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耽美の女王、幻の傑作がついに文庫化!
絶海の孤島に閉じ込められた少年たちの物語。
最後はずっとまだ何かあるはず、奈落に落とされるはず、と戦々恐々としながら読んたが、驚きの甘々エンドだった。いくら自分が生きるためとはいえ、やらかしたことが半端ない内容なので、天罰みたいなものもなく終わってびっくりした。
前科のある親に捨てられた少年たちを集め、違法薬物のようなサボテンを作らせる島が舞台。設定がしっかりしており、個性豊かなキャラもたくさん出て来て、リアルに想像できる。
しかし臭いまで伝わってきそうな遺骸の詳細な描写には参った。あれはグロい。
日々を過ごすシーンには大量のエロが入ってくる。カプは固定でなく、主人公の秋生が別キャラたちの絡みを見ているだけのシーンもある。あまりにも多いので、途中でちょっと胸焼けしてしまった。早くストーリーを進めて欲しくなる。
一番ゾクっとしたのは、俊輔が堕ちていく前兆が見えたシーン。クスリに手を染めた人間の経過をもう少し見てみたかったな。
主な動きは島からの脱出。そして気になるクリスと秋生と海人の三角関係の行方。
脱出計画の話が持ち上がってからの展開は、スリリングでとても楽しく読めた。生きるために誰かを殺せるかという、究極の選択。実行後は計画通りそれなりに順調に進んだが、計画以上のことを済ませていたクリスにゾワっとした。
東京に戻ってからは、夢から覚めたようで変な感覚。急激に戻ってくる倫理観にすぐ順応できる秋生がすごい。
そのうち海人と再会しそうな空気を出しまくってたので、その後の話もあれば読んでみたい。海人と秋生が似てると言われてたのは、あまりピンとこなかった。
印象的だったのは、“ガーネット色の孔”。JUNEや耽美がどういうものか分からないけど、こういう表現がたくさんあるならもっと読んでみたいかもしれない。
孤島に閉じ込められた少年たちが暴力と性に狂っていく物語。
倫理観ガン無視で官能的な世界観が素晴らしいです。
主人公の秋生がモブおじさんに突っ込まれたり、突っ込んだり、他の少年と複数プレイしたりくんずほぐれず。
登場人物が多くて1回目は名前を覚えるのが大変だなとは思ったのですが、キャラの個性が強くてすんなり覚えられました。
ラストどうなるかちょっと怖かったのですが、個人的には満足いく終わり方で本当に良かったです。
山藍先生のAllアダムのクローズドサークルものです。
BLものにある、或る場所に男性ばかりが集められるという設定には、それなりに納得できる理由が必要です。設定が不自然だと話に入り込みにくいです。この小説では、犯罪を起こした青少年の更生のための島という名目で入りやすかったです。角川文庫から出版されていますが、なかなかノワールな内容で耽美度も高く、最後までハラハラドキドキ楽しめました。BLゲームの「Paradise」がツボに刺さった人には、オススメです。当方も定期的にこういう系の読み物を発作的に手にしたくなります。
ストーリーの進行により、クリスという天使のような容姿をした妖艶な少年のヴェールに包まれた本性が剥がされていくところが見どころでした。島での人間模様も興味深かったです。島に送られた理由が理由だけに皆逸物を抱えている人物ばかりで、、。そんな彼等の中でも、お山の猿のように力関係ができ、適応していけない弱いものは去っていく。。BLを楽しむというより、青少年で構成された社会の縮図を眺める系の読み物でした。
若さの漲った彼等が、抜けられることのない、終わりの見えない絶望的な閉鎖空間の中で生きざるを得ない、という現況は想像を絶します。自分で選択できない環境って辛い。。それでも人間は受け入れられる生き物で、クリスに何かと助けられて秋生は試練を乗り越えていきます。クリスを手にした秋生、最後はカッコ良く決めてくれるのかと思ったら…相変わらずクリス主導でおかしかった。
クリスには謎が多く、掴みどころのないキャラでした。クリスはいかほど秋生が好きなのか最後まで読めなかった。ある意味大変な人物を愛してしまった秋生。最後に仄めかされていましたが、表紙のように2人は海人と合流して三位一体で生きていくんでしょうか??それが彼等の自然な生き方なんでしょうか。クリスと海人との関係もBLあるある、な腐れ縁で続きそう。。都会が似合うクリス、最後はホント生き生きしていました。続きがあってもおかしくない終わり方でした。
山藍先生比では少なめかもしれませんが、相変わらずエロスの度合いが多くヴァーリエーションに富んでいました。何でもありで、マヒしてきました(笑)慣れってこわいな…。せっかく話が面白かったので、島での生活にもう少し尺があると良かったかな。没頭しすぎて、あっという間に終わってしまった感じです。
他のレビュアーさんの情報により、続編的な位置付け(?)の「ネメシス」もぜひ読んでみたいと思いました。
元々は2000年発表なんですね…
矯正不可能の不良少年たち。
彼らが家族から見放され、後は死んでもどうなっても良いという前提で「闇の保護司」宛てに送り込まれる絶海の孤島「ホーリー島」。
そこに今送られていく明生。
すでに島で数年過ごしていた絶世の美形・クリス、その他の少年たちの地獄のような収容生活が描かれているわけですが。
これはどんな順序で読むかで感想が変わりますね…
発表直後にここから普通に読んだ場合。
新入りの儀式として、先住者や職員に犯される決まり。
正気を保って、そんな屈辱に耐えて「脱獄」を目指す時、「一人一殺」の残虐性が試される。
中でも、所長にカラダで取り入る元高級男娼のクリスは、実はプロの殺し屋/暗殺者で、実に鮮やかに全てを皆殺しにしていく。
後から入島した明生が、こんな地獄の中でクリスに恋していく過程、もう一人のクリスの恋人・海人とクリスを共有する過程、というか、クリスが海人と明生の両方を支配して所有する感じ。
ついに島を脱出するその時の殺戮。そのバイオレンスを中心として読む感覚。
一方、「背徳の聖者たち」から始まる、いわゆる「タリオ」シリーズ。その最終作「ネメシス」に登場する「クリス」という人物が初めて描かれた作品として、タリオ前日譚としての読み方で読む場合。
クリスがなぜ殺人兵器として育てられたのか、なぜホーリー島に送られたのか、金貨のネックレスを買い戻したという顧客は誰だったのか(←もしかして鷹司?違うとは思うけど…)。
クリス、明生、その後海人も合流して、タリオ幹部の平坂の元に戻ったのか…この辺は非常に謎が深い。
特に「ネメシス」終盤の一場面、タリオ大幹部の平坂の所有するビルの中で平坂の養子であるクリスが登場する場面。
カジノのオーナーとしての顔をみせるクリスと、その従業員として登場する海人と明生、この2人はどうやってここに、この境遇にたどり着いたのか。
本作と「ネメシス」、そしてタリオシリーズ全編への思いを巡らさずにはいられない。
そして、クリスのその先が書かれるであろうタリオシリーズが未完であることが残念でたまらない。
面白かった! 耽美っぽさはやや少なめながら、映画のようなハラハラ感。現代日本が舞台のためか、「アレキサンドライト」や「色闇」よりかなり読みやすかった。
ストーリーは明快。少年院を出て、親に引き取りを拒絶された明生が連れてこられたのは、絶海の孤島の更正施設。そこには同じように犯罪者となり、親に見捨てられた少年たちが集められており、とある暴力団が極秘裏に少年らに違法薬物を栽培させている。
支配する大人たちは、彼らに過酷な労働と性の奉仕を強いており、明生は初日から、クリスという美少年が所長の相手をさせられる場面を見せられ、自らも凌辱を受ける。
そんな中で、クリスと次第に心を通わせていく明生。このクリスが元男娼で殺し屋という、キテる設定ながらも魅力的なキャラ。同室の海人という子とデキてるっぽいのに、彼は妹の仇としてクリスを憎んでいたり、この二人の関係性にも萌え。
強姦、暴力、殺人、SM、3Pなどが当たり前に行われる閉塞した世界。後半は誰が生き残るのか、この閉ざされた島からどうやって脱出するのか、という流れになってくるので、最後まで「どーなるのー?」とドキドキしてあっという間に読んでしまう。
性描写は多いものの、山藍先生比であっさりしていて短いので、凌辱シーンはそんなに痛くない。ラブが芽生えた終盤はちょっと甘くなるけど、私は海人、クリス、明生の3Pに萌えた~!
とにかくバッタバタと人が死ぬのだが、ラストはやや拍子抜けするくらいのハピエンで妙な爽快感が。普通のBLに飽きたという人に、オススメの作品。
電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきあり。(私は『ネメシス』シリーズは未読です)
私が山藍さんのお話でグッと来る所は『そこから逃げ出せない関係性』なんです。「好き好き大好きーっ」って言うのではなく、相手を想えば憂鬱になってしまうのに、それでも逃げ出せない関係。
このお話の『逃げ出せない』は『孤島に捕らえられて逃げ出せない』っていう物理的なもの。あれ?あたしの読みたいのとちょっと違うぞ。
秋生は少年院から出所した直後、義父に謀られ絶海の孤島にある矯正施設に入れられます。更正とは名ばかりで、そこは暴力団が違法薬物を作るための『農園』でした。暴力が支配する島の中で、少年達は『教官』に強姦され、働かされ続けます。その中で、自分の魅力を最大限利用し、所長を初めとする教官達を手玉にとるクリスに秋生は魅せられていきます。命も危ない状況の中で、秋生は生きのびられるのか?また、謎の多いクリスとの関係は如何に?
島の少年(と、言っても20歳位の子が多いのですが)達の幾人かを、山藍さんが魅力的に描いているのは解ります。特に、異母妹をクリスに殺され、その復習のために島に来たはずなのに、クリスと体の関係を持ち続けている海人とか、飄々としているヒロ、一見可愛らしいのに底が知れない南などは、キャラクターとして面白く読めました。
でもね、クリスと海人以外はそれぞれの関係性が薄いというか「あれ?これで終わり?」っていう感じを持っちゃうんです。秋生がクリスに目を奪われる理由は解るのですけれど、クリスが秋生を贔屓する理由が解らないし(「見た目か?」とも思ったんですが、秋生の外見描写があまりないのですよ。「賢い」的な科白は何度かあるのですけれど「それほどかなぁ」って思いますし)。
「全て納得いかせろ」と言っている訳ではなくて、何と言ったらいいのか、匂いだけするけれど、結局一体何だったのか解らないモノの様な感じ。
いや、良い匂いではあるのですけれどもね。
電子書籍を購入。
挿し絵なし、あとがきあり。
もともと「タリオシリーズ」を読了しており、関連作ということで本作品が気になっていたものの、読む機会がなくてそのままにしました。
今回、ひょんなことで手に取ることに。
すっかり、「タリオシリーズ」の内容も忘れたまま、読み始めました。
痛くて、エグいとの評判でしたが、それほど気にならずに読み終えることができました。
が、タリオシリーズとの関連が見えない。
なんとなく、クリスがタリオの使徒だったのかな?という雰囲気はあるのだけど。
で、「タリオシリーズ」を読み返して、やっと見つけました。
『ネメシス』に出てきていました。
クリスも秋生も海人も。
しかも、クリスはめちゃくちゃ重要な役どころじゃないですか!!
3人のその後がものすごく気になっていたので、『ネメシス』で、3人が無事再会でき、しかも仲良く暮らしている姿を垣間見ることができて良かったです。
あのお金を元に、きっとあれを立ち上げたんでしょうね。
主人公にまったく共感できませんでした。自分を非合法な島に閉じ込めた義父を、彼はドヤ顔で糾弾しますが、連れ子が暴走族に入りやりたい放題しているときに妻の妊娠が分かったら、どこかに閉じ込めたくなる気持ちも人情として分かります。
彼の理論は甘ったれのクソガキのものでしかありません。
それだけならキャラの個性で済みますが、作者の肩入れがプラスされるともうイライラして仕方なくなります。青春ものとも見れますが、成長もありませんし、上辺だけのギャグにしか見えません。
対象年齢10代が限界じゃないでしょうか。(内容はそぐわないハードですが)自分も十代の頃ならきっと面白くい読めたと思います。
散々貶しましたが好みとして受け付けなかっただけで、筆力そのものは高いと思います。最近の、無駄に長い描写、マンネリを繰り返すだけのストーリー、薄っぺらい登場人物、共感できない通り越して理解できない心理描写の作品群よりかよっぽど。
作者様の作品は以前からずっと気になっていたのですが、今回初読みです。
耽美と聞いていたので、そこはかとない背徳的や濃密な愛憎劇を期待していたのですが、イメージとはだいぶ違いました。
ねっとりした文体ではなく、文学的にしっかりとしていたからでしょうか。
甘えを削ぎ落として、人間の尊厳とは何かを考えさせられるような生々しい出来事がむしろ眈々と綴られておりました。
死人の描写が恐かったです。。
皆さんのおっしゃる通り、BLという表現は似つかわしくないですね。
痛々しい陵辱シーンも多くエロがエロに見えませんでした。
救いなのは秋生に好感が持てたことでしょうか。
終わり方は意外とあっさりだったような?
ずっしりと重い気持ちになりますが、とにかく圧倒的な世界観で、読み応えは凄いです!
BLなのかと聞かれたら、違うかもと答える作品。
山藍作品は未読でも、一般書の栗本薫作品を読んだことのある方は、なんとなく雰囲気が掴めるかもしれません。
この山藍さんの作品も一般の角川文庫で出されています。(他にも数冊)
こちらは新しく文庫化されたものなのですが、旧版との違いは不明です。
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主人公の秋生は元暴走族で、少年院仮退院ののち島へ連れて来られた18歳。
そして先住寮生の中でメインの二人は、中性的で高貴なほどの魅力をたたえたクリスと、攻めオンリーで寮内のピラミッドの頂点となる海人。
秋生とクリスはリバ、他のサブとの直接的描写、3P、陵辱有りです。
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少年院で矯正不能と判断された少年らの行き着く先、それが私有地である絶海の孤島です。
他の方も書かれていますが、イメージはアメリカのアルカトラズ島(別名、監獄島)でしょうか。
この島でいかにして生き残り、そして脱出するかという内容となります。
しかし、日本とは思えないライフル吊るした看守がいたり、もう完全に無法地帯。
そこに、たった15人ほどしか少年たちがいないというのは意外でした。
規模に反して少ないなあと。
ただその分、一人一人について頭に色々浮かびやすかったです。
角川文庫なので挿絵はないのですが、とにかくキャラ登場時から自分の頭の中に自然に個々が描けるのが凄いんですよね。
クリスのビジュアルに対する形容はひじょうに多いのですが、その他のキャラはそこまで書かれていないのに。
こういう狭い範囲の閉鎖空間物は大好きです。
まあ、とにかく相手がコロコロ変わってヤリまくりなわけですが、エロさというより悲惨さの方が大きいような。
特に所長…勘弁してください(汗
回数はかなりなものなのに、こんなにエロさを感じないのは久々です。
それにそういうシーンよりもグロの方が多く、遺体のリアル描写やら食欲を減退される箇所も多々ありますので、読むタイミングは大事かと(苦笑
ただ暗くなり過ぎないのは、秋生のキャラのお陰かもしれません。
暴走族に入ったきっかけが母の再婚で家に居場所が見出せなかったためであったり、その母からも少年院出所後の保護を拒否されて深く傷ついたり。(これには裏がありますが)
グレていたわけですがそれでも年相応の内面を持ち、尚且つ短慮を起こさず状況把握できることで結果的に生き残り、読者にも彼の目を通して読むことに違和感を感じさせません。
秋生視点で読むせいか、いつの間にかわたしまでクリスに惚れました(笑
この後の作品の中心人物たちは彼らではないようですが、すっかり魅了され注文しました!(他のシリーズはまだまだハードル高いですが…)
答姐で山藍作品を勧めて下さった方と、初・山藍作品に躊躇していたわたしの質問に親切に答えて下さった方に感謝です。
レビュー書くときは700字~800字と自分で決めているのだが、
これについてはその原則を守れないかもしれない (;´Д`)ハァハァ
正直、一般人におススメはしませんし、BLしか読まない人には鉄板で勧めないが
自分的には数ある山藍作品の中でも最強レベルで好きだ~~~~~!!!!
コレ、はっきりいっちゃうとBL小説じゃありません。
だって、BLって少女マンガの系譜にあるものだけど、
本作はそんなもの、欠片もありません。
おまけにBL界ではタブーといわれる攻め視点だし?
でも、攻め視点のセックス描写でこんだけ説得力あるのってあんまり記憶にございませんが。
2000年あたりの山藍作品というのは、正直、微妙なモノも少なくありません。
「恋に落ちるまで」
「愛する人は毒入り」
「愛と悲しみの迷宮」
このあたりは山藍作品の中でも(自分的には)低テンション・ゾーン。
しかし、どれも同じ方向性を指しているのには非常に気になっていた。
基本、山藍方程式ともいうべき独特な展開は、
虐待や凌辱にまみれつつ、快楽にたゆたう美貌の人が
最後は愛にたどりつくというものなんですが
なぜか2000年あたりの作品は、ラストが非常に素直で楽観的なんです。
ストレートに「好き」と言い合って愛し合うカタルシスがあります。
そのカタルシスのために前半の艱難辛苦、地獄の責めがあんのかと思うほど。
ただ、上述の作品だと、どうも座りがわるく、かわいいなとは思っても
頭からつっこめない感がありました。
ですが本作のカタルシス具合はかなり強烈です。
山藍作品で露骨に「好き好き」いいまくるキャラって少なめで、
最初は「えっ?」と思ってたけど、ボディーブローのようにきく。
「好き」の出血大サービスをしているのに、ちっとも甘くならないどころか
むしろ刹那的でヒリヒリした痛みさえ感じます。
はて、なんでだろう?と考えたら…美しい人、クリスが絶えず死の匂いをまとっているから。作品中にもいくつもの死が出てきますが、クリスはすさまじく魅力的な「死の天使」です。
秋生がクリスに恋をすればするほど、切なくなる。
エクスタシーは「小さい死」という意味、
官能は死と表裏一体とかよく言われますけれども、
官能と死が同じ蛇口から出ていて、ヤバ~い状態になるのがこの作品です。
困ったことに読み終わったあとに「ネメシス」を読み返し、なおかつ「ネメシス」の続編マダー!?って気になります。
なにげにサブリミナルでタリオキャラの名前をうっすら出すの反則ですw
くそぅ!商売上手すぎるぞ山藍先生(笑)
はやくタリオシリーズ続編…(涙目)
独自な視点で書かれていらっしゃる山藍紫姫子先生です。
不良男子達の孤島での地獄生活の話。
まあ すごい!
作者の意図通りにぐいぐいと引き込まれます。
いやな男に犯されるのは 序の口です。
どんどん仲間の男子が死んだり 殺されたりするのですから。
仲間の死体を片付ける場面が 正確に書かれてるのでおえっとなりました。
でもそんな場所で恋もしちゃったり。
三角関係で腹の探りあいなんですよ。
最後は孤島を脱出するのだが それは読んでのお楽しみです。
時間を忘れてあっという間に読めるのでお勧めです。
耽美派といわれて久しい作家さんですが、毎回首を傾げる。舞台が異国であったり本作のように何でも有りの絶海の孤島だったりと詳細な設定を必要としない状況を選んでいるのか。無論ファンタジーと言ってしまえばそれまでだが非日常の世界に遊ぶにも段階ってものがあるだろー、とつっこみたくなる。ストーリーは単純ながらスリリングで面白い。登場人物も粒ぞろい。でも彼等は作者によって説明されるだけで心象や背景がほとんど描かれず、説得力がない。しかも物語りもとーっても判りやすく、詳細を全て省いて進行する。そのため膨大なあらすじを読んでいる感しか残らない。他の作品と若干リンクしている部分もあるようだが単体で楽しめなくては意味がない。反対にH描写は長い。でも下手な男のエッチみたいに単純なので飽きる。濡れ場を際立たせるために他の描写を控えたのだとしたら作者の意図は不発。発刊が2000年という時差を考慮にいれても萌えない。趣味じゃない。ファンの方々ごめんなさい。
耽美小説といえば山藍作品というくらいに、それは突出しているのですが、この作品は表現に耽美的な言葉が入れられていながらも、どちらかといえばJUNE的な青春物語だったのだ、と読後の感想です。
人を殺すほどの犯罪を犯し、少年院に入っていながらもその引き取りを拒まれ、いらない人間と烙印押されたも同然の社会から葬り去られた少年達が送られる先は、まるでアルカトラズのような孤立した個人所有の島での収容所とも言い難い、隔離された世界。
そこに送り込まれた青年・秋生を主人公にして、展開していきます。
そこに在ったものとは、大人たちの青年達への無謀な仕打ちと、
青年達の見えないヒララルキーとうっ屈した思いの吐き出し行為となる暴力や凌辱の数々。
最初に秋生達3人がおくられてくるところから始まりますが、この3人というのが、実に特徴的に、この島で生き残る者、淘汰される者、脱落する者、の3様の姿を如実に表わしています。
それはすでに、島にいる少年達の姿にも現れているのですが、この新人3人の姿を見ている方がよりわかります。
先住青年達とのやりとりで、それを学んでいく秋生は生き残れる者だったのですね。
単に所長の愛人で、先住の中でも恐れられていてる海人にも抱かれているクリスに気に入られたからというわけでもない。
確かにクリスは秋生を影でヒイキするような行動に出てはいるのですが、それは秋生を見極めたから、強いてはラストの逃亡劇に至るその計画要員に入れる選別の為だったのかもしれません。
隔離された島内で繰り広げられる狂気のようなセックスの数々は、自分的にはさほど痛くありませんでした。
こういう場所ならあって当然だろうと思われたからです。
所長のSとMが混在する異常なセックスは気持ち悪さをもよおさせるものかもしれませんが、何故か滑稽で笑ってしまいます。
キーパーソンになるクリス。
彼は「背徳の聖者たち」の組織タリオの幹部・比良坂の息子で、鷹司の恋人であったという設定で「ネメシス」に登場しております。
彼の設定が元暗殺者でということは使徒であったのだと思われますが、時間的に、この本はその後ということになるのでしょうか。
彼がタリオをドロップアウトする話は、今後「背徳の~」シリーズで本編に関係してくるのでしょうかね?
この本が新装されたことで、思わず少しの期待をしてしまうのです。
クリスはまともな教育さえ受けず、殺しのテクニックだけを学んで家族や仲間と暮らすということを体験してこなかったので、同年齢の青年達と暮らすのが、こんな劣悪環境の島でさえ楽しかったと言わせています。
暴力と抑圧にまみれた歪んだ特殊環境ですが、彼にとっては青春なのです。
彼等が、生き延びる為にどうやってやり過ごすことが得策なのか身を持って学ぶという、「生きるための学校」という役割をしていたのかもしれません。
そういう意味で、自分にはおかしながらも学園モノの延長の青春物語としてうつったのかもしれませんね。
小説ですからイラストは一切入っていません。
しかし、自分的に何故か本仁戻さんの絵で映像化されていましたよv
はぁ~・・(ため息)、ドキドキした・・・!
次は誰が痛いの?次は誰が歪むの?次は?次は?
主人公の秋生は暴走族の副総長の時の暴走行為や障害などで刑務所に行っていたが、退所の日、義父の陰某で送られた先は「聖なる島」という地獄。
そこは、凶悪犯罪を犯した青少年を、看守の様な大人達がいたぶり酷使する違法な農場。
秋生をはじめ、そこに集められた青年達にあるのは、死と隣り合わせの欲望やストレス、そして絶望だった!
まるで映画【蜘蛛女のキス】の雰囲気で【アルカトラス】【女囚シリーズ】の監獄ものを少しずつ摘まんでシャッフルしたような・・・
モチロン全員男です。
看守は全員が醜く普通ではない大人で、青年達はそれぞれ一癖も二癖もあって圧巻な程。
主要キャラは、
主人公の案外普通な富樫秋生、所長をパパと呼ぶ金髪碧眼の美人・比良阪クリス、ストリートファイトで数人撲殺している海人。
かなり多い登場人物ですが、囚人の青年達はそれぞれが粒揃いで魅力的です!
この中での、セックスは恋愛というより支配欲や遊び、SM(縛り・吊り・鞭・玩具)リバ、3Pや、首を絞めて落ちる寸前の顔が好きというのもあったり。
キャラが多い分、性描写がかなりの字数とっています
後半になって怒濤の大逆転な展開になるのですが、
「きっとオレを嫌いになるよ」と何度も言っていた実力者クリス、カッコ良過ぎです!きっと貴方も惚れます!
このクリスが、何故普通っぽい秋生を気にするのか?と疑問だったのですが、クリスの生い立ちを知ってから“普通”だから良かったんだと納得しました。
ラストの秋生とクリスのラブを感じるセックスにやっとホッとして、でも、男らしい海人とのケリ付くのかなぁ~?と、とっても心配です^^;
もっと書き込みたいけど、ネタバレしたくないしぃ~!
最初から最後まで本当にドキドキハラハラさせて頂きました♪
早く他も手にしなくてはーっ!と必死な自分がいます!
痛いの大丈夫な方には、とってもお勧めな作品でした!