天国に手が届く

tengoku ni te ga todoku

天国に手が届く
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神58
  • 萌×221
  • 萌20
  • 中立3
  • しゅみじゃない15

--

レビュー数
25
得点
437
評価数
117
平均
3.9 / 5
神率
49.6%
著者
夕映月子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥560(税抜)  
ISBN
9784403522628

あらすじ

登山が趣味の佐和は、憧れの登山愛好家・小田切に出向先で出会う。だが、彼はなぜか佐和に冷たくて――?
孤独な心に寄り添う、天上の恋。待望のデビュー!
(出版社より)

表題作天国に手が届く

27歳,有名な登山家を叔父に持つ
27歳,登山愛好家

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数25

山を登るようにゆっくりと…

静かで優しい恋の話だと思いました。それが山登りの情景描写ととってもマッチしていてすごく素敵な作品です。
私もまだ経験は少ないですが山登りが好きなのでその点でも読んでいて楽しめました。

心をえぐられるような辛いシーンなどはないので終始穏やかな気持ちで読み進められて、寝る前の読書タイムにピッタリの作品でした。
BLは基本しんどくて重い話が好きなのでこのような本を楽しめたのはすごく新鮮な経験でした。これを機会にあまりジャンルを縛らず読んでいけたらなと思います。

0

正真正銘の”バディ”

夕映月子先生のデビュー作にして、山岳シリーズ第一弾。
本来はここから読み始めるのが正解だろうと思うのですが、山岳シリーズの別作品を色々読んだ後の感想レビューとなります。(順番が違っていても全く問題なく読めます)

木下けい子先生のイラストが嬉しい、山岳バディもの。

読んでいるだけで、夕映先生が本当に山とがお好きなんだということ、山への愛が、びしびし伝わってきました。

読んでいると「自分も山に登りたい」という何か憧れのような気持ちと、「山は恐ろしい場所だ」という怯えや恐怖が同時に湧き上がってくるような感じがして、不思議な高揚感に襲われます。

もう…これぞ正真正銘の”バディ”だよ!と言いたくなるような、誰も間に入ることなんてできない二人の関係。

山=人生の二人にとって、”バディ”という言葉の中には、仲間であり友人であり恋人であり家族でもあるような、単純な一言では表現しきれないような色々な意味が込められているような気がしました。

山という存在を通して強く強く繋がっていく二人の、余韻の残る美しい物語でした。
はあ…素敵だった。。

0

愛に溢れた作品

どうしようもなく、愛おしくて愛おしくて堪らない作品に出逢いました。

限りなく澄んだ絆と恋情を目の当たりにして、もはや脳が処理できません。

これほどまでに心打たれる作品なのは、やはり作者様の山に対する愛あってこそなのでしょうか。
作者様の愛が作品の隅々から感じられました。

自分も穂高連峰に魅せられた一人なので、こちらの作品を読んで、今年も絶対に行こうと思いました。
(上高地から眺めるだけですが...)

3作品あるようなので、2作品目以降もじっくり読ませていただきます。

2

山岳BLというジャンル

が、あるのかどうかはわかりませんが、何となく「岳」のイメージでその中で生きている山人の物語だと思うと、山の話も大事なエッセンスなんだなと。

尊敬し、山の師匠だった叔父を事故で亡くし、頑なに閉ざしてしまった心を持つ小田切と、大学生の頃に小田切と叔父の叶の登りをみて魅了された佐和。佐和は偶然出向先で小田切に出会います。一緒に登りたい佐和ですが、小田切には冷たくあしらわれます。たまたま一人で登りに行った壁で先に上にいた小田切が落としてしまった岩で怪我をした佐和でしたが、それをきっかけに小田切との距離が縮まっていきます。

山を好きな佐和ですが、最初は登る姿を技術的に尊敬し、素晴らしいという思いを抱きますが、だんだんそれが単なる山好きの友人の域を超えていく自覚の模様と、気持ちを押し殺さないとならない関係、小田切の方も同じように感じているっぽいのにそれは分かりやすく伝えられない感じ、と萌えるシチュエーションでした。
万事繰り合わせて行った穂高でお互いの思いが通じるところも萌。
小田切の言動が最初から変化していくところも良きでした。

ただただ少し残念なのは、さすがにテントの中で「初めての」二人が出来るのか?!しかも何回も!というところに疑問を抱いてしまい、、、現実にもどされてしまった事でしょうか。これがどちらかが元々ゲイ設定だったり、山小屋だったり、だとマシだったかなとも思いますが。まぁファンタジーですからね(苦笑)

3

夕映先生の書く男たちや山が美しい

先生の山の描写が美しくて、山を愛してらした気持ちが伝わる。
佐和が小田切への想いを自覚したのは遅いけど、人として登山家として強く惹かれてた。叶の言葉もあって、諦めきれなかったのかな。ケガしたのは残念だけど、きっかけができて山に登れたのは良かった。小田切は親代わりの叶の死に傷ついて頑なになってたけど、寂しかったんだよね。それを理解して一緒に居れるのが佐和だった。正に運命の人だと思いました。叶さんも安心してるんじゃないかな。小田切の心理描写には泣きました。強く優しく美しいお話

3

ご冥福をお祈りします。

とても好きな作品です。
山でしかうまく息ができない男とその男の隣にいることを選んだ男。
登山を全く知らなくても緊張や景色が感じられました。

偶然、SSを目にしてこの作品と先生に出会えたことをありがたく思います。

10

山男にゃ惚れるなよ

…とは有名な歌ですが、山男同士ならオールOKじゃん?
なんていう軽いお話ではなくて、とても切なくて良いお話でしたよ。

主人公はかなりガチな山の趣味を持つリーマン・佐和。
偶然会社の社食で、山仲間の間では昔から有名な小田切を見かけ…
…と始まります。
佐和は昔から小田切に憧れていたのでそこで山の話や登山の誘いをするのですが、小田切の態度は異常なほど冷たい。
小田切の叔父は著名な登山家。親代わりで山の師だった叔父を遭難で喪った後は、頑なにパートナーを持たない小田切なのです。
がっかりしたり、悲しくなったり、それでもやはり小田切に憧れる佐和。
突き放しながらも、佐和との山が癒しになっていく小田切。
そんな風に2人は近づいていきます。
視点は一貫して佐和なので、自分だけがこんな独占欲を抱いて、山のパートナーとしてやっと信頼し始めてくれた小田切の心を裏切ってしまっている、と1人悩む描写が多いです。
小田切にこの気持ちを言ってはいけない。
そんな揺れる心で集中力を欠き、小田切の目の前で岩壁で足を踏み外しそうになる佐和。
大切な人を失った経験を持つ小田切にとって、それはどれほどの恐怖だったのか。
『おまえじゃないとだめなんだ』…
2人の魂がつながり合った瞬間に萌え…。

私は本物の登山なんて超人のする事、みたいに思っています。だって絶壁にぶら下がったり。ムリでしょ。
そんな命懸けの極限状態なら、ノンケの男同士でも究極の信頼感や特別感が芽生えるものではないでしょうか。
山での特別感は当然として、ごく普通の日常で小田切が佐和に助けられ癒されて、というBLならではの部分も欲しかったかも。
また、タイトルに「天国」とつくのはこわい。
私の場合先に「あなたを好きになりたくない」を読んでしまっていたので、今も2人は恋人で勿論健在で、ってわかってたけど、終盤ちょっとドキドキしながら読んでました。

1

山の雄大さ

登山を軸に佐和のおおらかさで、頑なだった小田切の心を解してく。
命を預け合う、山の美しさや達成感を共有したい、そう思えるのは特別な相手だからこそ。山岳バディとしての信頼関係を築く過程、この気持ちの意味を考えちゃいけない、でも目を反らせない…と恋を自覚するとこ、しみる!

佐和の負けん気が強いけど素直で無自覚なこと言っちゃうとこ、時おり見せる無骨な小田切の穏やかさ、ストレートに煽っちゃう佐和、むっつりな小田切!!甘いわけじゃないのに二人のやり取りに魅せられる。山の雄大さも素晴らしくて素晴らしくて、爽やかな充足感!!木下けい子先生のイラストも雰囲気に合っててとっても素敵でした。

5

山を愛する男たち

これ、好きです!
こういう世界もあるんだなぁ、男同士の楽しみ方だなぁ……と、登山という未知の世界に引き込まれました。
景色やシチュエーションの描写が素敵。
ご来光や星空、明け方の空、夕焼けの空。
どの描写にも心躍りました。

男が男に惹かれる。
ノンケ同士なのに、それを当たり前のように感じさせてくれた所が素晴らしかった。
小田切と叔父の叶、佐和と小田切、叶と佐和。
それぞれの関係性にグッときてしまって、ラストの小田切と佐和の約束には涙が出ました。

小田切は、ずっと叶を探してたんですね。
そんな小田切が佐和に心動かされ、そんな自分を簡単には受け入れられない……といった、心の葛藤や変化が分かりやすくて共感しやすかったです。

しっかりと心に残る作品でした。
他の作品も読んでみようと思います。

3

すっごく良かった

登山?全然興味ないし……と思ってたんだけど、読んでみたら、ナニコレ!萌える!素敵!が続出でした。

考えてみたら危険と常に隣合わせの登山でパートナーを組むって命を預けるじゃないけど運命共同体みたいなもので、そこには予想もしてなかっためっちゃアツいものがあって目から鱗というか、登山いいわ〜!!山男同士いいわ〜!!と、新しい世界を開いた気分です。

幼い頃から父に連れられて山を歩いていた受けが、学生時代に山で見かけた攻めに憧れ、彼だけを目標にしてひたすら背中を追い続け、どうしたら一緒に登ってくれるか四六時中考えてるうちに恋に変わっていく……
そこに不自然さを感じませんでした。

ノンケが男を好きになるって現実は無理だろ……って思ってしまう自分がいるんだけど、彼の側に居たくて、登山のパートナーとして選んでほしくて寝ても覚めても考え続けているとか、もう恋と同じようなものでしょうと思えたし、その熱さが次第に恋に変わる過程がBLファンタジーではなく血肉の通った感じがして納得できちゃいました。

そして美しい風景描写がとても良かったです。
山に登らずして山の魅力を味わうことができました。

特に夜から朝へと刻々と変わっていく山の景色のシーンが好きです。
その天空のスペクタクルをただひたすら二人で見つめて、言葉を発したのはようやく30分も経ってから…というところが痺れた。
楽しくお喋りができることよりも、沈黙を共有できる存在って何よりだと思うので、この二人の関係性、尊い…と。

幼稚園生でも登れるという山くらいしか登ったことがないので、二人が歩く「奥穂高のジャンダルム」とやらをググってビビりました。
どひー!人間ってこんな所、歩けるんだぁ……みたいな目が点&尊敬の念。

一冊めちゃくちゃ楽しめたのですが、すんごく色気のない感想を一つだけ。
最後にようやく二人が体を重ねるシーン。
登山の途中で悪天候のためにテントを張った中で行われるんだけど、この人たち登山してから何日目?お風呂何日入ってないっけ??というのが気になって仕方なかったです……。
下山してお風呂に入ってからでも良かったと思う……。

6

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