親友恋愛

親友恋愛
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
29
評価数
10
平均
3 / 5
神率
0%
著者
李丘那岐 

作家さんの新作発表
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イラスト
田倉トヲル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
兄弟恋愛
発売日
価格
¥571(税抜)  
ISBN
9784344820340

あらすじ

双子の兄への片恋に破れた藤。「叶うはずがない」と思ってはいてもやはりつらい藤を癒してくれたのは風変わりな友人・東島で……?
(出版社より)

表題作親友恋愛

オタク仲間の大学生
フィギアオタクの大学生,20歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

失恋の立ち直りは親友で

前作『兄弟恋愛』の続編というかスピンオフになる作品。
前作で、佐倉家の3男・桐が血のつながりのない兄・峻也と結ばれて、桐を愛していた双子の兄・藤は失恋してしまったのですが、そこで気になった藤の恋愛と自立のお話です。
前作を読んでなくても、多分大丈夫。
前作は、わけあり兄弟の恋愛だっただけに恋愛というよりは、家族の青春、って感じの印象が強かったのですが、こちらは、そういったしがらみに悩みながら恋愛をして、失恋を乗り越えていく藤と、その親友・秋敏の話にかなり絞られているので、恋愛度は少し高いです。

藤は明るい桐と違って、人づきあいが苦手で、桐と同じ顔だけど印象を変える為にわざともっさくしている人。
友人といえば、趣味のフィギア作りの仲間の秋敏くらいです。
家の中では、出来あがった桐と峻也がいるので、居心地が悪い。
峻也は藤のそんな気持ちを知っているので、気を遣うのだが桐は無頓着。
なおさらいたたまれないですよね。
そんな藤にとって、唯一逃げ場の秋敏に、展示会に出すフィギアの製作で忙しいから家に来ないでくれと遠ざけられる。
折しも、藤はホモだという噂が学内で流れ、その出所が秋敏だという。
秋敏のフィギアが盗まれる事件も絡んで、親友から特別な存在であることへの認識、そして恋愛へと進展していく様子のお話です。

藤がもう、根暗!←死語?
じっとりしたヘタレで後ろ向きで、そしてちょっと鈍感。
読者としては、最初に出てくる秋敏の描写で「間違いない!秋敏は藤が好き!!」ってわかるんですが、何分親友と思っているので藤は気がつかない。
また、その鈍臭さが話をややこしくしているからいいんですが。
また、秋敏も好きって言えなくて何だかものすごく遠回りしちゃってますよ。
気を遣いすぎて、遣いすぎて、だからトラブルを招いてしまうんですが。
一見ヘタレでないようで、案外ヘタレ気味な、ヘタレ同士の恋愛、っていうか奥手同士の恋愛なのかな?
しかし、オタクだけにじょじょに明らかになる秋敏の妄想ぶり、オタクぶりにラストあたり吹き出してしまう♪
藤の裸のフィギアというのが、キーアイテムですから(爆!)

結構淡々とした、シリアス調の進行をしているのですが、実はひっくり返せばコメディであると言う部分が、この本の面白いところでした。
奥手な二人にイラっとしながら、でも親友が恋人になる時はあっという間で、しかも藤は前向きに変わろうとする。
エチシーンは少なめですが、秋敏が妄想を重ねていただけに、その密度は濃く、魅せました。
こっちのカプのほうが、とても楽しくて面白かったです。

1

前作読んでた方が分かりやすいかも~

帯『……頼むから、優しくさせてくれよ』

「兄弟恋愛」の続編、今度は双子の弟藤[受]編です。
前作の部分は説明入ってますが、これは前作読んでおいた方が分かりやすいかと。

前回あった兄弟達でのミッションが無くなった分、メイン人物描写にページが割かれててこちらの方が作品として好み。
でもこれを読むとそのミッションがあって今作って気もするので積み重ねとしてはあれはあれで良かったのかも。

秋敏[攻]と藤はフィギュアオタク同士での友人。
どちらもフィギュア制作者なのでフュギア制作の過程や発表ルートなんかも書かれてます。
オタクはオタクなんですが、アニメ好きとか美少女好きとかの所謂オタクっぽさはあまり無くてどちらもイケメンだし、アート系の職人気質って感じです。
双子の兄桐への長年の恋心は失恋に終り、傷はまだ癒えず親しい友人も居ない藤にとって心を許せる秋敏の存在は大きく、彼のアパートへと出入りしてそこに心地良さを感じています。
といっても流石に双子である桐への感情までは打ち明けるつもりは無かったのですがふとした拍子にそれを秋敏へとぶちまけてしまい、何故かそれは大学中で噂となって広まってしまうのですね。
秋敏の知り合いで、藤とは相性の悪い野村がその噂の発生源だと分かり、時期を同じくして秋敏はフィギュア制作に没頭したいという理由で藤との接触を断ちます。
その後、プチミッションが行われ秋敏への誤解が一気に解け、彼から告白を受けるのが作品で大体3分の2辺り。
そこから藤が己の秋敏への感情をそれと気付くまでを尺をとって書いてます。
前作で出て来た兄弟達や両親も皆いい家族っぷりでちょっと前作読み返したくなりました。
あと野村が藤の裸体を目の前にしても、フィギュアの藤を愛でているのが変態チックでなかなか良かった、このテーマで別作品書いて欲しい位。

今作の方が作品としては好きですが、前作も読んでいた方がより楽しめる気はします。
田倉さんのイラストは表紙から口絵、本文内も心理描写込みで植物が出てくるとこが良かったかな。

1

外の世界に踏み出せば

前作「兄弟恋愛」で振られちゃった双子の片割れ、藤のお話です。
一応、前作を読んでなくても話がわかるように、説明的な記述がかなりはいっている分、ちゃんと小説を読んでいる感じがします。

桐と峻也がくっついてしまって、家にはちょっと居たたまれない藤は、外の世界へと踏み出そうとします。

藤の世界は、今まで兄弟の中でだけで、総てが閉じてしまっていたような状態だったので、藤には他人との付き合いの距離がよくわかりません。
そんな藤に、フィギュア制作という趣味で親しくなった東島はさりげなく接してくれて、居場所を与えてくれます。
藤は彼を親友と思い、大事にしようとするのですが…

オタクでインドアな藤が主人公になった分、前作の冒険活劇的な部分が減り、甘い恋愛要素が多めかな。
藤のお相手になる秋敏も、オタクを極めているからこそ、恋愛モードに入ったとたん、エロレベルもいきなりMAX。
歯の浮くような、ゲームの中のような甘いセリフだって、ドンドン使っちゃいます。
あまあまで、かわいいお話なので、こちらだけを先に読んでも充分楽しめるかな。

0

フィギュアオタクのカップル、良いですね~!

【兄弟恋愛】を先に読んだ方が良いと思います。
主人公の「藤」が、どんだけ双子兄「桐」を想っていたか、義兄「峻也」を妬んだか、そして2人を見守っていたかが分かるので。

魅力的で良い子なんですよ~藤は~^^
ただ卑屈や自虐的ってワードが付いてるんです。
家の中で、桐と峻也がいちゃついているのを見るのは嫌なんだけど、峻也が藤を気にしてセーブされるのも嫌。
だから、フィギュア作りの友人「秋敏」宅につい行ってしまう。
藤に心地良い居場所を与えてくれる秋敏は、長身美形なのに身なりも童貞も気にしないし、Going My Wayでオタク道に勤しんでいる。
そして、生活費を自分で稼ぎ自立している、藤にとって一目置く存在。
そんな秋敏が、自分を友人以上に見ていると感じるが・・・

前作にありました通り、内向的美人の藤は実は男らしくて、桐を押し倒したかったタチ性分なお人なのです!
藤の雰囲気は、えーっと・・【無慈悲なオトコ】の七生!
なのに(?)秋敏といたす時の妄想も攻め視点だったりです!
どう見ても秋敏が下で喘ぐキャラには思えないし、読者はここん所「?」のまま、最後の方まで引っ張られます!

秋敏の作った藤フィギュアの笑顔が、藤には桐にしか思えず「秋敏は桐を好きになるはず、オレは誰の1番にもなれない」と悶々・・・
自分の知らないうちに桐と話していると悶々・・・
そのどちらも後で解決し、秋敏のギャルゲーで使う様なセリフに苦笑しつつほだされて、やっと攻め受け決まります^^
はぁ~すっきり!と思いきや、2人が成就した後も、藤、攻め狙ってました!

現実での恋愛が初めての秋敏の多くの妄想に納得したり笑えたり♪
藤が妄想通りじゃなくても、秋敏はソレがまた嬉しいのだとか♪
オンリー1になれて良かったね、藤♪

前作は“桐・誘拐事件”や“ミッション”で全体的に騒がしかった感じ。
本作は騒動がない分、心情を語る部分が多く、じっくり読めるこちらの方が好みです。

既読は【ただひとつの光】【この愛を喰らえシリーズ】そして本作2巻。
李丘那岐先生、気になる作家さんです^^

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