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rdc
え~、初っ端からなんですが、私は所謂『オヤジ』趣味はこれっぽっちもありません。そこが水壬さんといちばん合わないと思っています(大好きな作家さんなんですけどね)。
まあ救いがあるとすれば、水壬さんの『オヤジ』は基本的に(もちろん例外はあります)受ってくらいですね。
オヤジでも、特に『オヤジ受』は個人的にどうしてもダメなので。
というわけで、このシリーズは最初から『オヤジもの』とわかっていたので、買っても読む気になれなくて(だったらなんで買うんだ!?と言えば、水壬さんが好きで『作家買い』だから。よっぽどでないと買うんです!)、ずーっと積んでたんですが、シリーズ完結してさらにスピンオフまで出てしまって・・・もう2年経ったのかあとちょっと遠い目に。
さすがに新書5冊となると『いい加減読むか・・・』という気になりました。というか気合い入れて読みました。
結果、やっぱり微妙でした。ただ、これは『オヤジ』だからというだけの問題じゃないように思いましたね。
キャラクターもストーリーも、どうもいまひとつ入り込めないまま終わってしまった感じです。
なんというか、単なる『年の差』『シンデレラ・マイフェアレディもの』を、強引に『クラブ』に関連付けただけなんじゃないのかとさえ感じました。
さらに『シンデレラ・マイフェアレディもの』としてもなんか半端な感じ。水壬さんだから、と要求が高くなってるというのはあると思いますが。
読み終わってみれば、いちばん(というか唯一かも・・・)面白くて印象に残ったのは賭けの罰ゲームでの『廿楽(攻)のカラオケ』っていうのは、ちょっとラブストーリーとしてはどうなんだろう。
さらに、私はイラストの亜樹良さんの絵柄がすごく苦手なので、それもまたツラかったです。
・・・シリーズ1作目からもう挫折しそうでした。あと4冊あるんだよ! と気合い入れ直しましたよ。
水壬さんの新しいシリーズの始まりは「RDC」という大人の男の会員制秘密クラブを舞台にしたものになるということで、トップバッターは年上のヤクザ風の男性と芝居の好きな情熱だけで何ももっていない男子の歳の差マイフェアレディもの。
多分に、そのクラブの性質とかこれから登場してくる人物の紹介めいた部分もはいっているからなのか、お話的には結構甘くて、また展開も結構トントン拍子で都合よくいってしまうので、ドキワク感が薄く、読み終わってみると可もなく不可もなく、平凡な出来になってしまっていて、自分的にはちょっと手ごたえは薄かった(涙)
家賃が払えなくてアパートを追い出された弱小劇団員の直十が、豪奢な建物に金持ち風の男達が入って行くのを見て、売りでもするかなんて敷地に足を踏み入れたことで、酔狂な会員達の、「直十をこのクラブで働くにふさわしい男にできるか」という賭けの対象となり、一見ヤクザ風の「若頭」と呼ばれている廿楽の元へ預けられる事になることから始まる。
一見怖そうな外見の廿楽の正体をラスト近くまで見せないことで興味をもっていっているとは思う。
また、その外見に似合わないまめさとかいがいしさと優しさでギャップも狙っている。
直十はやんちゃであまり頭はよくなさそうで教育の成果が出たかどうかとうことより、彼の演劇への熱を追うことで、廿楽の正体との絡みを付けている。
多分、そのせいで全体が甘い感じがしてドキハラ感がないのかもしれない。
会員制クラブといってもそれは「有閑クラブ」みたいなもので、決して性的なものではない健全なものなのです。
主人公達の部分についても、直十がこだわる演劇がキーワードであることで、なるほどなというお約束設定が待っている。
むしろ、面白いのは賭けに負けた廿楽のペナルティであるカラオケが爆笑見もので楽しいのかもしれない。
そこでもギャップを演出。
亜樹良さんのやくざっぽい廿楽のイラストはこれはフェロモンたっぷりで一番魅せる箇所かもv
一作目ですから、きっとまだこれから登場する色々なメンバーの色々な組み合わせの色々な性質のカプが登場すると思うので、きっとその中には好みのシチュのものがあるかもしれませんね。
水壬さんはおやじ受けはハードルが高いそうで(スキャンダルにちょこっとあったと思うのだが、、、)それは期待できそうにありません(ガックリ)
水壬先生のオヤジものということで期待が大きかった分、ちょっと・・・とおもいました。
現実離れしているせいでしょうか。
受けの直十くんが住んでいたアパートを家賃滞納で追い出され、所持金も残りわずか、父親の顔を知らずに育ち、母親もなくなり、伯母の家にお世話になっていたが疎ましがられ、居ずらくなり上京。バイトで生計をたてるもバイト先を首になり、所属していた劇団も空中崩壊中。
大変な過去を持ち、絶望的な状況なのになんか軽いんですよね。
人間的にも薄い。普通すぎるといいましょうか。ペラペラぺラしてました。
そのため受けの視点で話が進んでいくため、まったく感情移入ができないまま終わってしまいました。
攻めの廿楽さんは良かったと思いますが、マイ・フェア・レディものなら
もう少し細かく直十を一人前に仕込むような話がほしかったです。
まあ水壬先生の作品なのでそんなつまんない話ではないと思います。