きみのはなし、

kimi no hanashi

きみのはなし、
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神29
  • 萌×217
  • 萌18
  • 中立3
  • しゅみじゃない12

--

レビュー数
11
得点
270
評価数
79
平均
3.6 / 5
神率
36.7%
著者
朝丘戻 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
井上ナヲ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
シリーズ
きみのはなし、
発売日
価格
¥590(税抜)  
ISBN
9784829625026

あらすじ

好きだ、と何回も言おうとした。でもできなかった。
高校の同級生で、今は仕事仲間の飛馬と海東。飛馬は人付き合いが面倒で、一人でいるほうが楽だったが、海東だけは傍にいても苦にならない空気のような存在だった。そんな彼からたまにされるキス。海東の想いを知りつつも深くは考えず、いつか飽きるだろうと飛馬は好きにさせていた。ゆるゆると続いた関係だったが、海東が突然、結婚すると言い出したことで変化していき……。

表題作きみのはなし、

フリーライター兼カメラマン
デザイナー

その他の収録作品

  • 高校卒業の日のはなし
  • 社会人になってからのはなし
  • ふたたび、いまのはなし
  • あとがき

レビュー投稿数11

不安になる……。

冒頭の主人公・飛馬はちょっと変わった子なのですが、親友? の海東は輪をかけた変人ぶり。

高校時代から、海東は飛馬のことがとても好きなのですが、大胆にも飛馬にキスをねだりめちゃめちゃチュッチュしまくる癖に、飛馬と一生付き合えないと思い込んでいます。

いやいやいや、全然気の無さそうなノンケの友達にキスをする方が勇気要ると思うけど、何故そんな頑なに告白しないのか? それでいて、飛馬に彼女が出来たら祝福する気は大いにあるというのは……訳がわからないw

そんな海東の不思議くんっぷりに中盤まで惑わされたので、終盤になってやっと想いが通じたあとは、もしや一生ぶんの幸せを使い果たして、階段か崖を踏み外して悲劇エンドになるのではないかと、びびり散らかしました。

そんなオチにならなくて良かったです。続編も読みます。

0

読書時間をたっぷり取れる時にお薦めしたい一冊

二人の心理描写が丁寧で、焦れ焦ゆったり展開。
読書時間をゆったり取れる時に向く作品。
挿絵が、ゆったりした内容とマッチしていて綺麗。
でも残念ながら、人物の見分けがつきにくい。

●二人は同級生。
飛馬玲二:エディトリアルデザイナー。
美少女フィギュア収集趣味。口元にホクロ、小柄な美形。
継母や父、兄と上手く付き合えない、孤独好き。
海東は、傍に居ても苦にならない人。時々仕事をよこすので助かっている。
海東を失いかけて、気持ちに気付く。

海東響:カメラマン お人好しのゲイ。
飛馬が大好きで、触れたりキスしたり頑張っている、でも飛馬は無反応。



1

親友と恋人の違い

主人公飛馬は、人付き合いが面倒で一人でいるいることが、楽だと思って家にこもって仕事をするデザイナー。
飛馬の人柄は、表題作を読むとよくわかり、本人も自分の性格を、よくわかっているように思えます。だからか、飛馬のそっけなさにイラっときたりもしました。海東に対しての態度がひどい。。。
なんで、こんな扱いなのに海東は、一緒にいようとしたり、尽くしているんだろう。。。
飛馬にとってのキスは、何てことないことなの?!海東以外は、嫌悪感あったけど。その程度?!
そんな思いで読んでいました。

それが一変。『卒業の日のはなし』『社会人になってからのはなし』を読むと、海藤目線でのお話なので、どんどん飛馬が可愛く見えてきます!!
本当の飛馬は、海東にしかわからなかったんだ!
そう思うと、2人の関係が現在の状態に至ったのがわかりました。
『ふたたび今のはなし』で、飛馬が男前にこれから先、一緒にいたいから現状の関係を変えようとして、進展した感じ。
でも、なんだか煮えきれない。下巻を読むのが楽しみです。

1

純度の高い話

話は地味だし、日常がただひたすら描かれていくだけで、山も谷もナシ。
淡々と高校の同級生だったふたりが社会人になって、仕事相手になって、なんとなく繋がり続けてる日常です。
それなのに読後感はなんともいえない。
せつない。胸がきゅーっと苦しくなる。

海東が飛馬を想う気持ちが、痛いほどせつなくてやるせない。
キレイな涙、キレイな言葉、キレイな景色、キレイな人間関係、キレイ
な主人公に、キレイな物語。
個人的にはキレイキレイな話すぎて、リアリティに欠けているように思い、少し物足りなさがありました。

1

ミニシアター系映画のような

「きみのはなし、」「ふたりのはなし。」は上下巻扱いです。ご注意を。
以下上下巻合わせての感想です。

朝丘さん初読み。
攻受ふたりとも、霞を食べて生きてそうなキャラ。

たとえるなら単館・ミニシアター系の映画みたいな雰囲気。日常淡々系。
単館系映画同様、好きな人は「大好き!」、苦手な人は苦手だろうな、と思います。

私はと言えば…
この丁寧さは嫌いじゃない、でもこの本を好きかと言われると…微妙。

飛馬の性格が一話目とその後で随分違って見えるのとか、
(視点の違いとか、気持ちの変化とかあるのはわかるんだけどそれにしても)
くっついた後の口調がひらがなだらけで「~~だなっ」みたいになるのとか、
最初は可愛いと思ったけどなんか段々鼻についてきてしまって…だめかも。
「ふたりのはなし。」の最後の方は正直イライラしてしまってました…。
この可愛い話に苛々って私どんだけ余裕ないの。と自分に呆れつつ。

「ふたりのはなし」収録の「ふたり暮らしのはなし」なんかは
いいな、と感じたんだけど、海東視点だったからかもしれません。
思えば海東視点の話はすんなり読めて嫌いじゃないのが多かったので、
飛馬視点がだめなのかも…。

好きな人にとっては神評価の本だろうなと思います。

5

透きとおるようにあたたかく。

静かで、すこし揺れてまた静かになって、まるで鼓動の様な雰囲気です。
表紙の、温かみのある雰囲気と透明感がみごとに作風にあっています。

職業ややりとり、好きな食べ物やカラオケでの歌のチョイスなど、とても親近感が湧く要素がちりばめられています。どこかにこういう人いるかも、と思うかもしれません。

淡々としていつつも二人の心情を丁寧に描き、すこしずつ二人の気持ちが寄り添っていくのを描き出す作者さんの文章はとても優しくて私は好きです。飛馬の「必要な沈黙」のくだりはとても共感しました。この作家さんの感性がとても素敵です。

キスをいやだと思わないからと受け入れてしまうという設定は少々突飛ですが、主人公は天然さんのようなのでそこまで違和感も無く。

全体を通して、この空気感が好きな人にはたまらないであろう作品でした。

2

一途に思うこと

高校の同級生同士のお話。

出会ってから10年間、一途に飛馬を思い続けた海東。
心は繋がっていないけれど、軽いキスだけを交わし続ける二人。
現在の物語は飛馬視点、過去の学生篇は海東視点。

過去の学生篇について・・・
出会ってからずっと飛馬だけを一途に思い、大好きで大好きで
仕方ないという海東の心がゆっくりと描かれています。
とても切実でこんなに愛されたら幸せで仕方ないと思います。
そして、こんな大事に大事に飛馬を思う海東の想いが涙を誘います。

現在の飛馬の心が段々と変化していくさまを、きちんと綴った
「きみのはなし」
朝丘先生の文章の柔らかさがとても心地良くて、
続刊の「ふたりのはなし」も同時に読まれる事をお勧めします。

5

なんでもないことが特別な存在

多くは語りますまい。
作者さんがHPで書きためていった元高校同級生の二人のはなし。
何でもない日常がただ淡々と。
でも、そこには互いが特別たる何かが絶対的に存在していて、それが普通となっている。
それが為に、前進しない姿に読者はヤキモキしてしまうのだろうが
このヤキモキ具合が妙に心地よいものになっているのです。

キスは嫌じゃない。
唇をふれあうだけのそれは、まるで挨拶かそれの存在を確認するためだけのものだったりもする。
毎日会わないと不安になるわけじゃない。
随分会わない時もあれば、時間を見つけて顔をみるだけの短時間でも来てくれる存在。
ひきこもりのような外へ出ない生活に、いつも「今度はここへ行きたいね」という決して果たされない外出の約束。
でも、それは決して不快を覚えるものではなく、その約束が嬉しい。
相手が自分を好きだと言うことは知っている、でもその相手が自分とどうこうしたいと言わないから、それでいいと言っているのだから今のままでいいじゃないか。
そんな時に聞かされた突然の結婚話(しかも直接本人ではなく友人から)
お前は俺が好きだったんじゃないのか?
そこからが、互いの関係を見直す第一歩。

海東はあくまでも優しく、飛馬を見つめられるだけで側にいるだけで、その存在をうけいれてくれるだけでいい、という姿勢。
しかもそれは高校時代からもう10年近くも。
飛馬は、その海東に甘えるように一見彼を傷つけているんじゃないか?と思えるような、煮え切らないズルズルな姿勢。
しかし、その影には激しい独占欲もあったりする。

初めて果たされた遠出の約束に、恋人になると言ってそのキスを受け入れた飛馬。
しかし・・・

彼等の優しすぎる姿に、イライラしたら負けです。
朝丘さんのここ最近のお話は、その主人公達を受け入れられてナンボの話が多いような気がします。
これをじれったくて嫌、と思うか、
だからこそ、素敵と思うか。
読者を選びながら、彼等の話は「ふたりのはなし」へ続きます。

自分は、この二人にすっかり引き込まれました。
ただの友人から恋人になる、というだけの話ではありませんでした。
ただのゆっくりのんびりゆるやかに恋をするというお話ではありませんでした。
海東も飛馬もちょっと変わっています。
でも彼等は等身大として、その考え方も態度も自分には大アリなのです。

6

いじらしい…

いつも思うのですが、朝丘さんの作品には一癖二癖ある子が登場しますよね。
この作品もそんな子が登場するお話です。

好きだからこそ好きと言えなくて、でも我慢もできなくてキスをしてしまう攻め。
受けは攻めのことが好きだけど、それは友人としての好きであってでもキスは許す。
そんなふたりがくっつくまでのお話。前編、後編と別れているようでこのお話は後編のふたりのはなし。に続きます。

読んでいるうちに若干イライラしました。もうもどかしすぎて!言っちゃえよ!!と何度もなりました。
また攻めが健気で健気で…受けは拒みもせずゆるゆると友人関係を続けていてこれ終わるの?かと。。。
もどかしすぎてもどかしすぎて、しかも全然進まない二人の関係が後半一気に進んですごい気になるところで終わってます。
早くふたりのはなし。が読みたい!

2

迷う……

迷っています。

朝丘先生の作品を読むのは三冊目です。毎回、切なすぎる愛しさに泣かされています。
本作も例外ではなく、各場面で涙してしまいました。朝丘先生の作品は私の涙のツボすぎます。

飛馬の気持ちも、海東の気持ちも「好き」と言っている……気がする……たぶん。

……時間が経つほどに不安になってきました;
幸せのはずだよね??
と、こんな具合に不安になる作品でした。


たぶん、「好き」という言葉が、言葉としてほとんど出てこなかったことが原因だと思います。
行動や言動には「好き」という気持ちが見えるのに、それを飛馬は無意識でしか思っておらず、海東は気持ちを押さえ込んでいる。

互いにベタ惚れ状態なのに、恋人じゃない。じれったいわけではないが、恋愛というには遠い……。
そんな二人の関係です。

不思議です。というより迷走……迷子です。

互いの気持ちどころか自分の気持ちも、自分達の関係も迷子状態にあるみたいです。

次巻でどんな風に動くのか本当に楽しみです。

2

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