毎日晴天!(2) 子供は止まらない

毎日晴天!(2) 子供は止まらない
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神8
  • 萌×23
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
65
評価数
16
平均
4.1 / 5
神率
50%
著者
菅野彰 

作家さんの新作発表
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イラスト
二宮悦巳 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
毎日晴天!
発売日
価格
¥514(税抜)  
ISBN
9784199000881

あらすじ

保護者同士の同居によって、一緒に暮らすことになった高校生の真弓と勇太。
家では可愛い末っ子として幼くふるまう真弓も、学校では年相応の少年になる。
勇太は、真弓が自分にだけ見せる素顔が気になって仕方がない。
同じ部屋で寝起きしていても、決して肌を見せない真弓は、その服の下に、明るい笑顔の陰に何を隠しているのか。
見守る勇太は、次第に心を奪われてゆき。

表題作毎日晴天!(2) 子供は止まらない

高校生
高校生(帯刀家末っ子)

その他の収録作品

  • 終わる日は始まりの日
  • 子供は全然止まらない

レビュー投稿数4

なかなかジーンとくる内容でした

20年近く経った今もまだ続いている人気シリーズ「毎日晴天!」シリーズの2巻です。
下町に住むお年頃な4兄弟と同居中の長男の恋人とその養子の少年を取り巻く騒がしい日常が人情味あふれるタッチで描かれ、目が離せなかったです。家庭内でホモカップル続出!というベタなBL展開ですが、作家さんの筆力のせいか、わざとらしさもなく楽しめました。

1巻で末っ子の真弓に感じた違和感が実は重大な伏線だったと気付いた2巻でした。1巻の途中まで、真弓が女の子だと思っていただけに、2巻でパズルのピースが埋まる感じでした。特に主題の「子供は止まらない」では、思春期真っ只中の真弓が色々とギリギリである姿にグッとくるものがありました。ずっと変わらずにいたいけれど、時の流れは許してくれない…。思春期特有のセンチメンタルさを微笑ましく思いました。歳を経てからは、自分で選択ができ、責任を持てる大人も随分良いものだと感じるのものだけれど。。
この兄弟のブラコンぶりは手に余るものですが、両親がいない環境で子供たちだけで助け合って生きただけに、絆の深さが違う事を痛感します。子離れ、親離れに似た感覚で、歳を重ねた大人が読んでも共感できるものがあります。

続編の「子供は全然止まらない」では、長年の腐れ縁により、どこか奥手な長男カップルと発展家の末っ子カップルの対比が面白かったです。末っ子カップルにどれだけ絡むか長男よ・・!という感じで、そろそろ自分の恋人と真剣に向き合って欲しいかも。真弓のお相手の岸和田出身の勇太のキャラがいい味出していて良かった。登場人物が多いシリーズですが、キャラがたっているので、安心して楽しめます。1巻も面白かったですが、ますますこのシリーズにハマってしまった2巻でした。

0

末っ子真弓カップル誕生

シリーズの二巻です。
主役カップルが長男の大河カップルから末っ子の真弓カップルへと変わりました。
前作で示唆されてましたが、連れ子の勇太が相手役です。
それにしても兄弟の総ホモ化が進んでいく帯刀家、長女が知ったらどんな反応をするんだろうと想像するだけでニヤニヤしちゃいますね。
あと私、総ホモ化話って基本的に好きじゃないんですが、こういったストーリー展開での総ホモ化ならぜんぜんok。結局は作品次第だなァと思いました。

この作品、先にドラマCDを聴いてたんですが、小説で読むとまた違いますね。ドラマCDの作りにやや欠点があったことも分かりました。
小説だと地の文が多いぶん、勇太の内心での迷いがきちんと伝わってくるんです。表面的にはずけずけと真弓に踏み込んでいるように見える勇太も、じつは場面場面で距離感を必死にはかっている。
秘密を暴かれた真弓を支えたのは勇太ですが、暴くきっかけとなったのはアホの神谷で、この神谷が泥をすべてひっかぶってくれたとも言えるんですよね。
勇太はいいとこ取りしたわけです。しかもそれを勇太本人は気づいてて、自分を卑怯だと思っている。
ニンマリしました。このストーリーの構成の仕方は本当に上手い。勇太のイケメンっぷりが際立ってて、惚れずにはいられない。

そして真弓。
真弓の幼いときのエピソードは胸が本当に痛いです。ただ変質者にイタズラされて傷を負わされたってだけなら、ここまでの痛みにはならない。真弓はその傷を喜んでしまったという。そんな自分に自己嫌悪することで、複雑な痛みを抱えることになったのだ。しかも勇太に会うまでは、誰にも言えずずっと一人で抱え込んでいた現在進行中の痛みだったわけですよ。
この二人が出会った偶然と必然にきゅーんとなります。

で、シリアスな話ばかり書いてますが、コミカル部分がまた面白いんですよ。そのコミカル部分が、シリアスな部分を引き立ててるんですよね。
えっちしたい高校生カップルと、阻止したい兄弟(おもに長男の大河)との攻防戦は、お約束ながらいちいち笑える。
大河の場合は自分もまだいたせてないというモンモンがあるんだよね。先にやられてたまるかっていう気持ちがあるに違いない。頑張れ大河。負けるな長男。

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「きれいやで?おまえの背中。おまえの気持ちみたいに、真っすぐで」

『終わる日は始まりの日』
うだる暑さにバテ気味の帯刀家に、叔母がひょっこりと様子見にやってきた。
夏休みの終わる一日前の日のひとコマ。

『子供は止まらない』
前作で長男・大河と秀が無事(?)カップル成立となったわけだが、そのために今まで保たれていたバランスが微妙に傾ぐことになった。
それまでの自分のポジションを譲り渡す形になったお兄ちゃん子の末っ子・真弓と秀の義理の息子・勇太。大河と秀の幸せは応援したいが、それぞれにやはりどこかが寂しい。

新学期から真弓と同じ学校へ通うことになった勇太は、真弓の家の中と学校でのギャップに不自然なものを感じずにいられない。そのうち、真弓が極端に肌を見られることを嫌い、プールもずっと見学続きだと知る。
勇太は真性のゲイだが、真弓のようなお子サマは全然タイプじゃない。
だけどいつの間にか気付くと、真弓から目が離せなくなっていて……。

勇太については、まだここではその複雑な生い立ちについて語られないが、とても16歳とは思えないものの考え方や鋭い洞察力からして、ある程度の予想はできる。
けれど、帯刀家のマスコットである末っ子に、こんなにも辛い過去があったとは……。
一見、過去のことなど何とも思っていない風を装っている真弓。
けれど、勇太はその危うさを見過ごさない。兄達でさえ、ある意味「腫れ物に触るように」そっとしておくしか出来なかった所へ踏み込んでいく。
「苦しないんか。何をしまい込んどるんや。俺に……見せてみい、なあ」
それが、恋だとは気付きもしないまま。

互いの名前を呼び合うだけで頬を赤らめている大人CPのまったりぶりとは打って変わって、子供CPは見ててちょっと痛々しい。
ふたりしてすっごい直向きで、なんだか一所懸命で。

「この傷俺がもろてもええか?」
勇太の懐の深さにぐっと来る。

『子供は全然止まらない 』
晴れて恋人同士になった勇太と真弓。
若さゆえついつい暴走しがちなふたりに、大河と秀は気が気じゃない(笑)
「お互いを、取り返しがつかないほど傷つけるのなんか簡単なことなんだって、おまえたちはまだ少しもわかってない」
自分達の犯した過ちを思い起こしながら、そう言って窘めようとする大人たち。
けれど、「いつか」ではなく、「今が大事」なんだと言い切ってしまう子供たち。
そうだね、今を大事に出来なければ、いつかなんてありはしないもの。
まだまだ、いろいろとありそうなふたりではあるが、温かい目で見守ってあげたい。
(大人CPも含めて、ね)







1

娘をお嫁に行かせるような気持ち

毎日晴天シリーズ第2巻です。
言葉遣いが悪いんだけど根っこでは優しくて受けを守ってくれる攻めがタイプなので、勇太×真弓のカップルが一番好きです。

養い子・勇太(言葉は乱暴だけど根は優しい)×末っ子・真弓(クール無邪気受け)
家族の前では、甘えん坊の末っ子で、しゃべる言葉も女の子らしい。
学校では、普通に男の子の喋りで、ちょっとキツメの性格。女の子にもモテモテ。
暑いから家族の皆は上半身裸でだらしない格好なのに、真弓だけはきっちり目の格好をしている。
一緒のお風呂にも、入ろうとしない。家族も、暗黙の了解でそれに触れようとしない。
それは、一体なぜなのか?
謎ばっかりでもどかしい思いから、夢中で先を読んだ話です。
1巻同様に、全ての真相が明かされた時には、そんなの誰の所為でもないし、誰かの所為にするものでもないと、涙腺を刺激されました。

勇太の年齢以上の洞察力に、ぶっきらぼうだけどちゃんと優しい所が、ツボでした。
それだけに、まだ明かしていなさそうな彼の過去が怖いです。
刹那的な感じがするので、未来を予感しても安心出来るようなラブラブシーンがいつか見たいです。

いまや、大河兄のお嫁さん扱いな秀が嫌いだったのは、真弓の大河兄を取られてしまったという思いからでした。
何も言えずに寂しそうな真弓の様子が、可哀そうに思ってしまって。
いつかは家族離れ、兄離れしなくてはいけないのはわかっているんだけど、大河と真弓が一緒にいる姿は微笑ましかったので、それが寂しかったんだと思います。
明らかに、真弓びいき故の感想だとは思いますが。

まとめ買いして、じっくりと読み解きたいシリーズ本です。

エロ:★2 エロさ勝負ではない本なので、これ位でいいです。
総合:★4 先を読ませる力があるのが凄いです。

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