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お前にわたしのぜんぶをやるから お前もわたしにすべてを捧げろ
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
現代ものなのですが、舞台が革命前夜の東欧の共和国となっていて、一瞬時代を見失いそうになります。
あれ、時代は?の原因のひとつが今時化石のような相方、五辻武官補(大使の護衛)という男です。ストイックというか、武骨というか。
その五辻と行動を共にせざるを得ない大使の書記官を務める主人公・成瀬は、五辻の堅苦しさがうっとうしくてなりません。成瀬自身は切れ者だけれど容易にひとを踏み込ませない冷めた生き方、付き合い方をしています。
ふたりのずれ具合は読んでいて楽しいのですが、成瀬にしたらいい迷惑。
嫌味のひとつも出ようというもの。また近くで接していてだんだん五辻の生真面目さに慣らされていくのも癪にさわるらしいのです。
国情の不安が増すと共に陣代という胡散臭い男も絡んで、途中かなり痛い展開もあります。(シンドラーか杉原千畝か?)
でも二人の関係が少しづつ変化していくのが分かりやすく、応援しているうちにラストまでたどりつけるので大丈夫。
成瀬自身のツン具合も芯の強さがある正統派男前のツンなのでうれしいです。
そして、あとがきによると作者もこの武骨な軍用犬にひきずられてお相手を交代させたとのこと。なかなかの頑固ものだけれど、海の匂いをまとった海自の五辻武官補とツンな成瀬。いいカップルでした。