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三代目オーナーの透吾の、八嶋真珠店は、前代未聞の苦境にたたされていた。
仕入れの宝石が盗品で、警察が押収。お客はただでさえ少なかったのに・・・
倒産寸前の店に救いの手をだしたのは片倉右京だった。以前に宝石をたくさん買っていただいた人だった。融資とともに右京の嫁になる。
右京の嫁になって、自由がなくなるが、透吾のことを考えてだが、はじめはきけずにいた。
抵抗するが、やがて身を任せ荒々しく抱かれ、気持ちも身体も右京なしではいられなくなる。
自分の宝石店潰れそうで、色々と良い条件ばかり出されて最初は断っていたけど、最後はOKしたみたい。
OKした理由って男妾?右京は宝石を買いに来た時の一目惚れだったらしいけど、透吾はどこに右京の引かれたのか?店に来たときカッコいいと思ったらしいけど。
裸に剥かれて、流されてセックスして…透吾にそこまで魅力を感じない。27歳までキスの経験もないらしいですから、冴えないイメージしかない。
中国人の李も透吾を誘拐しちゃうけど、1回会っただけで透吾の何処に引かれたのかわからない。透吾が駄目だとわかったら、今度は右京のお兄ちゃん? 李は右京の物が欲しいだけなんじゃないのか。
透吾と舎弟たちの、アレの時が辛いとかアレが、アレでみたいなやり取りには笑ってしまった。
表紙からヤクザモノなのは一目瞭然、帯には「約束を破った罰に仕置きだ、快楽の淵で一日中もだえろ」なんてエロな煽りが書いてあり、シリアスなんだと思い読み始めると・・・・
中原一也さんの「極道スーツ」のようなお話なんですが、アレが間抜けて、コメディになった(?)、、、そんなお話なんですよ。
何より大ボケなのが、主人公の透吾。
銀座の宝石店の3代目なんて、かなり色々な面しっかりしてなくちゃ、って思うんですが、のんびりしてる。
盗品騒ぎで店が潰れそうになっても危機感が伝わってこないし。
結局ヤクザ片倉の言いなりで、男妾になるんですが、緊迫感もなく、天然か?妖精さんか?いや、ちょっと違うよな~と首を傾げたくなるのんびりさん?
そして片倉の兄で画家の衛も変な人。
透吾がお仕置きされてる現場へうっかり「嫁を見に来た」とか言って、色々されてる責め具をいじり倒して、透吾を悶えさせてしまい、あげく、その顔にインスピレーションを得た!とか言って絵を描く、絵のことしか頭にない人。
また何より変なのが、片倉の取引相手で懇意にしている中国マフィアのボスの李さん!!
右京の大好きなきれいなものを貰うとか言って、透吾を中国にお持ち帰りしちゃう。しかもとんでもない寂しがり屋さん?
透吾を片倉に奪還されて、二番目に好きなものを貰うとか言って、兄の衛を名指しして、透吾から脱がせたブリーフを振ってさよなら~♪とか、、透吾の息子を見て”こんにちわ”とか挨拶したり、、、、
(作者さん、この李さんと衛で続編考えているのか?)
片倉の舎弟のメンツも、こんな透吾と突っ走りの親分の元にいるので、もう大変なんですよ。
自由が欲しいと、薬局で舎弟の面々を困らせる透吾とのやりとりは爆笑でした。
そんなで、色々読んでいて噴き出して笑ってしまうシーンが沢山あって楽しかったんですが、てんこ盛りすぎてまとまりに欠けてしまって、どちらかきちんと柱を作ってほしかったです。
今一つ中途半端で、そこが残念でしたね~本当、面白かったんですけどね。