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すごく期待してた最新刊が『う~ん』だったので、神楽さん(のお気に入り作品)再読祭り。
ひとことで言うと『浮世離れしたおとぎ話』って感じです。100%いい意味で!
神楽さんは、ご自分でも言われてますが、作品に占める受の女装率がものすごく高いんですね。私は女装そのものには別に興味はないんですが、神楽さんの女装はまったく嫌悪感や違和感を覚えないんです。『女装』が自然に受け入れられる設定・ストーリー作りが上手いんでしょうね。
そしてキャラクター。表紙イラストや、設定から私が受けたイメージとは全く違いました。正反対と言ってもいいくらいに。
病弱で貧乏で何かと残念な泰斗(攻)と、『仕事着として』のクラシカルなメイド服に身を包み、てきぱきと仕事(料理・掃除等)をこなす、意外と男前な唯(受)。
寂しい2人が惹かれあっていく様子に、読みながら自然に入れ込んでしまいました。行動範囲も人間関係(登場人物)も非常に狭い世界で展開していくんですが、それがかえって幻想的で独特な雰囲気作りを助けていたと思います。。
全体的にふんわり・あまあまなんですが、しつこくない。すごくさらっと乾いた印象なんです。私はそこが何よりいいと思いました。
タイトルにも書きましたが、今のところ神楽さんでいちばん好きな作品です。なんというか、穏やかで淡々とし過ぎなところで『神』はどうかなあと思ったのでこの評価ですが(個人的感情だけなら『神』でもいいと思っています)。
実は、ちるちるでは神楽さんで『神』をつけた作品もあって、そちらももちろん大好きなんですが(そちらはもういろんな意味でインパクトがすごかった)、純粋に自分の好みではこれが№1です。
そして、宝井さんのイラストがイメージぴったりでした。
西洋のアンティーク調の品々、鉱物の原石に、美しい蝶の標本が集められた部屋と、あちこちに佇む動物の剥製。
亡き主人の理想郷であり、常人には理解が出来ない奇々怪界なもので作り上げられた屋敷が舞台。
主人の置き土産のような屋敷の中で生きているのは、温室の植物と鳥達と「唯」という名のクラシカルなメイド服に身を包んだお世話係の少年のみ。
亡くなった主人の孫であり、亡き祖父の遺産を相続することとなった泰斗と、祖父が理想郷と一緒に遺していった唯という少年が不思議な屋敷で共に暮らすことになり…というお話。
カバーイラストのイメージと内容のイメージは少し異なるかも?不思議な空気のお話ではあります。
鉱物、剥製、標本。言葉を選ばずに言うのなら、美しい死にまみれた屋敷。
その屋敷の中で唯一生きている人でありながら、どこか人形めいた美しさを持つ女装をした少年・唯が主人公。
唯はカバーイラストの通りメイド姿ではあるのですが…いわゆる女の子っぽい受けだとか、女装萌えな作品ではないんですね。
この姿なことにもきちんと訳がありますし、唯の性格も決して女々しいものではありません。
ここが上手いんです。ちゃんと男の子なんです。
こちらの作品、泰斗の祖父が遺した屋敷の雰囲気そのままに、お伽話に登場しそうななんとも言えない不思議な味付けとなっていて。
設定も閉鎖的な舞台もなかなかに個性的だと思うんですよ。
ただ、すごくあたたかくて優しいお話だと思う。
1度読めば、流れるようにするすると2人が作り出すふわりとした空気に揺られてしまいます。後味の良い柔らかいお伽話といった感じ。
優しいお話が読みたい時に、定期的に読み返したくなる作品です。
宝井理人先生の挿絵も作品のイメージにぴったり。
出逢ってからというもの、お互いの死んでいた時間が再び動き出したかのような2人の姿がすごく好き。
大きな出来事や派手さはありませんが、奇妙な屋敷の中でゆったりと静かに進む2人の関係性と優しい言葉のやり取りが心地良いです。
寂しさを持ち寄ってあたたかさに変えていく、彼らのなんでもない日常のシーンに小さな幸せを感じる。
受けも攻めも好印象で、現実設定なのだけれど現実味のないふわふわとした感覚が素敵な作品でした。
このお屋敷、ちょっと怖い気もするけれど、もしも実際にあれば中に入って見てみたい。
ただひたすらに優しく、主人公とともに読者も癒されるようなそんな現代おとぎ話のような作品でした。
主人公がメイド服姿なのですが、その外見と格好をしているということ自体がこの物語の大事な鍵だったんですねv
山の上の広大なお屋敷にメイド姿で勤める唯は、5年前に叔父に売られるような形で、この屋敷に住む老人のお世話係としてやってきました。
唯は決して老人の愛人ではなくて、あくまでもお世話係。
メイド姿は、老人の趣味?
老人の趣味で色々な収集物のあるお屋敷と広大な土地と唯は、その遺産を受け継いだ孫の泰斗の到着を待っていたのでした。
現れた泰斗は、疲れ果てた形相で、いきなり胃潰瘍で倒れ寝込んでしまう。
かいがいしく面倒を見る唯。
そんな中で、二人の会話を通して気持ちの触れあいが生まれてきます。
そこへ突然降ってわいた、土地屋敷が借金の抵当になっているという問題。
身体を売っても、この家を守りたいと思う唯に泰斗は・・・
この唯、人形のような外見にメイドの格好とくれば、女子的な雰囲気を感じるのですが、文章中では男子を感じます。
全く女々しくない。
それが、自分的に評価できる点だと思います。
色々な過去がありながら、真面目で健気だけど弱くない。
ポジティブで、純粋で、好感が持てます。
却って泰斗のほうが、自分で色々やるというより、色んな事を唯とか周りの人に助けられていくという、ヘタレではないんだけど、強い印象のある人ではないです。
草食なイメージなので、宝井さんの絵がよくに合ってます。
全体的にふんわりとした優しいお話。
作者の神楽さんの少し違う一面が見られるお話でした。
今回は祖父の死で遺産相続のために戻ってきた孫と
館の主人にメイド姿で世話をしていた少年のお話です。
攻様の祖父を通じて知り合った2人が
お互いの孤独を癒しつつ大切な関係を築くまで。
受様は父を知らず
水商売をしていた母に育てられますが
母も受様が中三の時に男と姿を消し、
自称美術商という叔父に引取られます。
しかしその叔父は目も髪も色素が薄く
異国風な顔立ちをもつ受様の美貌を
金になると思っていいた為
莫大な資産を持つものの
雑多で珍妙な品のコレクターとして有名で
若い娘を次々と世話係として雇い入れる
特殊な思考持ちと言われる老人に
新たな世話係として売られてしまいます。
しかしながら
受様の主人となった老人は
受様にメイド服を与えはしたものの
危惧した様なご奉公を求められる事はなく
受様が世話係になって四年後に
静かに息を引き取ります。
死した老人の正当な遺産相続人が
今回の攻様になります♪
攻様は幼い頃は老人宅で過ごしますが
父に連れられて屋敷を出て以来
長く音信不通な状態でした。
老人は可愛がっていた孫を忘れず
条件付きですが攻様に
自身の財産を残すと遺言したのです。
受様は攻様がやってくるまではと
屋敷に留まっていただけでしたが
やってきた攻様に遺産相続の条件が
受様との結婚だと告げられて
びっくりしてしまいます!!
その上、
体調を崩していたらしい攻様が
胃潰瘍で倒れてしまい、
受様はそのまま屋敷に留まって
彼の世話をする事になるのですが・・・
こんな2人に待ち受ける未来とは?!
攻様の祖父であり
受様のご主人様だった老人の
遺言状で巡り合った2人のお話になります♪
特殊な趣味の老人に売られた受様は
愛人家業さえ仕方がないと割り切りますが
老人が求めたのは生活全般の世話のみで
受様は自分の出来る事で
老人の役に立とうと頑張ります。
そしてその頑張りは
相続人としてやってきた攻様に対しても
発揮されるのです。
女装はしていても弱々しさはなく
押しじゃなくて芯が強い感じかな(笑)
父の借金の為にブラック系な貸金業に従事し
神経をすり減らしていた攻様は
正に生きているだけという暮らしをして
祖父の家で受様と過ごすうちに
穏やかだった日々を取り戻していきます。
老人の死や借金問題などはあるものの
2人の出会い以降に大事件があるでなく
淡々と進んで行く感じなのですが
老人が気に入っていた本の存在や
受様を気に入るきっかけや
老人の遺言の真意はループしていて
次々種明かしが面白かったです♪
今回は本作同様、女装の受様の恋物語で、
神楽さんの既刊『巫女姫の結末』はどうかな?