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シリーズ三冊目。思わぬ方向から暗く重い展開になり、凛一は氷川と音信不通だし、前半はずっとしんどい。後半もまた別の辛い話が出てきて、ついに別れ話も始まりそうだと思ったら、ちょっと意外な結末。すっきりはしないけど、まあ一つの結論ではあるのかな。
凛一と氷川は、氷川からたまに一方的に電話を掛けるだけの関係なのに、付き合ってることになってるのかな。氷川は特定の彼女がいるし、凛一が京都まで行かない限り会わないし、でも嫉妬はするらしい。かと思えば音信不通になってしまって、別れの気配だけを漂わせてハッキリしない。
作品の雰囲気がガラっと変わったのは、正午の異変がきっかけ。あんなに生意気だった正午が憔悴し、心が壊れてしまったようで見ていられない。そんな正午を引き受けた凛一も、ついには限界を迎えそうになる。で、そこで出てくるのが氷川。
氷川の出した結論は、表面上は最初に凛一を受け入れたときと変わらないと言えるかもしれない。笑って女と二股宣言、嫌なら去れの姿勢。でも確実に変わったところがあって、少なくとも男と先に進めないと悩むことはなくなった。
京都へ来いと誘う氷川は、今後どうやって二人と付き合っていくつもりなんだろう。氷川の彼女は承知していないだろうし、千尋に頼れなくなった凛一が耐えられるのかも不安。
いろんな人の重い過去が語られ、こちらの精神的ダメージも大きかったけど、とても面白かった。ちなみに何が起こったか分かる描写になってはいるが、性加害系は詳細までは描かれない(それ以外の胸糞描写は結構ある)。
次は最終巻、心して読みたい。