるので、受け本人よりも、受けの乳首ばかり興味があるように感じてしまったし、かわいい年下男のおねだり感が皆無で、なんなの図々しい……としか思えず。
すいません。合いませんでした。
なんだろう・・・。実は初めて途中で断念してしまいました。
なんとか速読で最後までは目を通しましたが。
個人的に攻めも受けも全く萌えられず、Hシーンが異様にエロいだけに覚めた目で読んでしまいました。
京都府警のエリート警部・篠宮密(ひそか)と年下刑事・藤ヶ森明義の独身寮でのあれやこれなんですが、・・・。
まず警察社会での上下関係、男同士、年下攻め、寮生活、ノンケ設定、他 数々の設定が全く意味が感じられませんでした。
とりあえず攻めの藤ヶ森が私はダメでした。年上の密に対してのこの甘えを図々しいと取るか、かわいい年下男の甘えと取るか、そこで好き嫌いが分かれそうです。
わたしは完全に ナ ・ シ です!!
後半までいけば年下攻めの醍醐味みたいなのがちらっとでも出てくるかなーと、忍耐で読んでたんですが特にそういうこともなく、不完全燃焼のまま終わってしまいました。
受けの密も合いませんでしたねー。「男のくせに几帳面すぎ」で6年も彼女がいなかったのに、簡単に藤ヶ森に流されているのが不可解です。
文章は読みやすいし、濡れ場も変にエロいんですが、設定の噛み合わなさが・・・合わなかったみたいです(変な日本語すいません)。
あ、あと受けが、料理とか家事類を強要されるってのもダメなんだと気付きました。新しい発見でした。そういえば今まで読んでたBLでは、受けがもともと料理好きだったり自発的にするのが多かったかも。
あーもやもやする!前作のどS攻めは結構好きだったんだけどなあ・・・
難しいですね・・
ここ最近鳥谷先生の作品に嵌って、過去作を後追いしているところです。作家ページにて評価順にしたところ、どうやら最下位だった今作。まあそれでも作家読みする方なので読んでみたんですが、ううーん、退屈…。読みながら何度も挫折しそうになりました;こちらに書かれている皆様のレビュー通りだったのか…。
何が駄目だったかって、受・攻共にキャラが魅力的に思えなくて。
受さん視点のお話なのですが、受さんについては、独身・長らく彼女なし・オカン気質な副寮長。だらしない攻さんに口煩く注意するもいつも流され、気付けば寮内同居生活。いや、流され過ぎでしょ、と。ちょろ過ぎる…。
一応外見などについて、美人で、二課で冷静な分析官が似合うような感じと攻さんが言っているんですが、それに相反して言い回しが親父臭いようです。親父臭い言い回しは別にいいんですが、攻さんへの叱り方が、ただ煩く怒鳴り散らしているだけみたいな感じで。もっと冷静にネチネチ言うタイプかと思ったのに…。
で、結局好きになっちゃったら、甲斐甲斐しくお料理覚えて部屋の掃除もしてあげてで、感情移入出来ないばかりか苛々してくる始末です…。多分一言で言えば「女々しい」。それが魅力的に描かれていたなら応援したくなるんだろうけど…。
そう、そんな受さんが好きになるくらいの攻さんなんだから、さぞかし魅力的なんだろう、と思えば、うーん。
滴るような色気を醸し出すようで、正直受さんはそれに惚れちゃっただけで、あとはもうあばたもえくぼ状態なんじゃないの?というか…。末っ子で、自分を甘やかしてくれる人を本能的に見分けられるようです。その結果受さんがロックオンされちゃう訳ですが、もうオカン気質の受さんに付け込んだような感じというか。ちょろい受さんを良いように言いくるめて飯作らせて、料理も覚えさせて。傍から見てりゃ結構なクズですよ。
鳥谷先生と言えば、フェチ持ちキャラの変態性、というイメージなんですが、この攻さんは貧乳で乳首好き(ついでに年上好き)。なんですが、この2人が出会う前は普通に貧乳女子とお付き合いしてた訳で、受さんの乳首について執着していくようにはなるものの、何か「男だけど、チョロいしそもそも胸無いしいっか」みたいな感じがずーっとしてて。攻さんがどれだけ受さんに対して愛を語ってたり、乳首萌えを訴えてたりしていても、結果オーライって感じで、ずーっと嘘くさいような印象だったんです…。
2人ともが、うーんちょっと…だったもんだから、その2人が動く事によって出来るストーリーも、いまいち乗り切れず。折角共通して天体好き、という設定も、タイトルになぞらえた割にはあまり生かされず。結局受さんの部屋に攻さんが転がり込んできて同居するから、寮という設定も中途半端。そもそも、寮の風紀委員的な感じで受さんがお母さんと呼ばれているという部分も、もうちょっと他の人達に対しても世話焼きだったりする部分とかが描かれていないと、ただ口煩いだけになっちゃってるというか。色んな設定が盛り込まれているものの、どれも上手く生かされないまま、という感じです。
好きだと思っている作家さんでここまで低評価付けちゃうのも気が引けるんですが…。今作については本当に合わなかった、という感じです(しゅみじゃない≠面白くない、ではない。人によっては合うかも)。評価順にして最下位だったのもまあ納得なんですけど、でも評価順にした時、新しい作品の方が上だったので、つまりデビュー以降どんどん面白くなっているって事ですよね。それは凄い。