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公務員×バーテンダーの異業種交流v
まず、綺月先生のこういう作風は珍しいと驚かされました。
突っ込みたい処もあるのはあるんですけど、お話の勢いに圧倒されてあっという間に読んでしまいました!
先生の作品にしては、疾走感たっぷり&読後感もいいので私的にオススメ作です。
オカマバーを舞台に恋愛物語が繰り広げられていきます。
オカマバーと聞いただけで躊躇しそうですけど、オカマ世界の様々な事情を人間ドラマ風に垣間見ることができて新鮮でした。
ぶっ飛んでしまうような言葉や、内容が次々と繰り出されていくので、異様なテンションの高さで進んではいくものの、明るさの中に隠された、人間的葛藤であったり、疎外感や非痛感といった部分も織り交ぜながら展開していきます。
恋愛観や人生観が丁寧に書かれていて、素直に感動させられ、とても読み応えのある楽しい作品でした。
オカマさん達が皆お世話好きで優しくて、その力強さ、人を許せる心の寛大さ…人間味溢れた人達ばかりなのも見所です。
オカマバー『物の怪小町』を舞台にした、2カプの恋愛物語。
メンイカプは、
女子高教師•光橋 × バーテンダー•京一の元同級生&再会&長い片思いもの。
脇カプは
スポーツジムインストラクター•小峰 × オカマバーのナンバーワン•樹里の元恋人同士だった2人の恋愛事情が繰り広げられいきます。
メンイの方は、学生時代から大好きでたまらなかった光橋と、まさかのオカマバーでの再会に驚く京一。
心の中では嬉しくてたまらないのに…素直な気持ちを伝える事ができない京一は、虚勢をはって酷い言葉ばかりを投げかけます。
その発言が痛々しく、意地っ張りな京一の言葉の裏に隠された、本心が伝わってくる分、読んでいてハラハラせつない気持ちにさせられます。
樹里が京一の事を、『バラの棘症候群』だと言ってるんですけど、まさに!…といった感じでした。
そんな棘だらけの、痛々しい京一を見かねた樹里が、女装をして光橋の前に出て見ることを提案してきます。
無理やりオカマの面々に剥かれ、あるものまで填められ!
(ここまで書かれるんですかと驚かされます)
姿は美しい女性に変身する京一!
何故に女装をと突っ込みたくはなるんですけど…(笑)
面白い事に、物の怪マジックにかかっていくんです!
あれだけ、意地っ張りで気の強かった京一が、女装をすることで素直になっていきます。
そのギャップが意外に可愛くてキュンとしました。
長く思ってきた一途な恋心を、少しずつ素直に…大胆に覗かせていく展開にドキドキ!
最後いても立ってもいられず、店を飛び出して追いかけていくシーンなんかは、本当に応援してました(笑)
光橋も実は学生時代から京一の存在が気になっていて…。
本当は普通に接したかったのに、京一の刺々しい態度を見続けて、自分は嫌われていると思っていたんです。
でも店に訪れる度、京一が女装姿で出迎えてくれるようになったことで、彼もまた変わっていきます。
何となく優等生タイプかと思っていたら…。
結構ノリも良く、ここぞの場面では押し押しの男らしいタイプの攻様だったのが良かったです。
Hの時の攻め言葉も好み系でした。
京一の不器用さを理解した、包容力のある攻め方は素敵でした。
そして、真面目過ぎてKYの小峰 × パワフル過ぎるオカマの樹里。
京一を友人だと思い、厳しく…優しく言葉をかけていた樹里は強そうなイメージなんですけど、実は心の内では色々葛藤していて臆病な人でした。
あることがきっかけで、大きな溝ができて関係がこじれてしまっている2人。
胸にもシリコンを入れて…姿は美しい女性にしか見えないんですけど!
心は女性なんだけれど…小峰もそれは分かっていたのに…実際は⁉︎
難しい問題な訳です!
決して嫌いになった訳でなく、お互い間違いなく好きあっているに、うまくいかないんです。
でも最後は、KYだとばかり思っていた小峰が、凄く男らしい一面を見せてくれて、樹里の孤独な心の内を一気に晴れやかなものにする堂々とした態度に、一気に心を掴まれてしまいました。
もうこのエピがジーンとさせられます。
世の中、色んな人がいて、色んな生き方や、想いがあって…
楽しい事ばかりじゃなく、悩みや辛いことも沢山ある訳です。
それは、表面だけではわからない事も多くて…
自分の事を分かってもらいたいけど、受け止めてもらえるか怖い!
自分もその人に対して、どこまで曝け出していけるのか⁉︎
共に人生を歩んでいけるか?
色々考えてみると悩みは尽きません。
この作品のキャラ達のように、友人でも恋人でも理解してくれる人がいることは宝だな〜と改めて思いました。
本当に2カプ共に上手くいってくれて、幸せになってよかったです。
ちょっぴり人とは変わっている恋人同士かもしれないけれど、とっても素敵なカプでした。
最後の京一の姿は爆笑です。
あれだけ嫌がっていた『物の怪小町』にすっかり染まった京一!
そして、一生を共にできる、自分を一番に理解してくれる恋人を手に入れた樹里も、今まで以上にパワフルで(笑)
バカップルを目にした五郎ママが呆れながらも、まるで自分の子供達を見守るような、温かい気持ちで見守っている姿がほのぼのとてもいいラストでした。
それにしても『物の怪小町』みたいなオカマバーが存在するなら行ってみたいですね(笑)
私も、物の怪小町一同様のパワフルな接客を受けてみたい!
恥ずかしいですけど、お下品全開ドリンクを全部自分の口で注文して、飲み干したいな〜と思いました。
まず、京一なんですがツンデレなんて可愛いレベルじゃないです。航洋と顔を合わせれば暴言ばかり。物の怪小町で1番人気の樹里のことも八つ当たりで傷つけます。
1度ならず2度もですよ。ちょっと呆れてしまいました。
航洋にも「最低」と言われますが、これは自業自得。
でも物の怪小町の姐さん達は良い人たちなんですよ。ママも樹里も京一の良き理解者であり、可愛がっているのがすごく伝わってきます。
樹里が小峰とのことを京一に話すシーンが好きです。樹里に「俺がもらってやるよ」という京一が妙にかっこいいんですよ。キスも良かったな~。
ここまできてやっと京一が好きになれました。
京一の女装シーンで、航洋が貞操帯を外そうとしたところにはすごくドキドキしました。
ノリでキスしただけで独占欲丸出しになる航洋にさらに萌えー!
ラストは難なくハッピーエンドです。この二人の場合は本当に会話が足りなかっただけですからね。お互いのことずっと意識してますし。京一が素直になれていればもっと早くにくっついたんじゃないかと(笑)
一方、樹里と小峰の話。こっちは思わず泣いてしまいました。樹里の後ろから現れる小峰が男前すぎて…!お姫様抱っこくるくるのプロポーズがまた素敵なんですよ~!幸せな気持ちになれます。
正直、想像していたよりもずっと面白かったです。お気に入りのシーンは貞操帯のところ(笑)
オカマバー「物の怪小町」で働く佐々木京一は、人と関わることが苦手な青年。
三ヶ月前に無理やり、以前働いているバーから、「物の怪小町」のバーのママに引き抜かれた整った顔の青年。
ところがある日、常連の客が連れてきたのは、高校時代に京一が憧れ、普通に話をすることすら叶わなかった光橋航洋。
店のナンバーワンといちゃいちゃする航洋を見て、つい京一は、また要らぬ言葉を口にしてしまう。
ところが、そのことが原因で店の仲間に京一が航洋のことを好きなことがバレてしまう。
「いいことを思いついた」という仲間に半ば無理やり女装をさせられ、ホールとして、航洋の相手をさせられることになる。
ところが、服装が変わっただけで、自分の気持ちを素直に口にできるようになった京一は、それが嬉しくて、航洋をまじまじと見つめてみたり、今までの自分ではできなかったことをやって有頂天。
挙句に、「押し倒してみろちょ」なんて大胆に誘ってみれば、航洋に下半身を触られて……という話。
あんまり上品じゃないオカマバーで、働く京一は、どうしてみんながそんな振る舞いをするのか理解できずにいたけれど、航洋再会して、その恋を応援してもらって、それと同時に嫉妬も味わって。
それでちょっとずつ、今まで一人でいい、友達もいらない、という京一の気持ちも動き出して。
航洋に対しても、女装することで、心機一転、新たな関係を築けるようにもなって、順調に進んで。
最後は、ハッピーエンド。
それ自体はなかなか悪くない雰囲気でしたが。
何せ、ハッピーエンドになってからの京一のデレ加減がすごい。
後、ツンケンしていた頃の京一の暴言がひどい。
あんなこと言ったら、とうの昔にたたき出されてもおかしくないのに、みんな心が広い……。
そして、思っていたよりも、脇役に力が入っちゃってごめんなさい、パターンの典型だなー……と思ってしまいました。
正直言って、お店のナンバーワンの樹里の恋愛なんてどうでもいいっちゃどうでもいいし、本編にはなくても構わないと思うんですけど、しっかりラストがどうなったかまで書いてあって……
まぁ、悪くはないんですけどね。
どっちかっていうと、その分だけ、京一の話が一足飛びになってしまったような気がしなくもないんですが、もともとごちゃごちゃした話だし……という感じの微妙なところでした。
オカマバーの描写なんか、とってもリアルだったんですが、なぜ、そこで急に女装に飛ぶのかよくわからない辺りがなんとも。
にぎやかなBLが好きな方にはオススメかもしれません。
グロや痛いのがお好きな?綺月先生の、笑いあり涙ありの女装BL話です。
舞台はおかまバー「物の怪小町」
主キャラは、そこのバーテン「京一」とナンバー1「樹里」の受け組。
京一、12才の出会いから「航洋」が特別で、同級生だった6年間は感情をツンツンで隠していた。
嫌われても航洋の心に自分が残る事を取ったのは、如何にも天の邪鬼な京一で、進路が分かれて又6年、その思いを燻らせたままで「物の怪小町」の再会となる。
樹里、店で「小峰(コミティ)」と出会い、さてHと言う時に、工事していない樹里自身を小峰に触れて貰えずケンカに。
それから、ホステスと客という関係のままでいる。
主に京一視点、そして他3人それぞれの視点で書かれた事によって、どうしてそうしてしまったか?や今の想い等、ダイレクトに伝わってきます。
受けどっちも、攻めに対して受け入れて貰えないのを前提としているんです。
京一は、男性同士という事に自分の天の邪鬼さに。
樹里は、女じゃないと言う事に。
相手は「普通じゃない自分」を求めていない、自分じゃダメなんだって諦めている。
こういう健気な引きって堪らないんです。愛しいんです。
そして、攻めの方
航洋の記憶に焼き付いている京一の上半身ヌードや俺ってホモ?の疑問、小峰の言い訳(樹里のモノが駄目だったらもう店に通わないよね)とか、受けの事を真面目に考えてくれる正直な彼らで良かったなぁって嬉しい!
京一の女装や、小峰のスポーツクラブでの告白・・・一歩抜け出す為の勇気が想いを通じさせてくれて、本当に良かった!
彼らに見習うべき所多いなぁって思いました。
他の登場人物達のグッジョブのキャラと、店の盛り上がり♪
素敵なドリンク名の数々~♪(嬉々)
侠(おとこ)の絞り汁→焼酎のカルピス割、魅惑の母乳→ココナッツミルクのカクテル・チチ、男の脇汗、ニューハーフの涙~♪
絶対行きたくなる素敵なお店でした!
しょっぱなから度肝を抜かれました!物の怪たちのお下劣なテンションに(笑)
下品な下ネタ炸裂で、もういっそ清々しいほど。
「そうそう、オカマバーってこういう感じだよな~」な臨場感が抜群です。
馬鹿みたいにテンションが高い物の怪たちは、心がとってもあったかです。
色々なことを乗り越えてこの物の怪小町にたどり着いたオカマちゃんたちは、自分たちが沢山の傷みを知っているから、人の痛みにも敏感で、とっても優しい。
このお話は、物の怪たちの強さと優しさに支えられたお話だった気がします。
設定だけ見ると「ギャグかっ!」って感じだし、実際読んでいても爆笑するようなネタや会話が多いんですが、要所要所でほろりとさせられたり考えさせられたりするんですよね。
私は、ママが言った「オカマが我慢強いから耐えるけど、それは許すってこととは別物」って言葉にドキッとしました。
耐えても心はちゃんと傷ついていて、逆に許せないって気持ちがあっても笑っていられる。
なんだか切ない強さだと感じました。
そんな物の怪さんたちの優しさに触れて、受けが沢山色んなことを考えたり感じたりするのが、とっても嬉しかったです。
人付き合いが苦手で自分自身も半ば諦めているような受けなんですが、オカマちゃんたちに背中を押されて少しずつ素直になる勇気を覚えます。
ていうか、本当は好きなのに酷い事ばっかり言っちゃって、あとで「俺って馬鹿」って凹むような天邪鬼受けのお話は今までも沢山読んできたんですが、この受けは酷い事言いながら考えることが「俺って馬鹿」じゃなくて「わぁ、目があったよ」なのが可笑しかったww
不機嫌に「なんだと!?」とか言い返されたら心の中で「会話しちゃった!」って!!!
それは会話って言うのか?(笑)
これまで読んだ「人付き合い苦手」って設定のお話は、「苦手ってより単に性格が悪いだけじゃね?」って思うものが何気に多いんですが、この受けちゃんはもう、ホントにホントに不器用で苦手なんだな~って笑えました。
とってもハートフルで素敵なお話だったんで、「神」でも良いかな?って思うんですが、もう片方のカップル、樹里ちゃんとコミティが微妙だったんで「萌」で。
そちらもとっても素敵なお話で、ほろりともきたんですが、私的にあれはBLじゃない。少女マンガか人間ドラマです。
以前「のばら」のミミ君シリーズでも思ったんですが、私はやっぱり「男×心が女の男」をどうしてもBL認定できません><
いや、ホント、素敵なお話だったんですが…。萌えがないので……。ゴメンナサイ。
帯『『スケベは男の本能だ。』
タイトルでへ??ってなるかもですが、妖怪物ではなく「物の怪小町」というオカマバーで繰り広げられる恋愛話です。
この話の何が良いって出てくるオカマさん達が凄く優しくて凄く良い人達ばかりな所。
そこがねーー凄く良いんですよ。途中でちょっと泣きそうになった位に彼(彼女?)達が素敵でした。
オカマといっても樹里の様に美女と見まごうばかりの美形から、まさに物の怪の如くのオカマサンまで色んな人がいるんですが全員もっそい優しい!
京一[受]は綺麗な顔立ちはしているのですが、口を開けば他人を怒らせてしまうという不器用な毒舌家で物の怪小町ではママに引き抜かれバーテンとして働いています。
店にかつての京一が密かに想っていた相手の航洋[攻]が訪れるんですが、そこでも京一は憎まれ口ばかり叩き、ついには同僚のオカマ達をバカにする台詞さえも言い放ちます。
それは流石に同僚や店のママも怒るのですが、そんな事を言われても結局は樹里は許してくれます。
良い人だなーーホントに良い人だー!!
樹里は京一が航洋を好きな事に気付いているので、強引に彼を女装させ航洋の席へと一緒に座りさり気なくくっつけようとまでしてくれるんですよ~。
憎まれ口ばかり叩いていた京一ですが何故か女装した事によって航洋と色々喋れる間柄になりそれに少し驚き同時に喜びを感じます。
そして毎週金曜日、京一の指名の時だけ女装をして席へ着く事に。
航洋も実はずっと京一に魅かれていたので次第に近付いていく2人の仲。
ほぼ京一視点で語られていた話なんですが、途中で一部樹里視点に変ります。
樹里はシリコンの見事な胸と美しい顔、そして男性器を持つ綺麗なニューハーフです。
ですが自分の男性器を性的に嫌なものだと考えています。
そんな彼女と小塚との恋愛話。
このエピソードが無茶苦茶良いーー!樹里は可愛いし、小塚はちょっとズレてるけど芯は男らしくて格好良いー!!
他人の目も気にせず愛を語ったシーンはちょっと読んでて涙目。
京一と航洋もなる様になっちゃいます。
最終的には樹里と小塚、京一と航洋との2カップル誕生でそれをママが温かいまなざしで見ている所が良かった~。
ともかく出てくるオカマさん達の優しさがたまりませんでした。
後書きで意外だったのは綺月さんにとっては今までBLタブーが女装だったそうです。
まあ女装ネタは好き嫌いがあるものですが、綺月さんがそうだとは知りませんでしたよー。
綺月さん初読みです。
イラストがどうも私好みじゃなくて、扉絵を見て、う・・・とちょっと積読だったのですが。
読み始めると、ん?何この下ネタ全開のコメディーと圧倒されたのですが、京一が初恋の航陽に再会したところから、引き込まれていきました。
素直になれない京一を、暖かい目で見守る物の怪の人たちはとにかく素敵。
そして、京一も少しずつ変化していくのがとてもかわいかった!
反対に航陽が、スケベオヤジ全開で悶絶するのにも爆笑!!
もう1つのCP,樹里とコミティは、文体を替えて描かれているのがまた更にインパクトを大にしていてよかったです。
樹里さんの涙には、一緒につられて泣いてしまいました。
最後には文句たれてたオバンまで拍手というのに、綺月さんの暖かい愛を感じました~!!
とにかく面白いので、オススメです!!!
最初の発売日から延期延期でやっと発行された本です。
こんなタイトルなので、妖怪ものなのかな?なんて思いながら読み始めたのですが、全く違いました。
このお話の主な舞台「オカマショー&バー」のお店の名前でございました。
で、主人公のバーテンダー・京一はこの店で唯一男の姿のままカウンターに入っている店員なのです。
そこへやってきたのが高校時代にあこがれていた同級生・航洋で・・・
先日読んだ砂原糖子さんの「天邪鬼の純情」も題名のとおり天邪鬼が主人公でしたが、こちらも負けず劣らずの天邪鬼でして、大好きで仕方が無かったのに、反発するしかできなかった京一だったのです。
オカマの樹里ちゃん曰く「バラの棘症候群」を患っているのですから。
もどかしい二人の恋を後押しするのが「物の怪小町」のママをや樹里ちゃんをはじめとするオカマちゃんの面々です。
あるときは慰め、あるときは叱り、あるときは突き放し、でもずっと温かく見守ってくれているのです。
おかげで思わぬ女装をしてしまったりもするのですが、これが意外と嫌がっていないというところにちょっとクスッとしてしまいました。
そして、陰の主人公が樹里ちゃんとコミティ。
煮え切らない男だとばかり思っていたコミティが、実は相当いい男だと言うことに気づかされましたよ。
とにかく、コメディなのに色々考えさせられて、さらに心があったかくなる良作だと思いました。
限りなく神評価に近い作品だと思います。
オカマバー&ショーパブ「物の怪小町」を舞台にしたお話は、それはそれはエグいオカマが勢揃いして、お下劣を連発しお笑いのような顔をしているのに、実は男なのに男でない、女なのに女でない、そんな悲哀を多分に含んだオカマバーの人々の話にもなっている。
素直になれない主人公・京一がオカマの面々に助けられて自分に素直になるという大筋なのであるが、バーのメンバーみんなが主人公のようでもあり、こんな面白い話なのに、オカマ達の本音に思わず涙が誘われた(涙、涙、、)
このオカマバーのノリ、、大げさだけど身に覚えが!!
決してウソではありません。
店で唯一男性(?)で女装していないバーテンの京一が、客としてやってきた、中学高校と6年間見つめ続けてきた航洋と再会するのです。
当時も反発しまくりで、天の邪鬼な発言と態度しか取れなかった京一はまたしても航洋につっかかってしまい、それは店の№1の樹里をも巻き込んで険悪なムードに。
本当は、航洋と仲好くなりたい京一。
そんな彼に樹里がとった作戦とは・・・
主人公は京一で、航洋との恋の成就がメインですが、同時進行で樹里の恋の成就も展開されていきます。
本音をさらけ出すことのできない京一と、
本当の自分を受け入れてもらえない事に悩む樹里。
男が男に愛されるということが、BLの世界では割とスムーズに進む物語が多い中、これは現実の障害を突きつけています。
京一と航洋は、ホモカプなんで理想的ファンタジーなんですが、樹里の部分が現実なんですね。
それが、京一カプを後押しすることでうまくいくという相互作用をもたらしているので、一体どっちが主人公?という気もしないではないですが、主役が二組あってもいいじゃないですか!
一粒で二度おいしい、ってことで♪
心優しいオカマたちに後押しされて、自分を普段の自分でない姿で本音をさらけだせるようになった京一の姿は、ちょっと間違ってる?な気もしないでもないですが、何せ「物の怪小町」ですからww
それはそれで充分においしい設定です。
そして、航洋もイケメンのくせにスケベオヤジ全開している姿は本能に正直で、大変に好ましい攻め姿でしたww
今、TVを付けるとオネエがたくさん登場しています。
性同一性障害も大々的に取り上げられ、なかなかにタイムリーな下地の話だだったと思います。
作者さんが、彼等と親交があるからこそ描けるオカマの悲哀だな、とも思います。
ファンタジーと現実と、両方が存在するこの話、結構好きです。
発売が延々と延びたこの本、、色々苦労もあったのかな?