「放さない。一聡(かずあき)さんは俺のものだ」 大人の恋のおとぎ話!

心乱される

kokoro midasareru

心乱される
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×212
  • 萌23
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
15
得点
134
評価数
41
平均
3.3 / 5
神率
7.3%
著者
英田サキ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784062866620

あらすじ

サラリーマンの橋野(はしの)一聡は、三十四歳にして十八歳になる息子・俊(しゅん)がいる。といっても、本当の息子ではなく、一聡がかつて誰よりも愛した男の子供だった。彼が亡くなったとき、一聡は俊を家族として育てることを決意したのだ。けれど、成長するにつれ父親そっくりになっていく俊に戸惑いを感じないわけではない。そんなある日、男にキスされている俊を見て!?(出版社より)

表題作心乱される

親友の遺児 俊 高校3年生・18歳/同僚 大宮
橋野一聡 34歳 食品会社商品開発

その他の収録作品

  • 幸せの行方
  • あとがき

レビュー投稿数15

年齢差萌え

 今まで、結構BL小説を読んできたのですが、この作品は特に印象に残っています。
 この作品の年下攻めが、もう最高なんです!

 まず、受けが34歳の会社員、攻めが18歳の高校生という設定で萌えました。
 年下攻めのお話は結構読んだのですが、ここまで年齢差が開いているものは少ないので、貴重な作品です。
 また、作品全体でエッチな描写が多いので、それも良かったです。(3Pとかもあった……)

 好きだった人の子供なのに、一人の男性として意識してしまう……という心理描写が、官能的でドキドキしました。
 
 ここからは少しネタバレになります。最後の方のシーンだったと思うのですが、受けが自慰しているところを子供の攻めが覗いてしまう、というシーンがあります。この本は全体的にエッチな描写が多いのですが、特にこのシーンが一番印象に残っています。
 個人的にこのシーンが一番好きです(笑) ぜひ読んでみてください。

2

大宮視点でも見てみたい物語!

この作品は攻めが二人。だから一聡大丈夫?!ってくらいにエロいです。10年身体の付き合いありの同僚大宮の優しい攻め。16歳年下俊の若さ溢れる攻め。前半は大宮→3P→後半は俊。これ目的だけでも十分読めますね。

でもこの物語の隠れ主人公、大宮が気になって……。
大宮がもし一聡をずっと想い続けているとしたら、これがかなり切ないです。好きな人の恋を草平の時、俊の時と2度も応援する。その間なんと15年。そのうち10年、一聡に身体は開いてもらえてもそこに心は一切なし。一聡は俊を想い続けている。大宮は一聡を抱くたびに辛かったんじゃないのと心乱されます。
それなのに大宮は優しいんです。一聡が抱いてほしいと願う時しかやらないし、一聡が満足しないような××は大宮は「無理して付き合わなくてもいい」と嫌悪感を抱いている。
俊の前で一聡とのキスを見せつけ一聡に睨まれる。でもそれは一聡が俊と上手くいく為のものとわかっての敢えての憎まれ役。
15年想い続けた一聡との最後の××。「今日は俺の好きにする」と大宮初めての我儘。普段と違い、セフレではなく恋人のように一聡を後ろから抱きしめ、たぶん一聡を想いながらの××に望んだようでした。この時に俊に一聡を引き渡すセレモニーかのような3P。最後なんだから一聡と二人きりの夜を過ごせば良いのに、そんな事をしたら一聡を手放せなくなる、15年秘めてきた愛の告白をしてしまいそうだと怖かったのでしょうか。この後大宮はどれだけ涙を流したのだろうかと胸が苦しくなります。
無事に俊×一聡がくっついたあと、俊が少しでも一聡との関係に弱気になったら激昂。「こいつには俺がいる」「こいつのためなら(結婚も)惜しくもない」とたぶん本音が飛び出してました。そりゃそうです。自分が身を引いたのに俊があっさりと一聡を手離すなら大宮としては許せないです。
この物語は一聡視点ですので大宮は飄々とした軽い奴として描かれており、重い感じは微塵もないです。さすが大宮。一聡には好きな人に本音をぶつけろとアドバイスしながら自分は最後まで想いを隠し通し友人になりました。切なすぎる大宮の片想い。こちらもエロの合間に堪能してみて下さい。

1

当て馬が濃すぎるけどそこが良い。

3PまがいのHシーンがあまりお好みじゃない方には
「…え~??」でしょうけれど
私は何度も読み返すほど良かった!!w
好きなHシーン10に入るかもしれない。
10年も関係を続けた体だけの大宮と、
一聡を今死ぬほど欲している年下の俊からの愛撫。
ひーー!!気持ち良さそう♪

いくら惚れた男の子供だからといって
ひきとって育てるなんて無理があるだろうと思いながらも
大宮が後半、一聡の様々な苦労があった真実を俊にぶちまける所があって
なんとなく腑に落ちたというか。(私は単純だから;)

俊を男として見ていないと言い訳をしても
亡くなった心底惚れた男に似てくれば嫌でも意識するし!
あぁ…、あの若くて真っ直ぐな欲望をぶつけられるのっていいなぁ…。
小さいながらも、一聡に迷惑をかけないようにと
わがまま等言わなかった俊が健気だった。
だからこそ、想いを伝えてからの
「一聡さんがシャワー浴びてる音聞いて勃ったから
洗面台に出した」はギャップがあって悶えましたよ!
でも、突き放そうと酷い事を言う一聡にも、
それによって傷つく俊にも感情移入できました。


しかし、大宮があまりにも奔放過ぎて好きだ!!!w
なんだかんだ言いながら一聡を大事に想ってて
こういうタイプは嫌い!って方には耐えられないかもしれませんが
(専務の娘さんと結婚予定だったのに、
結婚してからも一聡と関係は続けたいとかのたまったしw)
結局結婚は破談になってしまったし、
いつまでも一聡を想っていて欲しかった!
でも俊のお相手だった幸彦と、もしかして今後!?って終わり方だったので
喜んで良いのかどうか複雑な私です。

一聡の迷う心が綺麗ごとじゃない気がして、好感が持てました。
俊の為を思うのに抗えない心と体。
俊に真実を話さなければいけないのに言えないまま受け止め、
結局は第三者によって知らされる。
俊にとってそれはもうツラすぎる過去だったと思います。
そこで大宮が発破をかける。いい男だ。
一聡へも後押ししてくれたし、やっぱり大宮ラブ。

幸彦も良い当て馬だったのですが、
ごもっともな事言ってくれたりしてなかなか憎めないヤツでした。

男性陣で嫌いなタイプはいなかったのに、
やはり祥子という俊の義母になる予定だった女性が嫌でした…。
こういう人もいなければ話も動かないとわかるのですが。

Hも結構ねちっこいし、揺れる心理描写も丁寧で流石です。
大変楽しませていただきました!

5

3大義理の親子下剋上モノ

私の中の3大『義理の親子下剋上モノ』の1つ。
木原『HOME』ほど痛くはなくて、崎谷『ハピネス』ほど甘くはない。
ちょうど中間。

「心乱される」と、そのすぐ後の「幸せの行方」が収録されています。

内容はといえば……英田作品っぽくない感じ。
どうしちゃったのかしら?
路線変更したかったのかな?

たまには、こんな感じも好きだけどね。
ご都合主義的な所がいくつか気になったけど、それも許せるレベル。
ハピネスやHOMEが好きなら、是非、お試しください。

2

好きなシーンがたくさんありました

好きな人の子供を引き取って育ててきた一聡と育てられた子供俊のお話。
そこまで重くはないのですが、でも印象に残るシーンがいっぱいありました。
中でもやっぱり俊の父親草平との病院のシーンは思い出しただけでも泣きそうになります。
もう意識がほとんどない俊の父親の草平と、
自分が最後のお願いと頼んだ旅行での事故が原因と罪悪感いっぱいの一聡との最後、
草平が望む将来に一聡はいなかった事は解っていた事とは言え、あの最後は辛い。
後はお風呂場のシーンとか、俊に草平との事がばれた所とか、その他etc…etc…

子供の頃から知った俊の大人の一面を見てドキドキしたり、
がむしゃらに色んな事を犠牲にして育ててきた一聡の愛情、保護者としての責任、
その上での愛情だから深いんだなーと思うと優しい気持ちが生まれたり、妙な共感を感じたりと
読んでて楽しかったです。

後はやっぱり大宮ですねー。
いいな、大宮。
最後の方で俊に「お前の覚悟はそんなものか」みたいな感じだったと思うんですが、
そこのシーンの大宮かっこよかった。
また、耐えて待ってる一聡も好きだった。

重すぎず軽すぎず、私は好きでした。
また、出てきたキャラも皆好きでした。
私は一聡が1番好きだったかな。
大宮と幸彦のお話がもしあったら、ちょっとコメディが入った楽しいお話になりそうですね。
で、最後の方に短編で俊と一聡のその後があったら嬉しいな。
また、逆に草平と一聡の頃のお話も読んでみたい。
もっとこのキャラ達のお話を読んでみたいと思うお話でした。

1

大宮がイイ!

一聡は過去好きだった人の忘れ形見を引き取って育てている。その俊は18歳。成長するたびに昔の想い人に似てくる。。。

一聡は会社の同僚の大宮と友人であり、さらに肉体関係も持っている。そこに恋愛感情ななく、体だけの関係だが、精神的にも友人として支えてもらっていることも事実。そんな関係が変化するのは、俊に男の恋人が出来たらしいこと、俊の方も大宮と一聡がそういう関係なことを知ってしまうという。
実は俊はずっと一聡のことが好きで、ゲイであるバイト先の先輩に相談しているうちにそういう関係になったのだった。本当に好きな人とは結ばれないから、ってことだったのに、なんと一聡は大宮と関係していた!!男も大丈夫と知ってしまったからには…

一聡の方は、親代わり、家族として、俊の想いを受け入れがたく、自分の気持ちも見ないようにしていたが、煮え切らない一聡に大宮は荒療治を仕掛ける。
それによって殻を破れた一聡は俊と結ばれる、なんですが。

この物語で一番イイ男は大宮なんじゃないかと思うわけです。
体だけの関係とは言え、一聡をずっとそばで見ていた彼。昔の男も嫌いだったのは一聡を(意図せずとは言え)弄んだかのような形だったからじゃ無いかな。
荒療治をしたのも、一聡に幸せになって欲しかったから。
俊が過去の話を知って、一聡からいっとき離れた時も「一聡のためなら結婚なんて止める」っていう男前さ。大宮の奔放さ?っていうのもそういう態度じゃ無いと一聡と一緒にいづらいからじゃ無いかなとか思ったり。

一聡と俊は晴れてラブラブに。
ただ、大宮に感情移入しちゃって、同情しちゃて、切なかった。
彼には幸せになって欲しいなぁ。

0

何かコメディになっちゃった!?

大好きだった男の忘れ形見を引き取り、育て、その子に愛される保護者の主人公。
結構、ドロっとした設定であるはずなのに、主人公のせいか、その周りの人々のせいか、どんどんと軽くなっていって、コメディ的な展開に?
重軽いと言ったらいいのだろうか、重い設定だけにライトになったので読みやすいと言ったらいいのだろうか?
摩訶不思議な作品でした。

主人公・一聡がこれまたちょっと女入っている性格かもしれません。
愛してしまった草平に、セフレでいいから抱いてくれと関係を持ち、彼が亡くなった時、草平が息子の俊を託そうとしていた婚約者の女性への対抗意識で俊を手元に引き取るいきさつ。
草平への激しい執着が見てとれるのです。
だから、俊に告白されて、結果俊と親子から恋人になる結末ではあるのだけれど、一聡が俊の後に草平を絶対見ていることは間違いないと思うのです。
純粋に俊を愛していると言いきれるかどうか怪しいな~とは思うのですよ。
確かに、その関係にグルグルする様には葛藤がありすごく理解できるのですが、、、
だから、一聡のセフレで親友の大宮も、ふんぎらせる為にもう一度寝てみろ!みたいな持って行き方をするんですよね。
俊が、男の手ほどきを受けたアテ馬になるユキちゃんも、事情を知っていつの間にか大宮と同じスタンスになるし。
この大宮とユキちゃんの2人の登場が、話をライトにしている原因かもしれません。
でも、それはそれでとっても好き!
この2人の言うこともっともだと思ったのですよね~
とりあえず階段は登ってみないと、殻は破ってみないと前が見えないというかね~
それが3Pもどきプレイっていうのは、作者さんの大サービスなんでしょうねww

俊については問題ありません。
ちゃんと事情を理解して、最初から一聡を恋愛対象として見ていたし、一聡の本当のところを知って、悩む部分も当然だと思うし。
ただ、彼が高校生というのにバイトばかりしていて全然学校へ行っている様子が見受けられなくて、もっと高校生らしさも欲しかったかもです。
以外に大人な一聡より大人だったですもんv

こうして全体を読み終わって、一聡ってすごく我儘かも?と思ったり、
彼は本当は淫乱?とか、結構歪んでるよね、とか、愛に対して歪んでるのかも、と思うのでありました。
そういった対比で、大宮、一見軽そうなんだけど、彼の態度や言葉はとても現実に即していてすごく彼に肩入れする部分があって、主人公達より彼が気になって好きだったかも?ですww

願わくば、大宮とユキちゃんのトンデモ口悪い同士のカプ成立というのがあったら、すごい面白そうと思ってしまうのでした。
わき役の存在感で、萌え評価ですね(スミマセン、、)

5

大宮くんが一番好き

図らずも、車のお供で「ハピネス」(原作:崎谷はるひ)のドラマCDを聴いている途中で読み始めました。
困った、どうにも被る部分が多すぎて・・・
仕方が無いですよね、ラブかライクかは別としても、好きな人の遺児を引き取り育てた挙句、その子に惚れられちゃって戸惑う受、っていう設定がほぼ同じなので・・・
まぁ、それ以外の背景はまるっきり違うのですが、つい比べてしまう私・・・一聡は平川ボイスでしゃべるし、俊は渉ボイスでしゃべっちゃう・・・ホントに困った・・・

このお話の受・一聡さんは、そもそも育てた子・俊の父親にべた惚れしていたわけです。
それはそれは熱く粘っこく。
それはどこの嫉妬深い女ですか?と言いたくなるほどに。
だから、俊を引き取る時も単純な展開ではなかったので、その分俊には秘密にしておきたい事も多々あるわけです。
父親にそっくりに育っていく俊に戸惑いながらも、真面目に保護者をやってきた一聡ですが、俊の恋人が男だということにさらに困惑し・・・

一聡は秘密にしておきたいことが多すぎて自分の気持ちに素直になれず、俊はそんな一聡の事情を知らないものだから、一々振り回されるのです。

二人だけなら単純な展開になってしまいそうなこのお話の、火付け役でありかき回し役でありまとめ役でもあるのが、一聡の友人(?)・大宮と俊のセフレ(?)・幸彦です。
なぜ(?)が付くのかは、ネタバレしすぎるので割愛しますが、とにかくこの二人がいなかったら、こんなに複雑なすったもんだは起きなかったと思われます。
しかし、こんなに短時間で一聡と俊が結ばれることも無かったでしょうね。

特に大宮の存在はなかなか反モラル的で、どちらかと言えば私的には許せない部類に入る人種なのですが、一聡にとったら無くてはならない存在で、やっていることはいい加減でも言っていることは結構模範的なので、とにかく憎めない。
この作品の中で誰が一番好きですか?と聞かれたら、即座に「大宮!」と答えられるような存在なのです。

そんなわけで本編は、すったもんだがありながらめでたくまとまるわけですが、全体的に重暗い雰囲気を引きずっておりました。
反面、続編の短編「幸せの行方」は、やや軽めに描かれるその後の4人のお話。
やっと二人きりでラブラブしようとしていたところへお邪魔虫が登場し・・・「もうどうでもいいから、ふたりとも早く帰ってくれ」と思う俊のたまりにたまった欲求不満が可愛かったです。

ちなみに、エッチは結構ハードであります。
そうか、そのシチュエーションで3Pを入れてきたか、っていう感じ。
大宮くん、おいしいところは全部持っていってます。
でも、そこが好きです。

5

大宮と幸彦のその後が気になる。

ほどよくまとまってはいるが、作者が英田サキってことを考えると、
やけにご都合主義的に感じてしまう作品。

3P部分は、まぁ3Pというには薄いし、
3Pに持っていく必然性もなさそう。
たが、この際、不問。
一番、自分的に腐…じゃなかった腑に落ちないのが
墓参りに行ったら、過去のライバルと鉢合わせて、思わぬ過去の暴露がされてしまうあたり。
攻めの覚悟の甘さと、度量の狭さにビビった(笑)
英田サキって、アメリカの脚本作成ソフト、Dramaticaでプロット作ってるのかなー?
こういうハリウッド的な起承転結のつくり方って、スクリーンプレイソフトで出そうなパターン。

ともかく、最初から最後まで俊のどこがよかったのか不明。
それこそ、オヤジにそっくりじゃなかったら、恋心を持てる子でもないような…。

それよりも、当て馬的存在の大宮のほうが数段、魅力的です。
セフレといいつつ、そつなく受けを守り、なぐさめてきた彼こそ
実は自分を押し殺してかなわぬ恋に身をやつしているのではないかと
モーソーがひろがります。
願わくば、うまくいったあとも、一総にちょいちょいチョッカイを出していて
ほしいキャラです。
それとも、破れ鍋に綴じ蓋みたいな感じで幸彦とデキてしまうのか?
流され侍と青臭い子供のカップルよりも、
年の割にはクールな幸彦と、飄々としているようで何があるかわからない大宮
こちらの続編をはげしく希望。

5

好きな人には倍美味しいかもですが……。

あれれれ……。
萌えはする。キュンともする。切なくなるし幸せな気分も味わえる。
1冊を読むなかでめまぐるしく色んな感情を引き出されて、すごくお得なお話なんですが……。
なんだろ?この途中であっちに行っちゃった感は?

作品の良し悪しとかじゃなく、多分好みの問題です。

昔とても大好きで一方的に追いかけて、愛されていないのは承知のうえで抱いてもらっていた優しい男が亡くなって、その息子を引き取り育てている一聡。
息子ちゃんも、引き取られたときが既に8才だから、本当の親が誰かとか、今の状態が擬似家族だということはちゃんと理解しています。
だからこそ、恋の自覚があるんですが。

子供の頃から大好きで大好きで仕方がなかった一聡に対する気持ちが恋だと自覚して、その感情に肉欲が追加されて、悩んで、諦められなくて……という葛藤とか、それでも欲しいと必死に縋りつく様子とか、見ていて切ないです。

一聡も一聡で、俊に父親との関係を知られたら軽蔑される、傷つけてしまう、と恐れて、なかなか一歩踏み出せません。
親友でありセフレである大宮との関係を続けつつも悶々としてますし、この辺の「親子」から「恋人」へ移行できるか出来ないかっていうもどかしい感じが、なんとも言えず苦しいです。

そんな感じで前半戦すっごく感情移入して読んでいたんですが……。

え?なんで?いきなり3P?
しかもそれをきっかけに吹っ切れてラブラブお付き合いとか、意味が分からない><
ここは気前よく一聡の背中を蹴っ飛ばして送り出してくれたの大宮の男気を感じる場面なんでしょうが、3Pの意味がホント分からない!

この後は、ラブラブな生活が始まったと思いきや、父親との関係が俊にバレて……とお約束といえばお約束なドラマが待っています。
そこでも大宮の活躍とそれでもやっぱり大好きな俊の気持ちの大きさでキッチリ収まるんですが、どうにも3Pのショックが引っかかって……;

元々苦手なシチュエーションとは言え、最近は色んな作品を読んでそれなりに慣れたつもりでいたんですが、こう、必然性もなくいきなりサービスシーン的に挿入されると、すっごい作品から弾き出されたような感じになって、ちょっとビックリしちゃう。
私は水戸黄門に入浴シーンは要らない派です。(←関係ない!)

萌えどころは沢山あったし、ジーンと感動もしたし、ぎゅっと苦しくもなったし、こういう病的に受けを大好きな攻めも好きだし、ガキ特有の未熟な熱さや乱暴さみたいなのも愛しいと思うんですが、いかんせん3Pが……(しつこいっ!)

途中からは乗り切れないまま…というか、一旦乗ってた電車から振り落とされ、もう一回乗りたいと必死で追いかけるも追いつかないまま終点。って感じでした。
残念だ!ほんっと~~~~~に残念だっ!!!
けど、置いていかれた感はあるのに嫌悪感がないところが、やっぱり英田さんの表現力や文章力のなせる業なんだな。

3

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