蝶々の爪痕

choucho no tsumeato

蝶々の爪痕
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×26
  • 萌4
  • 中立5
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
7
得点
61
評価数
20
平均
3.4 / 5
神率
20%
著者
西野花 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
香坂あきほ 
媒体
小説
出版社
大誠社
レーベル
LiLik文庫
発売日
価格
¥543(税抜)  
ISBN
9784904835326

あらすじ

日舞の若師範・彩人に魅せられた櫻井は、彼を手に入れようと強引に愛人契約を結ぶが・・・?
ヤクザ×美貌の天才舞踏家の恋の行方は!?
(出版社より)

表題作蝶々の爪痕

ヤクザの息子でパトロン
東雲流の天才舞踊家

その他の収録作品

  • 接吻蝶々
  • あとがき

レビュー投稿数7

心情の変化と「蝶/衣装の色/演目」 

日舞の家元の自営団体としての運営や、後継争いをテーマにしたお話。

本編は、舞踊を全く知らない、風俗店を営む資産家のパトロンの視点。
最後は、財政難の流派を後継する真鶴が、パトロンを好きになった後の視点。

赤字の流派を維持する金子元確保の手段として、夫公認で妻の家元が桜井の父の愛人になっていた。金子元のパトロンが死亡する。愛人の処理を含めて遺産を相続した桜井の息子が、父の愛人だった家元に手切れ金を渡す場面からはじまる。
桜井は、切り縁を切りたい。支援関係を続けたい家元は食い下がって、自分の代わりに養子の真鶴を差し出す。真鶴は、最初「好きな人が居る」と断るが、流派の存続と言われると断れず、承知する。その後色々あって、二人は恋人に。
仔細は、先のレビューにあるので割愛。
---
感想:
真鶴と桜井の逢瀬が始まるのですが、気持ちの変化が真鶴が逢瀬に選んだ衣装の色や、桜井に見せる舞の演目に反映されていて、楽しかった。
藍色から段々明るい色に衣装が変る。
恋人同士が情を交わす舞から、蝶が花を選ぶ舞に変わる。

真鶴が焚き染めていた「御香」のお題は何だろう、香のイメージだけでも書いてあれば、嬉しかった。知りたいなーと思いました。

真鶴が敏感で反応がいい、と描写されていましたが、日舞は瞬間瞬間の全ての動作がキマッて無ければならないので、ポーズを保つ為に意外と筋肉の鍛錬が必要らしいです。特に地歌舞は、筋肉が必要らしい。
昔の芸者さんの技自慢の芸に「花電車芸」があったと、家人に聴きました(スゴイ技よー)分からない人は、ググってみて。

真鶴が、真鶴の才能を妬んで潰そうとする兄弟子へ、情を絶つ場面;蝶のようにふわっと近寄り、細腕でグ―パンチを入れる所は爽快だった。真鶴の精神は、漢だ。
こういう展開でなきゃ、読者が喜ばないよね。

・・・登城人物の家元夫婦の凄い割り切り方は、業界では良くあることかも。
伝統芸能は資産家の財潰しだけど、伝統芸能に関連する職人の技能存続につながるので、必要な無駄なんでしょうね。

電子版で読みましたが、挿絵が無いのもヨカッタ。好みじゃない絵なら、挿絵はいらない、脳内妄想で補った方が楽しい。真鶴の美貌は、勝手に玉三郎さんのイメージを被せて読んでしまった。でも玉三郎さんの素顔はかなりのお転婆だそうですね。

真鶴が桜井の店に行った時に会ったSの女王リリカさん。続篇があったら、また登場してほしい。

伝統芸能を題材にすると、かなり資料を集めないとお粗末な仕上がりになるし、現存する団体への遠慮もあったりで、準備が大変だったと思います。それも含めて、私は楽しんで読めたので、
神。

0

あの時、無事だったら、もっと萌(T_T)

西野さん2冊目読破です。

亡くなった父が残した日舞東雲流のパトロンの地位を切るために、手切れ金を持って、家元(女性)の元を訪れた攻(櫻井)は、家元から自分が駄目ならと弟子(彩人)を差しだされる。
最初は断るつもりの櫻井も、日舞を踊る彩人を見て興味を持ち、了承。
彩人も最初は嫌だと拒否するが、東雲のためと承知。

後日、二人でホテルへ行くと、櫻井は、彩人から「いきなり抱くのは無粋ではないのか」とか「無神経だな」とか「昼食に納豆がでるくらい無神経だ」とか罵倒されます。
櫻井は(なんだこいつ)と思います。
さらに「…俺には想う相手がいる」とか「東雲真鶴(彩人の名取名)の肉体をあんたに預ける。せいぜい好きにしてみせろ」とか上からの物言いです。
愛人契約で立場が弱いかなと思ったけれど、強気な態度に思わず拍手。
櫻井もそんな彩人を受け入れます。
そんな、櫻井と彩人の最初のかけあいが好きです。

彩人は、櫻井に抱かれ、トロトロで正体をなくすまで乱されてしまいます(う~ん。エロエロ)。
そして、櫻井と彩人はお互いに魅かれあっていきます。

しかし、彩人の想い人である兄弟子で、家元の息子の宗佑が、彩人の才能や次期家元の座を狙って、彩人に酷い事をします。本当に許せません(怒怒怒)。
宗佑は、地獄に堕ちろとか、同じ目に逢えば良いんだとか思ったし、りりか様の奴隷になって人生転落しろとかも思った。

そして、彩人は立ち直ります。強いですね~。でも櫻井が近くに居てくれたからだと思います。

きっと、これからも彩人は踊りが好きで、踊り続けていくだろうし、その影には櫻井がちゃんと見守っているんだね。
でも、踊れなくなっても、櫻井はきっとそばにいます。本人もそう言ってたし、お幸せに(^・^)



2

パトロン契約

モブ姦がすごくおいしそうなのに
全然描かれていないのが至極残念である(´;ω;`)
兄弟子とか、その他~とか。
その時受がどーかんじて、どーこうどうしていたのか
そこが見えるともっとグっと感情移入できたのかなと思いました。
ま、今回は攻視点が主となってるので
攻からみた主観なわけで。。。。

とはいえ、いいとししたオッサン。
しかも「俺はモテるぜ☆」と自慢げな男が
あまつさえ一人の青年に一目ぼれした挙句
中学生並みに盛っちゃうとか、存外楽しく読ませていただきました。
一見しおらしく見える受が実は乱暴な口のきき方で
どっちかっていうと~なのも印象が変わってよかった。
それだけに兄弟子と寝るときの差が見えてくるともっとよかったかな。

エロの部分でいえば、いつものごとくエロエロでした。
受がイこうと果てようと、ぐったりしていようと
複数ラウンド攻めてくるシツコサが素晴らしい。
ちょっと毎回というのがマンネリ感ありといえば有りなのですが。
ともあれ愛人から恋人へ昇格wおめでとうござります☆

1

攻めと受けの会話が楽しいです

本編=攻め視点、SS(接吻蝶々)=受け視点。

櫻井が彩人にベタ惚れのためか良い人な感じなので安心して読み進められました。
ってか櫻井と彩人の会話が楽しい(笑´∀`)ヶラヶラ
パトロンに面と向かって「昼食納豆」呼ばわりしてたり(笑)
俺様攻めかと思いきや…寧ろ下僕wな感じだったり、女王様なのにアレなシーンになるとメロメロな受けとか…イイΣd(・ω・d)!!!
足で~…とか、潮が~…とか斬新だなぁwww
ただ攻め視点だと別の男共からの無理矢理行為はサラッとしているもんだな…と(´・ω・`)←
事後報告的な第三者視点なんですよね…。
個人的には西野さん作品は受け視点の方が好きかもしれない。

1

攻め視点のエロ特化とはいっても

エロで有名な作家さんの攻め視点エロに興味を持ち読んでみた。エロさは確かに突出していると思う。でも攻め視点とはいっても描写は受け視点のときと同じような内容で、基本的には受け側の反応が多く書かれていた。受け視点エロの主語を入れ替えて、~された→~してやったと書き替えただけのものと変わりない。
攻め視点でしか読めない攻め自身の内側の反応をもっと読めたら良かった。やっぱり女性向けだからこうなるのか。

最初からエロ特化と認識して読んだので、ストーリーは特に気にしない。

キャラは関係性を考えるとちらほら言動に違和感があるが、狭すぎる世界で生きてきたから仕方ないのかな。
宗佑の小物っぷりは敵としてしょぼすぎて、なんでそんなに小物なんだと残念に思った。こんな胸糞感を携えて出てくるなら、もう少し頑張って欲しかった。なんとも張り合いが無くドン引きと憐憫を感じる悪役。
決着は情緒とは無縁の拳で笑った。

メイン二人はエロかった。人間的な魅力が分からなくても、しっかりエロさを感じる文章はすごいと思う。ここまでエロに特化していればキャラもストーリーも吹っ飛ぶ。受け視点のものも読んでみたくなる。
定期的に摂取したくなるファンの気持ちが分かる気がした。

0

 

優秀な兄弟と比べられる苦悩が、
少女漫画的な「頑張り屋でかわいそうな天才少女の主人公に嫉妬するお嬢様ライバル」みたいな単純な図式になっちゃったのが残念
BLだからライバルお嬢様は当て馬でもあるし、
意地悪は靴に画びょうじゃなくてレ○プだけどねw

普通ソトでライバルより劣ってて自分の居場所がなくなっても、ウチに帰れば「2番でもいい」って言ってくれる親がいるけど
家庭=職場でそれもいないからキツイだろうな
もちろん犯罪行為(レ○プ)は許されないけど、そりゃあ複雑だと思う
のに義兄が攻めをかっこよくみせるための単なる小悪党として、話が単純な勧善懲悪ものになっちゃたのが残念
以上、少女漫画でも才能の劣るライバルお嬢様の方に割と同情しちゃう私の感想でした

また他のレビュアーさんと同じく、私も西野さんは受け目線の方がいいですね
受けの養母に性欲をもよおせるか品定めする攻めの心理描写は気持ち悪かったです 

1

気持ちも力も強い女王様受け

流派の存続のためにパトロンに身を差し出さなくてはならなくなった舞いの名手。
そんな設定に、女子のようなかよわい受けが嫌よ嫌よで・・・なんて想像してたんですが、これに登場する受けはしたたかで強いです!
その意外性がツボかもしれません。
文章は攻め視点で展開するので客観性があり、非常に登場人物達が解り易いです。

ヤクザの妾腹の息子櫻井が父親が亡くなったことで引き継いだのが、日舞東雲流のパトロンの座。
その家元は女性で父親の愛人だったのが、すでにトウが立っており食指も動かないし、この機会だから切ってしまおうと決めていました。
なんとしても援助の欲しい家元が櫻井の前に差し出したのは天才舞踊家と言われる真鶴こと彩人だった。
彼に惹かれた櫻井は援助を続ける約束をし、彩人を自分のものにすることにするのだが・・・

彩人が潔い。
存続のためと割り切っているが、決してベッドで人形なわけではない。
それなりに経験があることも櫻井に明かし、快感をあらわにする。
むしろ、それまでのセックスがあまりにひどかったらしく、彼の導き方に馴染んでいく。
この彩人がツンデレ女王様なのが小気味がよいのです。
彩人は才能を認められて東雲家に入った実の息子ではない。
彼が本当に好きなのは、実の息子の宗佑らしいが、この宗佑が彩人を恋人として扱っているのではなく、彼を利用しその才能に嫉妬する実に懐の狭い嫌な男である。
それはラスト近くになって本性を暴かれることになるのだが、、
この宗佑と櫻井を対比させてますね。
彩人の扱い方を、、そりゃ櫻井の方が断然いいでしょうww

もちろん、西野作品ですからエロが満載で色気表現は充分にあります。
話自体も複雑でなく、上記にあげたただそれだけ・・・
だから全体的位置づけはやはりエロを愉しむ作品かと・・・
気が強く、常に凛としてヘタレない女王様、そして人を殴ることのできる強い受け。
そのキャラが萌えツボな作品でした。

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