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シリーズ二冊目。凛一と氷川の関係は続いてはいるが曖昧なまま。今作は新キャラとの話と凛一の将来が大きなテーマかな。気になるとこでブツ切りされる形で終わるので、すぐに次巻が欲しくなった。
前作で言っていた通り新聞部に入部した凛一は、写真の現像中に有沢と出会う。例によって人の話を聞かない人物だったが、第三者によりすぐに誤解は解けるので、サクサク読めた。
凛一も有沢も、捻くれまくってるせいで会話が難解。ごまかしたり嘘だと言ったり試したり、そんな中に本音を散りばめているので厄介。さらに心の奥底にある何かが暴かれそうになったりもして、その芯を突くセリフの数々にしびれた。
氷川との関係はよく分からない。凛一に対する独占欲を見せる氷川だが、簡単に離れてしまいそうでもある。ただ、凛一が助けを必要としてるとき、特に精神面で支えが必要なときにはタイミングよく現れる。といっても偶然ではない。連絡手段が限定された時代でこれはすごい。
終盤の展開はキツかった。凛一の結婚を含めた将来が、一族の総意ですでに話が進んでいる現実を知る。心の準備ができていなかった凛一が頼ったのは、自身の初めての相手であり、似た境遇と思われる千尋。千尋の物語も、これはこれで辛くて切なく、知れば知るほど魅力を感じる。
ラストは氷川との別れの気配が濃厚。凛一の決断はどういうものだったのか、答えは次巻に持ち越し。次を読むのがちょっと怖い。
『白昼堂々』の続編。
凛一は高校二年生となり、享介は京都の大学に進学してアメフトを続けています。
遠く離れても時々電話をしたり、叔父の千尋宅へ行ったりする時に会うという付き合いを続けています。
時代が1970年代なのでもちろん携帯などなくて、家電のみ。
留守電も無いので、電話しても居なかったなどのすれ違いがよく起こり、それがもどかしいけど風情がありますね。
高校で写真部に入部した凛一は、一学年上の有沢改という人物と出会って有沢から写真のモデルになれと言われます。
遠く離れた場所にいる享介への想いを抱きながら、有沢にも惹かれていく凛一。
有沢とは少し似た境遇で、シンパシーを感じていたり、思い通りにいかない享介への想いから、手に届く存在に心が揺れるのは理解できました。
そういう話を聞いてもらえる唯一の存在である千尋は結婚してしまい、省子には享介に対して誠実でないと咎められ、凛一の孤独が深まった本作でした。
おまけに華道の跡取りとしての外堀を固められつつあり、凛一が可哀想でしたね。
それとなく大学も京都に行かないで欲しいと言われてしまいます。
享介は京都で女性とも付き合っているのですが、凛一の事も大事に思っており、有沢の存在を知って嫉妬したり…大変もどかしいです。
続編がまだあるようなので、早く入手したいと思ってます!