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hakoniwa no cinderella
久々に、BLを読んだら一気に読みきってしまって、何も思いとどまれなかったです。
物語って自分に合う、合わないってあると思うんですよ。
この作者さんの物語はあったかいので、個人的には大好きです。私には合う話。
ただ、これは続き物……というのかな?
「愛こそすべて」という会社が関わっている主人公の違う別物語です。
こちらの物語は前作品の「花冠のセオリー」でも活躍していた蓮音とその蓮音が預かっている智久の話。
智久は一緒に暮らすうちに、どんどん蓮音に惹かれていくけれど、蓮音は智久から一定の距離をとって決して近づいてこようとしない。
そんな中、蓮音と仲が良さそうな剣と至誠が現れると、今まで見たことの無い表情を蓮音が二人に対して見せるのを目撃してしまった智久は……? という話でした。
なんというか、個人的にはもっと、あの時の話のその後が読みたい! と前作のことを考えながら、でもこの二人のカップルについてもきちんと楽しみたい! という二つの心がぶつかり合って、逆に楽しめなかった感がとても大きいのがちょっと残念。
作者さんは、この本が始めての人にもわかりやすいように……と思って書いてくださったんだと思うんですが、個人的には前作をきっちりと知っているので、もうちょっと「愛こそすべて」の名前をもったいぶって出してくれてもよかったのかもしれないな……と考えたり、本当にいろいろです。
個人的にはちょっと中途半端だったかなあ……と想いが拭えなくて残念。
もう少し、どっちかに寄せてくれたらもうちょっと楽しめたのかな、と思います。
シリーズの前作は拝読していませんが、こちら単体でも大丈夫だとのこと。ですが…こちらの作品…すくなくともこちらだけを拝読すると、とっても不親切に感じられます。というのは、主人公である智久に関する重要な事柄も、お相手である蓮音に関するそれも、お話の最後に一気に…ほんとうに一気に種明かし(?)されるのです。
しなくてもいいような思わせぶりな言い回しを何度も繰り返し、さんざん横道にそれたりなんかしながら展開させていき、ようやくキーマンが現れたかと思えばきゅうにテンポが速くなる。…なんだか、後半になって突然、強制給餌させられている気分になりました。読者はフォアグラになるカモではないのだから、もう少し丁寧にお話を進めてほしいですね…。
色んな伏線(?)を張り巡らせた後にそれらの正体を一気に明かそうという…その流れ自体は悪くは無いと思いますが、その正体…とくに蓮音に関する事情はあまりにも予想外すぎて、吃驚を通り越してポカーン…でした。
先ほどからこのレビュに(?)を取り入れているのは、狙いは判るけれども、どうも空回りしている感が否めないからです。伏線が甘い。設定が多すぎる。それゆえ後半に明らかな矛盾が生まれてしまっているようなので、お話の完成度は、あまり高くは無いという印象を持ちました。
せめて主人公に共感できたら…と思いましたが、いかんせん視野が狭くて細胞の少なそうな言動が目立つ智久なので、それも…ちょっと残念でした。
こういった…事件性を孕む作品は、お話の流れにもキャラの考え方にも、とにかく論理的展開が大切だと思うのです。1→2→3と順番に展開させなければならないものを、読み手の補完にまかせて1→3と一足飛びしてしまっている気がする。
それに、強調させたい語の横につける「・」がやたらに多いので、読み手の注意力を散漫させてしまっていると思いました。結局なにを強めたいのか判らない。結局なにが言いたいのか判らない。
もう…とにかく自分の好みではなかったので辛辣に言ってしまいますが、いろいろと…狙いが裏目にでている作品だな、と思いました。