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gosen2ji ni miru yume
エリートサラリーマンが身寄りのいない高校生を引き取るというストーリー。
天涯孤独の子供を引き取るという大人という展開は、歳の差カップル好きなら一度は目にしたことがあるようなよくありそうな設定ですが、このお話の主人公、大賀は嫌々とか渋々とか、「自分のテリトリーに入って来てほしくない」という気持ちが表面に出ています。
でも大人としての良識はあり、引き受けたからには出来るだけのことはする。
引き取られた芹は、夜遊び中を補導され連れてこられたというだけあり、大人しく健気…なのとは違いなかなかやんちゃで気が強い少年でした。
先に恋に落ちたのは芹のほうで、大賀が好きだと気づいたときから積極的にアプローチします。子供の方が積極的、というのはちょっと新鮮。
でもこのお話のメインテーマは歳の差でもくっつくまでの過程でもなく、芹が蒸発した大賀の母親にうり二つだということです。大賀は芹が母親の息子でないかと疑います。
兄弟でないかと不安なまま、二人は互いにひかれていく。兄弟なのかどうか分からない、怖くて確かめられないというのは、兄弟ものとしてはちょっと異質な作品でした。
前後編に別れていて、前半は「弟でも違っても芹は芹だ、芹という人間が好きだ」という結論を出して二人の関係は曖昧なままですが、後半はもっと突き詰めたお話になっていきます。
でも同性ならよくて兄弟ならダメなの?という背徳感の持って行き方がちょっと不思議な気も。
これが男女なら恋した相手が実は血がつながっていたというメロドラマになりそうですが、妊娠することもなく、芹とは戸籍も別で今まで他人として育ったので、ここで同性という問題はほぼ取り上げられていなくて、兄弟だということはダメというのがしっくりこなかったのは兄弟モノのBLを読みすぎているからでしょうか・・・。
傍からみると設定はシビアなのかもしれないけど、芹が明るい性格なのでそんなに重くありません。
芹にとっては兄弟かどうかは問題ではない、ただ大賀が自分を大事にしてくれるのは兄弟だからではないか、ただの弟じゃ嫌だという気持ちがあります。
兄弟ものなんですが、最初他人として出会ったから、兄弟ものという雰囲気はそんなに強くないと感じました。
兄弟好きの方向けというよりは、同居ものが好きな方や、意地っ張りでやんちゃな子供と大人の歳の差ものが好きな方にオススメだと思います。
28歳サラリーマン×16歳高校生の異父兄弟モノ。
登場人物全員キャラが立っていて面白かったー!
子供の頃に自分を捨てた母親の生き写しの芹が、実の弟かもしれないと煮え切らない態度の大賀に、実は義理の弟でしたとかはやめてよーとビクビクしながら読み進めていましたが、ちゃんと?異父兄弟でした。
受けの芹は元不良で貞操観念の低い子なんですが、擦れていない、自分を持っている素直な子で好感が持てました。
しかし悲しい境遇からどこか危なっかしい一面もあり、そのアンバランスさが芹の魅力を一段と高めています。
とにかく大賀が芹のことを、弟かもしれないから惹かれているのか、芹個人に惹かれているのかがわかっていないため、中盤までずっとうじうじうじうじ悩んでいます。
「好きって言っちゃえば万事おさまるのに!言え!がんばれ!」などと読みながら一人熱く盛り上がっちゃっいましたが、大賀の立場だったら絶対同じように悩みますね。
そんな大賀がやっと、芹は芹だ、よしんば弟だとしても愛しく思う気持ちに変わりはしない!からの「芹は芹だ」はすごくかっこよかった。
その後も、これは盛り上がざるを得ないという展開続きで楽しかったです。
湯川さんの設定好みすぎる...。