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海賀作品読むの5冊目です。
やはり海賀作品は独特でした。
美術の専門学校に通っている伊藤はヌードデッサンのモデルとしてやってきた一平とカフェで再会する。
一平はモデルをするには痛々しいほどに痩せていて。
それがなんとなく気になっていた伊藤だったが、カフェで酒に酔った伊藤を介抱してくれた一平が更に気になって…。
今回の主人公は漫画家を目指して美術系専門学校に通う20歳の伊藤と、その授業のモデルとしてやってきた一平16歳。
この2人の恋物語ということになるのだが。
恋物語というよりも生きていくには、というか…。
とにかく一平の背景が暗いというか、状態的にかなり落ちている時に2人は出会っていて。
一平は祖父母の家で暮らしていたのだが、その祖父母も亡くなり。
そのショックもあって食べれなくなり(かろうじて飲み物は飲めるようです)
結果、かなりの栄養失調状態。
それなのに、寝る間を惜しんでバイトバイトと働き詰めで。
1日20時間働くとか。
でも、それにもちゃんと理由があって。
一平の行動にはいつもホントはちゃんと理由があって。
それは淋しさに由来するものだったりするんだけども。
でも、その「淋しい」も訴える相手はもういなくて。
今現在一番近しい人間が伊藤であるなら、伊藤に言えばいいんだけども、それも相手の迷惑とかいろいろ考えて素直には言えない。
言えなくて子供のように我儘を言ってるようなふうになってぶつかったり。
一平にはそういう意味では「やさしすぎる」ところがあるんですよね。
相手のことを思いやった結果、自分のことを後回しにしてしまうというか。
甘え方を知らないような一平が伊藤といることで少しずつ甘えたり前向きに生きて行こうと思えるようになってよかった。
とはいうものの、個人的に萌えは今までの海賀作品に比べるとかなり萌え度は低いです。
一平が不幸祭り?なこともあるし、たぶん恋愛面が少なかったからかな。
いや、確かに伊藤と一平の恋の物語であるのも確かなんだけど。
「恋愛」というよりは「情」というか「絆」というかもっと強い関係のようで。
恋してるっていう感覚はあんまりなかったかな。
一平が非常に伊藤を必要としてるのはわかるんだけどなー。
もう少し「恋愛らしい」恋愛が見たかったかな。