くるおしく君を想う

kuruoshiku kimi wo omou

くるおしく君を想う
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神29
  • 萌×218
  • 萌18
  • 中立6
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
13
得点
277
評価数
80
平均
3.7 / 5
神率
36.3%
著者
沙野風結子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
朝南かつみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784796400909

あらすじ

兄を崇拝する莉一に幼い頃から焦がれている航希。失踪した兄の借金を肩代わりした莉一に、兄の代わりとなるよう要求され…。
(出版社より)

表題作くるおしく君を想う

31歳,外科医
26歳,弁護士の卵

レビュー投稿数13

切ない、健気すぎる受大好きです。

この作品を買ってから、BL小説に目覚めいろんな作品を集めるようになりました。BL小説の魅力に取りつかれた原点がこの「くるおしく君を想う」です。

性格悪い攻×健気な受 は私の大好物なんですがそのきっかけもたぶんこの作品ですね。

幼馴染ものです。隣に住んでいたお兄ちゃんの莉一に幼少時代から想いを寄せていた航希。しかし、莉一が好きなのは自分の兄で…。ある雨の日莉一が兄にキスしているところに遭遇してしまいます。そこから航希が莉一に寄せる想いはさらに熱を帯び狂おしいものに変わっていくわけです。

しかしながら、ひた隠しにしていた自分の想いが航希にばれてしまった莉一はその日以降殺したいと思うほど秘密を握った航希を憎みます。

ある雨の日の事件をきっかけに完全に2人の関係は崩れてしまうわけです。

それから出会うことがなかった2人が、兄の借金をきっかけに再会することになります。「兄の代わりになれ」と兄の借金を位肩代わりした莉一と身体の関係を持ち始めるのですが…。とにかく莉一の性格の悪さがにじみ出ています。普段は冷たくするくせにセックスの時は優しい反面、兄の名前を呼ばれながら抱かれます。

新たに熱を帯びた想いを抱きながら、どんなことをされてもまた莉一を想う航希の姿が非常に切なくて健気で涙が出そうになりました。

ちょっとづつ変わりはじめ、莉一の心も自分のことを大切に想う航希に傾きかける2人の関係にまた水を差してきたのが兄。この兄貴ホントに最悪。クリスマスの夜に2人のもとに現れ莉一の心を揺らします。

戻ってきた兄に負い目を感じ家を飛び出す航希。切なかった、苦しかった。「こんなに莉一を想っているのに!!」と読み手としても憤慨していましました。

最後の告白シーンは完全に涙が出た。最後の最後まで健気な航希に泣かされました。このときも雨だったんですよね。

2人に起きる大きな起点の時は必ず雨が降ってるんです。こういう関連付け素敵だなと思いましたw

17

いじましい!そしてやはりエロ!!

2007年に出版された「くるおしく、君を想う」の新装版です。加筆修正&描き下ろしのショート付きで結構厚めでした。前の本は読んでないのですが、どのへんが変わったのか、ちょっと読み比べてみたいです。
主人公、航希が小学生の時に隣家に越してきた莉一との、十三年後の再会。昔、航希の兄・采登に莉一がキスをしているのを航希が目撃してしまったところから大変なことになっていきます。

もう航希が莉一を好きで好きで大変です!
でも莉一は航希がもう疎ましくて邪魔でしょうがない。ホンモノです。子供だったとはいえひどい仕打ちをします。

再会した十三年後も、ここまでするかーというぐらい鬼です。でもそれを上回る航希の愛!献身!ちょっと引くぐらいです。主人公はとっても恋愛体質。何度打ちのめされても、ずるずる這い上がってきます。もう演歌の世界(笑)。莉一も昔とはちょっと想いが変わりつつありますが。

でもこの仕打ちを耐えて耐えて、最後のハッピーエンドまで行けたときは爽快でした~。

そして毎回大注目の沙野さんのエロ描写。
沙野さんなんでこんなに文章エロいの。そして斬新なの。ステキ過ぎます。
今回は「挿入せずに注入」でした。・・・○っかけは結構出てきますが、・・・これは(私は)目からウロコでした。可能なのかどうかは別として。
あ、でも新装版だからもう3年前にはこれを考えてたのか。
あと描き下ろしの「ハンカチで始末(W)」・・・。
料理中だもんね。そうだよね。しかもなにげに着衣エロ。
流行を取り込みつつ、でも開発も怠らない沙野さんは神です。

※最後カバー裏にもSSありました!

13

milky

コメントの返辞ありがとうございます。

>お兄ちゃんの記述はあんまり変えられてないのかも。

と、いうことは、真実を知った莉一のもっと「大ショック!!」てきなシーンがあるということでしょうか??(鼻息荒くてすみません。笑)

私の持ってる本ではどうしても真実教えた方も知った方も「チョコッとショック」な感じで私がもっと「もっとあるで~!!」と莉一にあれもこれも教えて大ショックを与えて自分の気をおさめたかったのですが・・・。

OUT

milky さま

コメントありがとうございます。
じゃあお兄ちゃんの記述はあんまり変えられてないのかも。です。
わたしも読みながら
「あれ。お兄ちゃん軽いなー」
とちょっと拍子抜けしました。
現在古本屋で旧版を探索中です(笑)まんまと・・・

milky

加筆&修正ですか? 凄い読みたいです。

私は新装版前の本を持ってるんですが、過去の航希があまりにも可哀想で、莉一が自分を支えてくれてたのは航希の兄・采登ではなく航希だったという事実の一部が最後チョロっと出て来た位でしかも航希は結構軽く流しちゃうから読み終わった私が「それじゃ、こっちの気が収まらないんだよ!!」と一人でムカムカしてました。笑

大切なカードと引き換えにたびたび夕食に呼んでやったのも航希で、采登は本当においしいとこどり。

私的には真実を知った莉一のもっと「大ショック!!」みたいなのをを見たかったし、采登にもケーキなんかじゃなくてもうちょっと違った形でギャフンと言わせたかったです。

という感じだったんですが、新装版はその辺改善されてますか? 笑

ただこの本の愛を叫びたい

皆さんのレビューでも仰っている通り、この小説は切ない、つらい、受けがかわいそう、攻めひどい、です。小説を読み進めて私も思いました。主人公がかわいそう、、、でもそれだけじゃなかった。

ここからうっすらネタバレかも。。

この小説はもう、受けに感情移入して読むと序盤から胸がイタタタタ。。
私はもともとこういうタイプの小説って好みじゃないんですよね、、正直。切ない!健気!な小説を読むときって主人公が幸せになるまで不安でドキドキしちゃうので、疲れちゃうんですよね。
その中でも好んで読む小説といえば健気受けと終盤の攻めざまぁ展開がある小説です(笑)
この小説はたいした攻めざまぁが無いらしいと聞いていたので、うーーん。。読むのどうしようかな?って思っていました。


でもこの小説は皆さんのレビューを見てから見たので、受けがすごいかわいそうだとか、攻めに殺されかける(!)とか、えー!って思ってから読んだので耐性みたいなのがついてたのと、再会した受けと攻めの関係がどん底から始まるのが良かったんだと思います(良好な関係になっていくしかないと思うので)なので私には珍しく切なさを楽しめました。


そして、航希にはもっといい人がいるよ。とか、なんでそんな莉一に執着するの?って思わないでもないんですが、多分それは航希にもわからないんだろーな、理屈じゃないんだろーな、ってだんだん思えて来たんですよね。読むうちに。



感情移入して読むと辛いんですが、私は感情移入して読むのをおすすめしたいです。
私は感情移入したおかげで、胸が押しつぶされるくらい辛かったり痛かったりしたんですけど、最後あたりはもうその反動で喜び?で涙がポロポロ、胸がきゅんというよりきゅうっとしました。

終わりのSSもいいんですよね。これがなければ完成しない。ってくらい。
多分これから航希は幸せになるんだろーな、っていう予感を感じさせるラストで嬉しいです。


私は1回通して読んだ小説はなかなか読み返さないんですが、この小説はちょくちょく読み返しています。なぜか私にとっては不思議な魅力があるんです。


欲を言えば、莉一がヤキモチ焼く話とか、読んでみたいなぁ、、って思うんですが、そこは妄想でカバーですね。(今更ですが続編がほしい)



ちなみに、他の方のレビューで雨の降る日には必ず2人に何かが起きるというのを見ていたので、雨が振りそうな描写があるとドキドキしました。(笑)

8

思ったほど痛くない内容

誤解とすれ違いで生じた片思い。
莉一:幼い頃、隣に住んでいた医者の子。トラウマ持ち。➡ 外科医
采登:要領が良い。莉一と同じ学校に通う。莉一を独り占め。➡大学中退 ホスト
航希:不器用で真面目。大好きな莉一と同じ学校に不合格。➡弁護士

要領良い兄に、責めるツボを全部教えていたことに気付かない弟。
遅くまで灯る灯りは、帰らない両親を待つ灯台のようだ、という表現は抒情的で、
一人ぼっちで親を待つ子供の寂しさが凄く伝わってくる。
沙野先生の描写、上手い。

豆腐と人参とごまの航希の手料理を喜ぶ莉一・・この場面、すごくホッとした。
損な役回りの弟が、最後にやっと理解してもらえて良かった。
全部ばれたというのに、兄は陽気で悪びれない。天性のホスト。

兄は、愛されることを望むタイプ。見てもらいたい、奪いたい。
弟は、愛して尽くしたいタイプ。相手が何を喜ぶかを観察。愛で包んで温める人。
兄弟は、対照的。

朝南かつみ さんのイラストが素敵だった。

1

代用品

この作品は、切ないというか、辛いというか。
航希の切ない状況が前半めちゃくちゃ伝わって、そして莉一ってなんて奴なんだと思っていたのですが…
それよりも兄のほうがもっとクズでしたね。

ここまで誰かを想うことができるのって、凄いことだなと思います。とても自分には無理。だから航希には、もう止めときなよ、って言いたいけれど、きっと彼は納得した上でそうだったんだろうな。意識的には納得してないのかもしれないけれど。

でも、蓋を開けてみたら…
莉一は実際には采登の言葉に好意を持った訳だけど、その裏にある航希に想いを寄せていたんじゃないかな。その言葉を紡げたのは航希だからこそ、というのが伝わったというか。もちろん自覚もなかっただろうけど。
だからこそ莉一は采登にが好きでありながら、航希への執着も実際にはあったんじゃないだろうか。なのであんな無体なことしちゃったのかなと。
やっぱ要領よく航希に嫉妬もあった采登が一番嫌なやつだ…でも実は彼も莉一を好きだったって言う気持ちからの行動だったのかもしれない。

二人が幸せになれたのなら良い結末なんだろうな。書き下ろしまで読んで、そう思いました。

エロはもう、沙野さんだから(笑)
管も器具も医者ならお手の物ですしね。

0

かわいそう

最後はハッピーエンドだし想いは報われるんですが私としては攻めがひどすぎて、受けの幼少期から今に至るまでの扱いを思うとあれくらいのハッピーエンドでは物足りなかったです。
攻めも自分の気持ちに気づいたなら、受けのことが好きなら身を引くなんて考えないで、跪いてもそばにいてほしと懇願するくらいの、兄を求めてた時と同じくらい分かりやすく感情的に、受けを欲して欲しかったです(´;ω;`)
結局いつも受けから好きだ好きだと頑張ってるのが、読んでて歯がゆかったです。
健気受けは好きなのですけど、その健気に見合うほどの返しが欲しい。
心臓が何度も痛くなりました。
読んだあともぐるぐるするくらい作品に入り込んでしまいました。
好きな作家さんです。

6

もっと「くるおしく」ても良かったのになぁ。

いいタイトルですよね。
「くるおしく君を想う」って。
読んでみた結果は・・・うーん。

確かに、くるおしく想っているのですが・・・思いの強さは、受の弁護士よりも、攻の外科医の方が強いような気がする。
ま、私の感じた「くるおしい度」なのですが。


となりに住んでいたお兄ちゃんが好きで好きでたまらないのに、彼は自分の兄を「くるおしいほど」想っている。
兄が寝ているトコロにキスをしているお兄ちゃん(兄とおにいちゃん・・・まぎらわしいなぁ(笑))をみて、自分にも、と想ってしまった瞬間から、受の受難というか健気というか、彼の「くるおしい」恋が始まったわけです。

攻は物質的には豊かでも、愛情面では枯れ果てた家庭に生まれ、精神的に追い詰められた子供時代をおくってたんですよね。
そこに受からの脅迫。
「兄はホモが嫌い」
「黙ってて欲しかったら、僕にもキスをして」
といった子供っぽい嫉妬と純粋さと卑怯と。
追い詰められていた攻はそれを受け流すことはできず、もっと自身を追い詰めていったんですよ。

で、受を殺そうとまで想い、行動してしまう。

そんなに嫌われているのか・・・という絶望に、受は攻を避けるようになり。
成人して社会的地位も得て、充実している日々の中での再会。

再会のきっかけを作ったのは、実兄。
借金して逃げた兄の後始末をする過程で攻に再会した受は、今でも兄を想っている攻に、身代わりになれと言われて。

身代わりをつとめる切ない恋話・・・を期待したのですが、ココからの「くるおしい度」があまり高まらなくて。
私的にはちよっと物足りないなぁ。

兄も攻のことが好きで、でも兄は自身の言葉で攻を振り返らせることが出来なくて。
攻は兄の言葉に救われ支えられて、思いを募らせる。
受は攻を想っての言葉を直接伝えることが出来ず、憎まれる中でもすがりつきたくて。

三人ともくるおしい恋をしています。


おまけ。
弁護士の同僚の方、いろいろ気になっているのです(笑)。

4

milky

ええええーーー!!!

すみません、驚いてしまたもので。

>兄も攻のことが好きで、でも兄は自身の言葉で攻を振り返らせることが出来なくて。

これは、受けの兄が攻に恋心を抱いてる(いた)ということですか?
私は古いバージョンを持ってますが、その中では兄は弟と攻の両方から美味しい蜜を吸いたいだけのロクデナシだったんですが、新刊ではそのような事に??!!

アーやっぱり、新しく買い直そうかな・・・。

けなげ過ぎるっ!

ひどい話がすっかりクセになってきたけれども、
切ない感じまでついてくるこの本は、非常によかったです!

しかも、復刊とは思えない新鮮さ。
いい話は色あせないんだなと「疵」のときから、
わかってきました!

このお話、いろいろ切ないんですけど、
ラスト近くのクリスマスのシーンは、かなり涙モノでした。
攻めのお気に入りの兄が帰宅してしまい、
弟は呆然としながらも家を出るシーン。
かなしすぎるっ!
もしかして、包丁で兄をさしちゃうんじゃないかとハラハラしなが読んでいたけれども、だまって家を出て行く弟のけなげさには脱帽です。

や、やさしすぎる。

ラストはちゃんと幸せにしてもらえてよかったね、弟君。


2

どちらの立場で読むかによって印象がガラリと変わります

この作品は莉一視点で読みたかったです。航希視点なので少し?かなり?イラつきました。莉一の言動は全てOKだと思う私にとって航希は、つい苛めたくなるタイプでした。読了後には、莉一と一緒になって色々と苛めてみたいと思いました。

ただ、初読時は航希の立場で読んでしまったので、しんどかったです。悲しく辛くなってしまい、莉一は冷酷非道な鬼畜だ!と思いました。航希は従順というか、純粋というか…「バカだろ、こいつ?」と思ったことも何度かあり、ついていけない思考回路をしていると結論づけることで、一緒に苦しむことを放棄せざるを得ないほど、莉一の仕打ちは酷かったです。

読了後の感想を一言で述べると・・・2人で勝手にやってろ!です。

1

代用品として扱われる受け…美味しい!!

ちるちるさんのBLニュース『本当に無慈悲なBL』で紹介されていた当作品。
胸をズキズキさせてほしい気持ちで購入しました。

結論からいいますとなかなかに良かったです。

子ども時代から一途に攻めのことを想う受け、航希に胸打たれました。
健気受けで心配になる受けの性格のイライラ度…私はありませんでした。
癪に障る要素がなかった為プラスな気持ちで航希の姿を追えました。
自分は代用品と理解しつつもひたむきな攻めへの愛を抑えきれない…。
兄が戻ってくれば全て終わってしまう…自分は必要なくなってしまう…そんなタイムリミットも刺激的でした。

切なさ、痛ましさ凄く御馳走でした。
でも超ド級なインパクトはなかったかな…胸をおさえたくなる苦しさにまでは到りませんでした。

攻めの莉一に関しては揺るぎない兄への執着、航希への容赦のなさは好印象でした。
寧ろ二人が結ばれないバドエンでも良かったと思った悪い子です(笑)
そのせいか莉一が航希を求めたことに…スッキリしませんでした。
気持ちを伝えるシーンはちゃんとあるんですよ。
察しの悪い私はそうだったのか…!と純粋に感動しましたし子ども時代の航希も報われたことを嬉しく思いました。

だけども思ったよりあっけなく航希を選び必要とし恋人になったのは虫がよすぎるというか…テンポ早く感じてしまった。
まぁ受け視点ならしょうがないかな。

お気に入りは病院のえっちなシーンです。
似たような描写がなくどのシーンもなかなかに楽しめました。

0

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